二次創作小説(紙ほか)

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.11 )
日時: 2020/08/29 08:36
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 こんな噂、知ってますか?
 第1話の次の話は、花子くんの話だそうですよ。
 ぜひ、お楽しみに))おーい桜ちゃん早まりすぎだよー!!

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 〈睦彦side〉


 鎹鴉「次は、北北西! 北北西!! カァ——————!!」
 

 冬の風に吹かれながら、任務へと進む三人トリオ。
 その中で唯一の女の子はおにぎりをほおばりながら、ケラケラ笑っている。
 女の子を挟んで言い争っているのが誰だかは、もう皆さんご存知の通りで。

 
 睦彦「だーかーら、お前は剣の振りが小さいんだって!」
 亜門「うっせーな、力が出ないんだよ!」
 睦彦「運動しろよ!!」
 亜門「体弱いからほどほどにしとけって医者に言われてんだよ!」
 睦彦「すまん!!」

 漫才かと疑うような、テンポのいい会話を聞き、胡桃沢は終始ごきげんだ。
 しかし会話をしているこっちの気持ちとしては、晴れやかではない。
 

 景色は延々と田んぼが続く田舎の風景。
 時折俺の肩に止まった鴉や、同期の雀や鴉がハーモニを奏でる。
 これが琴や三味線の音色だったらうっとりと聞き入るが、何せ鳥の合唱だ。
 つまり、凄くうるさい。

 豆吉「チュンチュン! ねえ封仙さん、うちの仁乃って可愛いでしょ!?」
 金剛「うちの亜門の方が頭いいね」
 封仙「俺んとこの睦彦も強いぞ」


 だなんていう鳥の会話は人間には分からないのは当たり前だ。
 鳥のコーラスと、俺と亜門の論争と、胡桃沢の笑い声が重奏となり響き渡る。


 亜門「俺もお前に言いたいことがあるんだが」
 睦彦「んだよ」
 亜門「チビ」
 睦彦「うるせえよ!!」

 仁乃「あーもう、お腹痛い。あはははははは!!」
 亜・睦「笑うな(笑わないでよ)!!」
 仁乃「だ、だって二人とも、メチャクチャ仲いいんだもん」
 亜・睦「良くない!!」

 また、声がハモったので、俺はキー——と地団太を踏んだ。
 亜門も、やってられないというふうに首を小さく振る。


 睦彦「真似すんな馬鹿!!」
 亜門「こっちのセリフだチビ!!」
 睦彦「チビとはなんだでかのっぽ!!」
 亜門「そんなにでかくはないだろ!!」

 仁乃「やめッw あははははははww」


 路上に、同期3人の笑い声と怒鳴り声と鳥の鳴き声が、絶えず響き渡っていた。 
 アーメン。

 まあ、戦闘前はこんなふうでもいいかもな。
 あと、俺ってやっぱり身長低いのかな………ハァ………。

 チビという単語に胡桃沢がいちいち反応してたことだけは黙っておく。
 ※身長145㎝。