二次創作小説(紙ほか)
- 第四幕:私の輝きの星(その1) ( No.228 )
- 日時: 2024/03/12 20:15
- 名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)
今回はいわゆる戦闘がメインではない、いわゆるインターバルというか幕間です。
新たなオリキャラもいますが、これまたなかなかのゲスです(マジ)
ーーーーーそのまた話の続きをしよう。
エージェント「こんなご馳走まで・・・なんか毒がありそうな気がするよなー;」
エージェントは目の前に並べられたたくさんのご馳走を見て少し訝しげになる。
エージェント「まあいいや。食べてみるか」
エージェントはそのご馳走を食べるが、何も毒は入っておらず普通だった。そう、美味。
エージェント「ん!美味い」
そう、「毒」は。
幕間はそのまた続きを記す。
王ドラ「あなたは無事だった人ですか?」
王ドラが発見した男性が彼の問いに答える。
???「いやー、そうなんだよ。あいつらのせいでこんなことに・・・!!!」
すると、その男性は阿国を見て唖然する。
???「おい!!なぜそのキャスターがここにいるんだ!?教えてやるが、そのキャスターは私達を襲ってきたんだぞ!!」
王ドラ「えっ、そうなのですか?」
王ドラの問いに阿国はむすっとしながら答えた。
阿国「・・・嫌に絡んできたから斬サブローを使って脅かしたのを根に持ってるんですよね。あれはマジクソでございます」
王ドラ「ほー、絡まれたから撃退したやつということですか」
???「信じるな!!それよりもキミはCOMだろう!?魔術師としてのアフターケアをしてくれないのか!!?」
男性に問い詰められた王ドラは静かに答えた。
王ドラ「・・・確かにアフターケアはしますが、職業を斡旋するのはメインではありません。それにどこのギルドの所属か知りませんが、少なくともギルドがなくなっていたら、あなたはフリーの魔術師と登録されますね」
???「フリーの魔術師・・・だと?そん・・・な・・・」
阿国「自分の保身とプライドを最優先する男ですか。全く我が身しか可愛がらない方ですねぇ」
王ドラは一つため息を吐いた後、男性に対して促す。
王ドラ「とりあえず生きて帰すことは約束しますよ。最低限ですけど」
???「あ、ありがとう!やはりCOMだな!あ、名前を言ってなかったな。私は今は壊されたギルドマスター、ドノバン・ブルンスピッツだ」
〝全て我ら肯定派に処刑、処刑された!〟
王ドラ「・・・」
ブルンスピッツ「ではキミ達のねぐらを案内してくれたまえ!」
ブルンスピッツが意気揚々とした感じで歩き出した後、阿国は何か聞こうとする。
阿国(あの・・・)
王ドラ(わかっています。それでも今は殺さないように)
阿国(・・・)
一方の以蔵は高杉から話を持ちかけられていた、が・・・
以蔵「断る。どうせろくでもあらんもんじゃ」
高杉「ちょっと待って、詳しく話すべきだった。わかるなぁ、強いとわかっていても守りたくなるもん」
以蔵「今は自分のマスター達を助ける傍らここを守るのが仕事じゃ。さぁ、とっとと行け。わしがぶった斬っちゃる・・・」
高杉「でも、坂本君をも死なせたらまずいんじゃないかい?」
以蔵「・・・は?」
高杉「坂本君ね、ずっとキミを待っているんだよ。囚われた上に雷の鎖まで縛られてさ。傍にいる別嬪さんがビンに閉じ込められてさ!それを聞いたらキミは助けないわけには行かないよねー」
以蔵「・・・」
高杉「返事は後でいいよ。じゃあ、ここから去っていくぞ!」
高杉が立ち去った後、二人の会話を聞いてないシアンが以蔵を呼ぶ。
シアン「以蔵ちゃーん。もうすぐ二人とも帰って来るにゃ。にゃんか新たに無事だった人がいるから連れてくるって」
以蔵「・・・ほうか(ーーーーーはっ。あんなクズの言うことやき。龍馬のことで真に受けてたまるか」
以蔵は怒りで内心で舌打ちをしていた・・・
- 第四幕:私の輝きの星(その2) ( No.229 )
- 日時: 2024/03/12 20:17
- 名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)
一方の柳生は沖田と共に城内にある場所に向かっていた。そこはいわゆる元のマホロアランドの天井にある天文台から変質した場所だった。
小柄な男性「いやー、まさかサーヴァントという英霊に会えるとは!」
その場所にずっと閉じ込められていた小柄な男性の賞賛をよそに柳生は話を続ける。
柳生「ーーーーーそれで、貴様らの目的はなんだったんだ?」
セクシーな女性「これを見なさい」
セクシーな女性が二人に見せたのは、ある王冠のレプリカだった。
ドクター風の男性「これはレプリカですが、我がギルドが持つ聖杯と接続できる可能性のあるこの王冠の存在に気付いた我らはある作戦を見出しました。それは第三次聖杯幻奏聖杯戦争の発生。そのために各地で拐ってきたある適性を持つ少年少女達を使ってあなた方を召喚しました。成功したのはほんの僅かでしたが・・・」
沖田「うわ。やっぱり人体実験じゃないですか(霊体化中」
柳生はその拐われた少年少女達のリストを見る。
柳生「そんな適性はどこで・・・魔力を利用したのか。どれも良質なものばかりを選んでいるな」
セクシーな女性「ええ、そうよ。だけど、それにはまずは繋がるための心を開く必要があった。あの子がその人を信頼するための実験が始まった。それはあなた達サーヴァントの召喚にも成り立ったのよ」
柳生はその実験の風景を用意された映像で見る。
それは嫌がる少年少女達がその王冠の中に無理やり入れられ泣き叫んだり絶望したり死に絶えたりしただけでなく、三人も含むその実験者達が何事もなかったかのようにその非人道的な実験を続ける場面もあった・・・
小柄な男性「それでついに!あの王冠の心を開かせることに成功した!発見した時点ですでに消えかけたものがついに復活の兆しが見えたんだ!」
沖田「趣味悪いですねぇ」
柳生「ーーーーーあの島原の乱同様の因果か。拙者には馴染み深い」
映像を見終えた柳生は小柄な男性に聞く。
柳生「して、なぜこの世界までも制圧しようとした?」
小柄な男性「それはCOMにバレないためでもあるのだが・・・ある人物に依頼されてな。内容は自分をコテンパンに負かした奴らに復讐だ。それが関係しているのか我がギルドマスターも意気揚々としていた」
柳生「その者は誰だ」
小柄な男性「超厚底のシークレットシューズを履いている小柄な男だ。なんでも自分達の野望を二度も打ち砕かせたことには恨みを抱いているらしい。ギルドマスターは奴にもこの実験の内容を黙っていたし、上手く抱き込める腹積もりであったがな」
沖田(ん?私達が召喚される前の話・・・?)
すると、小柄な男性が落ち着いた様子で言う。
小柄な男性「我らもしがない魔術師だが、そのギルドマスターに才能を買われている。同時に・・・ギルドを出たいのであれば、一生牢獄に入らなければ行かん。ギルドの創設時からの決まりだ」
ドクター風の男性「ここに来た時点でわかっています。捕まらないことや仮に死なないなど我らにはその権利がありません」
小柄な男性「どうせいずれはCOMに加勢するとわかっていた。お前達が我らから離反した時点で心から従わせるなどできるはずもない」
柳生「そうか」
その数分後にまほろあ城から出ていた沖田は柳生に聞く。
沖田「あれはCOMが捕らえなきゃいけないとはいえ峰打ち程度で大丈夫ですか?」
柳生「ああ。少なくとも殺したりはしていない」
沖田「それならいいんですけど・・・あーあ、これであの夢の王冠の話は高杉さんの嘘だってわかりましたねぇ。何よりあんな愚かな人間が発見したものなんかで山南さん達も召喚されたのがショックですよ」
柳生「お望み通り真実が知れてよかったな。自分の主を助けるなり好きにするが良い」
柳生の言葉に沖田は横を向きながら言う。
沖田「・・・いいえ。今は高杉さんの配下でいることにします。あの人を止めなくちゃいけないので」
柳生「・・・」
すると、鎧の足が鳴っていた時二人はその人物をまっすぐ見た。それは別存在なのだが、かの騎士王が黒化した存在ーーーーー
セイバーオルタ「あの聖杯戦争は良いものではないか?ファンタジーな風景で血みどろの争いを繰り広げるーーーーー私向きの聖杯戦争だ」
セイバーオルタを見た沖田は思わずため息を吐く。
沖田「なんでもありですねあれ。まさか恐らく別の存在とはいえ黒い騎士王まで召喚されるなんて・・・」
セイバーオルタ「あれは私が蹂躙するものだ。なのに、それを台無しにするとはーーーーー貴様らが代わりに蹂躙するがいい」
すると、柳生は剣を構えながら言う!
柳生「貴殿は後ろから黒化した騎士王に攻撃しろ。挟み撃ちという手は使えるだろう」
沖田「!ええ!沖田さんの剣の天才ぶりを見せつけてやりますよ!」
沖田も剣を構え、黒化した騎士王との戦いが始まった・・・!
一方のアムールではブルンスピッツを連れた上で二人が帰って来ていた。
為朝「見たところ生存者であったか」
ブルンスピッツ「ん?ああ」
すると、トリスタンが王ドラをクスクスとからかうかのように言う。
トリスタン「それで口付けをかわしたのですか?」
王ドラ「何を言ってるんですかっ;そんなことしませんっ;」
トリスタン「ふふ、素直じゃないですね」
王ドラ(°_°;)←恋愛に関して超ウブ&女の子が苦手
すると、シアンが2階から降りてきていた!
シアン「みんなー!ドラニコフちゃんが今目を覚ましたにゃー!」
王ドラ「!」
すると、目を覚ましたドラニコフがゆっくりとした調子で2階から降りてきた。
ドラニコフ「ガウ・・・ガウ(訳:みんなに心配かけてごめんね・・・」
王ドラ「ドラニコフ!」
ドラニコフ「ガウガウガウ、ガウゥ(訳:シアンちゃんから聞いた、ボクはあのキャスターの薬で巨大化して目隠しされて大暴れしたんだって。他の親友もまほろあ城に取り込まれたし、王ドラが来てくれなかったらどうしていたのか・・・」
トリスタン「なんですって!?」
なぜかほんやくこんにゃくなしでドラニコフの言葉がわかるトリスタンは彼の話を聞いて唖然する。それならば他の仲間達も・・・!
トリスタン(リップ達はあの城を保つために生きたまま糧とされたのですね・・・ものすごく悲しい・・・)
すると、クロウがドラニコフを遠回しに励ましていた。
クロウ「気にするなよ。なんか大暴れしても裸族よりも断然マシだからな!」
王ドラ「今はユーリさんの魔法で制御されていますが・・・阿国さんも覚えて下さい」
阿国「なんでしょうか?」
王ドラ「ドラニコフは丸いものを見たら豹変するんです。制限が切れた際は恐らく傷がつきますねぇ」
王ドラの説明にドラニコフはぷんぷんと怒る!
ドラニコフ「ガウゥッ、ガウッ!ガウッ!(訳:そんなことしないよ失礼な!ボクだってちゃんと制御できるようになるもん」
王ドラ「あはは、冗談ですよ〜」
すると、阿国は聞く。
阿国「制御はロボットもするんですよねぇ〜。てっきりできないものかと」
王ドラ「そりゃあ心を持っていますよ。22世紀の猫型には」
すると、阿国はたじろぎしながらトリスタンに聞く。
阿国「ではトリスタン様・・・斬サブローは?私の斬サブローはどうなっているのですか?」
トリスタン「・・・ははは、ドラニコフ殿の方が強さは勝てました。どうか力強く生きていて欲しいレディ」
王ドラ「ちょっとトリさん!」
すると、阿国は鼻で笑いながら説明する!
阿国「何もわかっていませんねぇ。この斬サブローは妖怪退治を生業とするという人が死んでもなお寄り添ったまさに秘密兵器です!貴方様には理解できないでしょうけど!」
ブルンスピッツ(何の話をしてるんだこいつらは)
トリスタン「つまり妖怪ハンターも兼ねているのですか。それなら・・・非礼を詫びます。私はそれに関して関係なさそうな話ですけど」
阿国「わかれば良いのです!」
すると、クロウがドラニコフに話しかけた!
クロウ「まあ大丈夫だな!バーサーカーはなんとなく怖いイメージだけど、それも可愛く見えるぐらいやべー奴がいるからな!」
ドラニコフ「ガウ」
以蔵「肉体的にも精神的にも危ない奴がいるんじゃないき」
以蔵が王ドラの方に向くと、ドラニコフについて今後の方針を聞く。
以蔵「王ドラ。ドラニコフはどうするんじゃ?」
王ドラ「そうですね・・・一緒に戦いましょう。おかえり、ドラニコフ」
ドラニコフ「ガウ!」
すると、ブルンスピッツが頭を掻きながら言う。
ブルンスピッツ「じゃあ私は3階で休憩するよ。くれぐれも命を奪うようなことをしないように」
王ドラ「・・・」
心配になったドラニコフは王ドラに言う。
ドラニコフ「ガウッ、ガウッ・・・(訳:嫌な言い方だけど、大丈夫?」
王ドラ「ええ、大丈夫です。では私は2階の部屋で休みますから」
天草「では私がここを見張ってますよー」
王ドラが2階に上がり、その素振りはまるで気にしてないようなものだった・・・。
- 第四幕:私の輝きの星(その3) ( No.230 )
- 日時: 2024/03/12 20:19
- 名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)
その後の夜中になぜか眠れなかった阿国はジュースを取りに行こうとしたところを同じく眠れなかったシアンに遭遇する。
阿国「あ、シアン様」
シアン「阿国ちゃんも眠れないにゃ?」
阿国とシアンは自分の持ってきたそれぞれのジュースを飲みながら言う。
阿国「シアン様はブルンスピッツについてどう思いますか?」
シアン「あの人は王ちゃんに当てつけみたいに言ってくるから嫌いにゃ!クロウちゃんもあの後に「やいっなんなんだあいつはマジでムカつくー!!」って怒ったもん!」
阿国「・・・そうですね、二人の意見は正しいです。だけど、私は殺すようなことはしないと誓っています。どう考えたって悲しむ人はいると思いますので。私は歌舞伎の舞で人を笑わすことは好きですが、泣かせるのは嫌いな踊り子ですから」
シアン「・・・みんな思うところはあるのにごめんにゃ。あたしもまだまだ未熟にゃあ・・・」
阿国「いいですよ。そんなこと気にしていません」
シアンは阿国を見ながら言葉を続ける。
シアン「じゃあ、あたしも一つだけ詮索していいかにゃ?」
阿国「なんでしょうか?」
シアン「・・・阿国ちゃん、なんか壊れかけてにゃい?」
シアンの質問に阿国の動きは一瞬だけ止まった。それを見たシアンは思わず慌てる。
シアン「へ、変なこと聞いてごめんなさい!でも、時折消えかけてそうに見えたから、その・・・」
シアンの謝罪に阿国は首を横に振った。
阿国「・・・いいえ、シアン様の言ったことは本当ですよ」
シアン「!」
阿国「私は何らかの理由でこちらの世界にやってきました。そして高杉様の元から離反した。ある目的のために」
シアン「誰にも言わにゃいから、あたしに話してくれにゃい?そうでもしないとあたしがわかるとは思うにゃ」
阿国「いずれ知られることなんですが;・・・そこまで言うならいいでしょう。ただし嫌だったら言ってくださいまし」
阿国はシアンと手を繋ぎながら彼女の頭の中にその発端となった理由を流れ込んだ・・・
BGM:流星ドリームライン
ーーーーーそれは最悪なところだった。人を奴隷に扱って殺しては闇ギルドの魔術師達が嗤うのを繰り返していた。
そんな場所に召喚された私は、偶然にも「あのお方」と出会った。
猫のからくりであり、人間の時は女性のように美しい割には真面目で変なところで頭が固くて、丁寧な口調ながらその口も悪くてなんでも一人で抱え込んで。でも、私を私として尊重してくれた。誰よりも強くて優しい「あのお方」に対して私は次第に特別な想いを抱くようになった。
「ーーーーーあなた様のことはまだよくわからないけど、私のこの気持ちの方がわかりません」
自分よりも私を優先してくれた。でも、あの時に限って。
私よりも、自分を優先していればーーーーー
グシャッ
私を庇ってまで死んだあの人はバカでした。私のような今も泣き叫ぶような情けない英霊を庇うことはないのに。あなた様は、生きていて欲しいのに・・・
「ーーーーー!!ーーーーー!!!」
その最中でそんな私に、手を差し伸べた方がいました。救いではなく「私」が「あのお方」を、1回限りの方法で過去に飛んでまで今度こそ「あれ」からお守りするためにーーーーー
「ーーーーーあとは過去の私の教え子に任せます。だから、今度こそ己の「出雲阿国」として・・・彼を守りなさい」
そうして私は、またーーーーー
阿国の話した内容を見たシアンは涙が止まらなかった・・・。
阿国「シアン様・・・!やはり、嫌でしたか!?」
シアン「違うにゃ。違うにゃ。ただ辛くて痛くて、温かくて優しかっただけにゃあ。こんな奇跡みたいな出会いがあったんだと思って、あたしも嬉しくなって・・・」
シアンがただ嫌なのではなく、自分を想ってくれたことに泣いていたのを見て阿国は何も言えなかった。こんなに心優しい子に対してこれ以上の言葉は野暮を感じ取ったからだ・・・
シアン「約束するにゃ。このまま阿国ちゃんの結末を見守るにゃん。いざという時はあたしも戦うこともできるにゃあ!」
阿国「はい。それだけで心強いです。私達であれをぶっ倒すのです!」
シアンが自分に寄り添ったことで阿国は決意を新たにしていた・・・!
一方、自分の領地にいる小太郎は空を見ながら呟く。
小太郎「ーーーーーなぜかわからないけど、目的を新たにした奴らが最初に狙うのはここのような気がしますね。柳生殿が生きてさえくれればいいのですが」
一方、その柳生はセイバーオルタを相手に上手く立ち回っていた。すると、彼女が攻撃を放とうとした瞬間に沖田の咄嗟の奇襲がそれを阻止する!
セイバーオルタ「!」
そしてその隙に柳生の剣技がセイバーオルタの腹を刺し貫いた!
柳生「ーーーーー安らかに眠ると良い」
セイバーオルタが座に還された後、沖田は血まみれになりながら言う。
沖田「やはり腐っても剣術無双ですね。おかげで私は普段なら好かない奇襲を仕掛けるだけに留まりました」
柳生「先ほど吐血していた者が言うことではないな。それならば、貴殿もあの者に対してできることがあるのではないのか?」
沖田「・・・」
沖田はその言葉を聞いて、どこか陰りのある顔をしていた。まるで生前の作り笑いに近かったかのように。
一方、起床した王ドラ一行は朝食にありつけていた。今日のは以蔵が作った炊き込みの穀米ご飯と味噌汁と鮭の焼き魚だ。
王ドラ「ああ、やはり朝食はこれですね」
以蔵「シーラ、ご飯粒ついちょる」
シーラ「ん」
朝食を食べ終えた大半の全員は今日の目的について話し合っていた。
トリスタン「で、これからどうしますか?」
アサト(燕青)「俺は音楽を奏でたいなぁ」
トリスタン「いいですね、合同ライブでしょうか」
クロウ「今はそんなこと言ってる場合じゃねーだろ!確かに音楽は好きだが、今はヘタレオン達の救出が先だ!」
ウンディーネ「そのための事態解決だよー」
すると、王ドラが天草に聞く。
王ドラ「天草さん、何かありませんか?」
天草「そうですね。本格的な戦いが近づいてきましたし、そのためのほんの小手調べとしてここですね」
天草は今回の事態把握のために自分が見た上で改めて製作した巨大な地図の版図を広げ、その中にある場所を示した。
天草「ここですね。この場所は風魔小太郎が領地にしている場所です」
以蔵「そいつを制圧しろっちゅうんか?」
天草「少し違います。捕らえた形で彼を自分達の勢力に加えるということですよ」
為朝「奴を仲間にするということか?」
天草「そうとも言えます。あの忍者の命をこちらで預かる面でもありますし」
王ドラはそういえばと阿国に聞く。
王ドラ「なぜ高杉さんは私の大半の仲間達を生きたままあのまほろあ城に取り込ませたのですか?場合によっては殺すことも考えていそうですが。殺されたら困りますけどね」
阿国「そんなの決まってます。その人の魔力というか・・・ステータスです。ドラニコフ様やシアン様達のような一部は免れたけれどその城を維持できるだけの力の源がなければ、結果的にマホロアランドからまほろあ城に変えるなんてできませんから」
王ドラ「それなら尚更止めないわけには行きませんね。こんなふざけた真似を・・・!」
今日の目的が固まったことにより、ブルンスピッツが意見を発してきた。
ブルンスピッツ「今日の目的は固まったようだな。こっちは警備をつけてさえくれたらそれで構わない。だが、そのキャスターと狼のからくりはなしだ。俺に何をするかわからないからな」
すると、ドラニコフが自ら受け入れる形で王ドラ達に同行を申し出た!
王ドラ「ドラニコフ・・・いいんですか?」
ドラニコフ「ガウ!」
王ドラ「・・・ありがとう、頼りにしてますよ」
トリスタン「ではドラニコフ殿が実動班に加わったので警備班は引き続きアムールの守りを!」
為朝「承知した」
再び外に出た実動班は阿国が王ドラに聞く。
阿国「・・・令呪を使っても構いませんから、あんな殿方は無視してくれてもいいと思いますよ?」
王ドラもわかっていた。ブルンスピッツは本来ならば殺すべきだと。だが・・・
王ドラ「・・・今はいいです。あの人の行いに関してはCOMで追求するべきだと思いますので。それに気になることが一つありましたし」
天草「気になることですか?」
王ドラ「とにかく小太郎さんの領地に向かいましょう」
一方、部屋に一人いるブルンスピッツは先ほどの王ドラの態度で苛立っていた。
ブルンスピッツ「あいつは本当に22世紀の猫型ロボットか!?流石あの男が言うようなオレンジの悪魔だな!復讐されて当然だ!」
すると、ブルンスピッツは何らかの気配を感じ取った。
ブルンスピッツ「ん・・・?誰かいなかったか?」
一方の実動班はドラニコフが変身してまで意外な活躍で次々と現れた敵を一掃して行った。
- 第四幕:私の輝きの星(その4) ( No.231 )
- 日時: 2024/03/12 20:21
- 名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)
ドラニコフ「ドガルルルルルーーーーー!!!」
天草「お、お見事な蹴散らしです・・・」
王ドラ「そりゃそうでしょう。ドラニコフは変身したら強い分私達にも被害に遭わせていますが」
トリスタン「なんですか、野生が怖いのですか?」
天野「いいえ!私がトラウマを抱くのはヒョウですよ!」←このためヒョウ族のミューモンであるロムが苦手
蹴散らし終えたドラニコフは四次元マフラーを巻いた普段の姿に戻り、阿国はその二面性に感心する。
阿国「それにしても演じているのかと思うぐらい別人なのですねー」
ドラニコフ「ガーウ、ガウ、ガウ(訳:そりゃそうだよ、ボクはこう見えてもハリウッド俳優だよ」
王ドラ「スーパースターのハリウッド俳優だからってドヤらないで下さい;」
トリスタン「なんですって!?」
すると、トリスタンはドラニコフの手を握りながら頼む。
トリスタン「私は既にモデル事務所などから何十件もスカウトが来てるのですが、貴方のところにならぜひ私を入れさせて下さい」
ドラニコフ「ガウ!!?」
王ドラ「何言ってんですかあんたはー!!?ドラニコフ、引き受けてはいけません!!」
トリスタン「私のような美貌を持つ者がハリウッド俳優ならば、世間は放っておかないと思いますけど・・・」←円卓一の絶世の美男子
天草「たまに腹立ってきますよねこの騎士・・・何か既視感があって苛立ちます」←中の人が同じ内山ボイス
すると、その様子を見ていた阿国は何かを感じ取った。
阿国「・・・あの殿方ならば、私達がお守りしますよ。大丈夫です」
すると、阿国からリディアに変身した!
ドラニコフ「ガウ!?」←初めて見た
リディア「あの・・・ごめんなさい。あんな人に会ったら、何かされそうだったから・・・」
王ドラ「・・・いいです。あの男はいずれ捕まるでしょうし。気に病まないで下さい」
リディアはそれを聞いて安堵した表情を浮かべた後に阿国に変身する。王ドラは聞く。
王ドラ「リディアさんが安心してくれたのはいいですけど・・・阿国さん、どこか体調が悪いのですか?なんか足がちょっとおぼつかなくなったような・・・」
阿国「いいえ、大丈夫です・・・王ドラ様」
阿国は王ドラを見ながら言う。
阿国「もし私が隠し事をしていても、貴方様は私を見捨てますか?」
王ドラ「・・・そんなことぐらいで見捨てません。むしろもしそれを知ったとしても今ここにいる「出雲阿国」を信じますから。ただそれだけです」
王ドラが自分を信頼してくれたことに対し阿国は顔を赤らめつつ笑顔を浮かべた・・・
阿国「そうですか」
そして風魔小太郎の領地にたどり着いた王ドラ一行は彼らしい忍者の雰囲気に納得する。
トリスタン「安定の忍術の里の雰囲気ですね」
天草「人はいないようですが、辺りを見渡して・・・」
すると、王ドラ一行が上を見ると、小太郎が上からぐんっと逆さまで出てきた!
小太郎「やはり来ましたか」
王ドラ「ぎゃあっ忍者特有の現れ方!!」
現れた小太郎に対して天草は来た目的を話す。
天草「もちろん貴方と戦う気はありますが、倒す目的はありません」
小太郎「・・・ならば、なぜ僕の領地に来たのですか?」
天草「それはもちろん、貴方を我らの仲間に加えるためにここに来ました。それを勝利条件に兼ねて」
小太郎「・・・」
小太郎は王ドラ一行の要求を拒否した。
小太郎「断ります。何のつもりか知りませんが、信用なりません。いくら阿国殿がそちらに寝返ったとはいえ僕は高杉晋作の配下から裏切らない。それに・・・僕が聞いた「声」の人のために戦っていますので」
トリスタン「声?」
すると、小太郎は自分のクナイを構えながら言う!
小太郎「アサシン、風魔小太郎。風魔の第五代目頭目であり、戦国の武将北条家に仕えた忍者集団「風魔一党」の頭領。そして此度の現界では、見ず知らずである「声」の持ち主のために戦うサーヴァント」
小太郎「いざ尋常に勝負!!!!」
続く・・・!
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