二次創作小説(紙ほか)
- (第3章(謎の天使と、ミトコンドリアの呪い) ( No.4 )
- 日時: 2022/07/22 13:50
- 名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)
「ウ……ウウ! あ……」
「良かった気が付いたのね。もう少しよ。頑張れる?」
「す、すい、ま、せ……ウ!」
「ドックン! ドックン! ドックン!」
アレルヤの心臓内部で、さっきの種が彼の命を糧に、育とうとしていた。
「ウウ!……ア……」
「アレルヤしっかりして! もうすぐよ」
アヤは彼を励ましながら、外へ出た。
すると。案の定、あの質問に入った。
「あなたですね。発火しなかった警察官とは」
「お願い……今は、そんな時間はありません。彼を何所か安全な所で治療しないと。記者会見は後程連絡を入れます。お願いだから、彼の為にも静かにしてあげて下さい!」
と、アヤは言うが、彼等にとっては飯の種と思い、取材を続けようとしたその時、
「ボカ」
とレポーターが殴り飛ばされた。
「な、何をするんだ!? 彼女は警察官なんだぞ」
「あいにく俺も、警察官なんでな」
「ダニエル!」
「ワリィ遅くなった」
「彼を早く! 出血がひどくて、挙句、心臓に何かされているみたいだから」
急いで言うアヤに、ダニエルが彼を抱くが、グッタリとしている。
「お、おい……」
急いでダニエルが脈を確認すると、かなり弱っていた。
「やばいぞ。おい、シッカリしろ!!」
彼は心臓マッサージと人工呼吸を数回行った末、ようやく脈が元に戻った。
しかし、彼等にとっては飯の種でしかなくカメラを向け、フラッシュをたく。
「今はヤメテ! 彼、死にかけてるのよ!!」
アヤの悲痛の叫びで、どうにか記者は黙り、引き下がった。
だが、どこへ連れて行こうか迷った挙句、彼は軍事関係の病院に入院させる事にした。
その事を知ったアヤはホッとするが、内心ではドキドキしていた。
実は、軍関係者の中に対ガンダム調査隊が、偶然来ていたのだ。
その時、偶然、なんとグラハムが、
「フム。ガンダムの匂いがする」
と言ったのだ。
「え?」
ハワード・メイスンとダニエルが聞くと、ビリー・カタギリは頭痛いのポーズを取る。
「気にしない方が良いよ。彼の口癖だから」
という彼に、ハワードとダリルの頭に?マーク飛び交った。
そんな中、アレルヤはずっと胸を掴んで苦しんでいた。
「ウ、ウウ……ウ……ア……く、苦しい……だ、ダメだ……アウ……」
「ドク、ドク、ドク、ドク」
と、メチャクチャなスピードで鼓動を繰り返す彼の心臓は、何時張り裂けてもおかしくなかった。
更には、イヴの飢えた種の成長は速く、もう、アレルヤの心臓は本当に張り裂けそうになっており、いつ死んでもおかしくない状態だった。
その時ふと、月明かりが映ると、そこから、こちらへ飛来する物が見えた
「な、何?……ウ……ウア……」
心臓の痛みと苦しさに耐えるので彼は必死だった。
そこへ窓をすり抜けてやって来たのは、天使だった。
「え?」
と、彼が彼女を見ると、天使は体を怖がらせないように、アレルヤの胸にそっと手を置くと、
中の細胞を落ち着かせた。
「ア、アア……」
「もう大丈夫です。今の私にはこの位の力しかありません。それに、あなたはここにいてはいけません。下手をすると、秘密が明るみに出てしまいます。大丈夫。あなたの最も信頼する方の元へお連れします。申し訳ありませんが、仲間の元へ、今は帰れない体になってしまいましたが、そのうち、きっと、帰る事が出来ます。そして、あなたの体を治す事も……だから、それまでは、我慢して下さい。
あまりに美人だったせいか、彼は少し赤くなっていた。
「は、はい……僕、どうせ……あ」
と、アレルヤが何かを言う前に、天使の口が彼の口をふさいだ。
「ンン……」
「これでしばらくは持ちます。大丈夫よ。アレルヤ。神への感謝の言葉を名に持つ者よ。私を信じて。さあ、行きましょう」
「はい」
と、天使は有るカードを残して、アレルヤを抱きあげると、アヤが務めている署の仮眠室に降り立ち、そこに、彼を寝かせると、天使は姿を消した。
あの天使はなんだったのだろうか? そしてアレルヤの呪いと、イヴのやろうとしている事とは一体何なのだろうか!?
翌朝、警察にアレルヤがいると聞いて、すぐさまアヤが様子を見に行くと、眠っているように見えたが、どこか苦し気な表情だった。
「うなされてる。アレルヤ。私よ。アヤよ。お願い。目を覚まして!」
と、彼女が彼に障ると、何かが見えた。
「え? 何? 今の」
「ウ、ウウ……」
「あ、大丈夫?」
「あ、アヤ、さん……ここは?」
「17分署の仮眠室。一体何があったの?」
彼はとりあえず、言える事を言った。
「て、天使?」
「はい。その天使が、僕をここまで連れて来てくれました。軍関連の施設だと、僕の正体がバレるからと。この羽が……」
「まんざら嘘でもなさそうね。分かったわ。とりあえず、私は仕事が有るから。あなたはそこにいて。部長には、私とダニエルが上手くごまかしておくから」
「はい……スイマセン。なんか色々と……」
「気にしてないわよ。それじゃ」
そう言って扉が閉まり、彼が眠りにつこうとした時、また、
「ドックン! ドックン! ドックン!」
とまたしても動悸に彼は苦しむが、全く治まらず、しかもどこかの野外コンサートホールでイヴが観客達、と言うより、観客たちのミトコンドリアに語り掛けているのが見えた。
「! い、今のは……まさかイヴの、次の標的!? でも、どうして?」
(来いって事だろ?そりゃ)
「ハレルヤ……」
(あいつはお前に会いたいんじゃないか? 出なきゃ、こんなメッセージをよこさないだろ?)
「君にも、見えたんだね」
(ああばっちりな)
この事について、2人は迷った。話すべきかどうかを。
すると、仮眠室の扉が
「コン、コン」
となる。アヤ達の記者会見が終わったのだ。
「はい」
「終わったよ。大丈夫。あなたは協力してくれた民間人って事にしておいてあげたから」
「スイマセン。介入して、こんな事になるなんて……僕は……」
とアレルヤが言葉を探していると、ダニエルが、次の動きを伝えた。
「俺達は、これからある博士に会いに行く。来ないか?」
「分かりました。行きます。こんな所じゃ、ロクに休めないし」
そして、3人は博物館に着いたが、ダニエルが大バカした。
休館日を調べていなかったのだ。
「あ~しまった! 休館日忘れてた」
「ズコー!」
と、アヤとアレルヤが同時にズッコけた。
「ちょっとダニエル~」
(たく頼りないオッサンだぜ)
と言われ、これは立場が悪いという顔をした。
まさか自分が自信満々で行くと言っておきながら休館日と来れば、誰でもこういう顔になる。
「いつ入れ替わったの?」
(さっきだ。とりあえず、俺としても話しぐらいは聞かせてもらわねえとな)
「も~。あんまり変な事しちゃダメよ~。悪いけどアレルヤ君に戻りなさい。あなたじゃ博士がへそ曲げちゃうわよ?」
(へいへい。信用ね~の)
と、アレルヤに入れ替わり、警備員に話を付けて入れてもらった。
そして、頑丈にしてあるロックを解除すると、警備員が言う。
「あ、そうだそこのノートに名前を書いて置いてくれ」
「あ、これですね。ああ、そこに書くだけで構わないよ」
「これで良しっと」
と、アレルヤが後を追いかけると、博士の部屋話を聞いているが、なんだかチンプンカンプンなオタクなのか、ミトコンドリアは何でもできるなどと言い出す始末で、こっそりPCの画面を見ると、ミトコンドリアについてに研究をしていた。
そして、結局DNAとミトコンドリアの事を延々と聞かされ、皆は疲れながら帰る事にした時、アレルヤの心臓が締め付けられる様になり、彼は苦しむの声を上げた。
「アウ! アアアア……」
「お、おい!?」
「アレルヤ!?」
「おいどうした!?」
「ウ、ウウ……む、胸……苦し……い、イウは……アウ……や、がい、ステー……」
と、そこまで行って気を失うかの様に倒れ、心臓の内部では、もうあの細胞がかなりのスピードで育ち、根を伸ばそうとしていた。
「ダニエル急いで。彼の命が……]
「分かった」
と、彼は車を路肩に止め、アレルヤ心臓を触ると、かなりひどい」
「こりゃひでえ! 急いで病院に……」
「だ、大丈夫……です。ハレルヤに、変われ……ウウ!!」
と、なっていると、ようやくハレルヤが出て来た。
(全く遅えんだよ対応が。この近くで野外コンサートをやってるとこ、有るか?)
「あ、ああセントラルパークに……って、お前行く気なんじゃ!?」
(ビンゴ! とりあえず、署に戻ろうぜ。武器の強化とか必要だろ?)
「あ、ま、まあな」
「ダニエル急いで署へ」
と、3人は所に戻ると、すぐ様武器をチューンしてもらい、ハレルヤはサバイバルナイフとサブマシンガンを持った。
「そして署で調べてみると、今日本来なら、メリッサのソロコンサートの日だったのだ。
ところが、これを見て、一番動揺したのはダニエルだった。
彼には離婚した妻と子供がおり、警察署に来て、チケットを渡しに来ていたのだ。
「ロレーンとベンが行っているはずだ。急ぐぞ!」
(了解だぜオッサン)
「行きましょう! イヴを止めなきゃ」
そして、3人は、セントラルパークの野外音楽劇場を目指した。
はたしてイヴを止められるのか!?