二次創作小説(紙ほか)
- (第4章 爆発したしずかの憎しみの心と、のび太との絶交宣言! ( No.7 )
- 日時: 2022/06/05 17:59
- 名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)
ミーアを見ても、しずかの顔は変わらなかった。
だが、彼女を見たその時、しずかの目に、光りが宿った。
憎しみと言う名の光が……
「大丈夫ですか?」
「あなた、誰?」
「ラクス・クラインです。あなたの味方です。しずかさん。お会い出来て嬉しいですわ。ずっと心を閉ざされていたのは、さぞ辛かったでしょ? 何があったのかは聞きません。その代わり、出来るだけでも良いので答えて欲しいのは、この少年についてです」
と、ミーアが、のび太の写真を見せた時、しずかの頭に、怒りと憎しみが宿った。
「あ、あああ―――――――――――――!!!!」
と、大声で叫ぶと、彼女の中に有った憎しみが、一気に膨れ上がって言う。
「冗談じゃないわ! 私は彼とは違う! 彼は友達でもなんでもない。仇よ! 私が好きなのは出木杉さんよ。なのに、未来の世界では、私がそいつと結婚するですって!? 冗談じゃないわ! 宿題の答え見せてくれとか遊んでくれとかうるさくて、どうにかなりそう! あんな馬鹿と一緒に付き合うなんてまっぴらご免だわ!! あいつは何所なの!? ここ、ザフトの基地で、あいつも来てるって聞いたわ! すぐに連れて来て! 私からパパもママも家もペットもあいつと付き合っていたって大誤解されて、全て灰にされ、ピーコは撃ち殺されて、ママもわけのわからない施設に入れられて、パパにいたっちゃ出張中の所で殺害されたわ。挙句の果てに、政府の奴等からは……それもこれも、皆あいつのせいよ! 返せ! パパやママやピーコを返して! 返してよ! あんな奴なんて、絶対に相手にしてやらないんだから!!」
と、叫ぶしずかの様子は、のび太にも届いており、シンにいたっては、悪意の籠った笑みを浮かべ、パチパチパチと拍手までしたのだ。
そしてレイも言う。
「どうやらお前は、これで全てを失った。だが、お前はもう、日本へは戻れない。たとえ、ジブリールが運よく捕まったとしても、世界の人間は、お前の事を今回の戦争の始まりをした奴としか思わない。それに先ほど届いた動画がある。お前の母親と父親の離婚騒動の裁判だ。
それを見せられ、のび太はわけが分からなくなり、もうどうして良いか分からなくなった。一体どうしてこうなった? 何がどうして?と、頭の中はもう?マークで覆い尽くされ、押しつぶされそうになっていた。
その頃、対するスネ夫達は、のんびりとオーブ行きの船の中で楽しいひと時を過ごしていた。
食事の後、ババ抜きを知らないジブリールにやり方を教え、その結果、ジブリールが1抜けして、ジャイアンが最後に残ってしまい、皆で笑い合った。
「こういうのも、悪くない物だな。私はまだまだ世界を知らない」
「知って行けばいいんですよ。早くコーディネイターなんて殺して、早く自由になったら、いっぱい遊びましょうよ」
と、スネ夫が言うと、彼は自室にいる猫を撫でた。
「わ~カワイイ猫ですね」
「ニャ~ン」
「私の唯一の話し相手だ。そろそろ食事だな。ほら」
と、ジブリールは餌皿に盛り、猫もそれを美味しそうに食べ始めた。
「グフフカワイイ」
「でもよスネ夫。しずかちゃんどうすんだ?」
「大丈夫。ちゃんと手は打ってあるから。すぐに助けが行くよ」
「1人だけを?」
そりゃそうでしょう。のび太なんて、囮囮。バカなんだから、日本政府も、のび太の国籍を消したから、あいつはもう、どこへも行けないし、ドラえもんが帰って来てももう遅いですしね~。グフフフフ今頃のび太、泣きまくっておもらししてたりして」
「アハハハハ。そりゃ傑作だぜガハハハハハ」
と、2人が笑っていた。
そして、2人は、カーペンタリア基地の離れた場所で、それぞれの部屋に入れられた。
のび太は監視カメラ付きの部屋で、しずかは、どう見ても普通の部屋だったが、まだ足が動かず、一応医師に診てもらうと
「精神的な疾患です。治るには治りますが、時間が掛かります。本来なら、日本に戻したい所ですが……」
「確かに彼女はハッキリと絶交宣言をした。あの時の事は、のび太にも聞こえているはず。果たして、どうしてものかだ」
と、議長が言っていると、隣のミーアはしずかを気遣い、ベッドの上に寝かせてあげた。
「ラクスさん。行っちゃうんですか?」
「ごめんなさいね。でも、今はお仕事が忙しいので」
「……そう、ですか。さっきはゴメンナサイ。急に叫んだりして」
「大丈夫ですわ。さ、今日はおやすみなさい」
「はい」
と、しずかが眠りについたのを確認したミーアは出て行った。
その頃、宇宙では、ある物が発見され、プラントでちょっとした騒ぎが起きていた。
それは、プラントから離れた宙域に有る、大きな隕石だった。
だが、軌道から見ても、衝突の危険性はないのだが、念の為、調べておくようにと議長は言い、何ども色々な部隊が向かったのだが、皆が途中で気分を悪くしてしまったのだ。
そして、この任務がやはりジュール隊にも回って来た。
「やっぱり、俺達にも来たか」
「どういう事だ?ディアッカ」
「別に。なんかさ、予感みたいなのを感じてたんだよ」
「予感?」
「ま、それはあの石を見てからだな」
と、ディアッカが先行し、イザークも続く。
そして、石に近づくにつれて、その石は変な波動の様な物を出している事に気が付いた。
「なるほど。この妙な波動を感じて逃げたのか」
と、ディアッカが近づくと、石から声が聞こえた。
「! これは……お前、なのか?」
と、ディアッカが言うと、石は緑色の光を放った。
「それじゃあ、その大きさだとデカすぎるから、ワリィけど、ちょっとだけ、削らせてもらうぜ」
と、ディアッカは、グフにいるイザークに通信をいれた。
メテオブレイカーを使わず、ビームトマホークと剣で削る事になったのだ。
それは、中にいる卵が傷つかないようにと願うディアッカの心が有ったからだ。
それから3時間後、ようやく卵ギリギリに削れた。
後は、プラントの1つ医療や生物に関係するフェブラリウスワンに、卵を入れる事にした。
そして、搬入された卵は、地下へ運ばれ、内部の様子を観察する事にした。
「早く出て来いよ。待ってるからな」
と、ディアッカが言うと、イザークは、
「何をしている?」
「別に」
「お、おい待て。貴様! 隊長の俺に隠し事かー!!」
「そんなんじゃねえっての」
と言いながら、2人は母艦ヴォルテールに戻った。
一方のカーペンタリア基地にいた議長の元に、その卵の報告が入った。
「あれは岩塊の1つではなく、卵だったとは……わかった。それはこちらで手配しよう。中身が卵とわかった以上、プラントで育てるのは到底無理な話しだが、地上なら、話しは別だ」
「しかし議長。ジブリールの事がまだですが」
「それはミネルバに担当してもらう。ようやく落ち着いて来た彼女だが、あの少年は、まだ隠し続けている。
しかも思いっきり受けたあの絶交宣言で気絶してしまってね~。全く厄介な子供だ。こういう時こそ、大人である我々が、キチンと教育してあげないとね」
「教育……ですか?」
「そう。調べに対して、彼は自分が好きな事も隠している。だからまずは、その好きな事を紐解いて行こうと考えている。幸い、あの2人を監禁しておく場所もできているしね」
実は、デュランダルはこの基地に彼等専用部屋を用意した。しずかには普通の部屋を。のび太には牢獄を用意した。
なぜなら、のび太はまだ、ジブリールがどこへ行ったのかを話していないからだ。シンもレイもかなりいきり立ち、鞭でシバキまくり、彼はシンを怖い物と認識しており、もう少しという所まで来ていた。
一方しずかの部屋には、いつもルナマリアが通ってくれ、ようやく心を許し初めていた。
その頃、宇宙では、フェブラリウスワンからの通信で、卵に動きが有ったという通信が入り、イザークとディアッカが見に来た。
その博物館では、地球にいる様々な動物達をここで見る事ができ、普段どんな生活をしているのかを見る事が出来るのだ。
しかも今日は平日なのでまばらだが、それでも様々な人が見に来ていた。
「へ~。入るの初めてだけど、結構にぎわうんだな~」
「今日は仕事だ。遊びじゃないぞ」
「分かってるって」
と、2人は専用の通路から中に入り、エレベーターで下に降りると、地下3階で止まった。
すると、卵には、様々なパイプが取り付けられており、調査が進んでいるが、やはり時々赤くなっている。
「まただ」
「怖いんだよ。あいつ等が」
「ディアッカ?」
「あの卵にしてみれば、怖いんだよ。自分に何かしようとする化け物って感じに見えてんだと思う」
「……」
イザークは不思議そうにディアッカを見ると、下に着き、エレベーターから降りた。
「ご苦労様です。ジュール隊隊長のイザークジュールです」
「副官、ディアッカエルスマンです」
「所長のエリス、ワイムです。現在の成長具合からすると、後もう少しで孵化が始まります。その前に、地球に下ろすべきかと」
「……確かに卵だけなら問題はないが……」
「カーペンタリアの方が良くないか? あそこの気候が良いから、育てると意味でも合うと思うし」
と、ディアッカが言った時、卵が黄緑色に変わった。
「卵の色が」
「計器をチェックしろ」
「はい」
「これは……さっきまでとは違います。最初から赤く光る物だと思っていたのに、どうして急に……」
「う~む。突然の色の変化……一体何が……」
と考えていると、ディアッカの頭に奇妙な声が聞こえた。