二次創作小説(紙ほか)

我らの望む未来(その1) ( No.134 )
日時: 2023/08/11 17:11
名前: 桜 (ID: Z28tGAff)

今回からはいよいよ第四部の最終決戦でございます(震え声)


もうあとは最後まで突っ走るだけですのでどうか彼らの行く末を見守っていただけたら!






「小ネタ」サーヴァント組でのハッチンに対する呼び名


アレク&アストルフォ&ジャック&クー・フーリン&ナーサリー&ディルムッド&モードレッド&アタランテ&アサト(燕青)&ラーマ&メルト&以蔵&お竜さん&ナポレオン&ロビン&ビリー:ハチ
デオン&うしお(牛若丸)&ベンちゃん(弁慶)&トリスタン&ベディ&パーシヴァル&天草&段蔵:ハチ殿
サンソン&メイヴ&エレナ&エジソン&フィン&龍馬:ハチ君
沖田&ガレス:ハチ男さん
パリス:ハチ様
土方:ハチ公(!?)


ハッチン「誰も「ハッチン」って呼んでもらえない・・・自分のサーヴァントにまで・・・OTL」
ヤス「すっかり浸透してるからな;」


ちなみに双循も「ハチ公」って呼んでる(これがこのネタの発端)






ーーーーー月が見える。


綺麗だ。とても綺麗だ。こんな夜はあの黒い雲がなければ「月が綺麗ですね」と言える。あの黒い雲が差し掛かろうとする。


ーーーーー私の気持ちを塗り潰そうとしているかのように。


「あ、あ、ぁ、ぁ、あ、ああ、あああああーーーーー」


我が身には過ぎた慟哭。絶望。憎悪。無力感。この雲はそれを複合する形で形成していた。






ヘクソン「あの青いのは荒波に溺れて沈み、赤いのは業火の海を舞い、あの坊主頭のボーイは暗闇の中に飲まれ、黄色の猫の男女は雷に打たれ、緑のは土に身を落とされ、黄色の蛙は干からびて、狼は終わらない夜の中で嘆き、鼻水のボーイは好きな石の地獄に放り込まれ、赤髪の少女は誰にも見つけてもらえない中で泣き、オレンジの猫は誰も認めてもらえず、あの裏切り者もそこの岩に閉じ込めれた。そしてあのボーイは誰かを助けてもその後に命を失う巻き戻しを繰り返させた。黄色の猫の男女は最後に一緒にいられてよかったではないのか」


仲間達の今の姿を見たタママは呆然としたまま立ち尽くしてしまう。今ならわかる。あの時に自分だけパーシヴァルと共にいさせたのは彼らなりの気遣いの・・・


パーシヴァル「タママ・・・!!」
タママ「あ・・・ああ・・・ボクが、ボクがあの時に無理にでも行かせれば・・・!!」
Cママ「苦しいか?そりゃあ無力だと思うだろ?力がない者に奴らと共に行けるわけがないんだからな」






モードレッド「タママは無力じゃねーよ!!!!」






タママ「・・・!!」
獅子王「モードレッド・・・?」


全員が注視する中、モードレッドは自らの決意を告げた!


モードレッド「確かに危なっかしいし、案外意気地なしだし、加えて強がりだ。だが、話を聞くだけでも力になってるんだ。オレがそうだったように。クルーク達だって、あいつらだってそうだ。たとえバカでも諦めが悪いから、無力なんかじゃねえ!!!」


結果的に絶望しかけた味方陣営達が徐々に立ち上がったモードレッドの言葉にヘクソンは少し苛立つ様子を見せながらいいだろう。


ヘクソン「いいだろう。貴様らがそう言うのなら、我らの最後の敵だと認めてやる。ガウェイン、やれ」
ガウェイン「・・・」


クルーク一行は暴走したガウェインと交戦する!手始めにナーサリーは攻撃を放つ!


ナーサリー「こんな物語は悲しいのだから終わらせるのだわ!」
メイヴ「私達がそれで絶望に支配されるなんて思わないことね!」


ガウェインがこれらの攻撃を剣撃一つで跳ね返し、そうだとしても一斉にガウェインに攻撃を続ける!


エージェント「ガウェイン!」
ベディ「ガウェイン卿!」
龍馬「ガウェインさん!」


大半の全員がガウェインに呼びかけるもそれでも暴走のままに攻撃は止まなかった。クロことクロードが放つ!


クロ(クロード)「ガウェイン!貴様はあの時に言ったな!あの娘のそばにいたいと!あの曇りもない瞳で答えた貴様が!それをこんなところで投げ出すなどと!断じて許さん!!」


すると、クロの言葉にガウェインは微かに反応したのか名を朧げに呼びかける。


ガウェイン「ク・・・ロ・・・ディ・・・?」
ププル「!!みんな!ガウェインに呼びかけて!ガウェインが戻るきっかけになるかも!」


すると、次々と一斉にガウェインの名を呼び始めた!


クー「ガウェイン!」
ガレス「ガウェイン兄様!」
ジャガー「ガウェイン!」
クルーク「ガウェインっ!!」


ガウェインが微かに応じた様子を見ながらゼオはふっと微笑う。


ゼオ「(ヘクソンが言ったガウェインを縛り付ける・・・)できるわけねーだろが。お生憎様。奴は心底まで支配されたわけあるか」


すると、玉王がニヤッと笑いながら言う。


玉王「どうやさかいですのん?奴にはディメンジョンミラーの魔力が取り込まれたんやけど。それを除去はできますん?」
メタナイト「!?」


すると、ガウェインにバリアが張られた!それをマルクは知っていた。


マルク「あれは・・・リフバリア!?」
Bキング「正しくはそれが強化されたもんやけどな。どうもガウェインの魔力には合ってたらしいな」


すると、エレナは何かを思いつく!


エレナ「そうだわ!みんなでビームみたいなの放てばいいんじゃない!?」
ツースト「みんなでビームって・・・」
獅子王「!私も協力すべきと?」
ゼオ「そうだ。魔導を使える者も含めて奴にビームらしきを放てば暴走は止めれるだろう。獅子王達サーヴァントの場合は・・・それ系の宝具だな。キャスター以外でも光を放てれば問題ない」
アレク「じゃあ、僕も行くよ!それぐらいお安い御用だ!」


すると、ゼオの意図を察したアイオーンがギターを鳴らしつつガウェインに攻撃しようとする!


アイオーン「闇雷っ!闇雷!闇雷!闇雷!」
Cママ「必死だなあ貴様。小さな攻撃しか出せんとは。生気を失うだけだ」


すると、アイオーンはにっと笑いながら唱える。


アイオーン「五芒星」
ガウェイン「!!?」


すると、アイオーンの束縛陣によりガウェインは動きを封じられた!


玉王「ガウェイン!?」


すると、そのガウェインに向かってゼオ達魔導師組やアレク達光を放つ宝具がある英霊組が攻撃を放つ!


ゼオ「ダークネスフレア!!」
ププル「スターダスト!!」
クルーク「ウィス・アトラヘンディ!!」
クロ(クロード)「ブルー・イリュージョン!!」
カーン「ルビー・グリッター!!」
フルシュ「サファイア・グリッター!!」
カービィ「ミラクルビーム!!」
マルク「マルク砲!!」
グリル「ブロックエナジースター!!」
タママ「タママインパクト!!」
ジャガー「エナジーロック!!」
リップ「ラブナバケーション!!」
ナーサリー「繰り返すページのさざなみ・・・押し返す草のしおり・・・全ての童話は、お友達よ!」
エレナ「海にレムリア! 空にハイアラキ! そして、地にはこのあたし!金星神・火炎天主(サナト・クマラ)!」
エジソン「これで鎮めろ!!W・F・D!!」
アレク「いずれ彼方に至るためーーー始まりの蹂躙制覇(ブケファラス)!」
アタランテ「二大神に奉る・・・訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)!」






獅子王「最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)!!」






ガウェインに一斉に放たれた光の攻撃により大きな爆発音が聞こえた!


あおい「やったか・・・!?」


しかし、彼らが見たのは信じられない光景だった・・・






なんとガウェインの前に先程よりもさらに強力なリフバリアが張られていたからだ・・・!!






クロス「嘘だろ・・・!!?」
ゼオ「すまない。まさかのリフバリアだ。失敗」
ツースト「はあああああーーーーー!!!?」


そんな光景をヘクソンがニヤッと笑いながら言う。


ヘクソン「それで見抜かれるとは皮肉なものだな。私達さえも楽しませれないとは」






ここはスマブラ屋敷。どう考えてもいつもと変わらないスマブラ屋敷。見知った顔の少女が言う。


アルル「聞いて、王ドラ!やっとボク達でも黄泉を倒せる方法を編み出したんだ!これでキミにも頼らなくて済むね!キミにこれ以上は負担をかけられないもん」


ああ、そうですかと私は返す。私はせめてサポートできるならと本を読むけれど・・・


メタナイト「王ドラ。あの女の対抗策を編み出しているのか?はぁ、全く。いつまで戦うつもりだ。貴様は狂った戦闘ロボじゃないだろう。愛と希望を持って生まれたお世話ロボットだ」


そんなのわかっている。わかっているんだ。だけど、何かあったら困るでしょう?困るのは、あなた達でしょう?あなた達にとって私は弱い?
そんな私にある声がかけられる。


夏美「王ドラ。聞いたわよ。あんたそんな状態なのにまだ戦おうとしてるの?みんなあんたがこれ以上戦うのは望んでない。あんたを消えるべきと望んだ奴らは言うけど、消え去るのはあいつらの方よ!」


はあ?私をこんな風に思わせたのはあいつらでしょう?滅ぶなら滅べばいい。みんな自滅して、みんな跡形もなく消えればいい。そう思っているけれど。






天草「それらは全部自分の心ですよね?あなたの中に宿るもう一人の人格〝カナタ〟の」






嗚呼。やめて。そんなの思いたくない。悪意に蝕まれたくないのに、もう一人の私がそれを拒む。それに誘う。私に呼びかける。私は弱くない。私は、ーーーーー

我らの望む未来(その2) ( No.135 )
日時: 2023/08/11 17:14
名前: 桜 (ID: Z28tGAff)

ガウェインを無力化する最大の一手が失敗し、クルーク達の陣営には最早成す術はなかった。


エージェント「あんなリフバリアで防がれた以上俺達には奴を無力化する術はない・・・!!」
ベディ「でも、このままでは・・・!!」


すると、そんな最中に予想外の人物からの通信が入った。残り数少ない人物達と共に辛うじて残っていたギガディスだ。


ギガディス「あっ、繋がったかー!!」
ププル「ギガディス!?無事だったの!?」
ギガディス「ああ、無事だ!残ったクリオラ達と共になんとか逃げ延びている。合流こそできないが、通信越しにサポートならできるだろう」
ゼオ「ギガディス・・・ごめん、みんなが・・・!」


すると、ギガディスはそれを察して今の状況を話した。


ギガディス「確かにあやつらはキャメロットに取り込まれたが・・・今サタンが魔力を最大限使ってまで完全に消滅を阻止してくれている」
クルーク「!!」
ギガディス「サタンの魔力はヘクソンに邪魔はできるほど柔ではない。多分気付かれたとしてもそれは弾くのだろう」
アイオーン(よかった・・・!クロウ達もまだ・・・!)


すると、ギガディスに代わってもらったエターニャはキャメロットの魔力取り込みのスイッチが入った原因を伝える。


エターニャ「それとキャメロットがスイッチに入った原因がわかった。あの砲撃は吸骨鬼達の切り札であったアーチャーのサーヴァントの宝具。あの上にあるガラスを見よ」


すると、クルーク達の陣営は王ドラ達が閉じ込められた石がある祭壇の上にあったガラスを見た。


エターニャ「恐らく今も眠ったままあれを放ったと思うが、こいつが吸骨鬼達の切り札のアーチャー。真名は源為朝」
トリスタン「・・・!!」


すると、ボーン・キングはそれが癪に障ったかのようにエターニャに声をかける。


Bキング「アンタがあの悠久の魔導師か。流石カレーのためだけに不老不死を選んだだけあって見た目が幼いわあ」
エターニャ「わしは全身骨だけのお前ではないがな。ああ、それと一見犬のような狼には気をつけた方が良いぞ」
Bキング「は?」


すると、Bキングの方にある狼が飛びついてきた!


Bキング「っ!!」
Cママ「この犬、よく見たら天使のガキが乗っているんじゃねーか!!」


Cママがムチでその狼に攻撃するが・・・


ポエット「アッシュ!」
アッシュ「ポエットちゃんまで攻撃していても・・・狼が怒らないと思ったンスか!!?」
Cママ「うわあああああーーーーー!!!?化け物かよ!!?」
アリシア「アッシュ!ポエットちゃん!」


ポエットを背に乗せていたアッシュの猛攻によりCママは思わず怯んでしまう。それを見たトリスタンは再び立ち上がる気力をつけてきていた。


トリスタン(そうだ。できることはまだある。まだ方法をなくしたわけじゃない。私は・・・)






闇の貴公子「貴様がこの世界で唯一生き残った英霊か」


澄んだ青空だけであとは白くて何もない世界。その世界で唯一生き残った英霊はとある魔王に声をかけられていた。


妖弦の騎士「・・・誰だ貴様は」
闇の貴公子「ああ、この世界では悪魔は悪いものだと話されていたな。まあ貴様が警戒するのも無理はない」
妖弦の騎士「私は忙しい。悪いが傍観ならばよそをあたれ」


そう言い放った妖弦の騎士は立ち去ろうとしたところを魔王がふっと微笑う。


闇の貴公子「貴様が愛したマスターを見つける可能性が、私達の世界にあると言ってもか?」


その言葉に妖弦の騎士は思わず驚いた表情をしながら振り返る。


妖弦の騎士「・・・それは誠か?」
闇の貴公子「私は曖昧なことしか言っていないがな。だが、微かな魔力なら私達の世界に感知されたと言っているのだ。貴様を愛したが故に生きろと令呪(願い)をかけたマスターの女を見つけたいのならば」






闇の貴公子「私達の世界に来る気はあるか?」






トリスタン(私は最初はそれだけでよかった。そのためにリップ達をも利用することも考えた。だがーーーーー)






チャラ王「トリスタン!トリスタン、起きろー!!」
トリスタン「失礼、寝坊してしまいました。そんなになるまで私を起こさずによかったものを」
チャラ王「何言ってんだよ!お前も起きないと意味がないだろうが!ほら、みんな待ってんぞ!」


リップ「トリスタンちゃん、またハープ弾きながら泣いてるの?」
トリスタン「いえ・・・悲しかったことを思い出しただけです」
リップ「じゃあ、アタシがそれを聴いてあげる!泣いてすっきりするまでそばにいるよ」


ルート「私のメイド服を写メまくるなど;」
トリスタン「いえ、貴女は可愛らしいですよ。人ではない英霊の身分である我が目に有り余るほどに」
ルート「は?お前も人の心を持っているだろう。普段起きてるのかわからんが、泣いたり眠ったり女を口説いたりバカなことをやらかしたり。私はそんな化け物は知らぬよ。お前だってちゃんと「人」だろうが」


おぼろ(モイモイ)「あなたはおぼろが嫌じゃないの?」
トリスタン「いやではありませんよ。こんな小さいのに妖と蔑むのはおかしいです」
おぼろ(モイモイ)「あなたもそうじゃないの?あなたは確かに死者かもしれないけど、それでも生きてるでしょう?人扱いしない方がおかしいのはそっちも一緒よ」


メルト「相変わらず色男ね。ホント顔だけはいい男なのに中身がかなりバグってるわ。それでも人の心があるのが厄介なぐらいよ」
トリスタン「意外ですね。貴女が私をも人だと思うとは」
メルト「そりゃそうでしょ?アナタは私が大嫌いな人の英霊だもの。まあ例外中の例外の奴らもいるけどね・・・」


王ドラ「全く!無茶なことばかりして、手当てするこっちの身にもなって下さいよ!」
トリスタン「英霊はすぐに回復できますけどね」
王ドラ「英霊でも人の心を持つでしょうが!痛いのを隠さないで下さいよ!その・・・泣きたいのなら泣いても構わないですから」






トリスタン(私を「人」扱いしてくれた今のマスターや仲間達を見て不思議に感じていた。なぜいずれ切り捨てる考えを持ったこの恥知らずにも分け隔てなく接するのだと。だけど、どこか安心していた。目的のためならばいらなかったはずなのに・・・ああ、そうだ。いつか必ず見つけ出す「彼女」だけではない)






トリスタン(今いる仲間達をも本当は失いたくなかったから守っていたんだ。私はこんな自分を受け入れてくれたことが嬉しかった)






すると、ヘクソンが狼の姿のアッシュの眼前に飛び込む!


アッシュ「っ!!」
ヘクソン「こんな動きで我らを止められると思うな」


すると、ヘクソンが正拳突きでアッシュを殴りつけた!


ツースト「アッシュ!!ポエット!!」


すると、直後にアッシュとポエットの前方に飛び出してきたスマイルがヘクソンに食ってかかる!


スマイル「ワンコや天使の子を殴りつけるなんて・・・人の風上にも置けないネ?」
ヘクソン「私にはそのような情は存在しないからな。あるのは目的のための執念と、一度阻止されたことの世界への復讐・・・」
Bキング「おっ、意外と利害は一致していたんやなあ」


すると、ボーン・キングがヘクソンに親しげに話す。


Bキング「あのクソ一家らをも復讐するだけでなく、世界への復讐も考えたんやなあ。ククラが倒された今これから末永くよろしくやっとこうやないか?」


ヘクソンがボーン・キングを見ながら言う。


ヘクソン「ああ、私達もそのつもりだ」






ヘクソン「だが、残念だ。身内への情がなければ応じていたというのにな」


ザクッ






良「え・・・?」


クルーク達の陣営が目の前の光景に衝撃を与えられる。そこにはヘクソンがボーン・キングに手をかけたからだ・・・!!


Bキング「は・・・?」
ヘクソン「我らは貴様らの切り札であるあのアーチャーが欲していたのでな。だが、貴様だけではなくその愛人や生まれた子供にも気付かれる恐れがあった。貴様のナタリーやキング・ジュニアを殺したのは、この私だ」
Bキング「き、貴様ぁっ・・・!!!!」


Bキングは首をはねられ絶命した。あまりにも非情な光景を見たクルーク達の陣営は唖然で言葉も出なかった。


プロキオン「身内への情があるだけで気に障ったの・・・!!?」
フルシュ「ひ、酷すぎる・・・!!人をこんな不幸に追いやるような所業を・・・!!!」
カーン「貴様は本当に人間なのか!!?人間の情は存在しているのか!!?」
ヘクソン「身内への情が必要不可欠である考えが我ら珠黄泉にはない。いい加減抗うのはやめておこうか。こいつらの命までも失いたくないのならな」


すると、ヘクソンが出現させたモニターに二人の男が映し出されていた!


ランスロット「!!シリウス!!ヴァイス!!」
プロキオン「シリウス先生・・・!!?」
ヴァイス「ラン・・・スロット・・・?我らを助けに来てくれたのか・・・」
ランスロット「あ・・・」
シリウス「プロキオンも、来てくれたのだな・・・しばらく見ないうちに立派な顔つきになってきて・・・」
プロキオン「シリウス先生・・・!」


すると、ヘクソンが彼らについて話す。


ヘクソン「その様子だと貴様は我らが捕らえたと気付いていたようだな」
あいり「人質なんて卑怯ですわ!!」
ヘクソン「卑怯で結構。こんなクソ下らない世界のために真っ当に生きたくないのでな。おい、放て」


すると、眠っている為朝が宝具を放ち、その反動で上から岩がアッシュとポエット、その至近距離にいたガウェインの方に落ちてきていることをギガディス達と共にいるサンが気付いた!


サン「岩アル!!避けるアル!!」
アッシュ&ポエット「!!!」
ガウェイン「・・・!?」


こんなタイミングでは誰もがもう間に合わないと思った。その瞬間、赤い翼が確かに飛び立ったーーーーー


ガッーーーーー






ガウェイン「・・・え?」


アッシュとポエットを庇いつつ自分をも庇った男の姿を見る。そこには成長しているが、あの聖杯戦争で共に戦ったーーーーー






ユーリ「よかった・・・お前も守れた・・・」






自分が身を挺して庇う形で三人を守ったユーリはスマイルに語りかける。


ユーリ「スマイル・・・アッシュとポエットを、お前が連れて・・・」


すると、ユーリはそこで意識が途切れた。ポエットは動かないユーリに近づく。


ポエット「ユーリ・・・!!?」


ポエットが呼びかけてもユーリは動かなかった。なぜなら彼は息をしていないからだ・・・


ポエット「ユーリ!!やだ!!ユーリー!!」
アッシュ「ユーリ!!しっかりするッスー!!」
スマイル「ユーリ!!起きてヨ!!キミは不死身なんデショ!!?」


目の前で息をしていない男の姿を見て、ガウェインは過去の幼い見た目の少年の姿を脳裏に浮かんだ・・・






ガウェイン「ユー・・・リ・・・?」

我らの望む未来(その3) ( No.136 )
日時: 2023/08/11 17:17
名前: 桜 (ID: Z28tGAff)

クルーク「ユーリ・・・!!カーン!!」


すると、クルークはカーンを連れ出してユーリの元に向かいに行った!


クー「クルーク!!?」
ジャガー「あのバカ・・・!!」
カーン「クルーク!?何を」
クルーク「お願いカーン!まだ間に合うならユーリを」


すると、ガウェインがカーンに対して剣を振るった!


カーン「ぐっ!!」
クルーク「カーン!!?」
ヘクソン「あの少年はもう用済みだ。刺せガウェイン」


すると、ガウェインはクルークの方に剣を振るってーーーーー


クルーク「・・・っ!!!?」


ザシュッ






ランスロット『ガウェイン。まさか貴公に再び会えるとは・・・』


ヘクソンに客将として案内される形で私の元に連れてきた湖の騎士・ランスロット。奴の顔を見た瞬間に私は「ランスロット」だと言うことに気付いた。奴の表情からして後悔を秘めていたことに。


ガウェイン『貴様、ここに付いたからにはまた我が王を裏切るな』
ランスロット『ガウェイン・・・?』


私は最早生前のランスロットと同じものだった。もう私には頼れるものなどなかった。






ガウェイン『私は今、貴様と話をしたくない』


競い合いながら共に戦った親友を、生前の私と同じような憎しみを抱いてほしくなかったから。






その後に相対したモードレッドの瞳。あれは私を憎む目だった。私はようやく巡り合った。この時代に現界してから罪にまみれた私を、生前と同じように討つがいい。






私を憎い(憐れむ)のなら殺せ(救え)。
それで貴方の気を済むのなら。






クルーク「・・・っ!!!?」


ザシュッと刺されたような音。クルークは今自分に何が起こったかを見て震えたような声を出しながら言う。


クルーク「なんで・・・!」






クルーク「なんでキミが、自分を刺してるんだよ・・・!!?」






自分で刃を貫いたガウェインはクルークに優しく語りかけながら微笑う。


ガウェイン「貴方が結局放っておけなかっただけです。私のホイップの叔父と同じ最期を辿って欲しくなかったから」
クルーク「・・・!」






ガウェインはクルークのことを調べた時、何かを感じ取った。クルークは口は悪いものの懐が深く人外であっても色眼鏡で見ないので周囲からの信頼は厚い。そのあり方がホイップの叔父のクルークにそっくりだったから。


ガウェイン(この少年は恐らく何かと巻き込まれやすいのですね・・・;)


だが、ガウェインはそこに魅かれた。彼のあり方は結果的にあの事件以降心が微動だに動かなくなってしまったガウェインを、その日にようやく動かしたのだ・・・。


ガウェイン『いいでしょう。必ず私が連れ出しますよ。ホイップも、貴方も、今度こそ幸福でいられるように』






ガウェイン「だけど、私が間違っていた。貴方にはちゃんと信頼できる仲間がいる。私がそこからそらして思い込んでしまっただけですね・・・」
クルーク「・・・っキミだって!」


涙を流すクルークを見ながらガウェインは静かに微笑う。


ガウェイン「ああ。貴方は私のために泣くことは・・・できる・・・の・・・か・・・」


すると、ガウェインはそこで倒れた。それを見たランスロットが駆けつけた!


ランスロット「ガウェイン!!」


ガウェインが倒れたのを見てクロスはショックを受け、クロも唖然とするが、同じように唖然となったCママが叫ぶ!


Cママ「てめぇ、我らに歯向かったな!!?お前はまさにその首飾りの中にある〝奴〟を解放させる気か!!?」
カービィ「えっ・・・!?」


すると、ガウェインの割れたディメンションミラーの首飾りから何かが放出された!それはたった一つの小さな紅い蝶・・・


ププル「蝶・・・?」
ゼオ「幻影・・・じゃないような・・・」


すると、その蝶が変化した!ディメンションミラーの首飾りに閉じ込められた蝶が変化していく様を見てメタナイトがその正体を割り出した!


メタナイト「あれは夢見る極鳥の、ギャラク以上に強大な力を持つ騎士・・・」






メタナイト「バルフレイナイト・・・!!!」






倒れたガウェインが解放させる形で割れた鏡の破片を材料にした首飾りから顕現したバルフレイナイトは、暴走のままにクルーク達の陣営に炎の剣を一振りした!


リップ「っ!!!」
ルート「あいつ、ディメンションミラーの力で暴走してるとはいえサーヴァント以上に強いぞ・・・!!」
トリスタン「・・・っ!!」






とある黒い何か「よく夢と現実の狭間に入り込んだな」


その黒い空間の中に行ったり来たりしたトリスタンを前にとある黒い何かは問う。


とある黒い何か「ーーーーーさて。目的を新たにする覚悟は決まったか」
トリスタン「私の意志ですからね。成すべき目的は一つだけとは限らない。私はこれでも欲張りですよ」
とある黒い何か「そうか。ならば俺からの言葉だ。定まったのならばそれを貫け。その歩みは後ろ歩きでもいいが決して止まるな」






トリスタン「はい。必ず」






トリスタン「・・・あの騎士を無力化することはできますね?」


クルーク達の陣営はその問いに一斉に頷く。






トリスタン「ーーーーー戦いましょう。これが最後の対峙です」






バルフレイナイトの暴走を鎮めるために戦いを再び決意したクルーク達の陣営を見てヘクソンは嘲笑う。


ヘクソン「確かに我らが押し込めたバルフレイナイトは解放させられた。だが、ディメンションミラーの力の前に何ができる?」
獅子王「・・・貴方は自分達の力に随分と自信をお持ちですね・・・」






獅子王「勝ち目がなくなったわけではないのに」






ヘクソン「獅子王。今、何を・・・まさか。まさか貴様は!」
獅子王「ーーーーー来い!マスター!」


すると光がぶわっと放ち、その光に包まれた人物は降り立った。光が消えた瞬間、クルーク達の陣営を助力する者として衣装を一新させた月の巫女が現れた・・・!






ラン「輝ける月の巫女・ラン。獅子王もとい騎士王アルトリアのマスターとして、チェリーワールドを救い出す者の一人としてたった今このキャメロットの頂上に降り立ちました」






続く・・・!






いよいよ・・・!感想OK