二次創作小説(紙ほか)

(第5章 ドラゴン、カーペンタリアへ輸送と、謎の飛ぶ猫) ( No.8 )
日時: 2022/06/05 18:10
名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)

 それはまぎれもなく、あのドラゴンからだった
「お兄ちゃん優しいね。ありがとう」
「当然の事だよ。お前はもうすぐここから出して、もっと育ちやすい環境に移してやるからな」
と、話していると、
「スパーン!」
と、いう音と共に、イザークがディアッカをしばいた。
「痛ってー! 何すんだよイザーク!」
「やかましい! そっちだって何独り言ごちゃごちゃ言ってる!?」
「え? 聞こえないの?」
「何が?」
「……」
と、イザークが黙ると、卵がまた赤く光った。
「また卵が」
「ほら~イザークが変な事するから、また警戒しちまったんだよ」
「だから、なんで俺がダメでお前が良いのか説明しろ!」
「説明も何も、聞こえて来るんだよ。頭に直接」
「ハア~?」
と、イザークが不思議に思っていると、また卵が反応し、調べて行くと、ある学者が気付いた。
「あの、この卵見た時、ディアッカさんにだけ、聞こえたんですね。声が」
「あ、はい」
「う~む。つまり、この卵は、あなたを母親か何かと思ってしまっている。一方のイザークさんは、怖い人と認識されているワケですね。
「ま。よくどなるしね」
「やかま……しい……」
と、言うとディアッカは、ふざけて、
「そうそう。普通にしてれば、卵も赤くならないんだよ。要するに、この卵には、既に外の様子が見えてるって事だよ」
「と言う事は、カーペンタリア基地には、こちらから連絡を入れましょう。丁度議長が降りているそうなので」
「頼む。こちらは輸送の用意をする。たしかモノグラス(ローラシア級戦艦)が暇だって言ってたから、頼んで」
「ああ。あ、確かに俺の部隊に1人いたな。アカデミー時代に世話になった人がいるって聞いた。そいつに頼んでみるか?」
と、ディアッカが通信機を使おうとしたが、圏外だった為、1人で上に行こうとすると、
「行っちゃうの?」
と、卵の声が聞こえた。
「悪いな。ちょっと仕事でね。ちゃんと会える時は来るから」
と言って、ディアッカは先に出て行き、連絡を取ると、丁度艦長が戻っていた。
「この艦を?」
と、モノグラスの艦長ラシーバ・アルミルバに、ディアッカが交渉してみた。
「ああ。卵をカーペンタリア基地に下ろしてくれるだけで良いんだ。あの卵は、俺がいると。安心するし、頼むよ艦長」
「分かった。そういう事なら引き受けよう。一応ジュール隊長には?」
「俺が言っておきます。では、失礼しました」
と、ディアッカが出ると、早速イザークに連絡した。
「早かったな」
「丁度休暇明けだったんだとさ。一応卵の大きさとか調べて置いてほしいって言ってたぞ」
「分かった。後で落ち合おう。カーペンタリア基地とは、さっき連絡を入れた」
「了解」

一方のカーペンタリア基地はと言うと、議長の声もあり、卵の育成用の場所を作っていく。学者達からの予想を想定して、色々なプランがたてられたが、反対側が開いていたので助かり、そこにその卵を招く事にした。

ちなみにこの時、ミネルバは補給を受けている最中だったのだ、シン、レイ、ルナマリアが手伝う事になった。最初シンは乗る気にならず、フェイス権限を利用し、アーサーを借りる事にした。
「全く。職権乱用も良い所だわ」
と、グラディス艦長は呆れていた。

そして、準備作業をしている場所へ行くと、MS総がかりで作っていた。
「ええ~なんでMSまで?」
「それ程大がかりな仕事と言う事だ。俺達が手伝うのは、プレハブ小屋だ。あそこから、卵の様子を見る。
「まあ、観察小屋と、寝泊りの部屋ね。シャワーどうする?」
「簡易性の奴を利用してもらう。流石に2人ではやりにくいだろう」
「と言う事はうちから1人加わるという事ですか?」
と、アーサーが言うと、すでにその人選は決まっていた。
「ルナマリア。お前に一因する」
「え? 私?」
「今は整備中だ。その間ならお前は暇だろ?」
「ひ、暇っていうか。確かに卵は気にはなってるけど」
「おいそこ、こっちを手伝え!」
「あ、はーい」
と、皆は手伝いにかかり、1時間ほどで、全て終わった。

土地の方も順調に進み、水は海水をくみ上げて入れ、後は、卵が来るのを待つばかりとなった。

それからしばらくして、カーペンタリア基地への輸送をモノグラスが担当する事になり、もちろんヴォルテールも護衛に着く。

そして、モノグラスの方にはイザークのグフとディアッカのブレイズザクファントムが有った。そして、卵を守る様に配置された。
その中では、ディアッカが卵にそっと手を近づけて言う。
「もうちょっとだからな」
「まもなくポイントです」
「了解」
「了解」
と、イザークとディアッカが言うと、
少しの揺れと共に、下部が切り離され、卵はようやくカーペンタリア基地に着いた。

そして、皆で卵の輸送をMSで手伝った。
「おっき~!」
「まさかと思うが、化け物じゃないだろうな?」
「あ~この筋書きで行くと……俺もそう思う。軍人としては、ちょっとあれなのは分かってるんだけどな」
と、シンがうなだれて言う。

そして2人の機体はプレハブ小屋の近くに置き、2人はすぐさま、卵に計器を繋ぎ、様子を見る。

すると、ディアッカは、本当の風をと、外の空気を入れてやった。

風を感じて、また卵が黄緑色に染まる。
「寒くないか?」
「大丈夫。涼しいよ」
「そりゃ良かった」
「ディアッカ。いつまでそいつと話してる! さっさっとこっちを手伝え!」
「へいへい」
と、ディアッカも色々な物を卵に付けようとすると、やはり卵は赤くなった。
「……大丈夫。怖くないから。な。ちょっとだけ辛抱してくれ」
彼の声が聞こえたのか、卵は正常の色に戻り、計測をスタートさせた。

そして、1日が過ぎようとしていた。
ディアッカは網戸にしてから鍵を閉め、卵をガラス越しに手を置いて言った。
「それじゃ、電気消すな。あ、ここの電気は夜でも付けっぱだから大丈夫。俺とイザークは隣の部屋だから。じゃ、おやすみ~」
「うん。オヤスミ。お兄ちゃん」
「フッ」
と、ディアッカはどこか、嬉しそうな顔をしていた。

そして、イザークが着替えてベッドに入ると、ディアッカも着替えた。
「フア~~~~~~~」
「イザーク。眠いのか?」
「最近色々考えていたから……」
と、彼は速攻で寝てしまった。
「相変わらず、寝るの早いなコイツ」
と言いながら、ディアッカが電気を消して、2人は寝た。

ところが、これを確認したレイ・ザ・バレルは、小屋の様子を見に行こうとした。
その時。
「ピシャ~ン!」
と、雷撃がオチ、議長から預かっていた隠しカメラを壊された。
「なんだ!? 今のは!」
「レイ」
「スイマセン議長。謎の雷鳴により、カメラが破壊されました」
「フム。今のはどう見ても自然現象ではないな」
「はい。私もそう見ています」
と、レイが言うと、議長は外をみると、遠くに、丸い雷鳴のボールに入った何かを見つけた。
「なんだ!? あれは……レイ。出来るだけ、その小屋に近づいてくれ。くれぐれもバレないようにしろ。
あの卵を何かが狙っているようにしか思えない!」
「私も同感です。それでは」
と、レイは通信機を切ると、サブマシンガンを持ったレイが小屋に近づくと、
「バチ!」
と、電気が走った。
「電気!? どうなっている。クソ~。夜明けを待つしかないか。議長」
「分かった。やはり、朝を待つしかないか」

そして翌日。いつも通りの朝が来た。太陽の光が直接当たらないように設定されており、ディアッカはまだ寝足りないという感じだったが、卵の事が気になり、すぐさま着替えて見に行くと、黄緑色に変わっていた。
「変化等は異常なしか……」
「お兄ちゃん」
「どうした?」
「あのね。昨日、僕達の方を見てた怖い人がいた」
「怖い人って、もしかして、卵の観察を覗きに来るとかそんな感じか?」
と、言っていると、ようやくイザークも降りて来た。
「お前にしては、早い方だな。何か有ったのか?」
「おはようさん、実は昨日の晩に、誰かがこっちへ来ようとしてたらしいんだ」
「議長の手先か」
「と見て間違いないだろうな?」
「しかし、議長はこの卵を使って何をしようと言うのだ?」
と言っていた時、天窓に猫が一匹おり、天窓を引っかいていた。
「猫? 入りたいのか?」
と、ディアッカがいうと、猫は勢いよく入って来て、途中から翼が生えたて2人をビックリさせた。
「と、飛んだ……」
と、2人がビックリしているが、この先のビックリが待っているとは思わなかった。