二次創作小説(紙ほか)
- 「太陽」の焔を(その1) ( No.121 )
- 日時: 2023/07/25 20:34
- 名前: 桜 (ID: LfHD8N1N)
今回はガウェインの過去話後半と決戦までの間の出来事!
こうして見ると、人間というのはなんていうか、無意識に罪深いんだろうな・・・
「小ネタ」死なれたら困ると思ったと供述しており
ツースト「OTL」
クー「あれどうした?」
モードレッド「あいりがフランスの製菓学校の行事のケーキ作りのために東京にある実家(月島家の大きいお屋敷)でしばらくはカンヅメするって」
以蔵「それは気の毒じゃな。おら、ツースト!死ぬような様子をしちょらんで・・・」
ツースト「クルーク達は了承するからお前らも頼む。あいりが学校の行事終わるまではスマブラ屋敷にあいりのポスターサイズで5枚は貼って欲しい・・・」
モードレッド「え?今のなんて?」
ツースト「じゃないと俺は寂しくて死ぬ!!(大号泣」
モードレッド「・・・;」
沖田「で、あいりちゃんのポスターをスマブラ屋敷に貼ってるんですか?ダーオカも自分からって?」
モードレッド「ツーストがこうでもしないと死ぬって言うから。オレも流石に困るし;」
あいりが不在時は「スマブラ屋敷に貼ってくれなきゃ死ぬ」とツーストが主張するのでクルーク達が交代制であいりのポスターサイズで5枚は貼っています。これはスマブラ屋敷内の日常茶飯事の一つです(ぇ)
「小ネタ2」サンソン君にお墨付きもらいました(※出会ったばかりの頃のお話です)
サンソン「エージェント様、遅いですね・・・」
アリシア「なんか危ない任務に行ってるわ。ボロボロになって帰って来ると思う」
サンソン「なんであまり心配してない態度で言うんだい?仮にもキミはエージェント様の主人だろう」
アリシア「エージェントはトラックにはねられても崖から落ちても死なないから」
サンソン「なんて?」
すると、エージェント達の住む屋敷のインターホンが鳴った!
アリシア「あっ、帰って来た」
サンソン「僕が出迎えに行くよ」
サンソンが玄関まで駆け出したら・・・
エージェント「サンソン〜;遅くなって悪いけど、せめてもの手当てしてくれ〜;(先程完了した任務の最中に銃撃戦に巻き込まれたことで大怪我」
サンソン「これ、せめてものじゃないですよ!!?」
サンソンが慌てて帰って来た自分のマスターを手当てした後の2日後・・・
エージェント「お前ら、心配かけたなー;」
アリシア「ね?」
サンソン「本当だ!あんな状態でも死なないなんて!!(思わず驚嘆」
アレク「カッコいい!!アキレウスみたいだ!!」
サンソン君も驚くようなエージェントの不死身ぶり(ぇ)
ユーリ「ガウェインはアメリアの生まれ変わりのホイップとその叔父であるクルーク公の元で暮らすことになった。皮肉にもそこから事件は始まったんだ」
クルーク「・・・」
ホイップとその叔父であるクルークの元で暮らすことになったガウェインはそれから1年が経ってもそれから違和感を感じていた。ホイップはアメリアの生まれ変わりだが、アメリアではない。しかし、どこか愛しさを覚える自分もいた。
ガウェイン(ホイップは間違いなくアメリアと同じ魂だが、どこか違う・・・だけど、だけど)
ガウェインは自分の違和感の正体もわからなかった。クルークは豪快な兄貴分ながら根は優しく、ドジだが天真爛漫な性格のホイップも彼を慕っている。それについてはクルークがホイップを引き取った理由を話した。
クルーク(ホイップの叔父)『ホイップは幼い頃からクラリネットを始めとした音楽の才能に恵まれてるんだが、両親が勉学や運動面で優秀な子供以外を認めなくてな。それに加えて二人とも音楽嫌いでホイップに辛く当たっていたんだ。まあホイップは母親の連れ子で、再婚した相手の俺の兄貴と血の繋がりはなく義理の姪だが、母親が兄貴の優秀な実子ばかりを可愛がっていたから、それで俺がすぐに引き取ることにしたんだ。大分揉めたけどな』
ガウェインはその話には共感できないものではなかった。むしろ彼女のクラリネットの才能も良きものだと認めていた。だから、二人がそれまで大変な思いをしていたことは理解できた。
ガウェイン(母親が実の子にあんな仕打ちをして・・・私ならばあのようなことはしない・・・)
ガウェインは自分の生前のことを思い出していた。年上の妻であるラグネルとの間にたくさんの子を儲けたこと。その子らには愛情を抱きながら接してきた。ただし、ラグネルに相当尻を敷かれたのか年上の妻がトラウマになったのだが。
ガウェイン(サーヴァントとなった今、恋愛に関しては自由に謳歌できます。その気になれば気に入った女性を手早く・・・でも、それは・・・)
すると、ガウェインの隣でクラリネットの音がした。ガウェインがたまに夜に歌っている曲だ。
ガウェイン「ホイップ、それは」
ホイップ「へへっ。ガウェインが歌った曲を覚えたんだ。僕はドジで失敗ばかりだけど、なんでか耳で覚えやすいんだよー」
ガウェインはホイップが耳の良さゆえにこれまでどんなに酷い仕打ちを受けてきたことを察していた。しかし、彼女はそれでも叔父のクルークに愛されて幸せに生きている。なぜか彼女のそういうところも愛おしく思えていた。
ガウェイン「ええ。よく表現できてますよ」
ホイップ「ホント!?」
ホイップはまだ齢十にも満たない子供だ。だからこそ辛い思いをした分幸せに生きてほしい。アメリアとは違うけれど、ガウェインはいつしかホイップ自身を気にかけるようになった。
その数日後、叔父のクルークはホイップにある話を持ちかける。
ホイップ「音楽受験!?」
クルーク(ホイップの叔父)「ああ、アメリカにあるジュリアード音楽院だが、そこでは幼い子供でも実力があれば受かる受験システムだが、その枠がもう特待生しかないんだ。かなり酷になるけど、大丈夫か?」
ホイップ「うんっ!頑張るっ!」
クルーク(ホイップの叔父)「おー、いい返事だ。まあホイップの実力的には問題ないけどな」
ホイップがアメリカにあるジュリアード音楽院の特待生枠で合格を目指してクラリネットの実技はもちろん一般科目が少ない筆記や聴音や楽典など音楽の基礎知識を始めとした受験勉強を始めてガウェインはその成長を好ましく思っていた。
ガウェイン「娘の成長を見守るのはもう父親ですね」
クルーク(ホイップの叔父)「自分でも父親は向かないはずだが、びっくりしたなあ」
すると、ガウェインはクルークに話す。
ガウェイン「やはり私がサーヴァントであるのは気付いてましたか?」
クルーク(ホイップの叔父)「ああ。時折ホイップの手に赤い印みたいなのが刻まれたからな。でも、そんなに驚かない。母親は人間だが、実父が羊のツノを持った宇宙人だからな。宇宙人と人間とのハーフはかなり希少だけど、今は人間じゃないことを知っても今更驚きはしないかな」
すると、ガウェインは持っているコーヒーを飲みながら聞く。
ガウェイン「・・・やはり。別人だと知ったとしても彼女を愛しく思えてくるのです」
クルーク(ホイップの叔父)「ガウェイン?」
ガウェイン「私がその人が今でも好きですよ。ホイップは似てはいますが違います。だけど、ホイップが愛おしくて私のそばにいてほしい。いつか私を愛してほしい。その気持ちがその人を裏切ってしまうのを恐れて怖かった。私はまだまだ未熟です。せっかく願いは叶ったのに」
すると、そんな彼の頭をクルークがポンポンと撫でてくれた。
クルーク(ホイップの叔父)「別にいいんじゃね?それでも」
ガウェイン「は!?こんな時に随分と楽天的な!」
クルーク(ホイップの叔父)「だって、その人はそれで怒らんよ。怒るなら自分に似てるからと好く方だな。彼女はあんたに愛されて幸せだったと思う。だから、今の顔を見たら嬉しいと思わないだろう。違うか?」
クルークの言葉にこれまで自分を縛り付けていたしがらみから解き放ったような感覚がした時、ガウェインは涙を流した。
ガウェイン「違いません・・・違いません・・・!」
そんなガウェインをクルークが優しく頭を撫でてくれた。その数分後、ようやく泣き止んだガウェインにクルークは助言する。
クルーク(ホイップの叔父)「流石に二股はいかんが、恋をした女性が複数いてもいいじゃねーか。ちゃんと未来があるから人は思い出を楽しめるんだよ」
ガウェイン「・・・そうですね」
すると、ホイップはホイッスルを鳴らしながらクルークに注意する!
ホイップ「お父さん、ガウェインを泣かしたー!!」
クルーク(ホイップの叔父)「ホイップ!いや、違うよ!これには理由があるんだ!」
ガウェイン(アメリア・・・ごめん。ごめんなさい・・・)
すっかり日常風景となった明るい日常。このままこれがずっと続ければいい・・・
ホイップ「ガウェインをいじめちゃダメー!!」
クルーク(ホイップの叔父)「いや、違うって!!ホントに違うから・・・」
クルーク(ホイップの叔父)「がはっーーーーー」
突然クルークが吐血を起こした。ガウェインやホイップが心配する。
ガウェイン「クルーク!?どうしました!?クルーク!!?」
ホイップ「お父さん!?」
クルーク(ホイップの叔父)「ごめん。俺の寿命があと1年しかないんだ」
ガウェイン「えっ?」
聞けばガウェインと暮らすクルークは豪快ではあるが身体が弱く、いつ死んでもおかしくないような状況にあった。クルークの症状は次第に悪化していきケルンの街内にある病院で入院した際にホイップとガウェインは毎日見舞いに来てくれた。
ホイップ「お父さん。大丈夫?」
クルーク(ホイップの叔父)「ああ、大丈夫だよ。なんとか生きれる状態だよ☆」
ホイップ「相変わらずおちゃらけるんだからー;」
ガウェイン「・・・」
ガウェインはクルークの言いつけでホイップには事実を話さぬように平静な状態を装っていた。もうすぐ受験間近の時に言うのは最悪な精神的コンディションの可能性もあるが、それ以上に今度こそ独りぼっちになるホイップが心配でたまらなかった。ホイップが何か持ってくるからとクルークの病室を一旦出たあと、クルークは言う。
クルーク(ホイップの叔父)「なあ、ガウェイン。前の話の続きだが、必ずその人一人じゃなきゃダメってことはないよ」
ガウェイン「・・・!」
クルーク(ホイップの叔父)「俺もよくわからないが、好きだった奴を忘れるなんてできないけど、せめて吹っ切って新しい恋だってできるよ。人の英霊も、そのような権利がないはずがないだろ?」
ガウェイン「・・・そう、ですね」
ガウェインは自分が死ぬとわかっているくせに達観したかのような面持ちをするクルークが眩しくてたまらなかった。自分のことよりもガウェインとホイップのこれからの幸せを願っている。彼はそういう男だ。
ガウェイン「ホイップー。ここにいるのですね」
時にホイップがクラリネットを持ってきてクルークに向けて奏でることもあったが、それは主治医や看護師達も半ば放置していた。いや、それというよりもホイップの奏でる音色が綺麗だったから注意したくなかったのだろう。
ーーーーー余命1年だと言われていたクルークがそれが過ぎて2ヶ月も生き延びたのは、ホイップのクラリネットのおかげだとガウェインは密かに思っている。彼女のクラリネットは人々に生きる勇気を与える、そんな力があるから。
そして余命1年が過ぎて2ヶ月。すっかり寝たきりになってしまったクルークは朧げながらもガウェインに聞く。
- 「太陽」の焔を(その2) ( No.122 )
- 日時: 2023/07/25 20:37
- 名前: 桜 (ID: LfHD8N1N)
クルーク(ホイップの叔父)「なあ、ガウェイン。押し付けるような形で悪いと思ってるが・・・ホイップのこと、頼めるか?」
ガウェイン「押し付けるとはそんなことないです。貴方は私を信じて、私にホイップを託してくれた。彼女には支えてくれる者が必要です・・・!」
クルーク(ホイップの叔父)「・・・俺の日記帳はお前が持て。できれば、俺が死んだ後何かあった時が来るまで開けるんじゃねーぞ?」
日記帳はクルークが日頃から日々の日常を記していた大事な記録だった。病弱だった故に日記帳はそれほど大事なものであったのだろう。
ガウェイン「はい。承りました。貴方の日記帳は必ずホイップと共に守ります」
その言葉を聞いたクルークは優しく微笑んだ後、彼を撫でようとした手を次第に下ろしていた。
ガウェイン「クルーク!?」
クルーク(ホイップの叔父)「それを聞いて安心した。必ず、ホイップと共に、生きてーーーーー」
ホイップの叔父クルークは眠るように静かに27年の生涯を終えた。最後まで彼の生き様は破天荒と言われるほど豪快だった。面倒見のいい、最後までホイップのこれからを案じてくれた優しい男だった。
クルークの葬儀を終えた後、墓前の前で一人佇むホイップをガウェインが声をかけていた。
ガウェイン「・・・ホイップ・・・」
ホイップ「・・・ねえ、ガウェイン。お父さんは生きれる状態だって言ってたよね?嘘ついてたの?」
ガウェイン「っ!それは・・・」
ホイップ「嘘つかないって約束したのに、なんで嘘つくの?僕をまた独りぼっちにするため?お父さんの嘘つき。いやだ。いやだ。いやだ・・・いやだ!!嫌だよ・・・!!お父さん・・・!!!」
泣きじゃくるホイップをガウェインが優しく、だけど離さぬかのように抱きしめてくれた。
ガウェイン「大丈夫です。私がずっと、そばにいます。ずっと、貴女のそばにいる。貴女は私が守る・・・」
ーーーーー最後まで貴女に仕える。支える。守る。寄り添う。だから、貴女は最後まで幸せに生きて。
叔父である最愛の父親を亡くしたホイップはあれからガウェインの献身的な支えもあり、ジュリアード音楽院の受験勉強に一層身を注いだ。クルークが死ぬ前にどこからか来て、いつのまにかいなくなっていた「ある少女」がやり方を教えてくれた彼女が苦手だったソルフェージュも次第に得意になっていた。
その受験の際にホイップはアメリカのジュリアード音楽院に行く際についてきてくれたガウェインに見送られた。
ホイップ「じゃあ・・・頑張ってくるね」
ガウェイン「はい。頑張って行きなさい」
その受験が終わり、受験の結果を知らせる前日。次第に簡単な料理を作るようになったホイップにガウェインは関心していた。
ガウェイン「料理は自分で学んでいたのですね」
ホイップ「だってガウェインの料理、ポテトばかりだもん」
ガウェイン「ぬぅ・・・;」
平等な立場で言うようになってきたホイップにガウェインはその成長を感じ、ホイップはクラリネットのレッスンに向かおうとしていた。
ホイップ「じゃあ、行ってきまーす」
ガウェイン「お気をつけて」
ホイップが行った後、一人洗濯や掃除の家事に勤しむガウェインに玄関のベルが鳴るような音が聞こえた。
ガウェイン「なんですか?」
すると、ドアを開けたのは何らかの派手な格好をした一組の男女だった。
派手な格好の男「おい!ホイップを引き取りに来たのにお前は誰だ!」
ガウェイン「は?」
派手な格好の女「私達は私の実子のホイップを引き取りに来たの。現旦那の実弟の、あの汚らわしい男が死んだって聞いたから」
ガウェイン「・・・」
ガウェインはその横暴な態度から彼らがクルークやホイップに酷い仕打ちをしていた張本人であることに気付き、ドア越しに毅然とした態度で接した。
ガウェイン「お帰り下さい。ホイップは私が引き取ります。命を奪われる前にとっとと去れ」
派手な格好の男「・・・わかった。また来るからな。覚えとけよ」
不快な表情をした派手な格好の男女が立ち去った後、その1時間後に帰ってきたホイップはガウェインに訊ねる。
ホイップ「ガウェイン。何かあった?」
ガウェイン「いいえ。特に何も」
その翌日の受験結果日、ホイップはバタバタした様子で出かけようとしていた。
ホイップ「ガウェイン、ちょっと出かけて来るから!」
ガウェイン「今日は受験の結果日ですよ!?」
ホイップ「ガウェインが見といて!」
ホイップが出かけて行った後、ガウェインは家のPCでホイップの受験結果を見る。ホイップの受験番号は707。それに書かれたのは・・・
「特待生枠で合格」と書かれてあった・・・!
ガウェイン「・・・!」
それが自分のことのように嬉しかったガウェインはまたホイップの横暴な実母達が来る前にクルークが生前に自分に託した日記帳の鍵を開けた。
ガウェイン「また来る可能性もありますから・・・」
ガウェインはその日記帳を開けた。彼に指定されていたページを見る。そこには・・・
「20XX年5月21日。俺の身体に異変を起こした。何か飲み物をすり替えられて、そこに毒を入れられたようだ」
「20XX年6月9日。あれから1週間経ったが、どうやらあれは遅効性の毒らしく、すぐには悪化しないそうだ」
「20XX年9月15日。あれから俺は犯人を割り出した。どうやら兄貴達がホイップを奪うために俺に毒を盛るよう実行犯に仕向けさせたようだ」
「20XX年11月30日。次第に俺の命は蝕まれ悪化。俺が生まれつき病弱なのも兄貴達は狙いやがったようだ。絶対にホイップを兄貴達には渡すものか」
ガウェイン「何ですって・・・!!?」
ガウェインはクルークの死が病死ではなく、クルークの兄一家による毒殺だと知り驚愕する。じゃあ、クルークが自分を本当に信頼して、日記帳を自分の死後に見るように言ったのは・・・!!
怒りに震えるガウェインの後ろに一組の派手な格好の男女が家に入り込んできた上で言う。
ホイップの実母「見ちゃったのね・・・あの男は病弱だから、ホイップには到底耐えきれないと思ったのよ。だから・・・」
ガウェイン「違う!!貴方方の目的はホイップをまた縛り付けて散々利用した末に捨てることだ!」
エリート揃いだった兄一家はホイップが出て行ってから次第に大学教授だったクルークの実兄が権威争いで地位を落とされたことで失脚やホイップの実母の経営する会社が倒産を余儀なくされたことで「優秀な子」の二人の息子にいい学校に行かせるお金も底をついた。
そこでクルークの実兄が「ダメな子」ホイップを浮かんで思いついた。「また連れ戻して前と同じ縛り付けた上で散々利用してその果てに崖の下に捨てよう」と。全てはホイップに二人の息子の学費を稼がせるために・・・そしてクルークは毒を盛られた末に命を落とした・・・。
ホイップの義父「なぜ知っている・・・」
ガウェイン「貴様らに言う必要はない!ホイップは未来ある大切な子だから、私が引き取る!!」
ガウェインの言葉を聞いてホイップの義父は嗤いながら言う。
ホイップの義父「それはできないんじゃないか?ホイップは呪いをかけて眠ったまま私達の傀儡となるのだから!」
ガウェイン「ホイップ・・・!!?」
ガウェインがホイップを見つけるために家を飛び出して、ホイップの無事を祈りながら彼女を必死に探した。
ガウェイン(ホイップ!!どこにいるのです!!どうか無事で・・・!!)
ガウェインは街の中心で何かを見る。そこには・・・
散々殴られた末にホイップの義父の実子に押さえつけられているホイップの姿があった・・・!!
ガウェイン「ホイップ・・・!!」
ホイップの実母「ほらね・・・私達の子も賛同してるのよ。あんたは大人しくここで見てればいいわ」
ホイップの義父一家の使用人達に次第に押さえつけられたガウェインはその光景に呆然とするしかなかった・・・
ガウェイン(誰か・・・!!)
ユーリ「あのバ神!!第8回のポップンパーティ用に私に新曲を3日で仕上げろと・・・!!」
一方、メルヘン王国北部にあるユーリ城ではあの第一次幻奏的聖杯戦争の勝利から約50年後についた約200年に及ぶ眠りから目覚めた赤の吸血鬼は暇潰しのために旅の際で出会ったスマイルや料理もできるドラマーの募集の張り紙を見て応募したアッシュと共にヴィジュアル系バンド「Deuil」を結成し、その人気が高まるに連れて多忙を極める中、自分達も揃って出席する第8回ポップンパーティの出席者の一覧も見ていた。
ユーリ「まあ確かにまだ新人アイドルグループのミラクル☆4はMZDが先導した上で世界から集められた者達で結成したと聞く。要は奴が見込んだ世界中の輝ける粒ぞろい者達か(そういえば、ガウェインの気配はするが、元気にしているだろうか?最愛の彼女の、生まれ変わりの人間とも・・・」
すると、ユーリは偶然自分の城に遊びに来ていたヴィルヘルムが何かを見ながら険しい顔をしていた。
ユーリ(ヴィル?私の城に勝手に遊びに来たのに誰と話している?)
ヴィル「いかんっこのままではガウェインの奴は・・・!」
ユーリ「!!」
すると、ユーリがヴィルを問い詰めながら何かを見ようとする!
ユーリ「ガウェインがどうかしたのか!?」
ヴィル「ユーリ!見ては行かん!!」
ユーリ(人間界を映す水鏡・・・これは・・・)
ガウェイン「やめろ!!離せ!!彼女に触るな!!」
ガウェイン「ホイップうううううーーーーー!!!」
ユーリ「ガウェイン!!!」
ガウェインの叫びも空しく、ホイップは永遠の眠りの呪いを付与する薬を飲まされた。ホイップがそれにより眠り込んだ時、ガウェインの心は壊れて行った・・・
ガウェイン(力が増幅する・・・止まらない・・・)
ホイップの実母「何?地震かしら?」
ガウェイン(止まらない!!!)
その日、ケルンの街一面が火の海に包まれて行った。その際に彼が助け出したホイップ以外のケルン市民は大半の全員が全身を焼かれた末に死んでいき、ケルンの街は火の海で崩壊して行った・・・。
- 「太陽」の焔を(その3) ( No.123 )
- 日時: 2023/07/25 20:39
- 名前: 桜 (ID: LfHD8N1N)
生前ではアーサー王の影武者といえど、最強の騎士だと謳われたガウェインは自分の最も恋慕するホイップが永遠の眠りの呪いである「羊の呪い」を義父一家によりかけられたことでその宝具の力を暴発させた。
義父一家も含まれた人間がたくさん死んだ。
ドイツは甚大な被害を受け、土地の一部を失いかけた。
ガウェインがホイップを連れながら逃げ出したことも含めてーーーーー重罪に値する。
秘密警察のボス「今警視庁からも了承を得た。何としてでも連れ出された少女のホイップを保護し、ガウェインを捕まえろ」
ユーリ「やめてくれ!罰なら私が受ける!だから・・・!」
秘密警察の上等兵「ダメです!!あなたの友人を庇う気持ちはわかりますが、あくまで奴がしたことです!!」
ユーリ「・・・!!?」
ユーリ「いやだ・・・こんな終わりはいやだよ・・・ガウェイン・・・」
ルナとアズサの時と同じ不幸に陥れて、「ごめん」も「久しぶり」も言えないままなんて・・・
とある日の崖の上に一人の少女を抱えた騎士の男が立っていた。あれからホイップの呪いを解くために逃げながら奔走していたガウェインだ。
ガウェイン(あれから2年・・・未だに彼女は目を覚まさない。ホイップ、ごめんなさい。私は、貴女と共に・・・)
ガウェインは眠り続けているホイップと共に崖から降りようとしたーーーーー
???「待ちなさい。その娘の呪いを解く方法を知る者なら知っている」
ガウェインはその声に導かれるように、赤猫を連れた魔導師を見た・・・
黄泉「来なさい・・・太陽の円卓騎士、ガウェイン」
救われた黄泉に彼女が釈放の手引きした珠黄泉族、彼女が魔法で復活させたボーン・キングが率いる吸骨鬼の一族、そして彼女の誘いに乗じた青の吸血鬼一族に引き合わされ、その珠黄泉族が用意した召喚サークルで、この世界に召喚されているという叛逆騎士モードレッドに対する抑止として彼女とトリスタン、客将として外部から招かれたランスロット以外の円卓騎士達が最初に召喚された・・・
ガウェイン「我が王。我らの輝ける星よ。今度こそ忠節を持って、貴方にも仕えますーーーーー」
- 「太陽」の焔を(その4) ( No.124 )
- 日時: 2023/07/25 20:41
- 名前: 桜 (ID: LfHD8N1N)
ユーリ「・・・これが、今のガウェインの真相だ」
ユーリから語られたガウェインの豹変の真相に、各所で聞いていた大半の全員は思わず唖然となった。中にはケルンの街の末路に恐怖で震えた者、ホイップに呪いをかけたことに憤りを感じる者、中には涙ながらに思わず嘔吐しそうになった者までいた。
ププル「・・・そんなのひどい・・・ひどすぎるよ!!」
アタランテ「つか、どこだそいつらの墓前は!!子供に手を出したことを死んででも息の根を止めてやる!!」
モードレッド「アタランテ!!死者に鞭を打つな。真っ当な理由でも死んだ奴にそれ以上の罰がねーだろ!!」
モードレッドに諭されたアタランテは渋々と口をぐっと噤んだ。彼女達両方とも言ってることには一理はある。それを誰も責めることはできない。
ゼオ「なるほどな・・・その後にガウェインはひみつ道具ミュージアムを襲撃した際にたまたま自分に食ってかかったクルークがホイップの叔父と同名だと気付いた。そのことを機に初めは殺す予定だったクルークを生け捕りという目的に転換した。俺達を殺してクルークのみ生かしてな」
クルーク「待って。ガウェインがボクがホイップちゃんの叔父と同名だったから同一視してるのは察してるけど・・・なんで青の吸血鬼一族や吸骨鬼集団、珠黄泉族がそれを承認してるんだ?普通は良く思わないんじゃないのかい?」
クルークの問いに王ドラがそれを答えた。
王ドラ「いえ、奴らがガウェインさんやホイップちゃんを利用しているのならば・・・私個人の推測ですが、クルークさん」
王ドラ「あなたをガウェインさんの憎悪を引き出す鍵にしようとしたんですよ」
クルーク「!!?」
クー「クルークをも利用して・・・!!?」
王ドラ「奴らはそこまでしてガウェインさんを利用したいのでしょう。嘘まで使った挙句、少年をも巻き込むとはガウェインさんがいっそ哀れに思えてきますね」
ランスロット「どういう意味だ?」
すると、王ドラは自分が密かに気付いていたことを明かす。
王ドラ「奴らの言うホイップさんの羊の呪いを解く方法を知っているなんて全くの嘘ですよ」
ランスロット「っ!!?」
王ドラ「奴らはホイップちゃんを利用してガウェインさんが生きた兵器にするべく言葉巧みに丸め込んだだけです。もし仮に目的を果たせば、ガウェインさんの知らぬまま眠っているホイップちゃんは捨てられるはずですよ。強欲の流星に憑かれていたそいつらの思惑通りにね」
王ドラが明かした事実に一部以外の円卓騎士はあることに疑問を感じた。思えばアグラヴェインは獅子王の元に残ると言っていた。傷だらけの三つ巴悪魔に当初から嫌悪感を持ったまま。ランスロットはアグラヴェインがたまにどこかに出かけていたのを知っていた。つまり、その真相は・・・!
ベディ「王・・・!貴方はずっと・・・アグラヴェイン卿に我らの様子を探るためにたまに向かわせたのですね・・・」
獅子王「・・・ああ。ガウェインに知られぬうちな。友を救おうとしたランスロットにもそうした方がいいと思っていた。だが・・・貴公らの今の顔を見て、この者達は信用できるとわかった。そうでなければ、アグラヴェインは休戦を申しなかった。寡黙で不器用な態度であったがな」
獅子王の表情からはセイバー時の彼女と変わらないような微笑みを見たことで彼女は本当は悪に堕ちていなかったと実感した。トリスタンは彼女に恐る恐ると声をかける。
トリスタン「王・・・私は、私は・・・」
獅子王「・・・トリスタン。貴方があの時敵に回ってよかった。貴方を受け入れてくれる仲間がいてくれたから」
獅子王が自分への労いの言葉に涙ながらにトリスタンは頷き、今度はモードレッドの方に向けた。
獅子王「自分のマスター達をも守ったことは良い働きでした、モードレッド卿」
モードレッド「・・・!」
獅子王「・・・と言ったのを伝えてくれ、べディヴィエール」
ベディ「はい」
モードレッド「聞こえてっから!!」
すると、天草はユーリに質問する。
天草「私からも一つだけ。ユーリ殿、あなたはもしやガウェインを救おうとしたのでは?自分の罪の償いも兼ねて」
ユーリ「・・・」
すると、ユーリはやるせない表情をしながら答えた。
ユーリ「思っておらん。あいつのしたことだ、その目的は含まれてない」
天草「・・・。そうですか」
すると、それを聞いたツーストはクロスも今回のことに関係したと踏み、その場から立ち去った。
あいり「ツースト!?」
あいりがその背中を追いかけに行った後、獅子王はクルーク達にあることを頼む。
獅子王「貴方方への詫びも兼ねて、ついてきてほしいところがあるのですが」
クルーク「えっ?」
一方、クロスはガウェインと別れ際に七つ星を渡したことで結果的に傷だらけの三つ巴悪魔に利用されたことでその罪悪感と後悔が入り混じった感情を抱いていた。
クロス『それは何かあった場合のみに使う道具だ。希少な物故に私が持っていた一つだけのものだ。だが、使い道を間違えるリスクも負う。使う時を見極めるがいい』
クロード「なんてことを・・・!」
クロス「私は見誤っていた。死んだお前の父親から何も知らされなかった。ならば、あの時に聞き出せばよかったのだと後悔している。それでツースト達をも巻き込むことになってしまったのだと・・・!」
すると、二人に足音が聞こえた。ガウェインの真相を知って二人を探しに来たツーストとあいりだ。
クロス「!?」
ツースト「大体はユーリから聞いたよ。お前、優しさでガウェインにあれを渡したのか?」
クロス「・・・っ」
クロード「ツースト殿。奴のことについてはこちらにも責められる資格はある。なぜあの時にガウェインに本心を言えなかったのだと後悔も抱いている。こんなことなら泣いてでも引き止めてればと。父上が死ぬ前にでも止めてやればと・・・!」
クロードのやるせない表情を見たあいりは告げる。
あいり「・・・もういいですわ。すっかり慣れた身ですが、それを今更責める気にはなれませんの。だって、クロスは今にも泣きそうな顔をしていても、私達には顔向けできなかったのでしょう?罪の意識はあったから。ーーーーーだからこそ、ガウェインさんを奴らから連れ戻しますわ。その責任を取るような形で目的を共にするのを了承しなさい!」
クロード「・・・!」
自分達を責めなかったクロスは驚いたような顔をしながらツーストに聞く。
クロス「・・・許すというのか?ガウェインを傷つけた一因である私を」
ツースト「許すも何も。俺はガウェインの奴にも与えてるだけだ。救いじゃない、明日への道標を」
ツーストの差し伸べた手をクロスがぎゅっと握る。これを機に二人もガウェイン達を傷だらけの三つ巴悪魔から引き離すために戦うと決意した・・・!
一方、獅子王によってクルーク達はとある場所に連れて行かれた。着いた時に獅子王が声をかけた。
獅子王「これです」
クルーク「ーーーーー地下?」
クルーク達は彼女に案内されてその地下にある一室にたどり着く。そこには楽しそうに日常を過ごしている一般の人々やそれを守る粛清騎士達がいた!
ププル「地下にたくさんの人が!?」
フィン「ほう。これは貴女達が殺してこいと言われていた民達かな?」
獅子王「そうです。奴らは殺せとは言ったが、それ以外に制限はかけていなかった。だから、表向きは手にかけたということでこうして見つけたこの地下に彼らの隠れ家を作ったのです」
エレナ「じゃあ、なんで粛清騎士達もいるの?」
獅子王「彼らはガウェインに反してキャメロットを追われたり、その罰という名目でこの地下室や民の護衛の任に付かせたわけです。彼らにも居場所は必要だ。だから、こうして粛清騎士達はいずれ来る叛乱の時を待って作戦を練っていたところです」
エジソン「何という大胆手口!これは反逆!反逆罪だ獅子王!だが、その心構えは良い行いだ。奴らは少し酷すぎる」
すると、ゼオは獅子王に聞く。
ゼオ「じゃあ、そいつらとも俺達に力を貸すと?」
獅子王「ええ、そうです。貴方方を厚すなら出来る限り力を貸すと」
ディルムッド「あ、ありがとう」
ナーサリー「大胆な革命の始まりだわ!」
一方スマブラ屋敷。ベディはトリスタンに会うために彼の元に来ていた。王ドラに関することだ。
ベディ「そういえばさっき知りましたが、貴方はリップ嬢だけでなく、他の女性に声をかけていたそうですね?」
トリスタン「ギクッ;べディヴィエール、誤解があります・・・私は美しきご婦人や少女を片っ端から」
ベディ「なんてことを;いや、そうではなく。王を治した猫耳の女性ですよ。オレンジ色の三つ編みをした見目麗しい方!」
トリスタン「えっ?ああ、先程私がパンツを取ってきたあの方?」
ベディ「なんでパンツを「ちょっとバカトリ!!また風呂の最中に私のパンツを取ったでしょう!!」行けませんレディ!!その風呂の後の状態でこちらの部屋に入ってきて、は・・・」
すると、ベディは王ドラの姿を見て驚く。入浴後にタオル姿を巻いた彼の身体の下をよく見たら・・・
王ドラ「?どうしました?」
ベディ「・・・っ!!!!」
ベディはそれを聞いて屋敷中に響き渡る大絶叫を上げた。彼の真の性別を知った瞬間、その衝撃がかなり強かったから・・・;
一方、タママは屋敷の近くにある橋の上で佇みながらこれから先に起こる決戦のことを考えていた。
タママ(ガウェインさんを殺すことも視野に入れてないわけじゃない。だけど、それで解決なんて・・・)
モードレッド「オレは構わねーぞ」
そんな彼にモードレッドが声をかけて、タママは聞く。
タママ「・・・いいのか?」
モードレッド「オレは確かにガウェインと生前に刃を交わして、その首を切り取った。だが、奴の特性の太陽以外に介入はない。オレは第三者が介入した戦いは嫌いなんでな」
モードレッドの真剣な面持ちから来る言葉にタママはそれを見て顔を赤らめた。彼女は言う。
モードレッド「タママ。やっと見つけたよ。あいりがオレと引き換えに闇オークションに売ったリボンをな」
タママ「!そうか・・・」
モードレッド「ホントだったら、ハートビート・クロックタワーの時に渡すつもりだったけどな。・・・タママ」
タママ「な、何だよ!?」
モードレッド「ありがとうな。話を聞いた上で否定しないでくれて」
タママ「!」
モードレッドがそう言って立ち去った後、タママは自分の周囲を思い返した。
タママ(ギロロ伍長・・・ナッチーのことが好きすぎるあまり暴走してしまう。恋するヘタレか。自分はああいう大人になるだろうか。それで嫌われたら、なんか嫌だな・・・)
パーシヴァル「あっ、いたいた!タママ君!」
すると、パーシヴァルが慌ててタママを迎えにやってきた。
タママ「パール!?」
パーシヴァル「もう!決戦前だから心配しました!」
タママ「ご、ごめんなさいですぅ;」
そんなタママの様子にパーシヴァルは話しかけた。
パーシヴァル「タママ君。私は決戦を終えた後も西澤家の執事として過ごしたい」
タママ「!辞めるのを改めたんですか!あの後に保留にしたままだったから〜;」
パーシヴァル「でも、その前に聞きたいことがあるんだ」
パーシヴァル「モードレッドのこと、好きなのかい?」
パーシヴァルに指摘されたタママは彼女との日々を思い出した。
モードレッド『へぇ。お前、大人なんだな』
モードレッド『マシュマロが付いてんぞ。抜けてんなあ』
モードレッド『慕ってるさ。圭一郎はあんなんでも根は優しい奴だ』
モードレッド『わかってる!たとえもう叶わない想いだとしてもまた傷つきたくないだけだ!』
モードレッド『オレはそれで、怒らねーよ』
彼女との日々は楽しかった。同時に彼女といるのがつらくて嬉しくて、狂わせる。それを手放すのが嫌だったからだ・・・
タママは静かに頷いた・・・
タママ(どうしよう・・・地球人の英霊なのにモー公のこと、好きになっちゃってるなんて気付きたくなかった・・・)
タママ「(いつのまに・・・こんなに・・・)ごめんなさい、パール。ボクは・・・」
パーシヴァル「言わないで下さい。私は反対していなし、咎めたりしない。あくまでも決めるのはモードレッドだ。私は貴方をマスターとして仰ぎ貴方に忠誠を抱いて従うまでです」
タママは自分のモードレッドに対する想いに気付き、かなり戸惑っていた。彼女に対する複雑な想いがそれであったから・・・。
タママ、ついに自覚
- 「太陽」の焔を(その5) ( No.125 )
- 日時: 2023/07/25 20:44
- 名前: 桜 (ID: LfHD8N1N)
決戦前夜でワイワイと飲んだりスタミナ補給のために出された料理を食べたり雑談し合ったりしている大半の人達をトリスタンは一歩離れたところから見るようにしていたのをある人物に声をかけられる。ガウェインを救い出すために桜サイドに協力に転じたランスロットだ。
ランスロット「やはりこれを失いたくなかったからかい?」
トリスタン「ランスロット卿。いえ・・・ですが、仲間としても家族としても・・・私は心地よかったので」
安心してそうな表情をするトリスタンを見るランスロットは彼にある誘いを持ちかける。
ランスロット「トリスタン卿。すぐに帰すから少しの間二人だけで語り合わないか?」
トリスタン「はい?」
すると、ランスロットはスマブラ屋敷の乱闘ステージを操作して闘技場になった後、そこにトリスタンを入り込ませた。ランスロットは本来の宝具でもあった剣であるアロンダイトを持ちながら言う。
ランスロット「私は今更卿を殺すつもりはない。ただ・・・トリスタンが、彼らの元に来てどれだけ成長したのか知りたい。卿がこの地で得たものを」
トリスタン「・・・プロキオンやリップには許可してますね?」
ランスロット「ああ、密かにな。特にレディ・リップからは殺さないでとゴリ押しされている」
トリスタン「そうですか。では貴方を殺さずに全力で戦いを挑みます」
ランスロット&トリスタン「いざ尋常に、勝負!!!」
ランスロットがアロンダイトでトリスタンの方に振るが、トリスタンは見事なスピードかつキレの良さでそれを回避しつつハープで鳴らして攻撃する。ランスロットは円卓最強の騎士であり、トリスタンはそれに追随するほど実力のある騎士である。ただし、本人のマイペースさであまり実力を見せなかったが。
ランスロット「ほう。スピードにさらに磨きをかけているな?」
トリスタン「ふふ。スピードを長所とするまなげふげふ友を見てきたので」
ランスロット「何を言いかけた;まあいい。私も本気で行かせてもらう。乙女の加護を、このアロンダイトに込めてーーーーー・・・!」
すると、ランスロットは宝具を展開し、トリスタンにそれを攻めた!
ランスロット「最果てに至れ、限界を超えよ。彼方の王よ・・・この光をご覧あれ!」
ランスロット「縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)!!!」
トリスタンはランスロットに宝具攻撃を受け、大ダメージを受けた!
ランスロット「横に斬られて・・・(違う!!この宝具は横で貫くのではなく、縦から下にかけて切り裂く!トリスタン、まさか・・・」
すると、トリスタンはいつのまにランスロットの後ろから宝具を放とうとした!
トリスタン「射程距離をさらに範囲を広げてきたので。痛哭の幻奏(フェイルノート)!!」
ランスロット「!!」
そう、トリスタンはランスロットの宝具が無敵貫通を付与しないことを見越して事前に回避をかけていたのだ!ようやく無力化したランスロットにトリスタンは駆け寄った!
トリスタン「ランスロット!やりすぎましたね;お怪我は・・・なぜ泣いているのですか?」
思わず涙を流すランスロットはその理由を答えた。
ランスロット「いや、深い意味はないよ。ただ・・・リップ嬢やあの絆の子達がキミを心底から信頼しているんだと、それで戦えたんだと思ったら嬉しかっただけだ。これが卿が得たものだと」
トリスタン「・・・!」
トリスタンはランスロットの手を掴んで引き上げるように起こした後、二人は笑い合った。
ランスロット「だが、この屋敷のステージを勝手にいじったことは内密に」
トリスタン「わかっていますよ。人には見られていないので」
デデデ「全部バレてるんだが?(怒りの放送」
ランスロット&トリスタン「ゑ?」
そして全てを知ったデデデ大王は二人に対して説教した!
デデデ「勝手に乱闘ステージをいじって!!怒られたのはワシだゾイ!!出されたチキンを美味しそうに食ってたのに向かわせられるし!!」
トリスタン「も、申し訳ありません;」
ランスロット「この大きなペンギンは?」
トリスタン「デデデ大王ですよ。プププランドの王様です」
ランスロット「我が王と同じ類か。間抜け面のペンギンの見た目なのに」
デデデ「誰が間抜け面ゾイ!!」
すると、その騒ぎを聞きつけた人物がデデデに聞く。メタナイトだ。
メタナイト「陛下。またトリスタンがやらかしたのですか?」
ランスロット「・・・!」
ランスロットは自分にとって憧れであり因縁であり一目置く騎士であるメタナイトを見て呆然とする。まさかこうした形で会えるとは・・・
メタナイト「その騎士は・・・お前の生前の同僚か?」
トリスタン「ええ。ランスロット卿です」
メタナイト「先程の乱闘ステージでの映像を見た時、お前と張り合う強い騎士がいると思ったが・・・実力は伊達じゃなかったようだな」
メタナイトはそう言って立ち去った後、トリスタンはランスロットの様子に気付く。
トリスタン「ランスロット卿?彼を見てどうしたのですか?」
ランスロット「いや。彼は私が客将として奴らに招かれる前に私が倒そうとしたあの魔獣を彼が倒したのを垣間見たのだ」
デデデ「ああ!あの魔獣か!」
ランスロット「その強きパワーを持つ魔獣を、彼が先に一人で倒したのだ。その時から憧れでありライバル心を抱く、必ず倒す目標なのだ」
ランスロットはその後に「ガレス達の様子を見てくる」と言って立ち去った後、トリスタンはデデデに聞く。
トリスタン「大王。まさかあの魔獣は・・・」
デデデ「ああ。奴には言えんことだが・・・;」
メタナイト『何!?私のカービィを口説いた魔獣がいるだと!!?その魔獣は強大なパワーを持っていると聞いたが・・・そうか。そうか!そうかぁ!!そうだったかぁぁぁぁぁぁー!!!あの魔獣の討伐を今すぐに向かう!!私のカービィを口説いたことを、その身で精算してもらう・・・!!』
デデデ「んで、秒殺で倒したゾイ;」
トリスタン「ランスロットはまさかメタ助殿の恋愛沙汰で倒したと知ったらショックでしょうね・・・;」
一方、球由良ブラザーズは同じく桜サイドに与する吸骨鬼ハンターのグループの一人である古津光度良に話しかけていた。
ローズ「ねえ、良ちゃんだったかしら?一つ聞くけど、私達は利害を一致してるわ。だけど、奴らが傀儡にしている騎士を殺す気はないかしら?」
良「あの騎士のことはわからない。だが・・・あの湖の騎士の顔からして大切な友であるのはわかる。私達も同じだったから」
そんな良の言葉を聞いてその吸骨鬼ハンターのグループの仲間達が次々と賛同する!
ケン「それは彼らも、俺達も同じ目的だ!」
フー子「キングがまた復活した以上最後までとことん付き合うよ」
コウ「それに俺らも結構役立つよ」
謎尾「球由良の人達も共に戦う時だ!」
良「みんな!」
レモン「こうなったら仕方ないわね。私達もヘクソン達を再度こらしめに行くわよ!」
ラベンダー「私はあの騎士の男は結構好みだったしねv」
ローズ「私はあれは好みじゃないけどね;」
一方、王ドラから封筒を渡されたサンソンはそれを決戦前に開けようとする。
サンソン「今しかないな・・・何を伝えたいか、今確かめなければ」
すると、サンソンは誤って開けた封筒の中身を落としてしまう!
サンソン「あっ・・・」
サンソンはその中身の内容を見て驚愕する。それはある事が記述された書類だった。
サンソン「・・・「羊の呪い」・・・?その呪いの解く、本当の・・・!」
すると、サンソンはその呪いを解く本当の方法が記された内容を見て一筋の涙を流した・・・。
サンソン「結局・・・僕は・・・!」
一方、ヘンダーランドの跡地にあるキャメロット城にいるヘクソンは桜サイドが自分達の方を攻めに行く事実を察知した。
玉王「どうしまんにゃわ?」
ヘクソン「奴らが明日こちらに攻めに来る。目的はガウェインの無力化と救出だそうだ」
Cママ「ガウェイン討伐から転換したってことかい。それなのに獅子王やランスロットの奴、どこに行きやがったんだ・・・!」
玉王「まあまあ落ち着きなはれ。ガウェインには「アレ」を霊基に刻みつけとる。それにククラにはあのビースト軍団のボスを捕らえておる。Bキングの方には・・・」
一方、ボーン・キングはガウェインから知らされた事実に驚愕していた。まさか自分が捕らえた相手の仕える式神が、この世界における彼のかつての剣の師だったからだ。
Bキング「ただの依頼対象だった魚はデカかったっちゅうことか;まあええわ。良。今度こそ、お前をまたボーン・バンパイヤに・・・!」
一方、ククラはベランダから夜景を見ていた時にその身体に異常をきたした。それを抑えるかのように言う。
ククラ「覚えておけ。傀儡から解き放つ日は永遠に来ないのだ・・・!」
その決戦当日の夜明け前に一人目を覚ましたモードレッドは部屋から出て、その夜明けを見る。
モードレッド(・・・あいつ。もしや最初から死ぬつもりだったのか?生前と同じように、オレに斬れと)
彼女がため息をついた時に声をかけた。彼女を追ってきたあいりだ。
あいり「やっぱり複雑ですの?」
モードレッド「あいり。まだ眠らなくていいのか?」
あいり「ええ。目が覚めちゃって」
すると、モードレッドは決戦前にあいりに伝えたいことを言う。
モードレッド「あいり・・・今のうちに謝らせてくれ」
あいり「えっ?」
モードレッド「オレが闇オークションにかけられた日・・・あいりがオレと引き換えに、大事にしていたリボンを売ったことだ」
あいり「そんなこと気にしてましたの!?私はそんなことないのに!」
モードレッド「気にするんだよ!オレはずっと探していたんだ。あいりが着けているリボンには鳥の羽と木の実を付けて作られていた・・・(今でも目を閉じると、小さなあいりが嬉しそうに笑ってる」
あいり「でも、あれは今着けても子供用だから着けませんわ;」
モードレッド「OTL」
あいり「それにリボンはいっぱいあるけど、私のモードレッドは一人しかいないもの。私は何度あの時に戻ってもあのリボンを差し出すわ!」
すると、あいりはモードレッドに嬉しそうな笑顔で言う。
あいり「ありがとう、モーさん」
モードレッド「えっ?」
あいり「今ここになくても、あのリボンをずっと大事にしてくれたのね?」
あいりの言葉にモードレッドはようやく気付いた。彼女は思わず否定しようとしたが、もう隠せなかった。
モードレッド「・・・ああ。ああ。そうだよ・・・」
あのリボンを取り戻すのは、あいりのため、あいりのためだとずっと思っていた。でも、違う・・・あのリボンはあいりがあの時にオレを必要としてくれたあいりの気持ちそのもの。オレの、宝物だったんだ・・・
思わず涙を流すモードレッドをあいりが優しく抱きしめた時にアサトが声をかける。
アサト「よう。二人ともおはようさん!」
あいり「アサト。どうしたの?」
アサト「いや、ちょっとな。球由良の用心棒が護衛してくれと」
一方、元珠黄泉の用心棒であり、現球由良ブラザーズが経営するバーのバーテンダー兼球由良の用心棒のサタケと、元は世界を滅ぼす力を持っていた魔人シャークがなんらかの花を添えていた。そこにアサト達が来た。
アサト「おーい!終わったかー?」
サタケ「ああ、終わったぜ」
シャーク「じゃあ私達は準備があるから、休みなさいね?」
その場を後にした際のシャークを見たあいりは少し引いたかのような顔をした。
あいり「魔力がなくなったからってオネエ化とは;」
アサト「これを見てみろ」
すると、二人はその花を見た。それはカルミアの花だ。
アサト「・・・奴らの襲撃で犠牲になった奴らへのせめてもの償いと弔いらしい。ここに埋められてるわけじゃないけど」
あいり「そう・・・」
モードレッド「大きな希望を捨てるなと・・・」
その夜明けの陽が差し掛かった時、モードレッドはガウェインを生きて連れ戻す目的を転換した上で戦うことを決意した!桜サイドが掲げる大きな希望を共に抱いて・・・!
そしてヘンダーランド跡地のキャメロット城の近くの丘。獅子王は先頭に立って宣誓する!
獅子王「皆の者。お前達は決戦の地についに降り立った。お前達の魔法や魔術は我が騎士ガウェインを救い出すために。お前達の防御は大切な仲間達を守るために。お前達の武器は、ガウェインを縛り付ける鎖を、奴らから引き離すために!」
獅子王「行くぞ!!此度の戦いの幕開けだ!!!」
戦いに出陣する大半の一同全員「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!」
ガウェインを救い出すための戦いが、始まった。
第四部後半・決戦編に続く・・・!
ついに第四部最終編突入!感想OK