二次創作小説(紙ほか)

Re: ろくきせ恋愛手帖【短編集】 ( No.29 )
日時: 2020/09/10 18:42
名前: むう (ID: 9Yth0wr6)


 運動会、終わったぁぁぁぁ!
 でも、明日授業とか最悪やぁぁぁ!
 授業なしにしてくれって先生に頼んだらクビになるらしいからごめんなさい!
 勉強も執筆もいつも通り頑張っていきます。

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 〈花子side〉

 まさか、かまぼこ隊が来てるとは思わなかったな。
 多分、なかなか俺たちが女子トイレへ来ないんで、痺れを切らした宵宮がドジったんだろう。
 あの子、冷静なようで結構抜けてるとこあるからなー。そこが可愛いんだけど。

 なにはともあれ、俺たち(花子、つかさ、桜)は只今、8番と決闘(?)するべく階段へ移動中。
 俺の頭の上ではつかさが、ふんふんと鼻歌を歌いながら体を揺らしている。
 
 いつも抱き着かれているという七峰の苦労が、よく分かる。
 それに、つかさが歌っている歌も……。


 つかさ「ぼーくらはみんなーいきているー♪ いきーているから、いずれ死ぬー♪」
 花子「……」
 つかさ「ぼーくらはみんなーいーきているー♪ いきーているからグッチャグチャ—♪」
 花子「つかさ、怖いんだけど」


 ※参照「手のひらを太陽に」

 
 流石と言うべきなのか分からないけれど、ニコニコ笑顔でかなり不謹慎な替え歌をする彼。
 俺たちの後ろを歩いている七峰のため息が、はっきりと耳に届いた。

 
 テクテクと、廊下を歩き続け、ようやくA階段の前へ辿り着く。
 やはり、見えない壁が階段の前にあり、中へ踏み入れることは出来なかった。

 あ、ちなみに2番は、職員会議を終えた土籠に預けているからダイジョウブ。
「……まあ、お前も無理すんなよ」と、さっき忠告されたところだ。


 桜「ここが、噂のA階段ね。どうするの?」
 花子「8番も七不思議なら、依り代を壊せばいいと思うんだ。でも、先に結界を壊さないと」
 つかさ「んー。ちょっと、思いっきりパンチしてみてもいい?」


 つかさが階段の前へ行く。
 そして、見えない壁に向かって、グーに丸めた拳骨を振り下ろした。


 ボスボギャブシャッ

 
 凄い音が響いて、何もなかった空間に白い壁が現れる。
 その壁は、つかさのパンチによって亀裂ができ、破片がパラパラと落ちていた。

 花子「さ、さすが」
 つかさ「えへへー。普、なでてー!」
 花子「よしよしヾ(・ω・`)」
 つかさ「(ニコニコ)」

 つかさの頭をわしゃわしゃなで、俺たちはやっと登れるようになった階段に足を踏み入れる。
 一歩一歩と階段を登っていくと、上からペタペタという足音が聞こえて来た。


 八雲「あら、全員で来たんだ」
 花子「……8番。キミはなんのために人を危険な目にあわせるんだ?」


 八雲がヤシロたちを無限階段に閉じ込める理由は、なんなのだろうか。
 それさえ分かれば、この少女の悩みを解消できるかもしれない。


 八雲「そんなの、貴方には分からない」
 花子「言わなきゃ何も伝わらない」
 八雲「話したくない」
 花子「じゃあ、このままでいいの?」


 八雲の言葉に被せて、俺はすぐさま言葉を挟む。
 彼女は一瞬曇り顔になり、直後、なんの感情も感じさせない無表情を俺たちに向けた。


 八雲「———あなたには、これから死んでほしいの」


 ……………来た。
 無限階段へ連れて行くときに、彼女が必ず言う決まり文句だ。


 花子「嫌だ」
 八雲「———さよなら」


 瞬間、足元の地面が崩れる。
 固い床は一瞬にして深淵の穴に消え失せ、俺たちは音もなく穴の中へ落っこちた。
 暗い暗い穴の奥底に、小さな四角い紙切れが一瞬、見えたような気がした。

 それを取ろうとして手を伸ばしたのもつかの間、視界を闇が遮り、中途意識は途絶えた。