二次創作小説(紙ほか)

(最終章 サーヴェドロから書を取り返し、彼の願いを叶えろ!) ( No.6 )
日時: 2022/05/05 07:43
名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)

 エダーナから戻ったコナン達は、最後のシンボルをシステムの上に置くと、
システムが反応して読み込み、ついに最後の橋が現れた。

すると、今度はホログラフに映ったのは、サーヴェドロではなく、アトラスだった
「よくやった息子達よ。だが、後ひと仕事残っているぞ。そこにある接続書は、ナラヤンという時代に接続できる。ナラヤンは壊れやすく、微妙なバランスの上で、文明が芽生えた世界だ。そこで別の時代の人々と初めて出会うだろう。だが恐れるな。ここで身に着けた知識を駆使するのだ。そうすれば、道は必ず開かれるだろう。
と言って、映像は終了した。
「いよいよやな。あ、その前に日記を整理してまうか?」
「あ、ああ。そうだな」
と、2人はこれまで集めて来た日記を全て広げ、きちんとした順番に並べて、1つの日記にした。

後は、彼の世界へ行くだけだ。
「どないや工藤……緊張するか」
「ああ。だが、さっきアトラスさんが言ってただろ? 知識を駆使すれば、必ず道は開かれるって。俺達は、その為にここまで来たんだって思う」
「流石やの工藤。俺も同じや」
「それじゃあ……」
「行く(ぜ!)(で!)」
と、2人は同時に接続書に触り、ナラヤンの世界に入った。

そしていざ着いてみると、そこは奇妙な所だった。タペズトリーには、色んな言葉が書かれており、入口は何かのバリアで封鎖されて入れなかった。
「これが、ナラヤンなのか?」
「おっかしいな~。まさか、あのサーヴェドロのオッサンが言うてた通り、ナラヤンは、滅んでもうて、ここしかいるとこが、のうなってしもたんか~?」
「まだ情報が少なすぎる。どれも電源が入ってないみたいだし、とにかく一番上まで行ってみよう」
そして、平次とコナンが、屋上に着いて、コナンがレバー見つけてそれに触ろうとした時、ガチャリという音をがかすかに聞こえた。
「ん?」
「誰かくんぞ?」
と、平次も身構え、リールも戦闘態勢に入った。

なんとそれは、タペストリーの一部をちぎって体に巻いているサーヴェドロだった。

そして、彼がこちらに近づいてくると、明らかにおかしいというような顔をして、こちらを見て言った。
「誰だ? お前達か? 奴は? アトラスは何所にいる? こいつが目的なんだろう? 早く出て来い」
「アトラスさんはいないよ」
「何? 奴は来ないのか?」
「アンタがやらかした火事のせいでな」
「なんだと!? お前達は、レリーシャンの書を取り戻す為だけに送り込まれたと言う訳か……愚か者どもめ!! ホントにそれでうまく行くと思っていたのか!誰か違う適当な人間を送り込めば、それで本当になんとかなると? ふざけるな! お前達がナラヤンを描き変えるというのか? アトラスのの指示通り絵を描き上げて!? 見ろ! この世界を。何が残っている!? アトラスの指示通りお前達はただの使い捨てのコマだと言う事が、未だにわかっていない様だな!! 俺達は、もう終わりだ。分かるか? 俺達は閉じ込められた。ジェナーニンに戻る接続書はもう無い。アトラスの書斎から戻る時に落としてしまった。ナラヤンに行こうにも……周りを見ろ。入口は、この部屋以外に無い!アトラスが作った障壁を通り抜ける事は不可能だ。
「え? これって、この世界じゃないの?」
「何も知らない坊主だな……そうだ。この周りのバリアは全て、アトラスが作った障壁だ。出来る事は全てやったが、絶対に抜ける事は出来ない。お前もこの俺と同じなのだ。このレリーシャンの書をを開くまでは、妻や友が目の前で死んで行く悲しみを、アトララスにも思い知らせてやる! 仮にここから抜け出せたとしても、決して気を抜かず、注意を怠るではないぞ何故なら接続書によって開かれた扉は、お前が通った後も閉ざされるわけではない。
と言って、彼はまた奥の部屋に引っ込んでしまった。
「この障壁……アトラスさんが作ったんだ。でもどうして……」
「それより、これからどうするんや? 工藤」
「とにかく電源を入れて、何をすべきかを考えよう」
「まず、俺の気になっている所から始めたい。良いよな?」
「ああ。で、何をするんや?」
と平次が聞くと、
「実はここに来た時から、ずっと引っかかっていたんだ。俺達が集めた、シンボル。持ってるだろ?」
急に言われた平次は、それを探すと、確かに有った。
「あ、ああ。え~と……あ、これやな。これのどこが気になるんや?」
「有ったんだよ。全くそれと同じ物が、あのタペストリーに。つまり、あのシンボルには、続きがあるんじゃないかと思うんだ」
「続き?」
「バタバタしてて、分からなかったけど……有った。見てみろよ。このアトラスさんの日記。色が濃い目に書いてる所があるだろ?そして、このシンボルを一緒に考えると」
「! ちゅう事は。あのシンボルとその言葉を組み合わせろっちゅう事か!」
「そういう事。多分、その分大丈夫と思う。だが、俺のは、ただの推理に過ぎないが、やってみる可能性は、あるだろ」
「ああ。今の推理、試してみよか」
「よし! やろう」
と、コナンの推理を試してみる事にした。

下に行って機械が動き出し、フタが開いたき、リールが台座を出した。
「まずはこれだ。今までのシンボルと、足りないシンボルがないかをどうやって決めるかだけど……!もしかいて」
と、コナンは鞄を探り、いつの間にかアトラスから貰っていた日記をめくっていくと明らかにそこだけ太くなっていた。
「お、お前いつの間に!?」
「やっぱりだ。服部、そこからのこの部分の紋章を探してくれ」
「よっしゃタペストリーからそれに近いシンボルをここに入れればええんやな?」
「多分な」
「ほな、俺はタペストリー絵を描くさかい。リール、紙とペン頼めるか?」
「わかった」
そして、2人は協力し合い、ついに1つの台を白に変える事が出来た。
「よっしゃ!これで間違いやない言う事がわかった。次行くで次!」
「おう!」
「段取りがわかると、彼等は素早かった」
その結果、ついに彼等は、内側の障壁を消す事に成功した。
「よっしゃ~!! まずは1つクリアや~!」
「服部。騒ぎすぎ。また後1つが、なかなか解けてないんだよ。ここは一応探してみたけど、シンボルが無いんだ」
「ちゅう事は、この下ちゃうか?」
「下?」
「さっき出た時、下にも同じ様な物がギョウサン有ったんや」
「とにかく見てみるか?」
「おお」
と、2人は階段を下りると、トマーナの接続書を手に入れ、コナンはシンボルを探すと、無事に見つけられた。
「有った。後はこれをあそこに入れれば、なんとかなるかもしれねえ。服部、悪いけど、下のシンボルの絵を……」
「解っとる。お前がやるべき事と俺のやるべき事は一緒や、ただ、違うだけでな」
「お前……」
平次はフッと笑うと、奥に行き、シンボルを探した。
「お、おいちょっと待ってこれこれ」
「あ、ああスマンスマン。忘れとった。
「たく‥‥‥」
「ふんふん。なるほどな。よっしゃそれじゃ始めるで!」
「ああ!」

そして、2人は協力しあって、ついに外側の障壁を解除する事に成功した。

すると、赤い空の向こう側に。村か何かの灯りが見えた。
「間違いない。あれが、本物のナラヤンだ」
「サーヴェドロはずっとあそこへ……」
と言っていると、コナンの側に、彼がやって来て、驚いていた。
「こ、これは……まさか、生きていたのか?一体……」
「第4の紋章だよ。この、アトラスさんの日記に記されていたんだ」
サーヴェドロは何も言わず、レバーを右にすると、中の障壁閉じ、逆にすると、今度は外の障壁が閉じてしまう。

つまり、サーヴェドロを完全に開放するには、彼が内側のシールドより先、つまり、外に出た時に、シールドを開くしかない。
「チキショー!わずかな希望すら残さんと言う事か! だがな、俺にはこいつが有る。あいつが欲しがっている、この、レリーシャンの書がな。
それに気付いた彼は、ある提案をして来た。
「取引きだ。外の障壁を消せ。もしも外を入り口を開いたならば、レリーシャンの書を返そう。さあ、やれ!」
と、彼は、滑走船の前に立った。

この時、2人のやるべき事は決まっていた。
2人は二階へ駆け上がり、すぐさま電源を切った。
すると、内側のバリアが作動し、サーヴェドロは事実上、閉じ込められる結果となったのだ。
「な、なんという事だ。ああ……なんという……冗談じゃない!クソ~クソ~と、サーヴェドロは悔しそうに泣き始めた。
それを聞いたコナンと平次は、間に有る窓から、
「サーヴェドロさん。俺達だって、普通はこんな事したくないんだ」
「そうや。あんたの性格考えたら、あのままレリーシャンの書を捨てられかねんかったからの~。せやから、こうするしかなかったんだや。レリーシャンの書、返してもらうで」
「わかった。持って行け。その代わり、私を、滅んでいなかったあそこへ帰らせてくれ。今の私の望みは、それだけなんだ。なあ、頼む……ここから出してくれ。私はただ……ただ家族の元の元へ帰りたいだけなのだ。頼むここから出してくれ~うわ~~~~~~~~」
と凄まじい勢いて泣き出したサーヴェドロを見たコナンは、レリーシャンの書を鞄の中に片付け、平次はその間に、外側と内側のレバーをを外側に変えた。

そして、2人は2階に上がり、外の障壁を消した。

すると、サーヴェドロは驚いた。
そして、2階にいる2人に手を降ると、滑走船に乗って、ナラヤンへ帰って行った。
「これで一件落着やな」
「まあ、俺達しては、サーヴェドロさんの心を、アトラスさんに伝えないといけねえけどな」
「せやな。事の起こりは、シーラスとアクナーみたいやし、色々とキャサリンさん抜きで話さなあかんと思うしの~」
確かにそうだ。アトラスにいたっては、あの2人が赤と青の本にいた事しか知らず、ずっと暗い世界に閉じ込められており、こんな事が行われていたとは、思わなかったのだ。
「つうか、あいつ等がこんな事までやってた方にびっくりだよ」
「いつまでやっている。早くトマーナに帰って、アトラスにそれを届けてやれ」
「せやな。ほな、帰ろうか」
「ああ。って、ちょっと待った。まずは今のナラヤンの様子をアトラスさんに見せないといけねえからな」
「話す時は、キャサリンさんには、別室に居ってもらうしかないな」
2人が辛そうな顔をしながらも、2人は帰って来た。

そして、トマーナに戻って来ると、焦げている扉が有った。
「ずいぶんひどい火事になった見たいだな」
「ああ」
と、言っていると、書斎からキャサリンが出て来た。
「戻ってらしたのね。アトラス、アトラス早く来て」
「心配していましたのよ」
「良かったレリーシャンの書は?」
「はい。これだよ」
「ありがとうコナン君」
と言うと、アトラスは何かを探し始めると、キャサリンがカギを取り出した」
その鍵でレリーシャンの書を開くと、彼は安堵してこういった。おお神よ。無事でした。これで皆が救われた」
「さあ話を聞かせて」
とキャサリンが明るく言うが、平次達はそれよりも伝えねばならない、大事な話が有った。
「その前に、アトラスさんだけに伝えなアカン事が有るんや。申し訳ないんやけど、キャサリンさんは、ちょっと別室に居ってくれへんか?」
「え?」
「これから話す事はすごく大事な事なんや」
「え、ええ。それじゃあ、自分の部屋にいるわ。イーシャの世話も有るし」
と言うと、キャサリンは、席を外した。
「これで良いかな? それで? キャサリンに聞かれると、マズい事なのかい?」
「シーラスとアクナー絡みって言ったら、大抵予想はできるやろ?」
「!……まさか!?」
「そ。そのまさかや。あの2人が今回の事件の元凶。ちゅうた方が良いやろな」
「これを見て。僕達が、サーヴェドロを追いかける為に3つの牙を回った時に見た絵だよ。これ、サーヴェドロさんが描いた物なんだ。本当は、ホログラムを見せた方が早いんだけど。その代わり、日記を持って来たんだ」
「日記?」
「サーヴェドロっちゅう男知っとるな」
「あ、ああ。私がナラヤンに行く時に、ナラヤンの事を学ばせて欲しいと頼んだ青年だが……!まさか、彼がレリーシャンの書を」
「そうや。ま、あいつは、アンタが来ると思てたみたいやけどな」
「ホログラムで有ったよ。妻だけでなく、2人の幼い娘までって。これって、今回の事件で何か有ったと思う方が自然だよね?」
これにはアトラスも嫌な予感がした。
「もしやナラヤンは……」
「そこは大丈夫。ほら」
と、コナンがスマホで撮った、ナラヤンの様子を見せた。
「今頃、サーヴェドロさんも家族に会えているはずだ。もう、あんな過ちを指せない様にしてほしいんだ」
「ありがとう。また、ナラヤンに行く機会があれば、ナラヤンの人々に謝罪しよう」

そして、また何かを書くアトラスの言葉が有った。
「ようやく私にも安らぎが戻って来た。このレリーシャンの書と共に。再出発を望んで私が書き記した時代は、今も営みを続けている。もう心配すべきことは無い。
ナラヤンの事は彼等から聞いたが、無事に復興していた事に私は安堵した。サーヴェドロもこれでようやく落ち着ける事を祈り、今、私はこの日記を書いている。過去の秘密は封印を解かれ。かつての過ちはついに正された。我々はどんな過去からも逃げる事は出来ない。それを書き変え苦痛を和らげる事も許されない。我々の使命とは、過去から学び、先人達の知恵を受け継ぎ、そして明るい未来を作り上げる事なのだ。

そして、コナンと平次は自分達の世界へ帰って行った。
こうして過去の過ちは解決し、アトラスの方にも平穏が戻ってきて、2人はホッとしていた。

FIN