二次創作小説(紙ほか)

年明けのアムール(その1) ( No.365 )
日時: 2025/01/01 13:12
名前: 桜 (ID: ql4uhYcS)

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
というわけで2025年最初のお話はリップ達メイン!あの子も再登場するよ!






新年を迎えたお正月、初詣に来ていた一人のチャラ王はシンガンクリムゾンズの侍ベーシストに声をかけられていた。


ヤイバ「チャラ王、故に今度の夜の鯛釣りに行かぬか?拙者が保護者になるし、その場所も知っておるぞ」
チャラ王「あー、行きたいんすがね・・・その日はちょっと用事ができてて・・・」


その数日前、チャラ王達はリップの妹のマドレーヌから映画に行こうと誘われていた。


マドレーヌ「今度の映画、一緒に行こー。モアナの続編がやってて、学校の子達も行ってるらしいの!」
リップ「ああ、今公開されてるディズニー映画ね。1月でも大丈夫?」
マドレーヌ「うん、年明けでも行くっていう子もいるから」
チャラ王「じゃあ、今度一緒に行くか!トリスタン達も誘うぜ」
マドレーヌ「やったー!モアナー!」


チャラ王達が先にマドレーヌと一緒に映画を見に行く約束があるため、ヤイバからの夜の鯛釣りの誘いをチャラ王が断っていた。


ヤイバ「そうであったか。リップの妹との約束ゆえそれを反故にしたら、故にリップに嫌われるな」
チャラ王「だから、リップに対してはそんなんじゃないっすよ!」


その夜、初詣から帰って来たリップ達は夕ご飯にリップママが作ってくれたおせちやお雑煮を食べていた。ちなみにアムールは春海達従業員は正月休みで実家にそれぞれ帰省中だ。


リップママ「トリスタン君、栗きんとんは大丈夫?」
トリスタン「はい」
マドレーヌ「リップ姉、黒豆取ってー」
リップ「今取るよー」


すると、裏口にインターホンが鳴っていた!リップパパがインターホンに出る。


リップパパ「はいはい・・・って、えっ!?ああ、入っていいが・・・」


リップパパに連れられたのはリップの従姉でフランスで活躍するエスクラリネット奏者兼日本舞踊家のきなこだ!


きなこ「はーい、みんなおひさー!」
リップ「きなこちゃん!?久しぶりだね・・・」
きなこ「久しぶりに日本に帰って来たら、ちょっと寄ろうかと思ったんだぜー」


すると、リップママはきなこの隣にいるメガネの男性を見つける。


リップママ「あれ?あなたは?」
メガネの男性「あ、どうもー」


そのメガネの男性から話を聞いたところ、きなこの仕事関係でよくお世話になっている編曲家の卵であるそうだ。


きなこ「仕事で度々一緒になる加山氷月さん・・・ひーちゃんっていう人なんだよー」
氷月「自称・編曲家なんですたいっ」
きなこ「自称だ。こいつの師匠が言うにはまだまだ全然食えないんだっ」


きなこは上機嫌で熊本弁を用いる氷月と話しつつ彼のことを伝えていた。


ルート(熊本弁を用いる奴だったか・・・)
きなこ「で、こいつが日本の食べ物を一緒に食べに行きたいって言うから急遽帰って来たんだよ」
氷月「はー?きっちゃんが一緒に日本に帰ろうって言うから応じただけたいー」
きなこ「ひーちゃんの方も一緒に行きたかったんだろー」
おぼろ(モイモイ)(きっちゃん、ひーちゃん呼びか・・・)


それをドアの隙間から見ていたメルトは二人の親しげな様子から何かを察した。


メルト「あー、二人はそういう関係ね」
トリスタン「確かにこれは見てる方は多かれ少なかれ複雑な気持ちになりますね・・・」
リップ「二人とも、そんなところで見てないで入って来てよ;」


マスターのリップに促される形でリビングに入って来たトリスタンとメルトが二人に挨拶した後、氷月は何か思い出した。


氷月「あー、あんたか!きっちゃんが話していた可愛い従妹の間男!」
トリスタン「ええ、リップの間男です」
チャラ王「トリスタン(^ω^#)」


その様子を見たリップパパは立ち上がる。


リップパパ「じゃあ、俺はちゃんと過ごせるよう料理を作ってくるよ。ちょうど今エクレアが帰って来るし」
リップママ「あなた?」


キッチンに向かったリップパパと入れ違いにリップの姉であるエクレアが帰って来た!


エクレア「みんな、ただいまー!」
マドレーヌ「あ、エクレア姉、おかえりー」
エクレア「土産も持って来てるぞ妹達よ!きなこちゃんも来てるのね!ん?」
氷月「あっ、どうもー。氷月ですたい!ひーちゃんって呼んでくれればいいですたい」


氷月の姿を見たエクレアは上着のコートをかけに行く行く途中で自分の父親に声をかける。


エクレア「パパ、何?あのおもろいの。きなこちゃんの彼?」
リップパパ「さぁな」
エクレア「ふーん。まあ父親らしい感情もあるじゃん。叔父だけどね」


上着のコートをかけに終わったエクレアは酒を持ちながらリビングに座って来た!


エクレア「トリスタン君、ちょっと飲みに付き合ってよー!あ、ひーちゃんは?」
氷月「酒が飲める年齢ですたい!」
トリスタン「では飲みましょう!あ、きなこ嬢やリップ達は未成年なのでジュースですよー」


急遽ちょっとした宴会に変わったリビングでは楽しそうな声が聞こえ、それをキッチンから聞いたリップパパは少し複雑そうな表情だった・・・。


リップパパ「・・・」

年明けのアムール(その2) ( No.366 )
日時: 2025/01/01 13:14
名前: 桜 (ID: ql4uhYcS)

翌朝・・・






翌日の朝、リップが二日酔いになっているエクレアを起こしていた。


リップ「エクレア姉、起きて。飲み過ぎだよー」
エクレア「うーん、まだ頭が痛い・・・;」
チャラ王「トリスタンも起きろ!ベディさんにまた怒られるぞ!」
トリスタン「私は悲しい・・・」


一方のリップパパはきなこと氷月を起こしに行っていた。


リップパパ「おーい、そろそろ起きようかー」


部屋のドアを開けたらスヤスヤと二人仲良く寝ているきなこと氷月の姿があった。これを見たリップパパは苦い顔を浮かんでドアを閉めた。ルートは彼に声をかける。


ルート「おーい、リップパパ、大丈夫か?」
リップパパ「ああ平気だ、ありがとう」


その数十分後、ようやく起きたきなこと氷月も加わったリビングの食卓で朝食を食べていた時、リップママがある話をした。


リップママ「ねえ、今日はちょうどワーズ達も帰って来るし、迎えに行くついでに銀座に寄りましょうよ」
リップ「お兄ちゃん達が着くのは夕方だし、それまでの暇つぶしにはちょうどいいかも」
マドレーヌ「行くー!パパはー?」


マドレーヌに誘われたリップパパだったが・・・


リップパパ「俺はいいよ、帰って来た後の料理作らなきゃだし。みんなで楽しんで行って」
リップママ「えー、そうなの?まあいいけど(やっぱりいざとなると複雑な気持ちになってるようだから、そっとしておいてあげて」
リップ(はーい)


そして着いた銀座で早速、歌舞伎座で歌舞伎を見た後、山野楽器の銀座本店で楽器やケース、ストラップなどを見ていた。


リップ「新しいクラリネットケース、欲しいなー」
リップママ「じゃあ、この際だからクラリネット用のリードも買いましょう。ちょうど切らしてるし、きなこちゃんのも必要でしょ?」
リップ「はーい」
マドレーヌ「このトランペットのストラップはいいの?」
リップママ「まあストラップぐらいなら」


一方、チェロの試奏をしていたチャラ王にトリスタンが拍手する。


トリスタン「おお、流石ですね」
チャラ王「まあな。伊達にやってるんじゃないし」
店員「お兄さん、そんなギャル男なくせしてチェロが上手いですね!あ、このチェロのイエローカラーもおすすめなんですが」
チャラ王「考えるっすよ〜」


トリスタンがふとピアノ売り場を見たら、氷月がピアノの試奏をしているのを見つけた。


トリスタン(編曲家になるなら必須のピアノは上手い方ですね。伊達に編曲家になりたいわけではなかったのですか・・・)


その数十分後、ふくい食の國291で昼食を済ませた後、フランスに帰る際の土産を要望したきなこと氷月のために銀座木村家を立ち寄った。


きなこ「やっぱり土産はあんぱんだよねー」
リップ「さっきあれだけの海の幸の定食を食べたのに、もうお腹が空いちゃうよ〜」


チャラ王がふと店の外を見たら窓越しで何やら待っている様子の見慣れた犬を見かけた。


チャラ王「あれっ、チャンタ?なんでここに・・・」
店員「ありがとうございましたー」


前方のレジであんぱんの購入を済ませた人の顔を見たら、快刀乱麻直属のサーヴァント、アサシン・岡田以蔵だった!


以蔵「あれっ、おまんらもこのあんぱん買いにか?」
ルート「以蔵!もしやお前も買っていたのか?」
以蔵「おん、チャンタの散歩に行くついでにこの店のあんぱんを買うおつかいに行けと乱麻に頼まれちょってなー」


きなこはチャンタの顔を見て何か驚く様子を見せていたが、以蔵は彼女に話しかける。


以蔵「ところでおまんは?」
きなこ「あっ、リップの従姉のきなこだ!キミはリップ達の友達かな?」
以蔵「おん、正確にはそこの赤髪の糸目男の知り合いじゃけれど。いや、なんだかんだでリップ達共々親しくしちょるから、友達と言ってええか・・・?」
トリスタン「ずっと共に戦って来た以蔵殿から悩まれるとは悲しい・・・」


その後、銀座三越に買い物に来ていたリップ達は地下で今夜の鍋や商品のケーキの材料などを買いに来ていた。


マドレーヌ「エクレア姉、これもいいー?」
エクレア「お金足りなくなるから、一つにしなさい」
メルト「へー、意外と仕事には真面目なのね」
リップ「普段は買う店は違うけど、年明けだからねー」


そして銀座で用事を全部済ませた後、成田空港のターミナルで兄達のワーズとこないだめでたく生まれた赤ちゃんを連れたオペラ夫妻を出迎えた!






ちなみに銀座のはちゃんと資料を調べてますー

年明けのアムール(その3) ( No.367 )
日時: 2025/01/01 13:16
名前: 桜 (ID: ql4uhYcS)

空港にて






リップ「ワーズ兄、オペラ兄、アロイジアちゃん、おかえり!」
ワーズ「ただいま、おチビどもー!兄ちゃん達が帰って来たぞー!」
エクレア「ミーシャちゃんも大きくなったわねぇ」
アロイジア「はい。でも、最近はよく夜泣きをするようになっちゃってて;」
リップママ「あらあら、私も子供達がそうだったから気持ちがわかるわ・・・やっぱり血かしら?」


ふとオペラが何かに気付く。


オペラ「そういえば父さんは?」
チャラ王「それが行かないってさ。メルトちゃんは初対面だったな?」
メルト「三人とも、ごきげんよう」
ワーズ「おー、こんにちは!きなこちゃんもいるのか・・・隣のあんたは?」
氷月「あっ、ひーちゃんですたい。従兄さん達、よろしくですたいー」


リップママは目が点となるワーズとオペラ夫妻に対してリップパパに対するフォローを兼ねつつ説明してくれた。


リップママ「やっぱりあの人は複雑な気持ちがあるのよ。普段は大らかでちゃんぽんらんとした人だけど、いざとなるとそうなのよね・・・」
オペラ「ああ、父さんは僕達と同じようにきなこちゃんにも気にかけてくれた人だからなー・・・」
トリスタン「・・・」


その後、アムールに帰って来たら大量の料理を作り終えたばかりのリップパパが出迎えてくれた。


リップパパ「おかえりー」
ワーズ「親父、また料理を大量に作って来たのかー(そういえば俺達が小さい頃からもモヤモヤしてる時にはいつも料理に没頭する癖があるんだよなー・・・;」


その夜の宴会を楽しんだ後、夜に一人ケーキスポンジの仕込みをするリップパパのいるキッチンにきなこが入ってきた。


きなこ「叔父さん、手伝うよー」
リップパパ「ああ、ありがとう」


きなこが手伝ってくれた後の休憩の合間にコーヒーを飲んでいる最中に氷月のことを話してくれた。


きなこ「今ね、彼と一緒に住んでるんだ。あたしの母さん達には内緒だよ」
リップパパ「むむっ;」
きなこ「あ、彼が自主的に編曲した曲を聴いて」


CDラジカセを持ってきたきなこは氷月が自主的に編曲してくれた曲をリップパパに聴かせていた。


きなこ「素敵なアレンジだろう、ジャズアレンジするのが好きなんだってー」
リップパパ「まだまだ荒削りだけどな」
きなこ「それでもあたしは彼の編曲が好きだもん」


すると、氷月がジャズ風に編曲したラブソングが流れていた!


きなこ「あっ、これは違うからね!」
リップパパ「・・・」


きなこが部屋に戻ってから数分後、リップパパはチャラ王達がいる男子部屋に入って寝落ちしかけの彼を呼び出した。


リップパパ「ちー。今からちょっとだけリビングで話していいかな?」
チャラ王「・・・?」


チャラ王をリビングに連れて行った後、リップパパはあることを頼む。


リップパパ「お前らに頼みたいことがあるんだけど・・・」
チャラ王「!」


チャラ王はリップパパからの頼みを聞いた上でそれを頷く形で了承する!その数分後、彼は寝る前に歯磨きしているきなこを見つけた。


チャラ王「きなこちゃん、明日まではいるんだよな?」
きなこ「うん、その最終の飛行機で活動の拠点のフランスに帰るつもり」
チャラ王「なら明日の昼、俺達の代わりにマドレーヌ達と一緒に映画に行ってやってくれないか?用事ができたんでな」
きなこ「わかった(ん?俺達?」


その翌朝、すやすやと眠るトリスタンがいる部屋にチャラ王が叩き起こす形で入ってきた!


チャラ王「トリスターーーーーン!!!起きろ鯛釣りに行くぞー!!」
トリスタン「ええ・・・映画は?」
チャラ王「きなこちゃん達に代わりを頼んできた!ついてこい!」


一方、BRRのあるビルの下のカフェではヤイバはやはりチャラ王を今日の夜の鯛釣りに誘おうとしていたところをクロウが聞いてきた。


クロウ「やっぱり諦め切れてねーのか」
ヤイバ「故に。チャラ王はレジェンド・オブ・釣りが上手いし、できればトリスタンも一緒に来て欲しいのだが・・・」


チャラ王だけでもなんとか来れないか考えようとしていた時、当の本人達がカランコロンとカフェに入ってきた!


チャラ王「何とか鯛釣りに行けるっす!トリスタンも一緒だ!」
トリスタン「同行します」
ヤイバ「それは故によかった、行こう!」


その深夜の鯛釣りの場所、なかなか鯛が釣れなくても待つ二人を見かねたヤイバが声をかけた。


ヤイバ「なかなか故に来ないかー」
クロウ「ここ4、5時間は雑魚ばかりだもんな」
チャラ王&トリスタン「・・・」


昼過ぎに近くなっても二人はまだ諦めていなかった。


ヤイバ「やはりここは諦めるか?拙者のをあげるぞ」
チャラ王「いいっす。是が非でも自分達で釣って帰りたいので」


すると、釣針がチャラ王とトリスタンの同時にピンと張った!


チャラ王「来た!!」
トリスタン「こちらもです!」
クロウ「二人同時ってマジかよ!!?」


その数時間後、鯛釣りから帰って来た二人をリップパパが出迎えてくれた!


リップパパ「おかえり!どうだった!?」


二人が持ち帰ったクーラーボックスの中身を見てリップパパは頷いた後、それを使った調理を開始した!






とうとう決意したか!

年明けのアムール(その4) ( No.368 )
日時: 2025/01/01 13:18
名前: 桜 (ID: ql4uhYcS)

鯛を使った料理で食事だぁよ






その数十分後、リップ達が映画から楽しそうな雰囲気で帰って来ていた。


マドレーヌ「映画、楽しかったねー」
きなこ「途中からはみんなドキドキハラハラしてたからな」


アムールの裏口のドアを開けたら、チャラ王とトリスタンの姿があった!


マドレーヌ「二人とも、ただいまー!」
リップ「もー、ちー君やトリスタンちゃんが来ないからどうなるかと思ってたよー;」
チャラ王「おお、おかえり」
大半の全員「で、釣れたー?」


二人が頷きながら後ろを見るように促すと、リップパパが完成した鯛めしとお吸い物と漬物が食卓に召し上がっていた!二匹の鯛は二人が同時に釣って来たもの・・・!


リップママ「あなた・・・!」
エクレア「流石パパね!」


全員が一斉に鯛めしとお吸い物と漬物を美味しそうに頬張っている最中、リップパパが氷月のお猪口にお酒を注ぎ始めた。


リップパパ「ひーちゃん。一つだけ頼みがあるんだが・・・」
氷月「は、はい」






リップパパ「俺の姪を頼んだぞ!」
氷月「・・・!」






リップパパの真剣な面持ちを見た氷月は迷いなく承諾する!


氷月「はい!」


二人がお互いのお猪口を乾杯のようにコンッと当たったのを見たきなこは内心でリップパパに感謝した。


きなこ(ありがとう、叔父さん)


そんな二人の様子にリップママは安堵した後、ぱっとした笑顔で話しかけた。


リップママ「じゃあ、お義姉さん達にも報告しなきゃダメね。きなこちゃんの家族に」
リップパパ「うぐっ;」
オペラ「そういえば、ちゃんと連絡してる?」
きなこ「両親は忙しいけれど、兄貴はしょっちゅう連絡送ってくるよ。何もないと言ったのに・・・」


新春の冬のアムールから楽しそうに笑顔溢れた声が聞こえて来ていた。今年も大変そうだが、なんとかやっていけそうだ。






リップ「ふふっ、よかった」


おしまい






「後書き」
2025年最初のお話はアムールに、きなこちゃん彼氏連れての再登場(初登場にプロポーズまでしたのに結局別れたスーツ男?なんのことかな?)
お正月から大分ズレた形になってしまいましたが、これはこれでアリかも。だってみんなリアルで忙しいだろうし・・・(ぇ)
というわけで今年の2025年も日常日和。は色んな伏線を拾いつつまだまだ張り切って行きますのでよろしくお願いします!






今年もよろしくです!感想OK