二次創作小説(紙ほか)

第五の巻:生きとし、生ける者。(その1) ( No.19 )
日時: 2023/02/11 15:06
名前: 桜 (ID: LSK2TtjA)

今回からはいよいよ物語がクライマックスに向かって走り出します。その中でたくさん書きたかったことを好き放題に書いていくので悪しからず。
・・・処女作の小説執筆時の悪ノPさんの如く色々と書きまくるみたいな感じになりますね;まあ、何も考えずに色々と好き放題とかやらかせば結果的には後から良いことが待ってるから別にいいのですが。反省も後悔もその後の肯定もしたって良かったんです。悪ノ娘シリーズのジェルメイヌみたいに。






ーーーーーああ、脆い。


脆くなるのに、


なぜ、ただ泣いているんだ。






???「英霊剣豪のキャスター・瑠璃条、やれるか?」
英霊剣豪・キャスター「はい。手筈はできていますわv」


そして英霊剣豪のキャスターはある施しをかけた後に赤い空を出現させて巨大な何かを芽生えさせた!


???「さぁ・・・今こそ我が悲願を果たしてくれよう・・・!!」






空がこれ以上ないぐらいに赤く染まり、巨大な何かが城の上に出現させた!それにより飛び出してきた妖霊達から大半の城下町の町民全員が逃げ惑う。それを見た王ドラは何かを予感した。


王ドラ「これは・・・!!」
以蔵「親玉のお出ましか・・・!!」


そして四太郎と阿美を紅孔雀亭に預けて、その別れ際に四太郎と阿美は激励を送る。


阿美「みんな頑張って!きっと英霊剣豪の親玉、みんななら倒せるよ!」
シグ「気をつけて」
以蔵「ああ。・・・帰りを待っちょれ」
お紅「心配しないで下さい。四太郎君と阿美ちゃんなら私の方でお守りしますわ!」
王ドラ「頼みます!」
アサト「行くぞ!」


四人の以蔵達一行が恐らく親玉が待ち構えているであろう城に向かう中、阿美はお紅に聞く。


阿美「ねえ、お紅さん。おじいはあたし達を助けるよね?」
お紅「!・・・ええ。きっと私達を、必ず助けますわ」


一方、それを以蔵達一行のもう一つの拠点にしている長屋がある山の上から巨大な何かを見ていた為朝は何かを感じた。


為朝「・・・出現、顕現、悪意、狂気、厄災、天災、業、怨恨・・・」


まるで四太郎と阿美が英霊剣豪に攫われていた件から薄々と感じた何かを段々と思い出しながらそれを分析しているかのようだった・・・。






クライマックスまで加速中・・・!

第五の巻:生きとし、生ける者。(その2) ( No.20 )
日時: 2023/02/11 15:09
名前: 桜 (ID: LSK2TtjA)

城に向かう以蔵達一行は現れた妖霊達を次々と倒していく中、以蔵は前から感じていた王ドラのハイレベルな戦闘力を垣間見つつ彼の体力を気遣う。


以蔵「楽!大丈夫か?」
王ドラ「ええ、大丈夫ですよ。このぐらいはへっちゃらです」
トリスタン「それよりも殿に会って万が一隠していた事実があればこれまでの英霊剣豪に関して口を割らせるしかありませんね」
アサト「おい!あんな娘姫の璃姫を可愛がる奴がそんなこと「そうですよ。殿は何らかの遮断されたようで知らなかったと言ってます」


すると、照が以蔵達一行のところに駆けつけた!


以蔵「照!ほんなら璃姫や殿は・・・」
照「今なんとか他の臣下達同様に地下の倉庫に避難してます。あの巨大な何かを放った英霊剣豪のキャスターや親玉である「冷泉宮」の居場所なら案内しますのでついてきて下さい」
王ドラ「はい。ありがとうございます、照さん」


照は自分の隠し事に気付いた様子はなくそれどころか自分を信じてくれる以蔵達一行を見て前よりもさらに増大した罪悪感とともに何かを思い出していた。






『お前は我が遣わす任務に成功すべく見出された逸材だ。認められたいのならば、重要な任務を果たすために城に忠臣として殿のそばで仕えてこいーーーーー』






照(私の心から敬愛する主人の、英霊剣豪のキャスターであるあの方からの任された任務・・・なのに、どうして?どうして私を信じてくれるこの人達を裏切るのが怖いのだろう?)


照の時折苦しそうな表情に王ドラは気にかける。


王ドラ「照さん?どうしました?」
照「いえ。なんでもありませんよ」


照はその答えの後に少し冗談を交えつつ以蔵達一行にある質問した。


照「あなた方はもしもどこかで信じた人が突然あなた方に襲い掛かったらどうしますか?裏切ったことを、罵倒しますか?」
王ドラ「怒りますよ」
照「やっぱり罵倒ですか」
王ドラ「怒っても・・・罵倒はしませんよ。それをするのは流石に効果的だと思えない」






王ドラ「現にあなたは私達に英霊剣豪のことで罪悪感を抱いてるのでしょう?」






照「・・・えっ?」


王ドラの言葉に照は気付いた。自分の隠し事を、最初から彼らが気付いた上でーーーーー


照「知っていたのですか?」
以蔵「知らんわけないぜよ。でも、おまんがそれで罪悪感を抱いたこと知っちょる。じゃから、黙ってたき」
トリスタン「時折笑うというよりも泣きそうな顔をしてましたしね」
アサト「俺達は裏切りには癪だが慣れた方だしな。・・・だから、その贖罪を兼ねた上で俺達を英霊剣豪のキャスターに案内しようとした。自分の意思でな」
王ドラ「・・・まあ慣れたものですので、そんな泣きそうな顔してるくせにいい加減意地張らないで下さいよ」


四人が自分の隠し事を最初から気付いた上でそれでも咎めないでくれたことに照はとうとう必死に抑えていた感情が溢れ出しそうになった。


照「あ・・・私・・・私は「ダメじゃないの照。そうやって感情に振り回されちゃ」


すると、照に声をかける人物が以蔵達一行の前に現れた!その女性はMEIKOに似た容姿を持つ、どこか妖艶さを持った女性だった。


王ドラ「あなた、MEIKOさん・・・ではないですよね」
???2「!意外な返答ね。これは分体にあなた達が言う中世ボカロ世界の「メイリス=ベルゼニア」を元にして作ったのに、この姿とよく似た知り合いがあなた達にはいるのね」
トリスタン「・・・分体?」


すると、その女性は自ら名乗りを上げた。


???2「私は英霊剣豪のキャスター・瑠璃条。本当は英霊ではないのだけれど・・・仮称としての名目である真名として、ジェルメイヌ=アヴァドニアを名乗らせておくわ。まあ、私自身は幾多の世界を渡り歩く異界の旅人だからね。あの時空の旅人とか言う奴とは違うけど」
アサト(世界を渡り歩く旅人・・・?)


アサトはそのジェルメイヌと名乗る幾多の世界を渡り歩く異界の旅人の女性を見て少しずつざわざわした感覚を覚え始めた。ジェルメイヌは照の方に向き直しながら言う。


ジェルメイヌ「照。任務は達成したわ。ご苦労様」
照「えっ?これは任務のために動いているわけでは・・・」
ジェルメイヌ「何言ってるのよ。ちゃんと動いてくれたじゃない」


すると、ジェルメイヌが指を鳴らした瞬間に照の身体が光り出した!


照「!!?何を・・・!!」
ジェルメイヌ「あなたが私をこの一行に会わせた時点で装置が入ったのよ。・・・こいつらを破壊するための起爆がね」
照「ジェルメイヌ・・・さ・・・まぁ・・・っ!!!」


照を弄ぶジェルメイヌにアサトは食ってかかる!


アサト「あんた何やってんだ!!自分を信じてくれた奴にこんな・・・!!」
ジェルメイヌ「あれ?まだその部分だけは思い出せないのかしら?それに気付いてないのは酷いじゃない?この子は、生前のあなたの仲間だったのに」
アサト「!!?」


すると、アサトはその言葉でようやく少し思い出した。照はーーーーー


アサト「まさかあんたは!!」
ジェルメイヌ「さぁ、私と一緒に戦ってあげるからこいつらを蹂躙しなさい!」
トリスタン「見た目は生前に私と禁断の恋を語る同僚のかなりの好みなのに・・・」
王ドラ「そっちですか!!」
以蔵「・・・戦うしかないぜよ!!」


以蔵達一行がジェルメイヌ&何らかの装置のスイッチが入ったことにより我を失った照と相対する!トリスタンは音の刃でジェルメイヌと照に攻撃するが、かわされていた。


トリスタン「こんな事態だという時に余裕ある様子で速いスピードですね・・・!」
ジェルメイヌ「そりゃあ私は異界の旅人だからね。だから、サーヴァントである照を操りながらかわすなんて可能よ」
トリスタン「・・・照嬢がサーヴァント!?だが・・・!」


すると、以蔵が剣術によりジェルメイヌと照に攻撃しようとするが、ジェルメイヌは軽々とその刀を掴んでいた!


以蔵「は!?おまん、そう易々と受け止め・・・!!」
ジェルメイヌ「私はこんなことだってできちゃうのよ!流石に剣の天才である人斬りのあなたでも・・・」


すると、王ドラはジェルメイヌに素早く蹴りを入れる!しかも彼女が見抜けないような速いスピードで!


ジェルメイヌ「えっ!?」
以蔵「楽!!」
王ドラ「防御ばかりで横が手薄ですよ。おばさん!」
ジェルメイヌ「あんなスピードで私に攻撃できたなんて・・・何者なのあいつは!!?」


ジェルメイヌが王ドラの戦闘の実力の高さに驚愕する中で彼は以蔵やトリスタンに簡単な回復の魔術をかけた!


王ドラ「初級の回復の魔術です。行きなさい!」
トリスタン「はいっ」
以蔵「回復かけてくれるだけでも感謝するき!」
王ドラ「さぁ、行きましょう。あの女をーーーーー」
アサト「!!楽、後ろ!!」
王ドラ「えっ?」


すると、ジェルメイヌが王ドラを背後から襲い、その首を掴んだ!


王ドラ「ーーーーーっ!!!」
ジェルメイヌ「ねぇ、あなた、本当は武器商人じゃないわね?ということはもしかしてあなたが要?私が種を落としたはずの要の本人いないなーと思えば成り代わってたということね!レオンガルフの奴、こいつに移すようにあの時に細工までして」


すると、ジェルメイヌの王ドラの首を絞める腕が強くなった。


ジェルメイヌ「でも、その本人以上にこんないい優良物件があったなんて思いもしなかったわ。ねぇ、おばさんと言ったことを許す代わりに、私にその強大な力をちょうだいよ」
王ドラ「・・・ぁ、にょ・・・ぃ」
ジェルメイヌ「聞いてるの?」
王ドラ「ぐっ、ぁっ!」
ジェルメイヌ「ねぇ、お願いよ。私に「ザクッ」


すると、ジェルメイヌの身体を何かの音の刃が貫いた!王ドラを助けることと彼の首を絞めていることで生じたわずかな隙を突いたトリスタンだ。


ジェルメイヌ「え?」
トリスタン「その者を手中に堕とすのは私だ。だから、その者を返してもらう」
ジェルメイヌ「そう。あなたがこの猫耳のからくりを欲しがったのは本気だったのね。意外だわ。油断したわねぇ・・・」


ジェルメイヌはそう言って紙の人形から砂となって消えた。王ドラは息を取り戻しながらトリスタンに言う。


王ドラ「助けてくれてありがとうございます」
トリスタン「ええ。あなたがあれで抵抗しなかったら隙が生まれませんでした」
王ドラ「あなたに託したわけではないのですが。・・・アサトさん」
アサト「ああ、わかってる。あいつの分体が消えただけで本体は死んでないことに。それよりも照だ」


四人は照と対峙するために立ち上がる。照はスピードに長けた戦法が得意とするだけあって実力が高いために以蔵達一行を苦戦させていた。


トリスタン「スピードがあのキャスター同様に速い・・・となると、これは・・・」


すると、照の正体に気付いたアサトは王ドラに進言する!


アサト「楽。お願いがあるんだ。俺に令呪を注ぎ込んで」
王ドラ「!?アサトさん、いいのですか?彼女を倒すのはあなたにとって今だって苦しそうに・・・」
アサト「いいんだ。俺の勝手だからあの非道女になんかあげるか。あいつが死ぬなら全部俺のせいにする。お願いだ」


アサトの覚悟に満ちた目を見た王ドラはようやく承諾した。


王ドラ「・・・その覚悟を貫きに行きなさい」


王ドラから承諾をもらったアサトは今や戦闘するだけの人形と化してしまった照を討ちに行く!王ドラは彼に令呪を放った!


王ドラ「令呪を以て命じる!新宿のアサシン、殺しに行くのではなく救いを与えるために彼女に宝具を放て!」


王ドラから令呪の力をもらったアサトは宝具を放つ!


アサト「闇の俠客、ここに参上ーーーーー」
照「宝具発動」






アサト「【十面埋伏・無影の如く】!!!」
照「【連環馬大嵐陣】!!!」






その光景はあまりにも速かっただけでなく、思わずその時折に強い輝きに王ドラ達は目を奪われていた。それだけ本当に美しかったのだ。まるで二人の「俠客」が相対したことでさらなる輝きが生まれたかのように・・・。






アサトに倒された照は消滅間際に彼に問う。


照「・・・ああ・・・なぜあなたなのですか。あなただとわかってさえあれば、私の装置を発動前に止めれたかもしれないのに。お互いに思い出せなかった。そのことを深く反省はしている。すまなかった・・・でも、それはあなたのせいじゃない。だから・・・たとえ英霊であっても・・・い・・・きて・・・」


照はそう言い残した後に消滅した。アサトに英霊であったとしても「生きて」という願いを託して・・・。


アサト「照・・・!!」






アサト「ーーーーー呼延灼っ!!!」






続く・・・






感想OK