二次創作小説(紙ほか)

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.28 )
日時: 2020/09/09 20:43
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)

 習い事終わったので書きます。
 ちょっといつもより短いかもしれないけど許してね。

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 〈寧々side〉


 花子くん、遅いなぁ……。
 私たちはというと、すっかりもう飽きてしまって今はダラダラと過ごしている。
 時々皆でしりとりをしたり、現代ではやっている「セッサン」や「ゆびすま」を教えてあげたり。

 それでも、時間は刻々と過ぎていく。
 葵や茜くん、待たせちゃって悪いな。
 それとももう家に帰っちゃったかしら。

 
 有為「う、臼」
 炭治郎「す……す………炭焼き小屋」
 睦彦「や、や、や…? あ、やばい男」

 善逸「えーそれありなのかよ?」
 睦彦「じゃあ……やばい女」
 伊之助「男が女になっただけじゃねーか!!」


 かまぼこ隊はさっきからずっとしりとり対戦の真っ最中。
 その横では、夏彦先輩が睦彦くんに10桁の計算を出題している。

 夏彦「えーっと、589145232たす35789135は?」
 睦彦「94703658」
 夏彦「スゴッ!?」

 仁乃「おー、むっくんカッコいいー!!」
 睦彦「そ、そうか?」
 仁乃「うん! 大好き!」
 睦彦「(カァ——————ッ)」

 もう、こんなところでイチャイチャしないでよー。
 リア充いいなぁ、憧れるなぁ…。
 でもただ羨ましがるだけだと理想は現実になれないわよね。
 睦彦くんだって勇気を出して告白したんだもの、私も頑張らないと!


 秒殺でスラスラと答えを言ってのける睦彦くん。神かもしれない。
 彼は、小さいころにお父さんに叱られたときにそろばんを投げつけられたらしい(それも凄い)。
 そのそろばんを弾いて遊んでたらしく、暗算が得意なんだとか。


 いいなぁ、きっとテストでもスラスラ答えられるんだろうなぁ。
 


 仁乃「ねえ、有為ちゃん。念話とかってまたつなげたりしないの?」
 有為「念話、ですか?」
 仁乃「うん。そしたら、花子くんと念話とれないかな」


 さっきからずっとケラケラ笑って皆を眺めていた仁乃ちゃんが、ハッとして有為ちゃんに尋ねる。
 それは盲点だった、と有為ちゃんは一瞬顔を曇らせたが、直後真面目な顔で頷いた。


 有為「分かった。やってみる」
 夏彦「頑張れ有為ちゃん☆」


 有為ちゃんはすくっと立ち上がると、何やらブツブツと詠唱を始める。
 と、彼女の体からポウっと淡い光が発生し、それは輝きを強めた。


 寧々「わ、きれい」
 伊之助「俺もやりてぇ!(←出来ません)」


 一同が、見慣れてない光景に興奮する。
 そんな私たちを見て、有為ちゃんは僅かに肩をすくめる。
 

 有為「念話発動!!」



 〜ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん〜


 ………前から思ってたけど、効果音ってこれしかないのかしら。
 もっとこう、バーンとかビューンとか、ズバババババァァンとか、種類があってもいいのに。
 まあ、こういうゲーム音楽のような効果音も、刺激的で悪くもないけど。

 どうせなら、少女漫画とかでよくある、キラキラトーンみたいな感じの音楽とか。
 キラキラキラーッという効果音が流れると同時に、かっこいい男の人が……。
 わ、私ったら何をしてるのかしら。人の技で勝手な妄想しちゃいけないわよね。


 花子(つかさ重ッ……げふッ)
 つかさ(かたぐるま—! 高ーい!)


 有為「よかった、つながりましたね」
 夏彦「つかさ、七番と行動してるんだ? お嬢—!」


 桜(夏彦!? あなた今までどこに行ってたの?)


 ずっと姿を見せなかった夏彦先輩。
 気にしてないだろうと先輩は言ったけれど、やっぱり七峰先輩も心配してたのね。

 
 夏彦「えーっと、無限階段の中に」
 桜(は??)
 夏彦「お嬢が、そんなに俺のこと心配してくれてたなんて……これは、愛だね」
 桜(んなわけないでしょう)


 秒殺で、夏彦先輩のエコーボイスをサラッと切り捨てる七峰先輩。
 がっくりと肩を落とした夏彦先輩を、炭治郎くんが必死で慰めている。

 炭治郎「人間生きていればそう言うこともあります。元気出してください」
 夏彦「は、はい」


 それにしても、花子くんがよりによってつかさくんと行動をとるだなんて。
 一体どうして、そんな選択をしたのかしら?


 寧々「花子くん!」
 花子(ヤシロ、ゴメン遅くなって。待ってて、すぐに行くからね)
 寧々「ええ。なんで、つかさくんと一緒に?)
 花子(んーと、Gを倒した戦果で)


 ………意味が、よく分からないけれど、二人の中で少しずつ仲が深まったのかしら。
 実際大正時代では、ほんわかと暖かいオーラがあったものね。
 私と七峰先輩たちは敵だけど、一緒に話していて楽しいし。

 こういう関係も、いいのかもしれない。


 睦彦「花子! さっさと来ないと殴るぞ!」
 花子(えぇ!?)
 仁乃「むっくんの言うことは気にしないで。待ってるから!」
 睦彦「ちょっ、胡桃沢!!」


 睦彦くんは、いつも花子くんにからかわれているから、どうしてもやり返したいらしい。
 そして善逸くんは、彼女がいる睦彦くんが羨ましい。


 善逸「睦彦…どうやったら好きな子と仲良くなれる?」
 睦彦「は?」
 伊之助「あー腹減ったぁ!」


 そして、そんな中ただ一人、伊之助くんが終始お腹を空かせていたのだった。
 やっぱり、かまぼこ隊と一緒にいると楽しいな。
 事件が片付いたら、大正時代でみんなと美味しいものでも食べに行こう。約束よ。