二次創作小説(紙ほか)
- (第11章 最悪の融合、イヴとハレルヤ。暴かれた真実) ( No.12 )
- 日時: 2022/07/22 15:23
- 名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)
一方その頃、ハレルヤは、どういうワケか、イヴのすぐ前にいたが、その目からは、光りが消えており、イヴを前にしても、銃を向けずに近づく。
「フフフようやくその気になったか。もう、分かっているのだろう? 自分が、間違った存在に……でも、私ならば、お前のその細胞を、正しい力として、使ってやる事が出来る。さあ、私と1つとなるのだ!」
と、イヴはそう言うと、ハレルヤの魂と肉体を取り込んだ。
と、その時、信じられない事に、アレルヤの体とハレルヤの体が分離したのだ。
「何!? まさかコイツ、こうなるのを知ってて……まあ、いいだろう? 一番用があるのはお前だ。ハレルヤとやら、私と1つになるのだ。
と、彼を自分の体の中にいれ、体内のミトコンドリア達は、彼の細胞を吸い出し、父系のミトコンドリアを心配したが、その心配も無用に終わり、無事に融合し、イヴは更なる力を得たのだった。
そして、それから1時間後、ようやくアヤが到着した。
「イヴ!」
「フフフフフかなり時間が掛かったな。楽しんでくれたか? 私の力で誕生させたクリーチャー達は」
「冗談はやめて! あ、アレルヤ!」
「アレルヤ! アレルヤ! しっかり! イヴ、彼に何をしたの!?」
「私はただ、ハレルヤという人間、イヤ、改造人間とでもいうべき者の力が欲しくてな。取り込ませてもらった。しかし驚いた。あいつにも、人の心が有ったとはな。自分の半身を守るために、わざわざ分離するとは」
「なんですって!!」
と、アヤがアレルヤの胸に触れると、
「トク……ドク……トク……」
と、かなり心臓の動きも悪く、早く処置をしなければと思うが、イヴが攻撃してくるかわからずにいると、いヴが以外な事を言った。
「救ってやっても良いのだぞ? 私は邪魔をしない、と言うより、今の私はでは邪魔は出来んがな」
「……アレルヤ、生きて!」
と、アヤは必死に心臓マッサージと人工呼吸をすると、少しだけ、指がピクリと動き、アヤは更に続けると、ようやく、目が開くが、それはアレルヤの方だった。
そして、背中に有った羽は無事だったが、あれはどちらかと言えば、ハレルヤはうまく使っていたが、自分に出来るかどうかが、凄く不安だった。
「大丈夫?」
「ハレルヤが、助けてくれました。物理的に無理なのに、彼は、僕と分離して、僕だけ生かしてくれたんです。でも、僕は、うまく闘えるかどうか、正直分かりません。ごめんなさい!」
と、彼は謝るが、アヤはそんな彼を、優しく抱いてあげた。
「茶番は済んだか? それでは、私も準備が色々有って、忙しい身だ。この辺で失礼する」
と言って、目を光らせると、
外にいた、前田とダニエルが、マンホールがボコボコと音をたてているのを見ると、突然、
「ボン! ボン! ボン! バシュー!!」
と、マンホールから、真っ赤なスライム上の様な物が飛び出してくると、それは人型を形成し、最上階に来ると、アレルヤは、アヤを守ろうとしていると、それは、イヴを取り込んで外に運びだされ、アヤはアレルヤを支えながら、下に降りてしばらくすると、アレルヤはようやく動けるようになった。
「大丈夫なの?」
「はい。ナントカ」
「外に出ましょう」
「はい」
と、2人が外へ出ると、ダニエルと前田がいた。
「アヤ! アレルヤ!」
「ご心配おかけしました。戦う力は半減されましたが、後はなんとかできます。僕だって、足を引っ張りたくないですから」
「良かった。でも、なんでハレルヤさんが取り込まれたのにアナタが?」
と、前田が言うとアヤが、
「その事は、聞かないであげて。今苦しんでいるのは、彼の方だから」
「あ、こ、これは失礼しました。スイマセン」
「良いんですよ。実は、ハレルヤは、僕を分離させて、守ってくれたんです。だから、ホラ……」
と、隠れている髪の毛を上げると、見えなくなっていた。
「アナタ、体の方は?」
「そっちは大丈夫です。スイマセン」
でも、どうしてイヴはハレルヤを欲しがったのでしょうか?」
「まあ、その話は、後でいいだろうが、あのスライムの化け物はなんなんだ?」
「あれは……セントラル・パークの、観客達よ。ハレルヤが言っていた通りになってしまったわ。彼、予想していたみたいなの。何かに使おうとしてるって。これがその、答えだった様ね」
「じゃ、じゃああの中にロレーンも……」
「ええ。溶ける部分は私は見ていないけど、彼が庇って、見るなって言われて見ていなかったから。ごめんなさい」
「お前が謝る事じゃないさ」
と、ダニエルが言うと、前田が思い出したように言う。
「あ~そうそう。ダニエルさんの調査で、メリッサの飲んでいた薬が判明しました。
「メリッサの薬?」
「もしかして、日記に書いてた薬って言うのが」
「そう。その薬です。どうやら免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)でした」
「何に使う薬なんですか?」
と、アレルヤ聞くと、ダニエル達は車に乗り込み、そこで話をする事にした。
「メリッサは幼い頃、臓器移植を受けていた事が分かったんだ」
「臓器移植を?」
と、アヤが言うと後ろの席にいた前田が言う。
「そうです。でその時に使われたのが、アヤさんお姉さん。マヤさんの臓器だったのです」
それにダニエルが続く。
「実は、お前のお袋さんと姉さんは、ドナー登録をしていたんだ」
と言うと、アレルヤが続く。
「それって、その人が死んだ後、その臓器を提供するって奴ですよね?」
そして、ダニエルが言う。
「そうだ。それで臓器移植のさい、お袋さんの臓器は損傷が酷くて使えず、姉さんのを使おうとしたんだ。そして、その臓器を移植されたのが、イヴ。つまりはメリッサだったんだ。そして、その時に立ち会った医者の中にクランプがいたんだよ。インターンとしてな。奴は最初、外科医を志していたんだ。ところが……」
「アヤさんのお姉さん。つまり、マヤさんの臓器に触れた医師達が口走ったそうです」
「口走った?」
と、アヤとアレルヤが言うと、ダニエルが言う。
「ああ。熱い!ってな」
この言葉に聞いて、ようやくアヤとアレルヤも納得した。
つまり、オリジナルのイヴは、最初からマヤの臓器の中にいたのだが、その臓器をメリッサの体に入ってしまい、今回の惨劇を引き起こしていたのだ。
すると、前田が日本で起きたあの時の事件の事について話だした。
「日本で起きた事件でも、イヴは宿主の肉体を脳死状態にし、肝臓を培養させ……イヴ自身の肉体を手に入れたのです」
それにアヤが確信を持ったが、一応言ってみた。
「と言う事は、メリッサも……」
「免疫抑制剤」
「え?」
突然の前田の言葉に、ダニエル以外は前田を見た。
「日本の事件でも、イヴは移植をし、免疫抑制剤を服用していた少女を狙ったんです。今回の様に、完全体の受精卵を植え付ける子宮として……他人の臓器を移植するには、レイのHLA型の一致が必要なのです。しかし、他人の細胞と共存するわけです。移植した臓器が拒絶反応を起こさないように免疫を抑え続ける必要が有るわけです」
と、前田の話を聞いた、アレルヤも大体話が見えて来た。
「もしかして、メリッサさんもその薬が影響してイヴに体と心を乗っ取られた言う事ですか?」
「まあ、それに近いな。メリッサは、イヴに制御を奪われつつある自分の体に異変を感じた。だが、その事を誰にも打ち明けなかった。そんな言葉バレれば、せっかくの主役の座を下りなきゃならない。そこで、クスリを大量に服用するようになり、その結果として、イヴが出て来たしまい、自分の意思は全てイヴにやられちまったってわけだ」
この話を聞き、アヤは少しショックを受けた。
まさか自分の姉のせいで、メリッサがあんなふうになるとは思わなかったのだ」
「マヤ……どうして……」
と言うと、ダニエルが言う。
「アヤのせいじゃねえよ。それに、正確に言うと、マヤのミトコンドリアがオリジナルのイヴだっただけの話だよ」
「……」
その頃、マンハッタン島に空母が向かいつつあった。
ついに大統領が思い腰を上げ、軍に出動を要請したのだ。
その空母の中で副官のリンチが、喜んでいた。
「ついに我々の力を実戦で発揮できる時が来ましたね。艦長!」
ところが艦長は逆にリンチを叱った。
「不謹慎だぞリンチ君。我々が動くという事は、本来、有ってはならない事なんだ!」
「も、申し訳ありません。艦長」
と言うと、艦長は全軍に、指令を出した。
「全艦隊に告ぐ! たった今、大統領より攻撃許可が出た! これより作戦を開始し、全艦隊、自由の女神へ向かえ!」
「了解!!」
「作戦通り、第1ヘリ部隊は第2次作戦に備え待機しつつ準備。第2ヘリ部隊は彼女の捜索、残りの全部隊は、巨大生物の足止めの為に発進準備! リアルド、及びフラッグ部隊は、対ガンダム調査隊に加われ!」
と言うと、リンチがおかしいなと思いつつ聞いてみた。
「あの、艦長。何故、対ガンダム調査隊にまで?」
「CB(ソレスタルビーイング)はこういう時になると、必ず出て来る。うまく行けば、彼等と共闘する事になり、彼等の事を、調べられるかもしれないのだ。
「あ、なるほど」
一方留美の家では、既にその情報を入手していた。
「まさか、そんなに大きな事になってるなんて、思わなかったわ。あなたも気を付けて。それと、念の為、私達も出撃出来るようにはしておくわ。あなたも無理をしないでね」
と、スメラギが、受話器を置くと、皆は既にパイロットスーツに着替えていた。
「行くんだろ? 俺達も」
「ええ。ただ、今回の相手がどんな奴か、私達でもわからない。それに、王 留美(ワン・リューミン)が調べてくれたら、海軍やユニオンにも、出撃許可が出ているの。今回の目的は、あくまで共闘よl敵を間違えないで」
「了解!」
「一応こちらのプランでは、あいつが完全に外に出て来た時が勝負よ!」
「俺がシッカリしなきゃな」
「ロックオンダイジョウブ。ハロロックオンマモルダカラダイジョウブ」
「サンキュウな。ハロ」
そして、刹那とティエリアにもどういうプランにするかを決めていたが、スメラギは不安そうな顔をしながら祈っていた。
「アレルヤ……無事でいて!」