二次創作小説(紙ほか)
- 最終幕:空へ(その1) ( No.241 )
- 日時: 2024/03/28 17:08
- 名前: 桜 (ID: iruYO3tg)
今回は最終話!
記憶を引き継いだ前の召喚時で起こった出来事による憎しみでマスタークラウンに与する一ちゃんを止めれることはできるのか・・・!?
ーーーーーそれは、僕の前の記憶。
「あなたがわたしのサーヴァント!?落ちこぼれの魔術師のマスターだけど、よろしくね!」
第二次幻奏聖杯戦争における僕のマスターとなった彼女は、よく笑い明るい子だった。
だけど、彼女は泣かない。怒りもしない。なぜなら彼女は落ちこぼれであると家族も含めた周囲から馬鹿にされていたからだ。
だから、彼女は笑うことによって幸せが来るように、苦しいことを忘れるようにしていたのだ。それを見た僕はいつしかそんな彼女を放っておけなくなった。
「辛かったら僕に話せ。いくらでも聞いてやるし、あんたを傷つけた奴らを懲らしめてやるからよ・・・」
「・・・ありがとう」
たまたま運がよかったのか、第二次幻奏聖杯戦争で勝ち進んで行った。先日に優勝候補とされたアサシン陣営にも勝ったのだ。彼女の知略による手腕か僕の能力かはわからない。
だけど、この子には他にもいいところがたくさんある。少なくとも僕はそれを知っている。
「ねえ。これからますます戦いが苛烈になるだろうからこのリボンをつけて。お守りよ」
「いいのか?あんたがいつも身につけてるものなのに」
「いいよ。セイバーが無事でいるならそれだけでいいの」
「わたしのセイバー。斎藤一」
マスタークラウンと斎藤一との最後の決戦が開始され、王ドラ一行は次々と攻撃に繰り出した!
柳生「っ!」
アサト(燕青)「わっ、雑魚敵か!」
天草「ローパー系の敵だと思いますが・・・」
すると、マスタークラウンが開いた異次元から次々と出現させたローパー系の敵を藤太が米俵を次々と投げつける方法で倒して行った!
藤太「ここは任せろ!行け!」
王ドラ「はい!」
一方の斎藤も沖田が立ちはだかっていた!彼女のことをよく知る斎藤は沖田の剣技にも難なく防戦していた。
斎藤「沖田ちゃん。世界に対して憎む気持ちはないのかな?」
沖田「少しはありますよ。だけど、それで世界を滅ぼすのは筋違いです!」
すると、斎藤の後ろから土方が撃ってきたが斎藤はあっさりとかわした。
土方「ほう。わかってるじゃねーか沖田」
沖田「私だって成長しないわけじゃないです」
それを見ていた直己野勝家は騒動を起こした王ドラ一行に対して怒った!
直己野勝家「わしにこんな無礼を働くとは・・・!卑怯だぞー!!」
アッシュ「エージェントさん、目を覚ませッス!!」
龍馬「あ、あれ、エージェント君なのかい!?」
お竜「鈍いな、リョーマ」
すると、直己野勝家を見たお竜は次第に顔が嫌そうになってきた。
お竜「あれは普段と違って偉そうだなー。洗脳されたのか?」
お竜「なら・・・このどヘタレスパイがあああああーーーーー!!!」
直己野勝家「!!?」
お竜の怒鳴り声に直己野勝家は思わずびくつく!
お竜「アリシアや黒柴犬(サンソン)達を悲しませるつもりかー!?いつもみたいにかっこつけろー!土下座しろー!」
エージェント「お竜!?つか、そんな覚え方すんじゃねー!!って俺、なんでこんな格好してるの!?」
以蔵「おんっお竜の怒鳴り声と煽りで自我と表記が戻っちょる!!?」
正気を取り戻したエージェントを見た斎藤はまずいと舌打ちする。
斎藤(しまった、あれは神性を持つ相手だと洗脳が解かれる!つまりあの坂本龍馬の隣にいる別嬪さんは神性持ちか・・・!!)
斎藤はエージェントを再び暗示をかけようとしたところを為朝が撃ってきた!
為朝「邪魔はさせぬ。一時足止めに移行」
斎藤「チッ・・・!」
エージェント「えっ、つかここはどこだ!?またタイムマシンで連れてかれて「ゴッ!!」ごんっへぶっ!!!」
クロウに後ろから殴られて気絶したエージェントを見ながらドラニコフは聞く。
ドラニコフ「ガウ?(訳:保護?」
クロウ「ああ、保護だよ。流石に殺しても死なない奴だから大丈夫だ」
山南「どれだけ丈夫な方なのですか彼;」
パラケルスス「彼は身体が丈夫なのですね。では解決した後に私の薬を「飲ませたら主人のつよい幼女に殴られるが大丈夫か?」(′・ω・`)」
一方の対マスタークラウンでは異次元から現れた刃のある大木の攻撃にもなんとかしゃがむなどして避けていた。
王ドラ「よし!なんとか避けれました!」
阿国「あとは変なのがこなければ良いのですが・・・」
すると、異次元の中から巨大なリンゴが落ちてきた!
王ドラ「?巨大なリンゴ?」
阿国「!斬サブロー!!」
その直後に巨大リンゴがタイマーを鳴らした後に大爆発した!
土方「あれはリンゴを騙った時限爆弾の類か」
トリスタン「王ドラ殿!!阿国嬢!!」
すると、その煙からなんとか斬サブローの行動により助かった王ドラと阿国がそれに乗りながら出てきた!
王ドラ「まさかあれは時限爆弾だったとは・・・;」
阿国「本当にマジクソ厄介な手を使って来ますねぇ(よかった・・・あなた様がご無事でちゃんと・・・」
すると、マスタークラウンが今度は木の紐で攻撃しようとするが、高杉の奇兵隊によって阻まれた!
高杉「どうだー!お前なんかよりカッコいいんだぞー!(・・・ようやくこれで、あの子の死に際の思いを叶えられるぞ!」
すると、今度はレーザー攻撃を繰り出してきた!
小太郎「ってレーザー攻撃ー!!?」
シアン「逃げるにゃ!」
大半の全員がレーザーから逃げ回ったところにある異次元の空間が現れた!
しかし、これはマスタークラウンの差し金ではなかった。
王ドラ「高杉さん!」
高杉「ああ、ようやく強力な助っ人が万全の体制で駆けつけれたみたいだ!」
彼らが顔を上げながら見たのは・・・
遥かなる天空の船ローアだ・・・!
斎藤「!やっぱりかと思えば、あんたがマスタークラウンの被害者か。虚言の魔術師君」
マホロア「あんなモノを持ち出サれた挙句、復活して悪用サれちゃタマらないカラネェ。償いというワケじゃナイけど、ケジメはツケさせテもらうヨ!!」
マホロアが運転するローアがマスタークラウンに攻撃をしかけて次第にレーザー攻撃が止んだ!
以蔵「撃てー!!いけるき!!」
お竜「ウソつき煮卵かと思ったが、見直したぞ」
龍馬「こらこら;」
一方の斎藤は次第に沖田や土方を押し切りつつあった。
斎藤「俺は本気を出してないよ。特に沖田。俺が本気でやったら、お前死んじまうから」
沖田「それはどうですかね・・・!」
すると、あるバフが沖田と土方にかけられる。しかし、それはバフではなかった。
山南「これは私からの今までのお詫びだよ。山桜」
山南の対軍宝具によりパワーアップした二人は斎藤相手に巻き返していく!
王ドラ「あれは山南さんの宝具・・・!?」
天草「元は彼自身の「ついていけない」思いから生まれた自裁宝具だったのですが、彼がどこかの世界で過去と向き合ったことで「もう逃げない」と決意したことで対軍宝具に昇華されたものです。攻撃はしないのですが、彼らの力になっている」
ウンディーネ「名前の由来はちょっと聞いたのがわかる。あの人の死を悼んだ親交の深かった人が短歌を詠んだんだって」
トリスタン「伊東甲子太郎ですか・・・」
これを勝機と見た土方はシアンに呼びかける!
土方「ゴスロリ猫!俺達に力をかけろ!」
シアン「うん!」
斎藤「!!」
すると、シアンの姿を見た斎藤はかつてのマスターである「彼女」を思い出した・・・
斎藤「シ・・・ノ・・・ア・・・」
彼が持っていたそのマスターのリボンも飛びそうになった隙に沖田に峰打ちを喰らう。霊核を砕かれるまでには行かなかったが、それでも大ダメージを受けていた。
- 最終幕:空へ(その2) ( No.242 )
- 日時: 2024/03/28 17:12
- 名前: 桜 (ID: iruYO3tg)
沖田(これで・・・一本取れたことにはなる・・・か)
元から人の心がない沖田でさえも必死に湧き上がる殺意を押さえ込むが、直後に斎藤が彼女の剣を取った!
沖田「えっ!?」
彼女の剣を使って自身をさらに突き刺した斎藤は回避スキルを使いながら言う。
斎藤「沖田ちゃん、生前と違ってよく笑うようになったな。自分のマスターのことも。でも、残念。お前らはマスタークラウンが飛ぶってこと気付いてない?」
すると、マスタークラウンが超巨大にも関わらず軽々と跳ね飛んだ!
マホロア「!!マズいヨォ!!ミンナ、アノ技はよけテ!!」
王ドラ「えっ?」
そしてそれが突如急降下しーーーーー
斎藤「世界のために、もう戦いたくないだろう?」
マスタークラウンの最大技であるジャンプ攻撃に大半の全員は大ダメージを受けた。トリスタンが直前に回避スキルを王ドラ一行に付与したため致命傷に至らずに済んだが、それでも強大な痛みはあった。
シアン「あ・・・」
クロウ「みんな・・・無事か・・・?」
これにより気を失った王ドラを阿国が抱き抱える。
阿国(よかった、死んでない。だけど、あの攻撃をもう一度受けたら・・・!彼は・・・!)
ーーーーー私はあの時に貴方に会った。強い割には口は悪いけれど、実は誰よりも優しい貴方。私を私として尊重してくれた。
だから私は、貴方を今度こそ守るために。私の恋慕(ユメ)は自分で守るために。
そのために私はあの場所からーーーーー時を遡ってまでやってきたのだ。「2週目のまほろあ城事件」に。
「お願いです。この私に彼をお守りさせて下さい。貴女にそんなことを言うのは心苦しいのですが・・・」
「・・・貴女はそれで良いのですか?そんな霊基のままではもうこれから先はないでしょう」
「ーーーーー良いのです。やっと彼を救えるのなら」
「・・・わかりました。では私をーーーーー」
彼女はそう承諾してくれた。だから、私は誰も気付かなかった彼女(私)の最期を看取った後に行動を起こしたのだ。
高杉『離反する気かい?いくら先生の導きがあるとはいえ、そこまでして彼を守る意味はあるの?』
阿国『あります。彼には生きてほしいからです』
高杉『死の運命から解放させるためにか・・・わかった。行ってこい。その代わりに、それがどんな答えを得たか僕に教えてくれないか?』
阿国『気が向いたら、ですけど』
離反したとは言ったが、実際には高杉社長は私の行動を後押ししたのだ。この憑依先の少女の仲間であった彼女の強い意志に感銘を受けたことで事件の黒幕として振る舞っていたのだーーーーー。
すると、マスタークラウンはビームを放ちながら異空間から敵を呼び出す策も講じた!
阿国「この妖魔、どこまで・・・!」
すると、微かな声が聞こえた。目を覚ました王ドラだ。
王ドラ「阿国さん・・・?みんなは!?」
阿国「王ドラ様!よかった・・・!」
すると、マスタークラウンが再び飛んだ。二度目のジャンプ攻撃を繰り出すためだ!
以蔵「ちょっ二度目はヤバいぜよ!!死にとうないー!!!」
龍馬「お竜さん、あれは食べれる!?」
お竜「巨大すぎてお竜さんの胃袋には入れないぞ」
それを見た阿国はもう潮時だと悟る!
阿国(大丈夫。あれは止めてみせる。貴方様を守るためならば、私は・・・!)
すると、阿国は王ドラに頼み込む。
阿国「リディアちゃんは生きて返します。だから、私にあの攻撃を止めるよう令呪を使って下さい」
王ドラ「!!?」
阿国のお願いに王ドラは思わず戸惑う!
王ドラ「そうしたらあなたは!?まさか死に行くのでは・・・!」
阿国「いいのです。あれに大ダメージを与えたらもうあの攻撃は来ない。お願いです。死に行く私に最後のチャンスを下さい」
そう言われた王ドラは思わず唇を噛み締めながら令呪を阿国の方に命じる!
王ドラ「・・・令呪を以て命じる。キャスター・出雲阿国。あのマスタークラウンがあの攻撃を放てぬよう宝具を放て」
阿国「・・・」
王ドラ「・・・さようなら、阿国さん」
王ドラの令呪で力をもらった阿国は飛びながらマスタークラウンに宝具を放つ!
阿国「この舞を空の上からご覧あれ!阿国十八番・出雲荒神歌舞伎ぃぃぃぃぃーーーーー!!!」
ああ、よかった。これで救えた。
阿国「 」
リディアちゃんから消えゆく中で唇を動かす。
ーーーーー「好きでした」と。
藤太「おい!阿国は!?」
パラケルスス「・・・リディアは気絶していますが・・・出雲阿国は消滅しています」
天草「・・・!!!」
マスタークラウンはそれにより大ダメージを受けてジャンプ攻撃はできなくなったが、完全に大ダメージとは行かずに呆然と立ち尽くしていた王ドラを見る。
Mクラウン「ほう。我のあのジャンプを止めれたのか」
燕青(アサト)「喋って・・・つか、これはシーラちゃんの・・・!」
為朝「誤認。あの声はシーラことスリールを無理矢理に傀儡にしたもの」
Mクラウン「サーヴァントがいるのは予想外だが・・・貴様らと出会わせてくれたその小さきからくりには感謝しよう」
すると、マスタークラウンは2個の時限爆弾を王ドラの両隣に落下した!
ドラニコフ「ガウー!!?(訳:王ドラ、逃げてー!!」
Mクラウン「さらば」
時間がなった二つの時限爆弾が爆発した。しかし、王ドラは生きていた。なぜなら・・・
満身創痍の芹沢が最後の力を振り絞って彼を突き飛ばしたことで身代わりになったからだ・・・!
山南「芹沢さん・・・!!?」
芹沢「ふん。オレンジの悪魔でも情が絡むとはまだまだだな」
斎藤「あんた、あれでも生きているとは・・・!どんだけタフなんだよ!!?」
すると、芹沢は消えゆく中で睨みつけながら言う!
芹沢「いいか、よく聞け!!芹沢鴨はこの世で稀に見る世紀の大悪党!その役割は誰にだってできるわけない!この大悪党以外の奴が存在してはなるものか!それをあんな化け物に渡すほど落ちぶれてはねえ!!」
沖田「芹沢さん・・・」
クロウ「あ・・・」
すると、芹沢は王ドラを見ながらほくそ笑むようにして言う。
芹沢「・・・こんな化け物に負けるのは情けない。図太く自信過剰に嫌に胸を張れ。女のような顔をあげろ。負けに慣れることはないようにな」
芹沢の消滅を見届けた土方は何も言うことはなかった。
土方「・・・」
あの人の言う通りだ。私は、中途半端だ。たった一人の女の子も守れない臆病者。
もういい。私は自分が死に行く方がお似合いだ。
〝それは困りますね〟
・・・誰ですか?呆然の私に声をかけてきたのは。
〝彼女は貴方を救いたい。なのに、救われた貴方まで死んでどうするのですか。彼女の気持ちを無駄にすることになる〟
ではあんたがなんとかして下さいよ。そんな言葉を並べ立てる暇があるのなら。
〝それはできません。私は行方をくらましてるから安易に姿を現せないので〟
なんですか!役立たずじゃないですか!
〝そうですね。その代わりに〟
〝彼女の一部を、貴方に送り込むことにします〟
すると、空から光が舞い降りてきた!それは阿国の斬サブローだ!
小太郎「斬サブロー!!?」
ウンディーネ「なんで!?」
驚く大半の全員だが、王ドラは斬サブローの様子が少し違うのを感じ取った。そう、「彼女」は・・・
王ドラ「・・・阿国さん・・・?」
何も言葉を発さない「彼女」を見た王ドラは頷く。
王ドラ「ーーーーーええ。今度こそ、あんなモノを倒しますよ!!」
王ドラが攻撃を放つべく「彼女」と共にマスタークラウンの方に向かうが、それを見た斎藤は止めようとする!
斎藤「何があったか知らねーが・・・!!」
すると、それを以蔵に奇襲を受ける形で阻まれた!
斎藤「無宿の鉄蔵・・・!!」
以蔵「邪魔はさせるかぁぁぁぁぁー!!!」
それをマスタークラウンも攻撃を放とうとする!
Mクラウン「ふん。合体技でも・・・!」
すると、何かに縛られたような感覚があった。トリスタンの宝具だ!
トリスタン「させるか・・・!」
Mクラウン「貴様!!やはりあの時の・・・!!」
すると、マホロアが操縦するローアの砲撃を放つ!その直後に天草と柳生のダブル宝具(パンチ)が放たれた!
天草「悲劇を起こそうとしたことに罰せよ!双腕・零次集束(ツインアーム・ビッグクランチ)!!」
柳生「人をからかうからこうなるのだ。剣術無双・剣禅一如」
それにより大ダメージを受けたマスタークラウンは満身創痍の中で飛ぶ二人を見る!
アッシュ&シアン&クロウ&ウンディーネ「いけっ!!」
小太郎&藤太「いけっ!!」
ドラニコフ「ガウッ!!」
マホロア「イケッ!!」
為朝&アサト(燕青)「いけっ!!」
沖田&土方&山南「いけっ!!」
龍馬&お竜「いけっ!!」
高杉「いけっ!!討てえええええーーーーー!!!」
王ドラ「我らの世界で一つの舞を見よ!!阿国十八番・出雲荒神歌舞伎ぃぃぃぃぃーーーーー!!!!」
二人の絆が織りなした宝具を受けたMクラウンは致命傷を受けたことで消滅しようとしていた!
斎藤「嘘だろ・・・!!?」
Mクラウン「ギャアアアアアアーーーーー!!!やっとっやっと復活を果たしたのにいいいいいー!!!」
Mクラウンは痛みで絶叫しながら・・・
自分の中からスリールを解放させた後に光となって消滅した・・・。
ああ。せっかく復活できたのになぜだろう。あの麒麟児はそこまでしてあのキャスターに情はあったのか。だから黒幕として振る舞おうとするのか。
ならば問おう。何が違うのだ。我と、お前から降り立った彼女とのーーーーー
「彼女」は今度こそ消滅し、解放されたスリールは気絶したまま落下して行った・・・
ウンディーネ「シーラ・・・!」
シアン「にゃ?」
しかし、彼女を助けるようにして受け止めた。なぜなら・・・
先ほど目を覚ましたスマイルが最愛の末妹スリールをひと足先にキャッチしたからだ・・・。
スマイル「スリール・・・!」
スリール「・・・ん・・・おにい、ちゃ、ん・・・?」
スマイル「よかった・・・!」
それを見た大半の全員は束の間といえど、これ以上は何も追求しなかった・・・。
アッシュ「スマイル・・・」
以蔵「・・・」
以蔵は最初から彼女の一番は兄のスマイルであると理解していた。それでも大切に思うが故に優しく接していたのだ。
あとはこのプププランドも含めたチェリーワールドが元の風景に戻るだけーーーーー
斎藤「なわけねーだろ。終わらせてたまるか」
龍馬「!!斎藤さん!!?」
以蔵「こいつ、倒したかと思えば生きて・・・!!」
すると、斎藤は王ドラの方に駆け出した!
王ドラ「!!」
ドラニコフ「ガウ!!(訳:王ドラ!!」
すると、止めようとしたドラニコフを斎藤が剣で斬りつけた!
斎藤「お前だ。最初に生者側で唯一無傷だったお前を・・・!!」
トリスタン「やめろおおおおおーーーーー!!!」
ドッ
- 最終幕:空へ(その3) ( No.243 )
- 日時: 2024/03/28 17:17
- 名前: 桜 (ID: iruYO3tg)
ーーーーー彼女は涙を止まなかった。
なぜ?なぜ泣いているのですか?答えてほしい。
何が辛くて、悲しいのです?
???「・・・」
ーーーーーああ、そっか。
彼女はーーーーー
王ドラ「ん・・・」
王ドラは何らかの光の空間で目を覚ました。暗いけど、蛍のような光の空間。
王ドラ「ここは・・・」
斎藤「ああ、ニライカナイらしい」
王ドラ「斎藤さん!!?」
斎藤はふっと微笑いながら話す。
斎藤「あんたらが言う死にゆく奴が行くような天界の切符のような場所なんだろう。まあ僕達が生きたまま行けたのが不思議なくらいだけどね?」
王ドラ「天界の・・・(そうなら、なぜこんなところに?」
すると、斎藤はある蕎麦を王ドラの下に置く。
斎藤「この蕎麦の麺があんたへの特効薬だ。あんたは頑張りすぎた。だから、自分の親友達も含めて今までのことを忘れる必要がある。自分のためにも、食べた(飲んだ)方が楽になる」
王ドラ「・・・」
斎藤「さぁ、好きなように食べて。遠慮しなくていいから」
王ドラは渡された箸を割って、静かにそばをすする・・・直前に動きが止まった。
斎藤「どうしたの?不味く作られてないけど」
王ドラ「・・・いいえ、あなたに聞き忘れたことがありまして」
王ドラ「あなたは、世界を滅ぼさせるために自分の仲間達(新選組)をも利用したのですか?」
斎藤「・・・!!」
王ドラに指摘された斎藤は俯いたまま答える。
斎藤「・・・利用してないよ。利用するわけねーだろ。だけど、あいつを傷つけた世界に対して復讐をやめるわけにはいかねーんだよ・・・!!そのために感情を押し殺した・・・!」
そう吐き捨てた斎藤は自分の剣を自らに向けた。
斎藤「まあ指摘食らったらもうできないね。この自害は自分への当然の罰だ」
王ドラ「ーーーーーっ!!!」
すると、斎藤を背中からトンっと抱きついた感覚があった。彼はその感覚を知っていた。
斎藤「・・・そんな。なぜ、あんたが?」
斎藤「シノア・・・」
斎藤に抱きついた少女ーーーーー彼の元マスターであるシノアはニコッと笑う。
シノア「セイバー。わたしはこの世を恨んでないよ。だって、こんなわたしでもあなたが一緒に戦ってくれたら世界を美しいと思えたの。それをあなたが滅ぼすことをさせたくない。あの時のこと恨んでないわけじゃないけど・・・」
斎藤「シノア・・・」
すると、シノアは王ドラを見て声をかける。
シノア「オレンジの猫のからくりさん。セイバーの怒りを知りながら否定しなかった上で止めてくれてありがとう。それとあなたの夢の中に何度も介入してごめんなさい」
王ドラ「あ、あなたは何も悪く・・・(やっぱり、この子の涙は斎藤さんが自分のために罪を重ねてほしくなかったからなのか・・・」
すると、叫び声が聞こえた!他にも飛ばされた仲間達だ!
クロウ「王ドラー!!無事かー!!」
以蔵「待っちょれ!今わしが奴を斬っちゃる!!」
お竜「待てクソナメクジ!ーーーーーもう思いとどまったみたいだ」
仲間達も斎藤がシノアに諭されたことで思いとどまった様子を見てアッシュは彼女の方に駆け出した!
アッシュ「あの!うちのクズジジイが本当に申し訳なかったッス!!あんたにも恨まれても仕方ないッス!!本当にすまなかったッス・・・!!」
シノア「・・・いいよ。ひ孫であるあなたには全く恨みはない。今でも恨みはあるのは、あの人の方だからね」
すると、スリールはスマイルの方から降りて向こうの方に駆け出そうとしていた!
スマイル「もう行くのカイ?」
スリール「うん。もう帰らなきゃ」
スマイル「・・・そっか。元気でね」
スリールは仲間達の方に振り向きながら言う。
スリール「みんな、こんな楽しい日々を過ごさせてくれてありがとう。あの化け物から助けてくれてありがとう。再びお兄ちゃんと会わせてくれてありがとう。・・・それとイゾー兄。ずっと一緒にいてくれてありがとう」
以蔵「・・・!ああ!行ってきい!」
スリール「じゃあね!お兄ちゃんもみんなも、大好きだよ!」
スリールがニライカナイの先にある天界に還った後にスマイルは涙ながらに以蔵を見た。
スマイル「・・・ヒッヒッ、キミも我慢してるネェ」
以蔵の顔は堪えていた雫がポロポロと流れていた。そんな彼を見てアサトは頭をポンと撫でる。
アサト(燕青)「よしよし、よく我慢したねぇ」
すると、シノアも斎藤に言う。
シノア「そろそろわたしも帰らなきゃ。いつまでもこんなところにはいられないわ」
斎藤「・・・そうか。そうだね」
すると斎藤はポケットの中を探るが、出てきたシノアのリボンを見てようやく気付いた。
斎藤「・・・そう、だったのか・・・」
シノア「セイバー?」
斎藤「僕が前の記憶を保持できたのは、このリボンがあったからこそできたんだなって」
シノア「!そう・・・」
斎藤「返すからつけさせてくれない?」
それを静かに頷いたシノアは斎藤に自分のリボンを付けられた。下手ではあるけど、それ以上に優しかった。
斎藤「・・・ああ、やっぱり。あんたにはそれの方が似合ってるな」
目に涙を見せながら笑顔を浮かべたシノアが天界に還ったあと、斎藤は土方に申し出る。
斎藤「副長。これで野望を阻めたというわけだ。今回の責任を取って」
土方「ついてこい」
斎藤「は?」
土方「聞こえねーのか?もう一度言う、ついてこい」
土方の意外な返答に斎藤は目を丸くしながら聞く。
斎藤「あんた、バカかよ!?生前のあんたならそうじゃなかったのに」
土方「山南さんも助けて欲しいと言ったし、何より沖田の奴の体調をさらに崩す気なのか」
斎藤「・・・!」
すると、沖田が斎藤に言う。
沖田「私は斎藤さんを救いたいと思ったんです。だから・・・おかえりなさい、斎藤さん」
斎藤「!」
すると、斎藤はため息を一つ吐いた後に言う。
斎藤「あんたらはいつもそうだったね・・・いいさ。償いでもどこまでも一緒についていくさ」
山南「斎藤君・・・!」
すると、王ドラ一行の方にも光が溢れ始めた!
為朝「これは?」
パラケルスス「ああ、時間ですね。大丈夫です、現世には戻れます」
世界を救った王ドラ一行に、たくさんの光が包まれていた・・・。
王ドラ「ん・・・」
気付いたら王ドラ一行は元に戻ったプププランドのグリーングリーンズで目を覚ました。見慣れた景色に気付く。
シアン「プププランドが元に・・・!」
高杉「そのようだね。あ、マホロアランドにいる人達も今気絶してると思うけど。こっちも解放されたようだ」
龍馬「え゛え゛ーっ!!?」
すると、大半の仲間達が自分のマスターや関係者達の方に駆けに行ったあと、斎藤は同じく駆けようとした王ドラを服の裾を引っ張ってまで引き止める。
斎藤「・・・あんたにも悪いことしたと思ってる。本当にごめんな。この世界限定だと思うけど、もしまた恨んでマスタークラウンのような奴に加担するかもしれない。あの煮卵はもうやらないようだけど、僕も騙されたのも利用しているのもある。そうなった時はまた止めてくれる?」
王ドラ「ーーーーーはい。何度でも止めてやりますよ」
その空は、よく澄んだ青空だったーーーーー
阿国「・・・」
一方、座に還った阿国はその本体である自分に会っていた。
阿国「何やら言いたげですねぇ?」
すると、本体はある発言を放った。
本体「本日より貴女を一時的に統合拒否します。もう一度彼の元に行って戦いなさい」
彼女の発言に阿国は驚愕した。
阿国「どういう意味ですか?今のままでは[[rb:貴女(私)がぶれるからですか?」
本体「違いますよ。このままだったら、泣いたままかなと。私は悲しい結末を望まないので!」
すると、本体は阿国を上に投げ飛ばした!
阿国「あ・・・!」
自分を送り出した彼女(自分)の顔は涙を静かに浮かべながらの笑顔だった・・・
空から光が輝く。これはーーーーー英霊召喚の光だ。
???「これははじめましてですか?それとも、久しぶりですか?」
消えゆく光の中から見えた彼女の姿に大半の全員が驚いたり喜んだりしていた。彼女を見た王ドラは枯れかけていた涙が溢れ出た。
王ドラ「っ」
阿国「まあどっちでもいいです。キャスター・出雲阿国。此度の召喚に応じて御座候!」
愛が欲しかったから踊ったのではありません。私は恋をしたということを彼に示すためにあの舞台から舞い降りたのです。
- 最終幕:空へ(その4) ( No.244 )
- 日時: 2024/03/28 17:19
- 名前: 桜 (ID: iruYO3tg)
ーーーーーかくして世界を江戸化から取り戻し、また賑やかなチェリーワールドが戻って来ました。短いようで長かった五日間の事件は後に「終わらない江戸の五日間」と名付けられました。
なお、江戸化は高杉晋作のほんの少しだけ施した彼なりの救済だったようですーーーーー
トリスタン「高杉晋作は後にオシオキを受け、我らもアムールを好き放題にした罪で拷問にかけられ・・・」
チャラ王「流石に拷問レベルじゃねーぞ!!?」
話を打って変わって、あの後に巻き込まれなかった関係者達は念の為に事情聴取を受けた。幸いにも王ドラ一行や高杉達の罪は軽かったものの、代わりに今回の事件の発端として闇ギルドのマスターのブルンスピッツ及びメンバー全員がCOMに逮捕された。マスタークラウンを持ち出したことと拐ってきた奴隷の少女達をサーヴァント召喚の代用品代わりの触媒にしたことなどを考えるとその刑罰は重くなるのは間違いないだろう・・・
そのねぐらとして使われたアムールはかなりボロボロの状態になっていたためしばらくはその修繕に勤しんでいた。
リップ「でも、トリスタンちゃんが寝坊しなかったら今頃は・・・」
すると、リップはトリスタンに抱きつく!
リップ「・・・ありがとね」
トリスタン「リップ」
チャラ王「あっ、テメー!!リップから離れろ!!」
一方のスマブラ屋敷。その地下にあるシミュレーターでは・・・
エージェント「ぎゃあああああーーーーー!!!虫に食われるーーーーー!!!」
エージェントがピクミンのとある惑星でなぜか命の危機。ちなみにこれは洗脳で失いかけた危機感を取り戻すためらしい(ぇ)
メタナイト「何を言っている。散々甘い夢を味わったんだ。危機感を取り戻せねばならぬだろう」
ゼオ「あっ、次はメトロイドのノルフェアなー(ステージを操作する」
エージェント「ぎゃあっマグマーーーーー!!!」
その様子をお茶会の席から見たクルークはケラケラと笑いながらサンソンに言う。
クルーク「これでも死なないから大丈夫だよ」
サンソン「ええ、いいマスターです。だから、もっと痛めつけなくては耐えれません・・・!」
クー「あんた、無自覚に鬼だって言われたりしてねーか?」
すると、エレナがこう発言する。
エレナ「そういえば、スマブラ組にも剣士組が多いから興味持たれるかもね」
クルーク「ああ、新しくスマブラ屋敷の常駐サーヴァントになった奴らの一人?確かに興味湧くかも。特にメタナイトは小さいくせして優勝争いにも食い込むほどの剣士だから・・・」
柳生「ふむ。そのような剣士ならば、ぜひ一度手合わせ願いたい」
大半の全員「!!?(急に出てきたので驚く」
沖田「おじいちゃん!人様に迷惑かけちゃダメでしょ!」
アイレーン「あっ、私もお茶会に混ぜるのだー!クルークは私の隣なのだ!」
クルーク「げぇっ!!?」
一方、駐在サーヴァントとなった英霊達の一人の小太郎は天井から現れながらスマブラ屋敷の様子を確認していた。
小太郎「なんだか賑やかなところですね。でも、平和の証です(結局、あの声の持ち主は見つからなかったのですが・・・」
以蔵「おい、姉ちゃんの巨乳が見えそうじゃが、大丈夫か?」
すると、驚いた小太郎が思わず落ちた!
小太郎「なっなんでそういうことするのですかあなたはー!!(顔真っ赤」
以蔵「すまんすまん、円卓もやるようなジョークやき。この栗まんじゅうが入った箱、やるわ。もちろん誰かと一緒に食べちょれ」
小太郎「えっ、あなたは食べなくていいのですか・・・ちょっと向こうに行くなー!!」
小太郎は渡された箱を持ちながらどうしようかと思い悩んでいた。
小太郎「これ、どうしましょうか。かなり量が多いということですよね「それなら一緒に食べましょうか」
すると、小太郎は自分に声をかけた相手、加藤段蔵を見て驚いた。
段蔵「ベリー様にも行ってきてあげてと言われたので、その・・・」
小太郎「・・・!」
段蔵「記憶を欠如しているからくりなので上手く感情を表せないのですが・・・だけど、会いたくなったので・・・」
小太郎「・・・母上!!」
小太郎は自分を育ててくれた母である段蔵に抱きつく。
自分に助けを求めた「声」の人物にようやく会えたのだ・・・!
一方のBRRでは尋問から四人がようやく帰って来ていた。
レトリー「シアン!どうだった!?」
シアン「みんな処分はなかったにゃ。修理は命じられたけど」
モア「よかったぴゅる〜!」
アサト(燕青)「まあ俺らは何も悪いことしてないしな。今回の発端だったあいつらをあぶりだしたんだし表彰をもらいたいぐらいだよぉ」
ツキノ「ツキノはおいしいものを食べれたら幸せなの〜」
すると、ロムがクロウに聞く。
ロム「ところでクロウ。結局、俺達が狙われた原因がわかったか?」
クロウ「こいつだよこいつ!!(スマホの保存した画像を見せる」
ヤイバ「これ・・・故に元ブタのヒヅメ幹部の・・・バレル・・・!!?」
クロウが見せた画像:周りのこんにゃくに囲まれた屍になったバレルだったものに「主犯はボクです。もう二度と悪いことはしません」のサイン付きの念書を貼り付けたもの
レガムント「・・・つか、これは・・・;」
クロウ「こいつが金を使って俺達を陥れようとしたのが原因だったから、王ドラ達がお礼参りに行ってくれたんだ。裸族が裸族技をぶちかましたし、これでもう悪さはできないだろうな」
ハルトマン「それで周りにこんにゃくがあったんだね・・・;」
うしお「ちなみに首を切ろうかと同行を申し出ましたが却下されました」
ロージア「当たり前よ;」
すると、チュチュがシアンに聞く。
チュチュ「そういえば、シアンに似た人物に会ったって言ってましたね。あのあと、どうなりましたか?」
シアン「わからないにゃ。でも、あの子はあの子であたしはあたしにゃ!きっと元気にやってるにゃん」
ウンディーネ「・・・」
すると、BRRの下にあるカフェに来客が訪ねに来ていた。今回の件で詫びの品を持ってきていた斎藤と山南だ。
斎藤「カフェってここだな?」
アイオーン「例の新選組か・・・」
ロム「何?」
土方『あの人斬りは黙ってたら可愛い顔をしているからよ。気付いたらどこかに連れて行かれたと聞いたし、新選組の一部の奴らからも好かれていたぞ』
ロム(まさか・・・;)
山南「斎藤君がお詫びしたいって言ってたから、沖田君に道を・・・ん?」
すると、ロムが斎藤と山南の方に近づいた後に訊ねる。
ロム「おい。もしやお前らは以蔵が好きか?」
クロウ「ロム!!?」
龍馬「それは本当かい!?」←以蔵ガチ勢
お竜「落ち着けリョーマ」
すると、斎藤がヘラヘラと笑いながら否定する。
斎藤「違うよー。むしろ嫌いな方だよ?」
山南「彼の根っこの部分は評価できますが、恋愛の好きかどうかは・・・」
すると、ロムが号泣しだす!
ロム「よかった・・・!!お前らの副長の言ったことはでたらめだったのか・・・!!」
斎藤「なんで喜んで・・・って、副長が何言ったんだよ!!?」
一方、その副長の土方は江戸時代にあるマスターの寿々姫の城で書をしたためていた最中に寿々が彼の大好物である沢庵と白米を持ちながら声をかけて来た。
寿々「おい、ここに置いとくぞー」
土方「少しは労いはないのか?」
寿々「だから褒美として渡したんじゃ。今回のな」
土方「!ふん・・・」
一方、メルヘン王国のユーリ城ではユーリが今回における第三次幻奏聖杯戦争を未然に阻止できたことをアッシュとスマイルの二人から受けていた。
ユーリ「そうか。あのような悲劇のあった戦いをもう繰り返したくないからな。未然に阻止できてよかったのだ」
アッシュ「はいッス・・・」
ユーリ「それとスマイル・・・末妹に会えてよかったな」
スマイル「!ウン!」
スマイルならこれから先にどんなことがあっても大丈夫そうだと赤の吸血鬼は感じ取った・・・。
一方、高杉はこれから元いた場所に帰ろうとするリディアを見送っていた。
高杉「彼女達には会わなくていいのかい?」
リディア「はい。あの・・・あの時、あの人を丁寧に埋葬してくれてありがとうございました。阿国ちゃんや王ドラさん達にも謝ってあげて下さい」
高杉「任せろ!だけど、帰れるわけないと思うけど」
リディア「それはどういう・・・」
すると、リディアは高杉に渡された書類を見る。
リディア「これは・・・!」
高杉「匿名でキミの論文を気まぐれにボストン大学に送った。そしたら入学を許可するそうだ!天使との混血としてではない、人としての技量を見せてやれ!あっ、そこにはキミの伯母夫婦も待ってるからね」
リディア「・・・!はい!頑張ります!」
リディアを見送った後、高杉は今は半壊したマホロアランドを修理中のマホロアに呼び出されたことでそこに向かおうとしていた。
高杉(彼には悪いことをしちゃったなー;修理を手伝ってあげないとまずいね・・・)
すると、高杉はふとそれを見て驚いた!そこには・・・
高杉「・・・先、生・・・?」
高杉に呼ばれた「先生」ーーーーー吉田松陰は次第に消えゆく中で高杉を見る。
高杉「・・・っあの時は彼女を遣わしてくれてありがとうございました!僕は・・・この世界でも「高杉晋作」としての道を歩みますから・・・!」
高杉の涙ながらの決意に吉田松陰は微かな笑顔を浮かべた。
「元気に頑張りなさい」と、微かな一言だけを残して・・・
東京都内の郊外にある平屋。そこに集まる人物達がいた。チェリーワールドにおける新選組だ。
沖田「まさかこんなところに来るなんて」
土方「おい、沖田。甘味を持ってきたが飲み会じゃねーぞ」
斎藤「副長も沢庵持ってきてるじゃないですか;(自分はコロッケそばを持ってきた」
山南「斎藤君も同じだろう」
今日の飲み会もとい会合に集まったのはあのことだった。
山南「任務は決まったかい?」
沖田「ええ。逃げ出した永倉さんを必ず見つけ出しましょう!」
一方、王ドラは春我部公園でいつもの親友達と一緒にいながらここ数日に起きた出来事に巻き込まれたことでベンチの上で寝込んでいた。
キッド「おい王ドラ、大丈夫か;」
王ドラ「パラケルススさんに薬を飲まされたり、やっと治ったと思ったら藤太さんにご飯をいっぱい食べされたりした奴が大丈夫なわけないです・・・OTL」
タママ「パーシヴァルも前に似たようなことをしたですぅ;」
マサオ「ドラニコフさんも散々だったね・・・;」
ドラニコフ「ガウ;」
すると、そこにある人物が会いに来た。正式に王ドラ直属のサーヴァントとなった出雲阿国だ。
阿国「王ドラ様は大丈夫なのですか?」
王ドラ「・・・阿国さん?」
マタドーラ「ああっ!こいつ、いつのまにこんな可愛い女の子と!」
阿国は王ドラの様子を覗き込みながら言う。
阿国「だったら、早く元気になって下さい。貴方様にまた死なれたら悲しみますから」
王ドラ「はい・・・(ん?また?」
阿国「では親友様達にも阿国の舞をよろしくお願いします〜!」
阿国が立ち去ったあと、ギロロは言う。
ギロロ「今度はハイカラな着物を着た女のキャスターか・・・」
天草「キャスターといえば厄介な類が多いのですが・・・でも、彼女は心根は優しいので大丈夫ですよ。今度こそ、どこまでも添い遂げようとするのですからね」
しんのすけ「?今度こそ?あの二人はどこかで会ったことあるの?」
天草「企業秘密ですよ」
一方、阿国は走り出した後に斬サブローが自分の前に立ちながら言う。
阿国(こ、こんな真っ赤な顔を見られたくないのです!こっちだって振り向かせるのに勇気があるのですよ・・・!)
ーーーーーとある芸妓の話をしよう。
彼女の恋慕(ユメ)を守った後の、これからの物語を。
おしまい
- 最終幕:空へ(その5) ( No.245 )
- 日時: 2024/03/28 17:25
- 名前: 桜 (ID: iruYO3tg)
「オリキャラ紹介」
・リディア・マスカーレル
出雲阿国と意識を共有する少女。亡き祖父のような考古学者を目指して考古学における最高峰であるボストン大学の入学を目指していたが、良質な魔力を持っていたため闇ギルドに奴隷として拐われてしまう。命が消えかけたところを阿国の提案に乗る形で彼女と共有することになる。阿国の秘密を知る数少ない人物の一人であり、考古学の知識も豊富で王ドラも舌を巻くほど。天使と人間の混血の子である。
・シーラ/スリール
意識を失っていたところを岡田以蔵に保護された幼い少女。記憶喪失に陥っており、自分を保護してくれた以蔵を「イゾー兄」と呼んで懐いている。その正体は病没したスマイルの末妹であるスリールであり、天界から闇ギルドによってマスタークラウンを起動させるべく引きずり出された生贄。
・ドノバン・ブルンスピッツ
まほろあ城の事件に完全に巻き込まれなかった数少ない人物として発見された男。自分を襲って来た阿国を嫌っており、また彼女のマスターである王ドラやドラニコフにもぞんざいに扱っていた。実はとある人物から王ドラ達に復讐代行を依頼されたことも含めた今回の発端となった闇ギルドのマスターであり、奴隷の少女達をサーヴァント召喚の触媒にして第三次幻奏聖杯戦争を勃発させようとした張本人。
・シノア
今回のキーパーソン。第三次幻奏聖杯戦争の参加者でセイバー・斎藤一のマスター。斎藤が此度の召喚で持っていたリボンの持ち主で彼がなんとしてでも救いたかった少女。シアンによく似た面影を持つ。
「後書き」
今回の長編は前回よりもボリューム感のある話にしようと執筆したのですが、正直に言えばやりすぎました(ぇ)
このお話は江戸とFGOのCCCコラボのセラフを融合させたものとなっており、私なりの頭の中の情報をフル活用してまでエピソードを取り入れたり削ったりしていました。元々はこのお話はある人達も出す予定だったのですが、登場人物が多すぎたのと話が予想以上に長くなってしまうので没にせざるをえませんでした。まあその人達はまた今度の機会で出そうと思っています。でも、斎藤さんこと一ちゃん達も再び出せたことや仲間に加わったことは嬉しい。
ちなみにシーラちゃんことスリールちゃんの名前の由来はスマイルをフランス語に読ませたものから。正式な名称はあるのですが、短くしたこっちの方を気に入ったのが理由。
感想OK