二次創作小説(紙ほか)

第六幕:怨恨開花(その1) ( No.236 )
日時: 2024/03/23 12:13
名前: 桜 (ID: AQHMnU3E)

今回は王ドラ一行がまほろあ城に合戦を挑んだ末に待っていた衝撃の真実とは・・・!?


次回で最終回です。あとはもう好き放題に突っ走ってやるだけ。






ーーーーー語るのはこれが最後となる、話の結末を告げよう。


直己野勝家「何?阿国が離反した?」


直己野勝家は阿国が高杉側から離反したことを芹沢から告げられていた。


芹沢「まあいいでしょう。裏切り者に怒りが沸くなどあなたらしくもありませんぞ」
直己野勝家「・・・そうじゃな。阿国の処遇はあいつらを手打ちにしてからじゃ」
山南「・・・」


直己野勝家は阿国が裏切っていても自分達にはまだ勝算があることに高笑いしていた・・・。
これが幕間の結末である。






ーーーーーこれはどこかの過去の世界。


「何?セイバー陣営がアサシン陣営を倒した?」
「ええ、マスターが落ちこぼれの魔術師だと思いましたが、少し侮っていたようです。我らの身内とはいえ優勝候補のアサシン陣営を倒すのは相当なものだ。そのセイバーの実力ももちろんのこと、マスターの頭の回転の速さと抜け目のなさは平凡であるが故の資質だと認めるものですから」
「・・・そうか・・・わしは今は疲れた。少し休むぞ」
「はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「え?今なんて言いました?」
「此度の聖杯戦争の参加者のマスター全員を皆殺しにすると言った」
「正気ですか?とうとうボケたので?」
「正気だ。主催のわしの決断だ。主催者に逆らう権利はないはずだが?」
「お待ち下さい!せっかく此度の聖杯戦争がもう後半まで突入しています!マスターだけでなく、そのサーヴァントからも恨みを買いかねません!」
「知るか。サーヴァントも消えれば記憶は消される。こちらに矛先が向かってくることもないだろう。わしは今から我がひ孫と戯れねばならん。邪魔するな」
「お待ち下さい!おやめ下さい!!お祖父様!!!お祖父様あああああーーーーー!!!!」






ーーーーーそれから、ずっと後のお話。






まほろあ城内部では王ドラ一行がようやく乗り込むことができていた。


トリスタン「もう高杉晋作はこの先の部屋です!」
アサト(燕青)「早く向かうよ!」


すると、何らかの光が飛んでそれを王ドラが避けた!


王ドラ「流石天才剣士は伊達じゃないようですねぇ。沖田さん」
沖田「・・・」


すると、王ドラ一行は次々と現れた四人の出撃者達に囲まれていた!


土方「まさかここまで乗り込むとはな」
アサト(燕青)「あんたここまでしたら寿々姫が流石に泣くよぉ?」
ドラニコフ「ガウ!」


柳生「此度で勝利するのはどちらだろうか見極めるとしよう」
天草「ええ。此度の生こそ勝ってやりますよ(彼にも伝達を伝えておきましたので」
クロウ「天草、俺が援護するぜ!あんな怖い顔のジジイに誰が怯むかってんだ!」


藤太「戦は好かぬ。だが、かの鎮西八郎と英国(えげれす)の円卓の騎士と刃を交われることにはこれ以上の機会はない」
トリスタン「いえいえ、あんな大偉業を残したあなたには賞賛される謂れはないので」
為朝「だが、全力で射た(戦わ)せてもらう」


それぞれが戦う中でシアンは沖田に対してたしなめる。


シアン「沖田ちゃん、こんなこと続けてたらアイレーンちゃん達が悲しむにゃ!めっ!」
ウンディーネ「めー!」
沖田「確かにそれは心苦しいです。しかし、今は高杉晋作に心酔している身ですので」


すると、沖田が剣を構えながら言う。


沖田「ちょうど王ドラ様の強さをこの目で確かめたくなったので」
阿国「・・・王ドラ様!」
王ドラ「いいでしょう」






王ドラ「戦うなら血を吐いてでも死ぬ覚悟で戦え!!」






沖田は凄まじい剣技で王ドラのヌンチャクと打ち合った後に阿国の斬サブローを使った舞が飛ぶ。加えてウンディーネの水の壁を弾かせた後に見えたシアンの演奏によるストロベリーギターの力で編み出したハートの防御であと少しという時に防がれていた。


沖田(やはり人の長所を取り入れた戦い方をしている・・・足りない部分を互いに補っているあたり、さらに強さを増してきている!ならば、これはどうでしょうか?)


すると、沖田の剣技で王ドラのヌンチャクが壊れた!予想外の攻撃に王ドラは少し驚いた。


王ドラ「私としたことが少しぬかりました。ここまでやるとは・・・」
沖田(そりゃあね。我がマスター、アイレーン様達を助けるためですもん)


すると、沖田は宝具を王ドラに放とうとしていた!


沖田「死ぬ前にこれだけは覚えていて下さい」






沖田「自分がどうなっても、周りは知りませんからね・・・!」
王ドラ「ゾクッ」






沖田は自分の宝具ーーーーー最大の剣技を放った。






沖田「無明三段突き」






沖田の剣技により王ドラは吹き飛ばされた!


阿国「王ドラ様!!」
沖田「ぶっ飛ばされるだけ身軽だったってことですかね・・・」


すると、沖田は何かに気付いた!


沖田(ーーーーー今なんと?違う!今まで私の宝具を受けて貫くではなく、ぶっ飛ぶ相手は存在しない!ということはわざと・・・!)


すると、沖田は周りを見渡したらわざと吹っ飛ぶようにして避けていた王ドラの拳が飛んできた!


沖田「っ!そこだ!!」


その攻撃によってまほろあ城の一部が崩された!下に倒されたのは・・・王ドラだ。


沖田「私の勝利ですね・・・!」
王ドラ「くっ・・・(ここまでですか・・・あーあ」


すると、王ドラは沖田の顔に手を添える。


王ドラ「もったいないことをしましたね」






王ドラ「せっかくいい顔で、笑うようになってきたのに・・・」
沖田「・・・!」






すると、王ドラは下から沖田の腹を蹴った!


沖田「っ」


すると、王ドラはニッと笑いながら拳を彼女に繰り出した!沖田はぶっ飛ばされていた。


シアン「すごいにゃ・・・」
阿国(全く、あなた様という方は・・・)


王ドラは少しよろけていた。


王ドラ(やっぱり斬られてないとはいえ痛いですね・・・当たる直前に間一髪で避けていたから・・・)


すると、ウンディーネが何かに気付く!


ウンディーネ「!!王ドラ、うしろ!!」
王ドラ「え?」


すると、王ドラは刺し貫かれた。刺し貫いたのは・・・






最後の抵抗と言わんばかりに立ち上がった沖田だった。


王ドラ「沖田さ・・・」






一方、土方の強さにアサトとドラニコフは驚いていた。


アサト(燕青)「なぁ、バーサーカーの中でもあれは強い方かなぁ?」
ドラニコフ「ガウ・・・;(訳:ボクもよくわからない;」


すると、土方は自身の宝具をアサトに放つために走り出す!


アサト(燕青)「げっ、アンタの戦う理由は一体何なんだよ!!?」






土方「戦う理由など決まっている!俺がっ!!新選組っ!!!だぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
アサト(燕青)「っ!!!」






すると、アサトはそれにより大ダメージを受けて倒れ込んでしまった!


ドラニコフ「ガウゥゥゥ!!?(訳:アサトーーーーーー!!!」


慌てたドラニコフに土方は銃を差し向けた!


土方「残すは貴様だ。狼もどき猫が」
ドラニコフ「ガウゥ・・・(訳:一体どうしたら・・・」


すると、ドラニコフは土方の丸い銃口を見た!


ドラニコフ「!!」


それによりドラニコフは自ら封印を解いた後に狼に変身した!


ドラニコフ「ウガアアアアアーーーーー!!!」
土方「これは・・・!?」


すると、ドラニコフがタバスコを飲んだ末にその炎を土方に吐き出した!


ドラニコフ「アオオオオオーーーーーン!!!!」
アサト(燕青)(流石強いけど、事態解決した後の処理はどうするんだろうねぇ・・・(遠い目)

第六幕:怨恨開花(その2) ( No.237 )
日時: 2024/03/23 12:13
名前: 桜 (ID: AQHMnU3E)

一方の天草とクロウは柳生と戦っているが、彼の何事も動じてなさそうな様子に流石に焦りが見えてきていた。


クロウ「やべえ!?ジジイの姿で召喚されてるのに息切れすらしてねえ!!?」
天草「流石冷徹と噂される兵法家かつ政治家。そういうのにも長けていたのですね?」
柳生「そうとも。清廉潔白だけでは押し切れぬものよ。現に貴様はそのように真っ当な理由であったからではなかったのか?」
天草「・・・」


天草は柳生にそのようなことを言われて生前の島原の乱を思い出していた。しかし、彼は目の前にいるセイバーが自分達反乱軍と敵対した討伐軍の一員であっても負けるわけには行かなかったのだ。


天草「(私はなんとしてでも全ての人類を救う。たとえ誰とも分かり合えなくとも・・・)小太郎殿!!」


すると、小太郎が柳生相手に奇襲をかけた!柳生は間一髪で止める。


柳生「・・・!」
小太郎「お命ちょうだい!!」


柳生の剣の跳ね返しによって小太郎が弾かれた後、クロウは愛用のギターのレッドトマホークを使って柳生に攻撃した!


柳生「ほう?」
クロウ「ほんのかすり傷だけでも傷をつけたな!」


クロウを跳ね返した後に柳生は天草の目を見た。


天草「これでも手を取り合わないわけではないのですよ?」
柳生(ふ。少しは顔つきが良き方に戻って来たか)






一方、トリスタンと為朝は藤太のいざという時の戦闘力の高さに少し驚いていた。特にトリスタンは前の禍いの種の件で英霊剣豪と成り果てた彼と戦ったことがあるとはいえそれでも変わらぬ戦術に畏怖を覚えていた。


トリスタン(前に会ったのとは何も変わらぬ、能ある鷹は爪を隠すような方です・・・)
為朝「少しは楽しめる」
藤太「お主らも良き戦いぶりであるぞ!流石伝説に恥じない通りだ」


藤太がこんなに優しい顔をしながら褒めてくれるが、トリスタンは彼が本気の実力を自ら出していないことに勘づいていた。つまり彼はそれだけの実力を出してもまだ本気を出していないことになる。


トリスタン「(ただ弓を鳴らすだけでは通用しない。となればーーーーー)これでどうだ!」
藤太「!」


すると、トリスタンが放った音の刃がトラップワイヤー代わりに藤太の右足に絡めついた!


藤太「なかなかやるな!足を絡めとるとは!」
トリスタン「動きを止めるのは一瞬だけです。為朝殿!」
為朝「承知。朽ち果てよ」


為朝は自身の宝具を為朝に放った・・・!






一方、それを映像モニターで見ていた直己野勝家は流石に慌てて来ていた。


直己野勝家「ど、どうするのじゃ!?このままでは負けるぞ!!?」
高杉「確かにこっちが徐々に押されてるね。このままだとこっちが分が悪いんじゃないかなー?」


しかし、高杉は余裕のある表情で言った。


高杉「でも、大丈夫。僕はまだ自分の戦い方を見せてないんだからね」


すると、何らかの音がまほろあ城全体に響いていた!


クロウ「何だ!!?」
高杉「諸君、キミ達はよく戦ってくれたよ。本当によく戦ってくれた。でも、残念。僕は戦う術を見せていないからね?」
為朝「・・・今何と?」


すると、何らかの走り出す音がする!少し風変わりな雰囲気を持ったロボットの大群だ!


アサト(燕青)「な、何だこれはー!!?」
阿国「これは・・・!!」


そのロボット達の正体に気付いた阿国は高杉に対して食ってかかった!


阿国「自分の奇兵隊を差し向けたのですねクソ社長!!」
シアン「えっ、奇兵隊!?」
ドラニコフ「ガウガウ?(訳:そういえば、高杉晋作は・・・」


高杉晋作。幕末の長州藩で活動していた志士かつ尊皇攘夷活動家。吉田松陰の指導の下で学術を学んだ「松下村塾四天王」の一人である。
そんな彼が創始したのは、身分を問わずに参加させて近代訓練を施した「奇兵隊」であった!


トリスタン「何が目的ですか!?」
高杉「決まってるよ。キミ達の今で言う回復アイテムを奪う兵糧攻めでの勝利。そしてキミ達が守る彼の身柄かな?」


すると、天草が見たのは刺し貫かれて意識を失った王ドラを抱えた沖田であった!


沖田「・・・」
天草「まさか生前の敗因となった戦法を持っていくとは・・・嫌な男だ」






一方、まほろあ城に陰ながら侵入していた以蔵は事前に高杉に渡された鍵で指定された牢屋を開けた!


以蔵「・・・」


以蔵はゆっくりとある場所に向かう。すると、その場所に囚われている龍馬を見つけた!


龍馬「・・・以蔵さん?」


すると、以蔵は彼を縛り付けていた雷の鎖を微塵も残さずに叩っ斬った!


龍馬「!?」
以蔵「勘違いするなき。高杉に斬っちょれと言われただけじゃ。わしらを置き去りにしたおまんを許した覚えはおらんがな」


解放された龍馬は目を丸くしながら聞く。


龍馬「まさか・・・助けに来てくれたの?」
以蔵「おまんは生きようが死にようが関係おらんが、やっぱりどっちにせよムカつくがよ」


すると、龍馬は以蔵に抱きついた!


龍馬「以蔵さん!!僕も会いたかった・・・!!」
以蔵「ええい離さんかい!!」


すると、龍馬は何かを思い出したかのように以蔵に頼む。


龍馬「あの、お竜さんも助けてね?」
以蔵「それはあえて請け負っちゃるが・・・わしが助けようとしたんはおまんらだけやないきな」


すると、龍馬は以蔵が指した人物を見る!


龍馬「!まさか・・・!」

第六幕:怨恨開花(その3) ( No.238 )
日時: 2024/03/23 12:15
名前: 桜 (ID: AQHMnU3E)

一方、龍馬達とは別のところにある地下牢に閉じ込められている王ドラ一行はようやく目を覚ました王ドラにトリスタンが静かに怒っていた。


トリスタン「終わったと思って隙が生まれたのを沖田嬢に不意打ち喰らうって、ガウェインの時から全く懲りてませんね?」
王ドラ「・・・すみません;」
シアン「以蔵ちゃんとシーラちゃんは大丈夫かにゃ・・・?」


一方、勝ったと知らされた直己野勝家は高杉達に聞いていた。


直己野勝家「それで処刑方法は?」
芹沢「斬首系で良いです。私が合図するまでは手を出すなと言うので」
直己野勝家「ふむ、それで行こう。今日の会合は終わりとする!」
高杉「・・・」


会合を終えた高杉は歩き出した時に壁の隅に立っている山南に気付いた。


高杉「もしやキミも同じ考えかな?」
山南「ええ。まさかあなたと利害一致するなんて思いませんでしたが」


高杉と山南の二人が行った先の地下牢の扉を開けて、そこに天草が気付く。


天草「高杉晋作。それと・・・」
山南「セイバー・山南敬助。新選組の一人です」
クロウ「てめぇ!!これから殺される俺達を嘲笑いに来たのか!?」
山南「待って下さい。話を聞いてと言っても言い訳に聞こえるのですが」


すると、高杉が山南の前に立ちながら話す。






高杉「その件で話をしにきたんだよ。僕達は彼を止めるためにここにいる」






王ドラ「・・・え?」


一方、謁見の間では鎖に繋がれたまま連れて行かれたアッシュとスマイルは直己野勝家に説得していた。


アッシュ「エージェントさん、元に戻って欲しいッス!!あんたは洗脳されてるだけだ!!」
直己野勝家「?お主ら、わしと会ったことがあるのか?」
スマイル「うわー、これは重症ダネェ・・・」
芹沢「静かにしてくれないか;」


アッシュが叫んでいる隙に土方は沖田に対して念話で呼びかけていた。


土方(いいか、沖田。芹沢がやれと言ったらお前は奴に奇襲しろ。俺はその隙にあの二人を救出する)
沖田(はい。山南さんは王ドラさん達を助けに向かってますので)


すると、そんなところに斎藤が帰って来ていた。


斎藤「ただいまーっす。ちょっと遅れちゃったなぁ」
土方「斎藤!お前、どこに行ってた!」
斎藤「ちょっと用事ですよ。個人的なのね」


すると、斎藤はアッシュの顔を覗きこみながら揶揄ってきた。


斎藤「へー。今時の狼男って犬に似てるんだなー」
アッシュ「犬じゃねぇッス!!(怒)つか、あんたも新選組の一人か!?ここからだ」






ザクッ


アッシュ「え・・・?」






その瞬間、この場にいる大半の全員が驚いた。もちろん芹沢も。


芹沢「おい。何やっているんだ。私の合図を言うまでは斬るなと言ったんだが」


世紀の大悪党を自負する芹沢も驚愕を隠しきれなかった。なぜなら目の前でアッシュの胸を刺した人物は・・・






斎藤「すみませんね。やっぱり自分でやりたくなったので」

第六幕:怨恨開花(その4) ( No.239 )
日時: 2024/03/23 12:17
名前: 桜 (ID: AQHMnU3E)

そう言った斎藤は変わらずにヘラヘラと浮かんでいたが、その直後に真剣な表情に変わった。


斎藤「やっと見つけたんでな。あの男のひ孫がよぉ!!」
アッシュ「!!?」


何がなんだかわからないアッシュは瀕死の状態で斎藤に話しかけていた。


アッシュ「あのクソジジイの!?でも、あんたとは会っていなかったんだが・・・!」
斎藤「あの時はあんたは幼かったんだが、これを見てわからないかな?」


すると、斎藤は第三霊基に変身する!新選組の衣装でもある浅葱色のダンダラ羽織に長くなった髪を見て、アッシュははっとした。


アッシュ「は?あんた・・・まさか・・・!」
斎藤「やっと思い出したんだね」






斎藤「俺はあの男に殺されたマスターのセイバーだもんねぇ?」






斎藤の発言を聞いて沖田は何が何だかわからなかった。


沖田「え・・・?斎藤さん、何を言って・・・」
パラケルスス「第二次幻奏聖杯戦争の話です。あの時は主催側の凄惨な方法で終わらせたので、恐らく彼はその際の強い恨みから記憶を保持したのではないかと」
土方「・・・!!」
斎藤「まああのクズジジイは死んだと聞いたからな。奴の代わりにひ孫とその透明人間の命を以て贄に差し出す必要があった。マスターを踏み躙った奴らに、そして第三次幻奏聖杯戦争の勃発を目論んだあの闇ギルドがいるようなこの世界に対しての復讐にな?」


すると、それを聞いたスマイルは斎藤に聞く。


スマイル「待って。それならなぜボクまで?関係ないはずダヨネ?」
斎藤「関係あるんだよなぁ。この子と同じくね」


すると、斎藤が見せたのはなぜか攫われたシーラだった!


シーラ「ここ、どこ・・・!?」
スマイル「その子に何か関係があるのかい?」


すると、斎藤はため息を吐いた後に答えた。


斎藤「ひどいねー。〝既に死んだ家族〟のことを忘れちゃったのかな?まあ普通なら人間と違って長命な種族だからねぇ」
スマイル「それはどういう・・・!!!」


すると、スマイルは何かに気付いて思わず立ち尽くした!


スマイル「・・・お前・・・まさか・・・」






スマイル「スリールを贄に差し出す気か!!?」






斎藤「ああ、そうだ。この幼女は既に大病で早逝したあんたの末妹スリールだろう?可愛がって来たもんなぁ。だから奴らがサーヴァント召喚のような形で天界から強制的に呼び寄せたとはいえ、今度こそ最期まで二人仲良く一緒にいさせてやるんだよ。あの王冠の中でな?」


すると、斎藤が指した王冠を見たスマイルは唖然する!


スマイル「それは・・・!!やめて!!贄ならボク一人でいい!!アッシュとスリールを巻き込むな!!」
斎藤「まさか実体化までしてるって言うから、こんな再会の機会は滅多にないよ?永久に一緒にいさせてあげるからね?」


すると、襖をバンと開いたような音があった!急いだ様子の山南だ。


山南「斎藤君!やめて!これ以上は復讐をやめるんだ!!」
斎藤「山南さん。やっぱりあんたも止めに来たんだね?沖田ちゃんと副長に指示してたってバレてるんだからさ」
沖田(やっぱりバレてたのですか・・・!!)


すると、山南は自分の剣を斎藤相手に構えた!


山南「だったらなんだって言うんだい?キミとはいえ、これ以上こんなことしたら私とて斬りかねない」
斎藤「ショックだね、山南さん。あんたはいい人なのに・・・!?」


すると、山南と同じく現れた高杉は隣にいる一行を聞く。


高杉「これが真実だけど、信じてくれないのかい?」






王ドラ「はい。それにしてもアッシュさんのひいおじいさんは恨まれすぎましたね。話を聞く限り奴の自業自得ですが・・・」






なんと二人と密約を結んだ王ドラ一行が駆けつけてきた!突然の登場に特に沖田は目を丸くする。


沖田「王ドラさん!?あ、あの・・・!」
王ドラ「ええ、わかってましたよ。だって、あの時に合図を私に示すようにしたのですからね」






王ドラ『私としたことが少しぬかりました。ここまでやるとは・・・』


沖田さん!沖田さん!やっぱりあなたは人の心がないとはいえ流石にアイレーンさん達を裏切るなんて信じられない!
もし裏切っていないならどんな手を使ってもいい!合図しなさい沖田さん!お願い答えて・・・!!


王ドラの下からの蹴りにより何を言いたいか気付いた沖田はぶっ飛ばされた直後に自分の剣で腹を立てる!その後の沖田の行動に王ドラはそれが沖田の血だと察した。


王ドラ『(痛い・・・でも、刺されてない・・・)沖田さ・・・(やっぱり裏切ってなかったのですね・・・』






クロウ「そうだったのかよ沖田!」
沖田「はい。私達は最初から自分のマスター達を助けるために行動していたのですから」


沖田のあの行動の理由を知った阿国は思わず一筋の涙を流す。斎藤は呆れた様子で言う。


斎藤「それで与するような真似をしたわけ?いくら副長でもこれはがっかりだなぁ」
土方「斎藤ぉ・・・」
斎藤「でも、もうおしまい。聖杯と接続したこの王冠はもう開花するから」


すると、トリスタンは斎藤が指しているその王冠を見て思わず唖然した!


トリスタン「まさか・・・それに聖杯を接続したのか!!」
シアン「トリスタンちゃん・・・?」


トリスタンはそれに見覚えがあった。それは記録にも残れないが、かつて飛ばされた過去の地にて戦った・・・






トリスタン「マスタークラウン・・・!!」






マスタークラウンはそれを指摘された途端に何らかの光が眩いた。


斎藤「気付くのが遅かったね。そうだよ、これを使ってチェリーワールドに対して復讐する。これがあの魔術師達が持ってきたのは癪だったけどね?」


光が消えたあと、聖杯と接続したマスタークラウンは・・・






おぞましい巨大な木の姿に変貌を遂げた・・・!!






王ドラ「嘘・・・嘘でしょう!!?」
アサト(燕青)「まさかこんな化け物と・・・!」


すると、アサトは斎藤によってシーラ(スリール)が囚われていることに気付く!


アサト(燕青)「シーラちゃん!?なんでここに・・・イゾーはどうしたんだよ!!?」


アサトに聞かれた斎藤はやるせなさそうに答えた。


斎藤「ああ・・・俺が斬った」
ドラニコフ「・・・!!」


すると、怒った高杉が斎藤に詰め寄ろうとする!


高杉「キミ、そんな嘘はよくないよ!そもそもあれは僕が彼との・・・ごふっ」


すると、高杉は吐血してしまった!


パラケルスス「高杉殿!」
斎藤「また道半ばだったねぇ。自分の病気が原因であんな最期を迎えたのと同じようにな?」


すると、斎藤はスリールにマスタークラウンを差し出すべくレーザーを浴びせた!


スリール「きゃっああああああーーーーー!!!」
スマイル「スリール!!スリールーーーーー!!!」
斎藤「さぁ、大人しくしろ。すぐに兄も・・・」


すると、土方が斎藤に向かって撃った。突然の行動に目を丸くした斎藤に対して土方は言う。


土方「斎藤。それがお前の誠か?それは恩讐のためか?それが誠なら俺は全力を以て否定する!!」


すると、土方の銃弾でようやく二人が囚われた鉄柵が壊されたことで解放された!


ウンディーネ「あのコワモテ、なかなかやる!」
王ドラ「アッシュさん、スマイルさん、行きましょう!アッシュさんは意識ありますよね!?」
アッシュ「はいッス・・・(生きてるだけでも奇跡ッス・・・;」


一部を除いて一旦は撤退に向かう中でスマイルはシーラことスリールを助けるために彼女の元へ向かった!


アッシュ「スマイル!!?」
スマイル「ごめん、アッシュ・・・!!ボクもスリールと一緒に行く!!」


為朝に抱えられたアッシュはだんだん視線が遠くなって行くスマイルの名を叫ぶことしかできなかった・・・


アッシュ「スマイルうううううーーーーー!!!」


残ったスマイルは自分の愛する妹を抱きしめたことで自分をも取り込まれようとしていた!


芹沢「おい!!何をしている!?」
直己野勝家「流石に何のつもりじゃ!!?」
スマイル「スリール!ボクだよ!お兄ちゃんだよ!ボクの大切だった・・・!!」


すると、スリールはその声を聞いて少し落ち着きを取り戻した・・・。


スリール「ーーーーーおにい、ちゃん?」
スマイル「ボクも一緒に行くから!今度こそ、ずっと・・・!!」


それを見ていた高杉は何かを思い出した。






『いいですか、晋作。私と同じサーヴァントとして召喚された以上人が犠牲するのを見てはいけません。それが愛であるとしても止めるべき必要があるのです』






高杉「・・・僕、は・・・」


一方のまほろあ城から一足先に脱出した以蔵達はマスタークラウンがまほろあ城の一部を半壊させたことに驚愕した!


以蔵「あれはなんじゃあああああーーーーー!!?」
龍馬「!!もう始まってしまったか!!」


その数分後、アムールに辛うじて帰還した王ドラ一行は牢屋から出させてもらってから起きた出来事に未だに衝撃を受けていた。

第六幕:怨恨開花(その5) ( No.240 )
日時: 2024/03/23 12:20
名前: 桜 (ID: AQHMnU3E)

アサト(燕青)「まさかなあ・・・目的が知らないうちにいつの間にかさらなる目的を生み出したとはなあ。あいつらは召喚した英霊の運が悪かったとしか・・・」


すると、沖田は静かに呟くかのように謝った。


沖田「・・・ごめんなさい。私が斎藤さんを止めるタイミングがもうちょっと早めれば・・・」
シアン「もういいよ、沖田ちゃん。そんにゃだけど、絶対裏切ったりしにゃいって信じてたにゃ」
王ドラ「それにしてもまさかシーラさんが、スマイルさんの死した末妹のスーリルという女の子だったなんて・・・リディアさんが知らないのにも無理がありませんね」
阿国「それにしても高杉様達は大丈夫なのですか・・・?」


すると、誰かがアムールに入って来た!なぜかボロボロになってた高杉だ。


高杉「僕は大丈夫だよ」
トリスタン「高杉晋作・・・!」
高杉「それと・・・片方はできなかったけど、片方はこの人を取り返したよ」


すると、高杉に抱えらたのは全身火傷の状態で気絶したスマイルであった!


アッシュ「スマイル・・・!」
王ドラ「シーラさんは救出されていないのですか!?」
高杉「・・・ごめん。助けようとしていたんだけど」
天草「とにかくシーラを取り戻すために作戦会議です。以蔵殿も倒されたようですし「ガチャ」


すると、誰かが部屋に入って来た!龍馬達を救出したことで帰って来た以蔵だ。


以蔵「は?シーラはどこに連れられちょった?」
クロウ「以蔵!お前、あいつに倒されたんじゃないのかよ!!?」
以蔵「は!?わしは遭遇した覚えが・・・おい高杉!!」


シーラが斎藤に攫われたことを知った以蔵は高杉に食ってかかった!


以蔵「わしが龍馬達を救出する間はシーラに手を出さないという約束は破ったんか!!?言え!!」
トリスタン(その口ぶり・・・シーラ嬢の正体を知っていたのですね)
龍馬「以蔵さんやめて!殴ったりしたら・・・!!」


すると、胸ぐらを掴まれた高杉は答えた。


高杉「・・・約束は守ってるよ。だけど、結局こうなったのは・・・恐らく彼の独断だ」
沖田「・・・っ!!!」


斎藤が自分からこの所業を実行していたことを知り、沖田はショックを受けた後に自分の剣を取り出す!


ドラニコフ「ガウ!!?」
沖田「いいです。斎藤さんの心の内を見抜けなかった私の責任です。止めないで下さい」
王ドラ「いやです!そもそもこれはあなたの責任だと思ってな」


すると、それを見ていた阿国は沖田から剣を取り上げた!


阿国「あの方にさらに憎しみを増させる気ですか!!」
沖田「だって・・・斎藤さんが前に召喚された時にあんな理不尽な目に遭われて・・・」
阿国「それはあなたのせいでもなければあの方のせいでもありません!だけど、だからこそ止めるのです!もうさらなる悲しみを増やさせないために!そのために新選組はあるのでしょう?」


阿国の言葉に沖田ははっとする。確かに前にもガウェインが一人の愛するマスターであるホイップを救うために悪行を重ねに重ねてしまったこと。しかし、そんな彼にある変化をもたらしたのだ。それは出くわしたクルーク達と全力で対峙できたこと。それにより失いかけた人の心を取り戻したのだ・・・!


阿国「だから自害なんておやめなさい。少なくとも貴方様のマスターはそれを望みませんよ・・・」
沖田「あ・・・私・・・私は・・・うわあああああー!!!」


沖田が阿国に抱きしめられながら泣いたことに王ドラ達も何も言えない中で土方が剣を土に刺した!


土方「俺達の任務だ。あの化け物を止めに行き、斎藤をも倒す」
王ドラ「!!今の沖田さんの涙を見たでしょう!?どこまで自分の誠を貫くつもりですか!」
土方「忘れたのか。新選組は裏切り者が出た際にそれを斬り捨ててきた。有無を言わさずともな」
山南「・・・」


すると、土方は王ドラの胸ぐらを掴む!


王ドラ「なんなんですか?今この場で斬る気・・・」






土方「斎藤の処遇はお前に任せる」
王ドラ「!」






自分に小声で言ってきた土方に王ドラは唇を噛み締めた。


王ドラ(ありがとう、土方さん・・・)
トリスタン「では作戦会議ですね。まずは振り返りですね。発端は未だに不明なままですが・・・」


すると、また誰かがリビングに入って来た!無事に脱出した柳生と藤太だ。


柳生「それは私が説明する」
クロウ「お前らも脱出できたか!」
天草「何か知っていることはあるのですか?」


すると、柳生は自分が得た情報を話す。


柳生「闇ぎるどは第三次幻奏聖杯戦争を目論んだが、もう一つに・・・貴殿らへの復讐を依頼されたと聞いたな。何かほすと風の小柄な男からな」
王ドラ「・・・」


すると、王ドラはそのことを知った途端に壁を殴りつけた!


以蔵「なんじゃあ!!?」
シアン「そ・・・それって・・・!」
王ドラ「ありがとうございます、教えてくれて。事態を解決した後に見つけ出して頭を冷やさせますね」
アッシュ(絶対ぶん殴るつもりッス・・・;)


すると、藤太はあることを話す。


藤太「そういえば芹沢鴨の処遇はどうするつもりだ?」
土方「そうだな。あの様子じゃ斎藤に与する可能性は高い。ついでにあいつも・・・」
クロウ「待て!せめて話だけは聞いてやれ!」


突然クロウに待ったをかけられ、ようやく泣き止んだ沖田は理由を訊ねる。


沖田「なぜなのですか?」
シアン「あの人は操られたあたし達には危害を加えないでくれたにゃ。それとシーラちゃんがマスタークラウンに贄を差し出すと聞いた時の顔・・・多分本気で実行しようとしてないと思う」
山南「・・・そういえば、芹沢さんはあれでも子供好きです。まさか・・・」


こうして作戦の大まかな内容を導き出したが、肝心のマスタークラウンを倒すことについてはまだ作戦を決めていなかった。


高杉「次にマスタークラウンだけど、その倒す目的での作戦を思いつければいいけど・・・」
???「・・・ソレならボクが戦い方を教えてヤルヨ。マエに手に入れタ時も決別シタ時もあるカラ、少しぐらいは教えレル」
以蔵「おん?やっと目を覚ましちょったか」
王ドラ「・・・!」


そして作戦を割り出した後に全員は食事にありつけた!今日はすき焼き。そして白米は・・・


藤太「米ならたくさんあるぞ!腹が減っては戦ができぬ!」
トリスタン「ありがとうございます。米をたくさん出してくれて」
為朝「本当に共闘で良いのか?」
山南「はい。どうか斎藤君を止めてやって下さい・・・!」


その後に身体を休めるために大半が眠りについた後に阿国に変わってもらったリディアは眠る王ドラの頭をポンポンと撫でていた。


高杉「彼が気になるのかい?」
リディア「高杉さん」
高杉「あらかじめ聞くけど・・・キミの今の気持ちは?」
リディア「・・・もう彼らなら大丈夫だと思います。私には戦う力はありませんけど、これだけなら言えます」
高杉「そうか。そうだね。じゃあ、阿国君からの気持ちも聞きたいから代わってあげてよ」


すると、リディアから阿国の姿に変わった!


阿国「高杉様?」
高杉「キミがここに来てまで彼を救いたい理由は何かな?やっぱり彼に愛してもらいたいのかな?」


それを聞かれた阿国は自分の見出した理由を答える。


阿国「私は、ーーーーー」






一方、マスタークラウンを進行させていた斎藤に対して直己野勝家は聞く。


直己野勝家「なあ、これはホントに大丈夫か!?」
斎藤「ええ。これで世界を滅せれますので」
芹沢「ほう」


すると、芹沢が落ち着いた様子で言う。


芹沢「斎藤君。キミはよくやってくれた。本当に。だから、その化け物の主導権は私がもらう」


芹沢に剣を向けられた斎藤は聞く。


斎藤「あんたのことだから読めたんだけどさ・・・どういう理由なんです?」
芹沢「私の手で奴を斬る。こんな方法で世界を変えたいと思っていないからな。貴様があの子供にその贄を差し出したのであれば尚更なぁ!!」


すると、斎藤は読めないタイミングで芹沢を斬りつけた!


芹沢「がっ・・・!!」
斎藤「世紀の大悪党も子供の前では脆いのか。さて、とっとと終わらせるか・・・」


すると、ある音が鳴った!ハープの音だ!


斎藤「・・・へー。止めに来たんだねー?」


斎藤が見た上の方向には共同戦線を張った王ドラ一行が立っていた!


高杉「他の生存者達ならまほろあ城の内部で生きている。時間がないからさっさと止めるぞ!」
王ドラ「そうですね。では・・・」


アサトが角笛を鳴らした後、王ドラは大半の全員を鼓舞する形で叫ぶ!






王ドラ「行きますよ!!これが最後の合戦だぁぁぁぁぁーーーーー!!!」






最終幕に続く・・・!






次回で最終回です!感想OK