二次創作小説(紙ほか)

Re: ろくきせ恋愛手帖 【亀更新です】 ( No.90 )
日時: 2021/01/12 18:08
名前: むう (ID: mkn9uRs/)


 鎹烏の言付け! アア―――――ッ
 この第4話と第5話は、ろくきせの第5章と第6章の間に起こってます!
 そして、ろくきせ閲覧数8300突破!
 ( ゚Д゚)え…(゜-゜)え……(゜_゜>)嘘……だろ

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 【それからさらに一週間後】

 〈炭治郎side〉

 有為ちゃんの過去にどういうことがあったのか、善逸と睦彦くんが話してくれた。
 忌子だなんて罵られてもなお、自分の目標のために努力を続ける彼女を素直に尊敬する。
 
 有為ちゃんは初めて会った時より、表情が明るくなった。
 いきなり同年代の人と会って、多分動揺してたんだろうな。
 それでもまだ、すぐには喋り方や性格は変われないみたいで。


 有為「もう今度という今度は許しません! これ作るの大変なんですからね!」
 伊之助「…………はい……すみません……」
 有為「謝ってもどうせあなたはまた割るんですから! ボクもう信用できませんよ!」


 花子「……早朝早々どうしたの? 何か知ってるヤシロ?」
 寧々「有為ちゃんの杖の先っぽの水晶玉みたいなやつを、伊之助くんがまた割っちゃったみたい」
 花子「ああ、それで宵宮の雷が落ちてるわけね」


 炭治郎「伊之助はアオイさんだけでも充分懲りてるのに、その上口調がキツい有為ちゃんだと…」
 かまぼこ隊一同「ああ……(同情の眼差し)」


 と、奥の部屋で説教されてた伊之助が、ガックリ肩を落として部屋に戻ってきた。
 数分前のテンションと今とで、差がありすぎる。


 伊之助「トコトコトコ(ガックリ)」

 善逸「悪いのはお前だからな。これで割るの十回目だろ。ちょっとは反省しようよ嫌われるよ」
 禰豆子「フンフン」
 善逸「ほらね、禰豆子ちゃんもそう言ってるじゃんか」

 伊之助「……ダマレ……(ズ――――ン)」
 炭治郎「伊之助、ちょっと落ち着け! 気を確かにしろ! たかが怒られたくらいで!」
 花子「竈門もちょっと落ち着こうネ」


 伊之助「うるせーよ、弱い奴に言われると心折れるんだよ!」
 善逸「あっらかわいそう! 伊之助女の子と話したことないんだろ! 遅れてるはずだわ!」
 伊之助「ハァァァ―ン? 俺は人間の雌踏んだこともあるもんね!」
 善逸「それは最低だよ!」


 確かにそれは最低だな。
 あと人間の女の子を「人間の雌」と言っちゃダメだ。


 睦彦「お前らも一回落ち着けよ……。声がうるせえんだよ頭がキンキンする…(耳をふさいで)」
 光「大丈夫か? 以外と繊細なんだな睦彦(ボソッ)」
 睦彦「なんだと? 言っとくけどお前より俺が年上だからな! チビじゃねぇから!!」


 炭治郎「身長のことは誰も言ってないぞ?」
 睦彦「あーあー、……いいよどうせ俺はチビだよ」
 一同「拗ねた……」


 ※ちなみに睦彦の身長は158㎝



 仁乃「そうだ、皆一回庭へ出ない? リフレッシュしようよ。任務もないしさ」
 花子「まぁ、身体を動かすってんなら同意するよ。最近白杖代使ってないから訛っちゃってさァ」
 禰豆子「ムー?」

 寧々「私はオッケーよ! 有為ちゃんちのお庭って、綺麗な花もいっぱいあるし」
 光「先輩が行くならオレもいくっス!」
 もっけ「われらもいく」「われら、あめばたけつくる」「やむなしやむなし」

 炭治郎「よし、それじゃあ伊之助と睦彦くんを元気づけよう!」
 一同「オー―――――ッ!」


 そんなこんなで俺たちは、ストレス解消のため、伊之助たちと一緒に庭に出ることになった。
 しかしそこでは、意外な人物が待ち構えていたのだ。



 ・・・・・・・・・・・・・


 みんなと一緒に庭を出てすぐ、俺たちの目の前に知らない人物が立ちはだかった。

 空色の着物に黒色の袴を着ていて、長い髪は後ろで一つにまとめてある。
 歳は俺と同じ位か、あっちが少し上っぽい。
 有為ちゃんの知り合いだろうか?

 
 ??「よう。この家に用があってきた。馬鹿な忌子はいるか?」
 炭治郎「有為ちゃんのことですか? 貴方は?」


 最初の挨拶で、一同の表情が一気に警戒色に染まった。
 有為ちゃんを忌子と呼ぶと言うことは、コイツは他の陰陽師の人だろうか?


 ??「俺? 俺は夜月やつきカオル。陰陽師の御三家のトップの家の次男だ」
 一同「夜月家……!」


 確か御三家は、宵宮家・夜月家・如月家の三つ。
 有為ちゃんのお兄さんの死後、宵宮家の代わりに夜月家が陰陽師のトップになったって話だ。

 
 寧々「そ、そのあなたが、有為ちゃんに何の用なんですか……?」
 カオル「そんなの決まってるだろ。忌子をこっちで引き取って処分するんだよ」


 つまりコイツは、有為ちゃんを殺そうとしてるのか!?
 その行動が間違っていると、なぜ思わない!??


 カオル「それよか、お前たちはなんだ? あの忌子とどういう関係だ?」


 カオルさんは首を回すと、上から俺たちを順番に睨んだ。
 ぞんざいな態度で権力を示す様子が、癪に障る。


 炭治郎「いちいち有為ちゃんを忌子と言うのはやめろ! 俺たちは彼女の友達だ!」
 一同「(コクリ)」
 カオル「へぇ、友達? アイツの? こりゃ驚いた」


 けたけたと腹を抱えて笑い出す彼は、明らかに宵宮家を、そして忌子をバカにしている。
 俺は心の底から怒りに燃え、考える前に身体が動いていた。



 ダダダダダッ
 ブンッッ


 善逸「炭治郎!?」
 伊之助「何やってんだお前!?」


 カオル「……何のつもりだお前(炭治郎が振るった刀を避けて)」
 炭治郎「お前が何をしに来たかは知らないが、ここから先は行かせない!!」
 カオル「……勘違いしているようだから言っておくがな」


 カオル「陰陽師には、女は生まれたら即処分する掟があるんだよ。
     それを宵宮家はあっさりと破りやがったんだ!
     陰陽師において掟がどのようなものか、お前には分かってんのか!?」


 炭治郎「分からない! 俺は陰陽師ではない、普通の家系だからだ!
     でも、掟が一番大事で人の命はいくらでも踏みにじっていいって、それは違うだろう!」

 

 この人の元に有為ちゃんを預けてはいけない。
 俺は彼女の言っていた「忌子」がどういうものかは知らないが、予想することは出来る。
 一人称や口調まで変えなければ自分を護れなかった仲間を、夜月家に預けてなるものか!



 炭治郎「俺は、自分の行動を間違ってるとは思わない!! 間違ってるのは、お前だ!!」





 ネクスト→かまぼこ花子隊VS夜月家次男・カオル。次回もお楽しみに。