二次創作小説(紙ほか)

第二幕:渦巻く四方と空(その1) ( No.220 )
日時: 2024/02/29 19:58
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

高杉に自ら立ちはだかれピンチに陥った王ドラ達だったが・・・!?
ポップンライブリィの楽曲パックだが、いまだに購買部までの行き方には慣れてない・・・;






ーーーーーこれは彼に何があったかという話。


エージェント「いてて・・・;アリシア達やサンソン達も吸い込まれちまったし、なんとか城に入り込むことはできたけど・・・」


すると、エージェントは歩きながら城の探索を行なっていた。


エージェント「気をつけながら歩かなきゃな・・・なんかやばそうなことにはなりそうだし・・・」


すると、エージェントは何らかの咆哮が聞こえた!


エージェント「!?獣・・・?」


すると、エージェントの方に鋭い爪が飛んできた!なぜか巨大かつより野生味のある狼に変貌したドラニコフだ!


エージェント「ドラニコフ!!?」
巨大ドラニコフ「ーーーーーっ!!!」
エージェント「ぎゃあああああーーーーー!!!」






・・・幕間は続きを記す。






いきなり立ちはだかって来た高杉を前にして驚く三人だったが、トリスタンは尋ねる。


トリスタン「あの、それなら我らも真名で呼ばれまくってますが大丈夫なのですか?」
高杉「ちょっと待って、言葉が足りなかった!通常の聖杯戦争なら真名を見抜かれるのは相手の弱点に繋がりかねないんだ。例えば最期の時とかね」
王ドラ(だから小太郎さんの反応が慌ててたというわけですね)


すると、高杉は引き連れた奇兵隊の一人を通じて何かを呼び出した!


高杉「でも、黒幕の僕が簡単にやられるなんて好かないなぁ。だから、呼び出すことにするね。出でよ!」
三人「!!?」


すると、高杉の奇兵隊が連れて来たのは王ドラとトリスタンが知る二人の人物だった!






シアン「悪いけど、ルール違反の罰は受けてもらうにゃ!」
クロウ「やいやいやい!ルール違反者は大人しく連行させてもらうぜ!」






なんと装いを女房や浪人姿に変えたシアンとクロウが立ち塞がって来た!事情を知らない阿国は攻撃しようと王ドラに持ちかける!


阿国「王ドラ様とは違うような猫とネズミの怪ですか!こんなの今すぐぶっ倒して」
王ドラ「待ってください、あの二人は私達の友達です!高杉さん、あなたは二人に何をしたんですか!?」
高杉「僕は直接命令はしてないよ?まあ配下の新選組の・・・あのいかつい奴が何をしたのか知らないけどね」
トリスタン「斎藤一とは違う者ですね?それなら無力化したら元に戻せますか?」
高杉「無力化したらね。できればという話だけど」


すると、高杉は奇兵隊を使って逃げ出す!


高杉「なので逃げるぜ☆」
王ドラ「コラァ!!(激怒」
トリスタン「では。少し痛いと思いますが、我慢なさい!」


トリスタンはハープを使ってシアンを誘導し、王ドラから事情を話された阿国はそれを利用して上手くその隙を突きながら攻撃を繰り出す!


阿国「それなら早く言いなさい!あんなクソ社長が連れてるならろくでもない妖怪かと!」
王ドラ「あの人、社長業でも兼ねてるんですか;」


すると、トリスタンのハープの弦がシアンに切られてしまった!


トリスタン「しまった!」
シアン「にゃにゃーん!」
王ドラ「トリさん!!」
クロウ「オラオラー!!御用だー!」


すると、上から何らかの光が降りて来た!王ドラ達を探しに来た以蔵だ!


以蔵「なんであんなクズに操られちょるんじゃおまんらは!!」
王ドラ「以蔵さん!」
クロウ「おー、お前もルール違反者かー?」
以蔵「随分とバカな物言いじゃのう;」


すると、アサトがさっき保護した少女を抱えながら以蔵に聞く。


アサト(燕青)「イゾー、こっちは守っとくよ!」
王ドラ「アサトさんも!」
阿国「彼らはアサシン!もしや王ドラ様のお仲間ですか!?」
以蔵「おん?」


すると、クロウがレッドトマホークで以蔵の剣と交じり合う!


以蔵「!」
クロウ「悪いが、高杉に従う以上お前らには捕縛を受けてもらうぜ!」


すると、以蔵はクロウの上に飛びながら乗る!


クロウ「えっ!?」
以蔵「天誅!!」


以蔵はクロウの頸動脈をチョップで突いた!


クロウ「あだっ!!」


クロウが気絶したのを気付いたシアンは彼の元に駆け寄ろうとする!


シアン「あ・・・!」
トリスタン「!」


その隙を突いたトリスタンはシアンに口を手で塞いだ!


シアン「っ!」


シアンはそれにより気絶し、トリスタンはため息をつく。


トリスタン「レディにこんな強引なことをしたくありませんが・・・」
王ドラ「お、おつかれさんですー;」


無力化した二人を見て王ドラは二人の額からそれぞれの光が見えた!


王ドラ「ん?光?電気でも埋め込まれたのでは・・・」
以蔵「(!ああ、ほうか)王ドラ。わしを怒るな」
王ドラ「え?」


すると、以蔵は二人のそれぞれの額を刀で突き刺した!


王ドラ「!!なんで突き刺したんですか!!」
以蔵「あの光から高杉が作ったものを感じたんでな、それが原因と見て光を破壊したんじゃ。王ドラも騎士王と同じようなことしたじゃろ?」
トリスタン「だからってこんなことしたら死ぬんですよ!!」
クロウ「やいっそうだぞ!!流石にいてーぞ!!」
シアン「やっぱり痛いにゃ・・・;」
トリスタン「ほら、幽霊となって・・・えっ!?」


すると、二人は額をさすりながら生還していた!二人は元の状態に戻ったようだ。


王ドラ「元に戻ったのですか?」
クロウ「ああ!なんか知らねーが、俺らは閉じ込められたことは覚えてんだよ!」
シアン「その時に新選組の人の・・・芹沢鴨っていう人に気にかけられたような気がするけど・・・」
王ドラ「芹沢鴨・・・新選組の中でも大悪党の男か!(でも、それなら二人を殺していたような気がしますが・・・」


王ドラは今はその考えを吹き飛ばさせながら二人を出迎えた!


王ドラ「とりあえず、おかえりなさい二人とも!」
シアン「ただいまにゃー!」
クロウ「まさか残されるなんて思いもしなかったけどな;」


すると、トリスタンはアサトが抱えている少女を見つける!


トリスタン「アサト殿、この少女は・・・」
アサト「ああ、イゾーが見つけて来た。多分親とはぐれた子だと思うけど・・・お」


すると、少女はやっと目を覚ました!気付いた以蔵が駆け寄る。


以蔵「気がついたか」
少女「?お兄ちゃん達はだれ?」
以蔵「わしらはおまんと同じ生き残ったもんじゃ。名はなんという?」


すると、少女は微かに名を名乗った。


少女「・・・シーラ。たまたま考えた名前だし、それ以外はわからないの」
アサト(燕青)「えっ?」
王ドラ「・・・多分、何らかのショックで記憶をなくしてるんでしょう。例えば親を亡くしたのとか」
クロウ「記憶喪失という奴だな・・・;」


すると、以蔵は王ドラの隣にいる阿国に聞く。


以蔵「ところでキャスターのおまんは?」
阿国「私は王ドラ様と契約したサーヴァントの出雲阿国でございます!今はある少女と共有の身ですし、今は高杉様を裏切った者ですけど!」
アサト(燕青)「どういうことなの?」


すると、阿国の話を聞いた大半は驚愕した!


以蔵「あの壬生浪・・・!再び召喚された身であんなこと・・・!!」
クロウ「ということは沖田と土方の仲間かよ!?」
シアン「あたし、今もよくわからにゃいけど・・・」


すると、シアンが阿国の手を握る!


シアン「阿国ちゃんが悪い子じゃないってわかるにゃん!」
阿国「あなた様、なかなか話がわかるお方でございます!」
王ドラ(女子が少ないと仲良くなるのはなんでかな;)


それはさておき、仲間を加えた王ドラ一行は立ち上がる。


王ドラ「とりあえず天草さん達を探しましょう。変なことになったらまずいし」
アサト(燕青)「俺ら、奴らの居場所を知ってるぜ。見つけたら連れてこいって言われたよ?」
トリスタン「案内して下さい」


王ドラ一行は特に天草の動きに警戒しつつその場所に向かった・・・

第二幕:渦巻く四方と空(その2) ( No.221 )
日時: 2024/02/29 20:01
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

高杉「ただいま帰りましたー!」


一方のまほろあ城の謁見の間では帰って来た高杉が報告をしてくれた。


高杉「芹沢サン、やっぱり元に戻ったようだよ。岡田君達が乱入してきたみたいで」
芹沢「そうか。・・・まあ今は何も思わん。生きてようが死にようが私には関係ない」
斎藤「それもどうかと」


すると、小太郎は一人すっと立ち上がる。


小太郎「では僕は引き続き奴らの様子を見てきます」
直己野勝家「おお、構わぬよ」
高杉「小太郎君は冷淡だねぇー。そこまでして彼らが憎いのかな?」
小太郎「違います。僕は聞きました。「声」を」


小太郎が出て行った後、高杉は少し意味深な表情をした後に立ち上がる。


高杉「じゃあ、僕は彼の様子を見に行こうかな〜?」
直己野勝家「おいっまだ報告が・・・!」


高杉が出て行った後に直己野勝家はため息を吐く。


直己野勝家「全く手にかかる男だ・・・」
斎藤「・・・」


一方の高杉はある部屋を訪ねていた。その部屋は特殊な牢獄。ここに閉じ込められていたのはアイオーン直属のサーヴァントの一人のライダー坂本龍馬だ。


龍馬「自分から様子を見にくるなんて珍しいね」
高杉「面白いのがあってさ。やっぱり岡田君が来ていたよ。キミのことを内心では気にかけていたんじゃないかな?」
龍馬「本当だね?じゃあ、瓶に閉じ込められたお竜さんと一緒に解放してもらうよ」
高杉「それはできないなぁ。その雷の鎖は僕にしか解けないけど早く解放するのは面白くないからね。もちろん近くで眠っている彼もね」
龍馬「・・・」


よく見たら龍馬の身体は痣や切り傷など小さな傷だらけだった。放とうとしても雷の鎖の攻撃で痺れていたのだ・・・。






一方の為朝と天草は為朝が以蔵から連絡が入っていた。


為朝「以蔵から連絡。無事に我が主らと合流。しかし、敵側から寝返ったキャスターを新たに契約」
天草「そうですか。ようやく我が正室(マスター)と・・・って、えっ!?キャスターと契約したのですか!?」
為朝「問題なし。キャスターに策謀や殺意は見られぬ」
天草「キャスターの持つスキルの魔術で隠蔽しているかも」


すると、天草の方に光が飛び、天草はこれを黒鍵で受け止めた!


天草「・・・ほう?」
為朝「敵の襲来。天草、警戒せよ。この者は貴様の縁」


その光ーーーーー刀を持つ壮年の男は天草を見ながら言う。


???「咄嗟に避け切るとは。変わらぬ直感の良さだ」
天草「貴方の剣技には及びませんよ。それに私は所謂二流サーヴァントですので」


天草とそのサーヴァントが激突に出る中で為朝は自分のボディを使って警告音を鳴らす!


王ドラ「!?これは為朝さんの・・・!」
以蔵「どこかでヤバいのと出会っちょるやもしれん。先を急ぐき!」


近くに来ていた王ドラ一行が駆け寄ると、そこにはそのサーヴァントと剣を交わっている天草の姿があった!


王ドラ「天草さん!」
天草「おお、王ドラ殿!来てくれたのですね」
阿国「あれは・・・!」


すると、阿国はそのサーヴァントを見た後に王ドラを自分の胸の中に埋めさせた!


王ドラ「!!??」
阿国「あの人の狙いはあなた様です!大人しく抱きつかれなさい!」
トリスタン「あっ、ずるいですよ;」
シアン「クロウちゃん、見えないにゃ?」
クロウ「今は見るな;(溶けるなこれ;」


すると、そのサーヴァントが王ドラを斬ろうと歩こうとしたら天草に阻まれた!


天草「貴方の相手はこっちです。私だけを狙えば良いでしょう?」
???「その少女・・・少年かわからぬが、貴殿の主殿であろう?だから、あえて狙った」
以蔵「・・・っ!」


それを聞いた以蔵が思わずそのサーヴァントに斬りかかろうとするが、気付いた天草が叫んだ!


天草「以蔵殿、この者は相手にするな!」
以蔵「!?」
燕青(アサト)「何!?なんなんだよ!?」


天草はそのサーヴァントの詳細について話す。


天草「この男は私が生前に主導した島原の乱の拡大をいち早く見抜いた討伐軍の者です。先見の明に長けた男が予見したのを聞かなかったその時の徳川の当主は後悔するほど技量にも長けた家臣でした」
トリスタン「島原の乱の拡大を予見・・・まさか!」
天草「ええ、この男の真名は柳生但馬守宗矩」


自分の真名を暴露されても慌てることはない様子の柳生は話す。


柳生「まさか島原の乱の反乱軍の主導者と相見えるとは。高杉晋作がいなければ剣を交えるなど叶わなかった」
天草「私も一度勝つようなことをしなければ叶えていたものを・・・!」


すると、何かを歩く音が柳生に聞こえた。


柳生「む、来たか。拙者は見つかる前に退散する。次に会うならば、一度手合わせを願わせていただきござ候」
天草「あっ、待ちなさい!」


柳生が霊体化を使って立ち去った後、阿国は王ドラから離す。


阿国「もう立ち去ったのでだいじょ・・・って、なんか溶けてるー!!?」
王ドラ「ふにゃ〜(顔真っ赤」
為朝「我が主、しばらく動作停止・・・我が主!」
王ドラ「えっ?」


すると、王ドラを狙う剣を以蔵が剣を跳ね返す形で守ってくれた。


以蔵「何があったんじゃ!?」
為朝「見よ」


すると、王ドラ一行が見たのは沖田と土方だった!


王ドラ「沖田さん!?土方さん!?」
沖田「咄嗟に剣を跳ね返すとはダーオカは相変わらずですねー・・・みなさん、ごめんなさい。私達は敵です」
トリスタン「そういえば、新選組が高杉の配下になったと聞いたから、それならば沖田嬢や土方殿が敵に回るのはおかしくないですね」
沖田「はい。本当は嫌ですけどダーオカを斬りたいですしそれが利点になるならば」
以蔵「はぁっ!!?」


沖田の発言に以蔵が激昂したのをアサトが押さえる中、土方は去り際に言い放つ。


土方「悪いな。これも誠でな」
王ドラ「まっ・・・!」


二人が立ち去った後、上から何らかのものが降って来た!


アサト(燕青)「!!?これ、俺らが飛ばされたものじゃん!!」
シアン「おにぎりの大群・・・?」


すると、上を見るとそこには身長が高い米俵の男がスキルでたくさんのおにぎりを降らせていた!


???「本当なら足止めはしたくないがな。からくり一行、悪いな!」
為朝「貴様は・・・俵藤太・・・!」


藤太が放ったおにぎりの大群に全員が転がられるのを見た藤太は言う。


藤太「挑戦ならいつでも待っているぞ!」






おにぎりの大群で転がされたが何とか全員無事に目を覚まし、以蔵はシーラの様子を確認する。


以蔵「シーラ、大丈夫か!?」
シーラ「大丈夫。無事」
トリスタン「今度ははぐれなかったのが奇跡ですよ・・・;」


すると、阿国は天草の前に立つ!


阿国「お方が王ドラ様と契約しているサーヴァントですね?よろしくでございます!」
天草「貴女が例のキャスターですか。柳生殿から守るとはいえ先ほどの行動について・・・」


すると、天草は奇跡の力で彼女の中にあるヒビを見た。


天草「待ちなさい!貴女のソレはーーーーー」


すると、天草が言う前にクロウが激昂する!


クロウ「あのバカ二人ー!!自分のマスターを裏切るなんていい根性してるじゃねーか!!」
以蔵「おーよ!今すぐ叩っ斬ってやりたいぐらいじゃ!!」
シアン「あの二人、どうしてあんにゃことに・・・」


そんな三人の様子を見た王ドラはフォローしつつ言う。


王ドラ「あの二人を問い詰めたい気持ちはわかりますが、今は私達のねぐらで休みましょう」
クロウ「ねぐら?そんなのあんのかよ?」


すると、王ドラは改造した巨大タケコプターをつけたアムールの建物をここから割と近くの位置に置かせた!


クロウ「おい!!あんたがチャラ王に殺される案件じゃねーか!!」
トリスタン「もう覚悟はしているのです。それを察した私は悲しい」
クロウ「悲しむな!!」
阿国「とりあえず用意されましたし、ひとまず休みに行きましょう」


王ドラ一行が今は自分達のねぐらであるアムールの建物に向かう中で天草はトリスタンに話しかける。


天草「(少女と身体を共有しているようですが、それではなく・・・)トリスタン殿、少しだけお話を」
トリスタン「?」


トリスタンは天草が明かした話を聞くうちに顔が次第に驚いた表情になった・・・。


天草「ーーーーー以上が私の話した内容です。王ドラ殿には内密にするように」
トリスタン「・・・!」
王ドラ「二人とも、遅れますよー」


天草とトリスタンはタッと王ドラ達に遅れないように歩いた。天草が気付いた内容に心底から不穏を感じながら・・・。

第二幕:渦巻く四方と空(その3) ( No.222 )
日時: 2024/02/29 20:03
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

沖田「ただいま戻りましたー」


まほろあ城に帰って来た沖田と土方は最初に新選組の一人山南敬助に会っていた。山南は優しく二人を出迎える。


山南「二人とも、おかえり。どうだったかな・・・君達の仲間と会ったことは」
沖田「・・・あまり変わらない様子でした。今の状況を前にしてもめげずに踏ん張っていました。私達を前にした時は怒るというよりも驚いた方だったけど」
土方「相も変わらず憎たらしいままだったな。岡田と一緒にいたからな」
山南「そうかい・・・気持ちはわかるけど、これはあれを止めるためだ。今は何とか堪えて」
沖田「・・・はい」
土方「・・・」


一方の高杉はケタケタと笑いながら王ドラ一行の行動をモニター越しに観察していた。


高杉「ははは、いやーつくづくも面白いなぁオレンジのからくり君は!阿国君のアレは気に入らなかったけど」
???「仕事ですか?」
高杉「やあやあ、キミを呼んだのはそうだな!まずは敵側にも盤石の体制で戦いを臨まなきゃダメだからね!」
???「命なので仕方ないですが、正直に言えば貴方からの言葉は吐きたくなるほど聞きたくもないです、顔を見たくもないです」
高杉「やっぱりこれは耐えられないんだねー。でも、わかってくれたまえよ・・・キミも彼らに興味あるんだからね?」
???「ーーーーーでは」


そのサーヴァントが立ち去った後、高杉は静かに呟く。


高杉「ーーーーーまあ、アレはある意味奇跡のような話だからねぇ」






一方、王ドラ一行はとぼとぼとアムールへ歩く中で以蔵は聞く。


以蔵「これからどうするんじゃ?」
王ドラ「・・・まずは巨大化したドラニコフを助けるしかありませんね。あとはそれからです」
クロウ「えっ!?ドラニコフが残されてんのか!?」
王ドラ「私を見た途端に一瞬でも止まりましたけど、なぜか暴れてますけどね;恐らく高杉晋作が原因で自我を失ってるかも;」
天草「・・・なんですって?」


天草がその発言に疑問を抱く。王ドラはふと視線を横にやると何かを見た。


王ドラ「あれ?あれは道というより、地面についてる・・・血痕?普通はよく見えないと分かりませんが」
阿国「・・・どこかで召喚された英霊が人知れず消滅したんでしょうね。今は先を急ぎましょう」


すると、その直後にある声が聞こえた!


???「彼を助けたいのであれば、そちらの方も鉄壁の守りを入れた方がいいですね」
トリスタン「誰だ!」


すると、長くて青い髪を持つ理知的な美青年が姿を現した!


???「キャスター、パラケルスス。高杉晋作の配下の一人です」
王ドラ「パラケルスス・・・(四元元素の再発見などで貢献したルネサンス期の魔術師ですか・・・」


パラケルススの姿に王ドラ一行は武器を構えるが、彼はそれを見て諭す。


パラケルスス「今は敵対するつもりはありません。貴方方の守りを作りに来ただけなので」
為朝「ーーーーー何?」


すると、パラケルススは近くにあるアムールを中心に魔術を発動させた!


パラケルスス「エレメンタル起動ーーーーー」


パラケルススの魔術によりアムールが光に包まれ、そしてーーーーー少しも形が潰されることはなく、ただ魔力を帯びただけのねぐらに変化した。驚く彼らには何食わぬ顔で彼は話す。


パラケルスス「安心して下さい。全てが終わったら元に戻すのを約束しますよ」
トリスタン「待って下さい。何を施したのですか?」
パラケルスス「攻撃と防御を兼ね備えた陣地作成です。近くに来れば何らかの罠が発動するシステムです。では」


パラケルススが霊体化して立ち去った後、彼の態度に以蔵は戸惑う。


以蔵「なんなんじゃアレは・・・;」
シーラ「ん・・・」
以蔵「シーラ?どうしたんじゃ?」


すると、シーラが突然倒れて意識を失ってしまった!


以蔵「シーラ!!?」
王ドラ「何か体調が悪くなってるかもしれません!ここは私の医術でーーーーー」


すると、王ドラはシーラの身体に触った途端に頭の中で何かが映し出された!






ーーーーー血、叫び、狂乱、絶望、憎悪。それらは彼女に流れた光景を通してーーーーー






無数の蟲となって群がったようだ。






王ドラ「うわあああああーーーーー!!!!」
トリスタン「王ドラ殿!!?」


それを見た王ドラが狂乱に陥ってしまい、シアンが駆け寄ろうとしていた!


シアン「王ちゃん!!?何か見たかにゃ!!?」
アサト(燕青)「シアンちゃん、来るな!!よくわからないけど、アレは見ちゃダメなやつだ!!」
シアン「っ!!?」


思わず泣き出してしまった王ドラをトリスタンは優しく抱きしめてあやしながら言う。


トリスタン「・・・っ大丈夫ですよ。我を忘れちゃいけません。貴方は「王ドラ」だ。私が言いますから・・・」
阿国「トリスタン様・・・」


すると、シーラは突然暴れるように飛び上がって泣き叫んでしまう!


シーラ「あああああーーーーー!!!」
クロウ「シーラ、落ち着け!!なんか嫌な夢でも」


すると、以蔵が自分の指を差し出して暴れたシーラに噛ませた!


以蔵「っ!!」
クロウ「以蔵!!」
以蔵「シーラ・・・大丈夫じゃ・・・大丈夫じゃから・・・眠れ・・・」


それを聞いたシーラはようやく眠りにつく中でアサトは以蔵の今の様子を見る。


アサト(イゾー・・・)






これは誰かの夢。その場所にいるのは、なぜか一筋の涙を流す少女。


???「・・・」


なぜ少女が泣いているのかわからない。自分が憎まれていたわけでもないのに。






王ドラ「ん・・・」


すると、王ドラは目を覚ました。


トリスタン「王ドラ殿」
王ドラ「・・・トリさん。みんなも」
シアン「何の夢を見たかわからにゃいけど、元気出して?あたし達じゃわからないことだから・・・」
王ドラ「シアンさんが謝ることじゃ・・・!」


すると、クロウが笑い出したのを聞いた!以蔵が父親のようにシーラをおんぶしていたからだ。


クロウ「ぎゃはははは!お前、子連れ狼みてー!」
以蔵「っるさいわ!!それ以上笑ったら後で斬っちゃる!!あ、王ドラ。シーラは今眠っちょる。すやすやじゃ」
王ドラ「以蔵さん・・・あなたは、母親だったのですか・・・?」
以蔵「何の話じゃあ!!?」
トリスタン(前から思っていましたが、彼も人妻系ですか・・・)
天草「とりあえず気を取り直してアムールに向かいましょう」


そしてしばらくしてようやく今は彼らのねぐらであるアムールに到着した!

第二幕:渦巻く四方と空(その4) ( No.223 )
日時: 2024/02/29 20:05
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

王ドラ「到着でーす!」
クロウ「つか、よく何の変わりもなく無事だったな・・・;」
トリスタン「私の寝坊のおかげです(ドヤ」
クロウ「自慢することじゃねーだろ」


王ドラ一行がアムールに帰宅し、シアンが冷蔵庫の中を見たら食材はある程度残されていた。


シアン「よかった、食材は足りるにゃん!」
クロウ「なんか作るぜ?牛乳は俺がたくさん持ってるからシチューでいいか?」
阿国「いいのですか!?では!」


すると、阿国の姿がリディアに変身した!


リディア「私にも下さい!」
クロウ「い、今急に姿が変わった!!?」
王ドラ「詳しい話は食事中にお話ししますので〜」


クロウとシアンのお手製のシチューができあがり、全員はその美味しさに味を噛み締めていた。


以蔵「おまんら、料理はできるんじゃな〜」
シアン「あたしはショートケーキとかのお菓子を作ってるにゃ!」←料理スキルがイチゴが大好物も由来する☆5組
クロウ「俺は実家が酪農家だからな」←実家の関係からか料理スキルが☆5組
アサト(燕青)「うめうめ〜」


すると、シアンの服の中から彼女の水の精霊であるウンディーネが出てきた!


ウンディーネ「ワタシにもちょうだい!」
シアン「わかったにゃ〜」
王ドラ「ウンディーネさんも無事だったんですね!」
トリスタン(精霊も妖精も私には嫌な思い出しかないのですが、こういう無垢な精霊もいるものですね・・・)←生前に厄介が度がすぎる妖精達にも好かれていたため
以蔵(メルトの奴と同じタイプの類じゃろうか・・・)


すると、リディアが自分の服ポケットに入っていたものに気付き、それを出した!


リディア「あっ、あのっこれは私が脱出の際に持ってきたものですが・・・」
王ドラ「これは・・・マイクロチップ?」
リディア「何かのデータみたいです。詳細はわからないのですが・・・」
王ドラ「・・・見ておかないことはないですね」


すると、リディアはさっきようやく目を覚まして食事に参加していたのをキョトンとしているシーラを見る。


リディア「あっ、あなたは巻き込まれなかった方ですか?ごめんなさい、ちょっと驚かせてしまいましたね」
天草「言い方は悪いですが、貴方と同じ奴隷だった子じゃないのですか?」
リディア「いえ、初めて見る子です。でも、あんな人達に巻き込まれてないならよかったです」
アサト(燕青)「・・・」


食事を終えた後、リディアから変身した阿国は疲れていそうな王ドラを諭す。


阿国「王ドラ様、それを見るのは明日でよろしいでしょう。今は疲れを癒すべきかと」
王ドラ「そうですね・・・そうさせてもらいます。ではみなさん、おやすみなさい」
トリスタン「ええ、おやすみなさい」


しばらくして敷いた布団の上で寝る王ドラをそっとそばにいる形で見守る阿国は呟く。


阿国「・・・あなた様はあなた様のままでした。誰も気付かない〝あの子〟の最期に気付くなんて」






一方でシーラは自分が眠るまで以蔵がそばにいてくれたのを見ながら言う。


シーラ「イゾーしゃん・・・?」
以蔵「おうよ。安心せい、眠るまで添い寝しちゃるわ」


すると、シーラはクスッと笑いながら言う。


シーラ「誰かはわからないけど、シーラもこうやって添い寝してくれた気がする・・・」
以蔵「!記憶が戻っちょったか?」
シーラ「ほんのちょっとだけど・・・でも、大切な思い出だった気がする・・・温かくて、優しい思い出・・・」


シーラがようやく眠ったのを確認した以蔵は安堵するが、その直後にアサトに呼ばれた。


アサト(燕青)「イゾー、ちょっといいかぁ?」
以蔵「!」


アサトに呼び出された以蔵に対して彼は話をしようとする。


アサト(燕青)「あの・・・言ったら怒るけど、シーラは・・・」
以蔵「わかっちょる。それでもわしは最後まで斬ることもなくこのまま見守るつもりぜよ」
アサト(燕青)「!」
以蔵「わしはシーラにとって一番に求めていないことは知っちょる。・・・それでも、最後まで守りたいんじゃ」


以蔵の決意にアサトはため息を吐く。


アサト(燕青)「・・・わかった。俺はアンタの意思を尊重するよぉ。このまま殺していいものでもないからな」
以蔵「!・・・ありがとやき」


以蔵はアサトの言葉に安堵の笑みを浮かべていた・・・。






そして翌日。起床した王ドラはマイクロチップのデータを自分のPCに取り付けた。


王ドラ「準備ができました。これを作動します」


王ドラがクリックしたファイルは5分程度の動画だった。そこにはーーーーー






『ーーーーーついに時は整った。今回は2回目、また盛り上げてくれるだろう』






『第二次幻想聖杯戦争が』






続く・・・






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