二次創作小説(紙ほか)

第六の巻:揺るぎない、どうしても。(その1) ( No.21 )
日時: 2023/02/16 22:35
名前: 桜 (ID: QxM43kDI)

今回は英霊剣豪のセイバーとの対決とともにその正体が・・・!?
なんかあの人は本来と同様に気さくで穏やかな部分がある分、一度何らかの喜びか高揚感というか、愉しみを知ってしまったらブレーキがここぞという時に効かなくなりそうなところがあると思います。普段は理性を持って接するけれど、それがなんかもうより重くなる要素が・・・






呼延灼。仮名である照の本名でもある彼女の真名であり、異界の旅人を名乗るMEIKOに酷似した女のジェルメイヌ(それも本人の言からして分体の一つか依代に名前なのかはわからないが)に英霊になりすましていた英霊剣豪のキャスターであるマスター(主)として召喚された。
呼延灼はとある中国の今も語られている物語である水滸伝の登場人物であり、元は官軍であった梁山泊の天威星を司る者である人物であり、そしてーーーーー






王ドラ「照さんがあのクソ毒女に召喚されたサーヴァントだった・・・!?」


照の正体が英霊であったことだけでなく、アサトが彼女の真名を呼んだことに驚いた。それと同時に彼の真名について気付きかけたが、アサトはそれを制するかのように先に進むように促す。


アサト「楽。イゾー。すまねえが、先に行ってきてくれねえ?すぐに行くから」
王ドラ「・・・。はい。あなた方ならすぐに追い付きます」
以蔵「・・・」


二人もアサトの内心をなんとなく察したのか先に待ち受けている英霊剣豪のセイバーのところに向かう。トリスタンはアサトに問う。


トリスタン「私の名だけ呼ばなかったということは・・・」
アサト「トリスタン。・・・リップ達にはもちろん、ツキノ達にも黙ってくれねーか?せめてその時が来るまでは・・・俺の決意次第であんたがどうするか自分で決めてほしい」
トリスタン「・・・わかりました。あなたの導いた答えがたとえ残酷なことであっても」


アサトは呼延灼が消滅前に持っていたのを残していたクナイを手に取る。それは呼延灼が鈴鹿御前に預けられていた風魔小太郎のクナイだ。


アサト(なぜにこれをお前が受け取ったのかはわからんが・・・見てろよ。お前の無念や想いはようやく相見えた時に果たしてやるからな)






一方、王ドラと以蔵は英霊剣豪のセイバーのところに向かっていた。以蔵は王ドラの身体を何となく気遣う。


以蔵「楽。大丈夫か?」
王ドラ「いいえ、大丈夫ですよ。私はタフですので」
以蔵「そうか(体力的にこいつの限界が近づいちょる。加えて親玉が出てきちょるかのようにあんな恐ろしい巨大な蕾が出てきちょった・・・は?蕾?」


すると、以蔵はふと窓を見るとその光景に彼は驚いた!その巨大な何かの正体は・・・






巨大な人喰い花の蕾だった・・・!!しかもその開花まで徐々に進んできている・・・!!






以蔵「人喰い花・・・!!?」
王ドラ(これが私の意識に植え込まれた禍いの種の正体・・・)
以蔵「楽!?大丈夫か!?」


すると、どこからか足音が聞こえた。顔はよく見えない。


???「その開花まで遅い進行だから大丈夫だよ。まあ遅い方が逆に厄介だけどねぇ」
以蔵「?おまんが英霊剣豪のセイバーか?」
英霊剣豪・セイバー「ああ、そうだよ。英霊剣豪のセイバー・槐。まあ、俺はあの性悪のキャスターと同じように生きてる奴だけどな」





斎藤「全てはたとえ本物が死んだとしても、同じ姿の「岡田以蔵」ともう一度斬り合うために成ったことだ・・・!!」






何と英霊剣豪のセイバー・槐の正体は斎藤一だった・・・!しかもこの彼は「この世界の岡田以蔵」と対峙していた・・・!?
王ドラと同じように飛ばされた側だとしても「岡田以蔵」という名を持つ者との斬り合いになぜ執着を覚えたのか彼は静かに語り始めた・・・。

第六の巻:揺るぎない、どうしても。(その2) ( No.22 )
日時: 2023/02/16 22:39
名前: 桜 (ID: QxM43kDI)

【斎藤一の回想録】
僕は新撰組の三番隊隊長として活動していた。波乱の中で起きる時には血に塗れた戦い。途中で天才剣士と謳われた沖田ちゃんが自分の病弱で死んでしまったけれど。その時に至るまでは女の子が笑顔を無くしたようなものだったな。・・・ああ、猫人間のあんたの方は少し驚いてる?そりゃそうだな、史実ならば男性のはずの沖田総司が見目も可愛い女の子だったんだからな。
その後も僕は引き続き新撰組の一員として戦った。元からのがさらには血に塗れたなぁ。そんなある日、僕が極秘任務で特攻した相手がいた。あれは沖田ちゃんと同様に腐っても剣の天才だったな。・・・そいつがお前とは同一のようで別存在の「この世界の岡田以蔵」。無宿の鉄蔵という名もその死後もあんた同様に呼ばれてたよ。あれは僕が思わず戦慄を覚えるほどだった。小物ながらも、バカな鷹が隠した爪で攻撃しやがったようなもんだからな。
その時はそいつが勝った。僕は命の危機を感じて撤退はした。その後にあいつはあんた同様に斬首刑、土方副長も戊辰戦争の時に敗走に至った挙句、函館での戦いで撃たれて倒れてしまった。お前ら世界の僕なら今頃に斗南藩に住んでた奴と一緒に謹慎食らってたけど・・・ここまで言ったらもう流石にわかるよな?僕はお前らの世界の歴史ではならなかった「岡田以蔵と対峙した」ことで再びあいつと斬り合う愉しみを覚えてしまった。たったの1回だけでな。
その時に執着してたのを僕ら英霊剣豪の親玉である「怪術師」に声をかけられた。「もう一度、岡田以蔵と対峙したいなら我とともに来い」と。
入ったのはいいけど、正直半信半疑ではあったな。だが、「この世界に飛ばされた岡田以蔵」のお前を見つけたことでその言葉が真実だった。だが、まだその時ではないからあえて煽るようにしてやった。
その前に予定外なことが起きやがったけど、今人喰い花が出現した最中であるこの場が、あんたと斬り合うチャンスだった。
それが違う奴だとしても。
俺は。
かつての新撰組の誇りを傷つけることになるとしても。






あんたともう一度、斬り合いたかっただけだ。






なんてことだ。以蔵や王ドラが驚くのも無理はない。彼に関しては元を辿ればーーーーー


以蔵「死ぬ前にとんでもないことしちょったな。・・・「この世界のわし」は」


そう言わなきゃ以蔵は自分を保てずにいられなかった。たとえその人物が自分であるとしても、この自分ではない。英霊は例の一つとして個体があるーーーーー要約するとマスター次第で悪人にもなり得るのだ。


斎藤「武器商人と名乗ったあんた、この世界に飛ばされた者だろう?・・・この世界で死にたくなければあんただけ元の世界に戻れ」
王ドラ「・・・!」
斎藤「俺の目当てはこいつとの斬り合いだ。そこにあんたは関係ない。俺は無差別にやりたくないんだ。斬り合い前に元の世界に送り返す。あんたにしては妥当な取引だろう?」


そう進言した斎藤を、王ドラはまっすぐに見る。それは斎藤の取引を拒否するかのような睨みつける目だった。


斎藤「・・・どうしても、そいつと一緒に帰還するつもりか?」
王ドラ「当たり前です。彼だって英霊だとしても・・・生きているんです。英霊にも私達同様に心はちゃんとあるのですから!」


王ドラが自分を尊重してくれたことに安堵した以蔵も斎藤と対峙することを決意するかのように刀を構える。


斎藤「・・・交渉決裂か。あんたは良くも悪くも人間人外英霊問わずにそれを受け入れるような度量はある。戦いには随分長けて強いが・・・残念だな。あんたは度量の広さ故に命を落とすだろうな」


そして岡田以蔵と斎藤一の互いの全力をかけたーーーーー本来の歴史ならば成すことはなかったであろう斬り合いが始まった。






リップ「あっ、やっと繋がったー!二人とも、いるのー!?」


一方、トリスタンとアサトの二人はようやく通信が繋がった。ゼオがスタアラ&ディスカバリー合同編の件で1回限りで使用したことで起動しなくなったピンククォーツの一欠片に自分の魔力を注ぎ込んだ1回だけなら使えると言われた通信がようやく繋がった。


アサト「ああ。王ドラも見つけたよぉ!じゃあ、これまでの経緯について報告ー」


二人は王ドラのそばについてることやこれまでの英霊剣豪のことや出現して今もなお開花を進行させてしまっている巨大な人喰い花の蕾のことを話した。


チャラ王「人喰い花ってもう禍いとしか・・・;うわー・・・;」
トリスタン「本物のグリル嬢、よくあの人形グリルから移されませんでしたね・・・;」
レガムント「ん?待て。グリルの身代わりに王ドラに植え込まれたあれの開花は進行しているのか?」
アサト「ああ。少しずつだけど・・・」
レガムント「あれは本来ならば、かなりのスピードで開花するはずだ!」
トリスタン「!?」


レガムントの発言にトリスタンが問い出した。


トリスタン「どういうことですか?」
レガムント「何らかの要因で中和された形でかなり進行を遅くさせた形だ。これはよほど運が良くても可能性で言うなら覆されない。ということは何らかの要因で人為的に中和の役割を持つ人物が出現した可能性がある!」
アサト「!(イゾーも一緒に飛ばされた形になったって言ってた・・・まさか、な」
ツキノ「あっ、もう時間が来るの!」
レガムント「とにかく!今はこの件の諸悪の根源を倒し、人喰い花が開花する前に蕾の破壊をしろ!あいつを助けたいならな!」


通信はそこで切れた。通信が切れる時間になったからだ。蕾が開花されれば、王ドラは最早猫型ロボットとしても機械の故障とも言える死を待つのみーーーーー。それを察しているトリスタンは言う。


トリスタン「今は早く二人のところに合流して英霊剣豪の親玉を倒すのを考えねば。王ドラ殿を助けるのはそれからです。・・・以蔵殿も」
アサト「ああ」


一方、以蔵は斎藤と剣を交え続けていた。その斬り合いはほぼ互角であり、どちらとも大差はないために決着が着けれないままであった。


斎藤「へぇ。随分と成長したんじゃないの」
以蔵(確かにわしは剣が少しは成長しちょる。じゃが、なかなか倒せん・・・)
斎藤「でも」


すると、斎藤は以蔵を斬ろうとした形で剣を彼の身体に傷をつけた!


以蔵「ーーーーー!!!」
斎藤「痛いかぁ?目もか?」


思わず仰向けに倒れ込んだ以蔵に斎藤は近寄る。


斎藤「またあんたと一緒に斬り合いできて嬉しかった・・・たとえ違う存在でもな。だから・・・これで終わりにしよう」


斎藤は思わず以蔵に向かって刀を振ろうとした間に以蔵は何かを思い出した。


『新撰組などの真っ当に生きた侍は剣の何を矜持にしてるか知ってるか?』


以蔵(・・・わしに声が・・・何か伝えようとしちょる?)


『そういう侍はどんな変幻自在としても最後はたった一つのところを狙うんだ』


以蔵(考えろ。目が使えんならば耳を使え。・・・音を・・・音を研ぎ澄ませ!)






『真っ当な侍ほど最後に狙う箇所・・・敵の首筋だ!』






シュヒ・・・






音が聞こえた以蔵はすぐさまに立ち上がる際に自分の刀を斎藤の刀に振り落とさせた!


斎藤「は・・・!?」


そして以蔵は斎藤を斬った!これで以蔵の勝利だと言えるだろう


斎藤「あれを見抜きやがったとは・・・あいつとは違う故に・・・」
以蔵「違うき。確かにおまんをそうさせてるあれはわしじゃ。じゃけど・・・違う別存在じゃから、おまんがいくらわしを斬っても無駄じゃった。おまんの長年の悲願は・・・もう叶わんよ。他の壬生浪だって同じこと言うぜよ」


以蔵に明確に否定された斎藤は言う。


斎藤「そうか。沖田ちゃんや副長達がいないと結局出し切れんよなぁ。・・・でも、本当にその通りかも・・・自分で認めればよかっ・・・た・・・」


そして斎藤は命を落とすが、以蔵は王ドラの元に駆け寄った。


以蔵「大丈夫か?楽(何らかの形でいつかの話の「あいつ」の言葉で助かった。死ぬなバカ者と檄をかけちょるんか・・・」
王ドラ「ええ、大丈夫です・・・」


すると、トリスタンとアサトが合流した!


トリスタン「王ドラ殿!以蔵殿!無事ですか!?」
王ドラ「ええ、大丈夫ですよ」
アサト「って、この横たわってるやつ、斎藤!?死んでるけど何があったの!?」
以蔵「落ち着け。話してやるから」


以蔵は英霊剣豪のセイバー・槐が斎藤であったこと、彼はもう一度以蔵と斬り合いするべく生きたまま英霊剣豪に入ったことを話した。


アサト「なるほどな・・・そういう奴は怖いなぁ;」
トリスタン「人のこと言えるので?」
王ドラ「以蔵さん・・・」
以蔵「左目は回復しちょる。じゃから、わかっちょる!」


以蔵は全ての英霊剣豪を倒したことでいよいよ親玉のところに向かうのを話した。


以蔵「あの怪術師のところに向かうき。対峙するべきじゃ」
王ドラ「ーーーーーはい・・・」


そして四人は怪術師のところに向かう。怪術師の待つ城の天井に当たる部屋に着いた四人に待ち受けていたのはーーーーー


???「よくぞ全ての英霊剣豪を討ち倒したがーーーーー」






???「奴らを率いた怪術師、三六悔が貴様らに引導を渡してくれよう・・・!」






最終話に続く・・・!






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