二次創作小説(紙ほか)
- Re: ひみつの嵐ちゃん房総半島大満喫ツアー ( No.2 )
- 日時: 2022/08/06 20:00
- 名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)
その日、アイドルである彼らは1人北京オリンピックで取材中の仲間を残し、房総半島を旅する事になった。
今日1日は彼等にとっては有意義な物になると思っていた。
まずは、新鮮な魚介類が、朝取れたばかりで、あれこれ試食しながら、
お土産が買えるという店に立ち寄ると、今がまさに旬の一品の牡蠣をリーダーが一気に食べた。
「美味しい」
そして、その言葉を聞いたみなが次々と牡蠣をほおばる
「美味しい。凄いクリーミーな味がする」
そして、ここでもメンバーの事を忘れない皆は、牡蠣の保存を聞いて、お土産として買い、次にみつけたのは、ハマグリサイズの大あさりで、焼いて醤油をかけて食る。
「おいしい!濃厚!」と、メンバーの1人が言うと、相葉が、
「お父さんこれ何日ぐらい持つ?」
と聞くと、お店の人は、
「冷蔵庫で3日」
「3日!?」
と、彼は驚くが松潤は、
「いいじゃん俺等で食べちゃえば」
と言うと、簡単に試食できるコーナーを見つけた引率者は、今が旬のサバの開きを発見すると、お店の人が、皆に箸を配り、早速サバをパクパクと食べた後、メンバーへのおみやげをしこたま買い込んだ。
そこへ、
「あれ?……もしかして、嵐さんですか!?」
と、ルパン三世の様な頭をした、六角中1年部長の葵剣太郎が部員を連れてやって来た。
これを見た二宮は、ひそひそと話しだす。
「何この人? 呼んだ?」
「いや、呼んでないっていうか知らないし」
そんな様子を見ていたのか、この六角中テニス部員の監督を務めるオジイが意図を察した。
「これこれ皆、落ち着きなさい。困っておる様じゃ。今日はお忍びかの?」
「ま、まあそんなとこですね」
と松潤が答え
「夏休みなのよ俺等」
と、相葉が言うと、オジイは納得したように頷いた。
「ほう。夏休みとな」
「はい」
「なら、夏にぴったりの場所がある。お前さん達、腹は減っておらぬか?」
と聞くと引率者が、聞くと、
「あ、美味しい所知ってるんですか?」
「まあ、俺達、この辺りが地元ですから」
と、白い髪に青色の瞳が目立つ男前な佐伯虎次郎が進み出た。
「じゃあオジイ、この人達も一緒にどう?」
「うんうん。バーベキューは、大勢いると、とっても楽しい」
「だってさ」
「じゃ行こう行こう」
と、佐伯に先導され、裏手にあるバーベキュー店にやって来た。
この店は、ズラリと並んだ新鮮な魚介類を、好きなだけ取って焼くだけの超簡単なお店だった。
「うわすごいねいっぱいあんじゃん」
「ここは、自分で食べる物を自分で好きなだけ取って食べられるんです」
と佐伯が説明し、相葉も納得した。
「へえ、そうなんだ」
「たまにここに来たりするのね。雨が降ってバーベキューが出来ない時に」
樹が言うと、
「え?練習とかどこでされてるんですか?」
松潤が聞くと、佐伯が、
「俺達は浜辺でテニスやってるんです。だから、海にもそれなりに知ってるし、遠泳したりしてますからね」
「へ~」
そして、皆がそれぞれ席につこうとする時、ハプニングが発生した。
六角中は椅子は十分足りているが、嵐側は足りない。
そこで、ADに聞いてみると、
「すいません。寝て無くて、ここしか空いてなくてある分だけで…」
「ちょっと菊ちゃんなんかこう、ないの? 何かで席を決めるの」
「椅子取りゲームがありますが」
「ああ椅子取りゲームええなあ」
という事で、バーベキュー争奪椅子取りゲームがスタート。
曲が流れだし、それによって、皆はイスの周りをぐるぐる回ると、突然音楽が止まり、
皆は急いで椅子に座るが、二宮があぶれてしまった。
そして、皆はバーベキューに夢中になる。
六角中もそれぞれ取って来た物を食べ、嵐側も食べまくる。
とそこへ、
「カラカラ」
と何かが近づいて来るような音がして、皆がそっちを見ると、よくドラマの高級レストランで、料理が運ばれてくるカートが二宮の前で停止し、彼が恐る恐る蓋を開けると、そこには美味しそうな魚類をふんだんに使ったイタリア風の料理が有った。
「うわすげ!」
「え~! ニノ何それ?」
と相葉が言い、
「めちゃめちゃ贅沢だよねこれってさ~」
と、松潤が言う
「あ、あの、それよりそのカート……どこから来たんでしょうか?」
と、葵が言って、皆は初めて、カートの存在に気付いた
「あ……」
皆が来た方向を見ても何もなく、誰が出したのかもわからない物だった。
「てか、これ、食っていいの?」
二ノ宮は若干迷いはしたが、フォークで刺して食べてみると、魚のぷりぷりの触感に更に甘みのあるタレがかかっていて、それはまさに絶品だった。
「うわうめ~! 超うまい! この刺身とタレのコントラスがスゲーよこれ」
と、そこで引率者が
「さて、皆さんには、バーベキューを味わっていた所で、この魚介類を取れる場所に行ってもらおうと思います」
「え?全員で?」
と相葉が言うと、
「もちろん」
と言い、剣太郎もびっくりしながら、
「え!? もしかして僕達も良いんですか?」
と聞いてみると
「もちろん」
「あの外れた彼も?」
「当然です」
そして嵐チームに六角中の皆がバスに乗り込むと、漁港へやって来た。
「はーい。では、早速すだて漁に挑戦していくわけですけれども、皆さん準備はいいですか~?」
「おー!」
「そして、今回すだて漁まで案内してくださるのが、すだて漁に詳しYさんと見崎のCさんにお越しいただきましたよろしくお願いします」
「と、全員で頭を下げる」
ふいに相葉が、素人でも取れますか?と聞くとYは、
「どうでしょうねこれですね~と腕を叩いた」
「こっちか~」
と皆も腕を叩く。
そして、皆はYとCの船に乗り込みそれぞれ出港した。
―――――――
沖へ出る事10分ですだてが見えて来た。
結構近い位置にあった為、2人はそれぞれのすだての前で船を止めた。
そして、
どれ位深いんだろう? という話になった時、葵がまず飛び込むと膝までしか水が来なかった。
「大丈夫みたいですよ~」
と声がかかり、皆は船を下り、すだての中を見る。
「うわ~これかなりいそうですよ~」
と葵はやや興奮気味だ。
そして、それぞれ分かれ、すだての中へ入っていく。
まず、松潤と黒羽がイカを見つけた。
「超かわい……ててて! 噛まれた」
黒羽がもう一度捕まえると、そのまま食べられる事が分かり、黒羽が躊躇していると、
「俺いこうか?」
「え? 大丈夫ですか?」
と、黒羽が言うより先に松潤は一気にイカを食べた。
突然の事に黒羽が、
「うわいった……大丈夫ですか?」
と、黒羽が効くと、彼は片手で南無阿弥陀仏の様に礼をすると、
「超うま。ぷりっぷり」
「こんなんアリか? 見つけてその場でパクってなんだよこのシステム」
そして、佐伯、相葉チームの方ではすごい大物が見つかった。
なんとそれはススキで、佐伯と相葉は、なんとか追い込もうとするが、なかなか追い込めない。そしてふたりが呼吸を合わせて、1人待機していた引率者のバケツの中にスズキを入れる。
本人はかなりこわがりで、
「いや~! ちょっと~! あんたらよくやったな~」
「イエーイ!」
佐伯と相葉はすっかり意気投合して喜び、ハイタッチした。
一方大野天音チームは高級魚の鯛をゲットしていた。
そして、しばらくすると、採った魚を早速捌いて食べる事にした。
まずイシガレイの刺身だ。それも透明で、味もかなり良い物だった。
松潤は
「うん。アッサリしてるけど、味はしっかりしてる」
そして、引率者も醤油ちょっとつけて食べると
「ホンマ。おいしい」
一方の六角中の皆も、食べていた。
まず葵が試食すると、
「うわ~すごい!。これ、なかなか食べれないよこんなの」
彼の言葉に、六角の皆が集まる。
「お~味はアッサリだけど弾力があってすごい美味しい」
「ジャアわしも」
と、オジイも食べる。
「う~ん。まさに海の恵みじゃ」
そして、続いては高級魚の鯛を刺身にして食べた。
みんなが満足すると、船に帰ってからも、魚の料理が続く。スッカリはまった六角中と嵐の面々だが、ここでお別れする事になった。
養老渓谷に向かう為、バスに乗って行ってしまったのだった。
車内では、引率者が皆に、
「皆さんどうですか?」
と、言うと、も1人の引率者が、
「なんかみんな完全にリラックスしてますけど、まだまだありますよ~」
「俺等十分満足してるよこれでも」
「次はイオンで皆を癒します。あのさっき言ってた養老渓谷はですね。かなりイオンが強いので、十分癒されると思いますよ」
と言い、バスはひた走った。
そして、バスを降りると、喉かな田舎の風景が涼しい風を運び、みんなを癒す
「いや~涼しいね~」
「あ~これ翔ちゃんにも見せたかったな~」
と相葉が言うと、ここで1人仕事をしている櫻井翔に、電話をかける事にした。
しばらくコール音がなり、プチっという音と共に、相葉が
「ニーハオ」と言ってみると、向こう側から声が聞こえた。
「あーニーハオニーハオ」
「あ、翔ちゃんだ。今ねえ、あのね。俺等夏休みやってんの、千葉でね。それで、翔ちゃんにもおみやげたくさん買ってあるから」
「マジで?」
「マジでマジで。例えばねスズキ一匹買ったしね」
と、聞いた翔は困った。
「いやいやいやそれ買ってもらってどうすればいいの? 俺」
「だからいっぱい買ってあるからね」
という相葉に翔は、
「じゃあ、俺もなんか買って行くよ、切手とかどうかな?」
「あ、それでいいんじゃん」
「それで良いって」
皆の意見を相葉が伝えた。
「あ、そうなんだ」
「じゃあ、お仕事頑張ってね~」
「おう!」
と電話が終わり、彼らはパン屋さんに入っていった。
ここはかなり有名な店で地元民だけでなく県外からも人を寄せ付ける人気の名店だった。
「どうする? お土産にする?」
「買う」
と、皆がパンを選んでいた所へ、
「うわ~嵐だニャ~!」
と、嬉しそうな顔をして突撃してきたのは、青春学園3年の菊丸英二だった。
「こ、こら英二、迷惑だから騒ぐなッて」
と、大石が菊丸を止める。
「びっくりした~」
相葉がちょっと引き気味になると、
「ああ、すいません。彼、芸能人好きだから」
「ああそんなんだ。えと、ジャージ姿って事は、テニス部なの?」
相葉が聞くと、手塚が続く。
「はい。青春学園3年、部長の手塚国光です」
その言葉に驚きながらも、大野が握手した」
「えっと、こっちへは試合か何かで?」
「はい。別の中学との遠征試合に。皆、いつまで騒いでいる。挨拶くらいしろ」
すると、皆がそれに気づき、1人ずつ挨拶をした。
まず、帽子をかぶった小っちゃいリョーマが挨拶をする。
「ウィーッス。青学1年、越前リョーマ」
と彼に続き、黒髪の男子が言う。
「俺は2年の桃城武」
次に緑のバンダナをした男子が、
「2年の海堂薫だ」
挨拶し、続いて、四角いメガネをかけた、長身の男が挨拶をする
「3年の乾貞治です」
おっとりして、目を閉じていそうな男子が挨拶をする。
「同じく不二周助です」
彼に続いて、どことなく、本当に中3? と疑いたくなるような赤い男子が挨拶をする。
「同じく3年の、菊丸英二だよん♪」
そして、卵をさかさまにしたような顔の男子が挨拶をする。
「副部長の大石秀一郎です」
最後に、
「寿司屋をやってる河村隆です」
と、面々が言うと、少しおばさん風な女性が言う
「お前達。私を忘れてもらっちゃ困るね~。監督の竜崎です」
「ああ、どうもご丁寧に」
と嵐メンバーが頭を下げると、さっそく本題に入った。
「今日ここへ寄ったのは、ここのもう1つの看板メニューである。ピザ作りに挑戦する為だ」
「え?ピザ作れるの?」
「ああ。そこに窯があるだろ?それでピザを焼くんだよ」
「あ、そうだ。ねえねえ、皆も体験してみない? ピザ作り」
という、竜崎の言葉に、
「え? 良いの?」
「別に人数制限ないし、アイドルグループが来たとなれば、ここの評判も良くなるだろう」
と言うと、相葉が、
「あ、宣伝兼ねてって事ね。いいじゃんいいじゃん」
というわけで、嵐ちゃん一行と青学のみんなでピザづくりに挑戦してみる事にした。
生地にソースを塗り、その上から野菜を乗せたりチーズを乗せたり、野菜を切ったりしながら、それを乗せていく。
そして、ついに出来上がったピザを窯に入れてグツグツと焼き。
乾が青学のピザを切って、それぞれ持って来たのだが、嵐側ではハプニングがあった。
なんと3枚と2枚になってしまったのだ
そして、またも椅子取りゲームをする事になり、大野が負けたので、皆は好き放題にピザを切って食べる。
「うわめっちゃうまい」
松潤がそう言うと、青学側も
「わ、美味しい」
「う~んばっちりだよ」
そして、菊丸は切ったピザを1枚ずつ嵐ちゃんの所に持ってきた。
「よかったらどうぞ」
「あ、ありがとう」
相葉が食べてみると、見事にトマトの触感がマッチして、とってもおいしかった。
「うわうめえ超うまい」
そして、もう片方は、肉と野菜のコントラストのピザで、松潤がほおばる。
「お~超うまい」
「ありがとう」
菊丸がお礼を言うと、大野の方を見ると、こちらをチラ見している。
「あげた方がいいかな」
と、菊丸が大石に耳打ちすると。
「仕方はないよルール何だし」
「そっか……」
と、すっかり皆が堪能したところで、養老の滝でスイカを食べた。
「わ~美味しいニャ~♪」
と菊丸が子供っぽく言うと、桃城が
「こういうのも、悪くないっスね」
と言い、手塚が、
「ああ、心が落ち着く」
と、言いながら、スイカを食べ、
「景色もいいし、最高だよな~」
と、河村も喜びながら食べる。
ところが……
「フシュ~」
という海堂に、相葉がちょっと引く。
それに気づいた不二は、
「すいません彼の口癖なんで、気にしないでください」
「あ、そうなんだ」
「最近は、練習ばかりであまりのんびりした事がなかったからな。こういう事ができれば、士気が上がる」
「さすが部長。渋い事言いますね」
ここで嵐が爆笑し、次なる目的地に青学も付いて来る事になった。
―――――――
一行が着いたのは、ある動物王国だった
そこでは飼育されている動物にエサをあげる事ができる、癒しスポットとなっていた。
「わ~見てみて大石、カピバラがいるよ」
2人が近づくと、カピバラも興味を持って近づいてきた。
他のメンバーもそれぞれ動物にエサをやっていき、この動物王国の人気スターでもある、3頭の象がいた。
それぞれに名前が付けられており、その動物王国の園長が、その象ともっと親しくならないかと声をかけ、リーダー大野が近づくと、鼻に座り、象はそのまま持ちあげた。
「うわ、すっげー! 次オレオレ」
「やれやれ」
と、大石が呆れながらも、菊丸の方を見ると、彼をなんなく持ち上げて見せた。
「やっほ~!イエーイ! 不二,撮れた?」
「ああ、綺麗に撮れてるよ」
「じゃあ、次は手塚が行ってみよ~!」
と菊丸がはしゃぐと、手塚は困った顔をし、ため息をつきながら、象の鼻に乗り、持ちあげられた。
「はい。手塚もしっかり撮れてるよ」
その言葉に、手塚は思わず笑みを浮かべた。
「じゃあ、次あたしね」
と、引率者が行ったのだが、
「キャ――――!!」
とすごい声を出し、象から降りた。
「怖い~~~~」
そして、次に相葉が行くと、
彼は途中で飛び降りた。
「うわ!~~舐めた」
「アハハそりゃ驚くよね」
と菊丸が言うと、象がパオパオと鳴きながら、誰かを差している。
「ほえ? どうしたんだろう?」
「行動から察するに、越前を呼んでいる様にも見えるが」
「俺っスか?」
嵐の皆がそちらを見ると、確かに象達の鼻は越前に向いている。
「呼んでるよ越前君」
と相葉が言い、
「これ、名誉な事だからね」
と二宮が言い、
不二がカメラを向ける。
「……しょうがないな~」
と彼は象の鼻に乗ると、象はすいッと越前を持ちあげた。
「すげえな越前」
と桃城がいい、不二も絶好のシャッターチャンスを逃さなかった。
「良い絵が撮れたよ。後でプリントあげるね」
そして、越前が象から降りて来ると、園長が、
「じゃあ、皆でコミュニケーションをとった所で、この象でサッカーをやってもらおうかな」
「サッカーか~」
「良いじゃん良いじゃん」
象が蹴るサッカーはかなり大きく、皆は不安になった。
でも、二宮は負けられない。前にジャニーズのサッカーでMVPを取った事がある。そのプライドに賭けても負けられないと思い彼は構えた。
「行きまーす」
と、象が大きなサッカーボールを蹴った瞬間彼は逃げた。
「何だよそれ」
「口だけのMVP?」
と仲間から言われるが、これはある意味しかたない。ボールが迫って来るにつれて大きくなる為、受け止められなかったのだ。
「いやさ、受け止めようとしたんだけど事故った事ないけど、事故を起こす時みたいにグーンって来る」
そして、引率者の2人はボールが来ると、柱に捕まったりして、結局返す事が出来なかった。
嵐チーム全員が敗れた所で、青学チームが参戦する事になった。
まずは空き缶に割りばしがあり、それに書かれたアタリの人が受け止めるという事になっていた。
そして、なんとそれに菊丸が当たった。
「うわ俺だって」
「頑張ってくださいよ~せんぱ~い」
「油断せずに行こう」
「もう、皆他人ごとだと思って」
と、彼はゴールキーパの絵が描かれている場所に移動した。
「いいですか?」
「はい!」
「ではいきま~す」
象がサッカーボールを蹴ると、菊丸はそれに突撃し、見事ボールを跳ね返した。
「お~すげ~」
「やった~」
「ま、菊丸先輩なら」
「あれぐらいはやると思ったけどね」
「ケッ!」
海堂だけが、何かつまらないというような顔をしていた。
そして、青学チームは全員合格していた。
「さて、次は、ダンスをしてもらおうかな?」
「あ、ダンスなら俺等得意分野だよ」
と相葉が言い、皆も頷く。
青学の皆は少し離れた所で生の嵐のダンスを見た。
それは言葉には出来ず、みんな黙ってしまった。
不二はカメラを撮り、乾もデータを取る。
そして、ダンスが終わると、皆は拍手喝采で終了した。
「すげえ!初めて生で見るとカッコいいじゃん」
菊丸がそう言うと、
「いや俺等もさ、突然だからちょっと緊張しちゃったよ」
と答えた。
そして、この後、彼らは夕食を取る為に、この房総半島では超高級のブランド牛を食べられるという店にやって来た。
「うわ~なんか高そうだにゃ~」
菊丸が不安げに言うと、乾が、
「この店では、最高のA5ランクのかずさわ牛を一頭飼いする事で普段では高い肉を安く食べる事ができるそうだ」
すると、竜崎が不気味に笑い出す
「フフフフフ」
「な、なに?」
「お前達。私が何の根拠も無しに、ここへ来たと思ったのかい?」
「え?俺達について来たからでしょ?」
「まあ、それも本当に偶然と言えば、偶然じゃ。だがの」
と、彼女がポケットを探ると、何かのチケットらしき物を取り出した。
なんとそれは、この店の物で、高級ブランド牛ザブトン、トモサンカク、ミスジと書かれたチケットだった。
「ばあさんこれって……」
「そ。これを偶然商店街のガラガラの特賞になっとってね。私の孫の桜乃が、偶然当ててきおったんじゃ。で、そんなおりに練習試合の話が入って、こうして、お前さん達にごちそうしてやろうかと思ったわけじゃ」
「当てたんすか? あのクジ。俺もだいぶやったけどあたんなかったんスよ?」
「ま、何はともあれ、中に入ろうじゃないか。おたくらもここで食べるんじゃろ?」
「はいそうです」
と、引率者に先導され、皆が店に入ると、そこには思いもよらぬ珍客がいた。
「じゃあ行こう~……あれ? あそこにいるのって……氷帝!? なんでいんの!?」
なんとそこには氷帝学園テニス部がいて、彼等も焼肉の真っ最中だった。
この時、青学テニス部がヤバ!っという顔で大石修一郎を見た。
彼は肉の事となると、とにかくうるさくなってしまうという癖があり、周りからは、焼肉奉行とまで言われていた。
怪しいオーラを察知した皆は急いで大石を止める。
だが、彼はついにその本性を現した。
「肉汁命! この世の焼肉は全て、俺が制圧する~!」
とまで叫びだし、嵐メンバーは、一瞬引いた。
「何あれ?」
リョーマに相葉が聞くと、彼はこう答えた
「ああ、大石先輩。別名焼肉奉行って呼ばれてて、肉の事となると物凄くなるんスよ」
「焼肉奉行って何?」
「えーと、肉汁が命だとか、タレはつけすぎるなとか、とにかくうるさくて」
「うわ、最悪」
二宮が思わす言うと、やっと大石も落ち着いたのか、大人しくなった。
この姿を見た氷帝も、思わず苦笑いした。
それは全国大会決勝を祝うため、焼肉を食べる事にしたのだが、彼等もなぜかそこにいて、学校対抗焼肉大食いバトルが開催され、
最後はメチャクチャになってしまったので、結局みんなが落ちてしまって終わりになってしまったのだ。
「あ~…アハハ」
皆は苦笑いし合うが、アラシちゃん達はこの時の事を全く知らないので、訳が分からずにいたが、とにもかくにも、今回はアラシがいた事で
希少部位の肉を食べられるという事になった。しかもここでの高級ブランドの肉は跡部も食べた事すらないのだ。
そして、嵐、青学、氷帝と並んだ所で、希少部位のお肉が早速出て来た。
「これはどこですか?」
「これはザブトンと言いまして、肩ロースの部分になります」
このザブトンは、わずか3頭から1gしか取れない油の乗った濃厚な味が特徴だ。
「うわ! 何これ美味C~」
芥川慈郎がご飯と一緒にがっつくと、乾も食べる。
「うん。さすが濃厚な味だ。また良いデータを取らせてもらった」
「うわうま!」
「てめえはうるせえんだよ。食べる時位静かにしやがれ」
と、文句を言っていたマムシこと海堂薫だったが、肉を口に入れた途端
「うめ~!」
と言ってしまった。
そして、ハッと我に返ると、桃城がニマニマしながらこちらを見ていた。
これにはさすがのマムシも切れそうになったが自分も同じ事をしてしまった以上何も言えず、真っ赤になって座った。
「あの2人、仲悪いの?」
と、相葉が聞くと、大石が、答える。
「入部当初からね。ずっとあんな感じ。こっちも何回ハラハラさせられた事か」
「あ、そうなんだ」
そして、次に運ばれて来た肉はトモサンカクと言い、モモの付け根のあたりの部位で、2kgしか取れない超貴重なお肉だ
脂がのってる割にあっさりとしたのが特徴だ。
早速食べてみると、溶けそうなほどにおいしく、
「これもおいC~」
「わ! 本当にこれ溶けそうですよ」
と鳳が言うと、
「美味しい」
「うん。悪くない味だ。なあ樺地」
「ウス」
そして、このお店のベスト1が登場したまではいいのだが……
ADが運んで来たので、氷帝以外の皆は嫌な予感がしたが、やはり1枚たりなかった。
すると、跡部は、
「樺地」
「ウス」
と、机の隅に有った物の布を持ち上げると、そこには合計16個の椅子が置かれていた。
「俺様が用意した物だ。ルールは簡単だ。椅子取りゲームをし、あぶれた物が負けという事になる」
「やっぱし……」
と、相葉が言うと、青学の皆が乾から遠ざかる。
「何を期待しているのかな?」
と、乾が言うと、皆は被りを振って、
「してないしてない」
と言う。
そして、始まった椅子取りゲーム……
結果、松潤、越前、岳人があぶれ、離れた席で、皆の様子を見ていると、
「カラカラカラカラ」
と、何か、カートの様な物が近づいてきた。
しかも、その上には蓋をされた、何かが乗っている。
そして、それはまるでプログラミングされたかのように、3人の前で止まった。
「これ開けて良いの?」
と、松潤が聞くと、越前は
「良いんじゃないスか? 俺等の前に止まったし、これ」
と言って、リョーマが蓋を取ると、そこには、
ご飯にミスジには負けるが、それでも超高級な肉がご飯の上にのっており、更にそのにくはタレがかかっており、みそ汁と、コーンサラダが入っていた。
それを見た青学側は、
「おいおいおい、なんで外れたのに、そんなに贅沢なんだよ~。う~……羨ましいぞこら~!!」
「いや、俺に言われても困るんスけど……てかこれ、食って良いの?」
リョーマは疑問に思いながら食べると、タレのかかった肉の味にご飯がマッチして、とても美味しかった。
「あ、肉とご飯がスゴイ合う。味噌汁は……」
、彼は味噌汁を飲んでみると、薄味の油揚げにネギが入っており、これもリョーマの好みだった。
「あ、オイシイ。てか、何でサラダだけ洋食風なんだろう?」
不思議に思いつつ、サラダとコーンの甘みが絶妙で、一気に平らげる事が出来た。
「ふ~なかなかいい味でしたよ」
「いい味じゃねえだろうが! 1人だけ贅沢しやがって~」
桃城の怒りはごもっともだが、料理は自分の前で止まったという事は、彼の分だったという事になる。
「でも、誰がこんな物用意したんだろう?」
と、不二が不思議がっていると、まだ松潤のフタは閉じたままだった。
「アンタのは何?」
「あ、俺の? なんだろ? せーの、ドン!」
彼が蓋を開けると、これまた見事な高級肉をふんだんに使った牛丼に薬味がかかり、卵の黄身が真ん中にあった。
それを見た皆は、
「うわすげ! めっちゃ贅沢じゃん松潤」
愛馬が文句を言っていると、彼はとりあえず、食べてみる事にした。
「いただきます」
と、彼が一口食べると、黄身とご飯にかかったタレの上に焼きたての肉にネギ、キムチが少々入っており、どこかの牛丼屋にでも、来たような感覚だが、肉の違いがあり、松潤はそれを完食した。
「うわ~これ肉が柔らかくて、肉汁がすごくて卵と相性バッチシ! これ牛丼屋行ったら相当高いと思うよこれ」
それを見た相葉は、
「ちょっと! なにそれめっちゃ贅沢じゃん!」
と言うと、桃城と菊丸も、
「おチビ滅茶苦茶贅沢じゃんか~!」
と、文句を言うが、リョーマは満足していた。
「え? だってあれ、俺のだったんでしょ? 感じからして」
「まあ、確かに、越前の前で止まったのは、確かだがどこからその料理が……」
と、乾は調べようとするが、まだ向日岳人のフタが開けられていなかった。
「あ、そう言えば、向日のフタ、まだとってないじゃん」
「岳人、何が入ってんのや?」
「あ、ああ。てか、なんか中でジュージュー言ってんだけど……
と、ふたを開けてみると、こちらもミスジには負けるが、超高級なステーキにオリジナルのクリームダレが乗っていた。
「わ~~~~~お前のもすごく贅沢そ~じゃん」
「か、変わりたい……」
と、侑士は、なんとかその場で踏ん張った。
食べてみたいのだ、あの高級ステーキを。
「じゃ、いただきます」
と、言うと相葉が、
「ねえねえ断面図見せて断面図」
「こうか?」
と、彼がそれを見せると、見事なミディアムレアだった。
「うわ~すげ~」
と、皆から声が飛び、
侑士も、
「こら岳人! そこ変われ~」
今にも暴れ出しそうなのを氷帝の皆で押さえた。
ところが、そんな事等知らず、彼は、その肉を切り、特性ダレに漬けて食べると、マッチしてすごく美味しかった。
「お~すげえよコレ、肉の中に、もう旨味が入って行くって感じで。うん。うまい」
そして、他の皆はミスジを食べる。
相葉が食べると、一番脂が乗っていた。
「これが一番脂乗ってる」
「イコール?」
「イコール一番うまい」
皆も思い思いに食べるが、そのうまさには皆が感動していた。
流石にここまで美味しい肉を食べた事のなかった跡部も、
「流石の肉だなこの俺に、ナンバー1と言わせるとは」
と言ったのを聞いて
「うわ~すげ~!あの跡部が1番って言ったよ」
「一番とは言ってない最高と言ったんだ」
「うん。たしかにこれ、口の中でとろけてまう。ホンマうまい」
「どうだ? かば……聞くまでもねえな」
樺地は肉をご飯に乗せて夢中でほおばっていた。
そして、この美味しい思いを、櫻井君へのお土産に29000円のシモフリサーロインを買った。
ところがこの後、お土産代だけが別払いになったのを知って、ひと悶着をするアラシ達だったが、こんな事もあろうかと、
中島があるゲームをする事になった。
それは、ある肝試しを行い。そこから一番ビビリーな人が払えばいい。
という判断になった。
はたしてその結果は……
続く