二次創作小説(紙ほか)

僕もまた、運命に導かれて(その1) ( No.37 )
日時: 2023/03/28 20:16
名前: 桜 (ID: D2NnH/3T)

今回は大半がタママのモードレッドに関するもやもや話。トリスタンや王ドラの掛け合いも含むほのぼのギャグシリアス風味。
タママは公式でも一人ぼっちの時はトラウマなところがあるのである意味で似たもの同士のモードレッドとは通じる部分があるかもわからないです。性格的には違うけど、そういう同じ星に生まれたかもかしれないですね。本人達には無自覚かどうかわからんですが;






一人ぼっちは大嫌いだ。


何も言えないけど、一人になると寂しい。


もしも切り捨てられるとしても、


たった一人でもいいから、


誰かに打ち明けたかったんだ。






ケロロ「だーかーらー、これをこうすればいいのではありますか!?」
ギロロ「貴様のやることは無茶すぎるだろう!?もっとこうやるべきだ!」


とある日の日向家の地下に通じる秘密基地での侵略会議。今日もいつもの風景が繰り広げられている中でドロロはタママの様子がおかしいことに気付いた。


ドロロ「タママ殿?ぼーっとしてどうしたでござる?」
タママ「(ギクッ;)あ、ごめんなさいドロロ先輩;軍曹さん、悪いですがこれから見たいアニメがあるから先に帰っていいですか?」
ケロロ「ああ、構わないでありますよ。我輩も新作ガンプラを早く作りたいしー」
ギロロ「貴様は・・・;って、タママ、いつのまに忽然といなくなってる!?」
クルル「ドラマの録画予約すんの忘れちゃったー☆(大嘘」


一方、タママはキョロキョロと辺りを見回しながらとある場所にたどり着く。そこは白金にある洋風の隠れ家風の高級マンションだ。今はそのマンションを月島家が買い取っているためにこれから会いに行くその人物の住む家なのだが(タママ自身はそれを知らない)


タママ「この場所、普段はなんかの魔術でカバーされてるから一般には見えないですぅ。ボクにはなんか見えるようにしてますが;」


タママはそのマンションに入る。いつもよく見るフロントスタッフである月島家の中級男性使用人の一人寺脇竜平(たっぺい)にすっかり顔を覚えられてるのか今では声をかけてくれるほどまでになった。


寺脇「ああ、タママ様!いらっしゃいませ」
タママ「いや、なんかあったら困るからそういう時にオートロック解除すんのやめろですぅ;」
寺脇「信頼してきてるって証拠ですよ。さぁ、入ってきてください。モードレッド様らがお待ちです」


タママはモードレッド達の住むフロアに入ってインターホンを鳴らした後に玄関のドアが開いた。モードレッドが出迎えてくれた。


モードレッド「よぉ、タママ。言ってたカボチャプリン買ってきてくれたか〜?」
タママ「オレは自分が食べる用にも買ってきてるだけだ;」
モードレッド「オレのにも買ったってことじゃねーか」


モードレッドはタママを事あるごとに呼び出すことが最近の日常風景になっていた。不貞隠しの兜の騎士の暇つぶしにはタママがちょうどいいと思ったのだろう。カボチャプリンを食べてる最中のモードレッドは聞く。


モードレッド「そういえば、住んでる家の奴らの心配は大丈夫か?確か西澤家のお嬢サマんとこだよな」
タママ「ちゃんと帰ってるから心配ないよ。軍曹さん達のとこもちゃんと行ってるし」
モードレッド「ふーん」


モードレッドはタママの原型の姿から秘密警察で密かな話のネタになっていたケロン軍に所属するまだ幼年体のケロン人であることに気付いていた。しかしお互いのさらなる詳細までは知らないが、それでもなんだかんだで絡んでいるのだ。


モードレッド「そういえば、いつからが大人になるんだ?」
タママ「はぁ?オレだってちゃんと時期が来たら尻尾が外れるだけでこう見えて本当は成年体になるはずの大人だ!時期が人よりも少し遅いんだよ・・・」


すると、モードレッドは顔をタママに近づけてこう口にした。


モードレッド「へぇ。お前、大人なんだな」
タママ「っ/////!!!オ、オレをからかうなーーーーー!!!(顔真っ赤」
モードレッド「すまねーな、こういった主義なんでな」


その翌日、またモードレッドに何か呼び出されて向かう最中のタママを見かけた桃華は声をかけた。


桃華「タマちゃん?こんな昼間にどこに行くの?」
タママ「(ギクッ;)な、なんていうか友達に会いにですぅ!」
桃華「ドラリーニョさん?それなら私も一緒に・・・あら?(気付いたらタママが忽然と行ってる」


タママはその後にモードレッドに会いに来た。今度は親が共働きや夜の仕事などの事情で自分達が住むマンションに預かっている子供達にあんみつを買ってこいと言われて持ってきたからだ。


タママ「ほら、あんみつ;」
モードレッド「大量に買ってきてんな。まあ食べてないな」
タママ「お前に脅されたのに食べるかっ;」


タママは残ったあんみつを食べている最中にモードレッドに聞く。


タママ「そういえば、お前の主人のアイルー(あいり)にはここに住んでるの知らないのか?」
モードレッド「大丈夫だ。圭一郎はもし知られても構わないと言ってる。それにあいりは学校でもなんか忙しそうだ。昔とは違ってあんまり構ってもらえなさそうだって・・・」
タママ「・・・。モー公はアイルーを本気で慕ってるのか?」
モードレッド「慕ってるさ。圭一郎にもあいりのとは別だが、あいつはあんな相当意地っ張りでも優しい奴だよ」
タママ「どこがだよ!あの男は過去に自分の子供を時に放っておいた奴だよ!」
モードレッド「他の政治家が先にあいつらにも傷をつけたんだ!あの総理が愛紗サンを裏切ったりしたから!」
タママ「それは・・・愛する人や子供らと引き離すのは、確かに酷いけど・・・」


モードレッドは少しだけ寂しそうな顔をしながら言う。


モードレッド「オレは闇ぜりで売られていたところを迷い込んだまだ幼いあいりに拾われた。その時に身に付けてたリボンの髪飾りと引き換えにな。とても大事にしていたという話は後になって聞いたよ・・・」
タママ「でも、買い戻せたとしてももう成長してるんだから着けれないんじゃないか?」


すると、タママの言葉を聞いたモードレッドは素振りでクラレントを彼に向けながら激昂した!


タママ「!?」
モードレッド「わかってる!!・・・そんなこと、痛いほどわかってんだよ。たとえもう叶わない想いだとしても、もう傷つきたくないだけだ」


カムランの丘でブリテンにおけるアーサー王伝説を終わらせた出来事はモードレッドが自分で引き起こしたこと。彼女は自分でそれをわかっている。人間に対しては自分の欲ばかりしか考えていないとして快く思ってないけれど、それは逆に自嘲気味も含まれているのだ。
そんな自分に臆せずに優しく接してくれているあいりには度々振り回されることもあるが、それでも恋情にも憧憬とも取れるような複雑な想いを抱くようになっていた。
だからこそモードレッドの本来の願いとは別に聖杯の力にも頼らないような願いは・・・






モードレッド「あいりにあのリボンを買い戻せたら、やっと「お前が好きだよ」と言える。そうしたら今度こそ何か変わる気がする。全部じゃないけど、少なくともあいりとのことだけは」






この気持ちは決して偽物じゃない。あの頃の純粋な想いが、ただ自分のものだとあいりが好きなあいつに思い知らせたいだけだよ・・・






その数日後、スマブラ屋敷ではたまたま遊びに来ていたツーストをタママがじーっと見ていた。


ツースト「?なんだ?タママ」
モードレッド『この気持ちは決して偽物じゃない』
タママ(そもそもなんで圭一郎パパはモー公を月島家に置いてるんだ・・・理由は何にしろツーたんもアイルーもモー公もみんなかわいそうですぅ)


すると、タママは自分のスマホの通知が鳴る。モードレッドからの呼び出しのEメールだ。


タママ「いえ、なんでもないですぅ、ツーストさん。ボクは先に帰ってるって軍曹さん達に伝えて下さい(こういうどうにもならないことは、部外者のボクが言ってはいけなかったんだろうに」


タママはそう言ってスマブラ屋敷を後にしたのを見たツーストは何やら疑問を感じていた。


ツースト「このところタママの奴、一人でどっかに行ってばかりいるな・・・」
ドロロ「そうでござる。前までは早く帰って来るのに最近は少し遅くなった気が。桃華殿も思うけど最近のタママ殿、なんかずっと変でござる」


一方、タママはモードレッドからの呼び出しで例のマンションに来ていた。いつものごとくフロントの寺脇に出迎えられた後、インターホンを鳴らしていた。


タママ「おーい、モー公。あっちゃんもか?フランもー?いないなぁ・・・やっぱりモー公のやつ、仕事とは言ってたけど怒ってんのかな?オレのこと・・・」


すると、Eメールの通知が鳴った。モードレッドからだ。


モードレッドからのメール「呼び出された場所間違えてねえ?このマンションの下の庭だよ」
タママ「えっ?」


すると、タママが見たのは彼を見つけて呼び出している最中のモードレッドだった!


モードレッド「お、気付いたかー」
タママ「これは?よく見たらなんかやってるな」
モードレッド「子供達やみんなでバーベキューで肉とかマシュマロとか焼いてんだよー。お前も来いよ。マシュマロ、もう焼いてるぞー」
タママ「!うんっ」


その数分後、子供達が楽しそうに見ながら焼いたマシュマロを食べているタママにモードレッドは聞いた。


モードレッド「そういや、あの時にタママはオレに聞いてたけど、そっちも大丈夫か?」
タママ「だっ、大丈夫;少なくとも命の危機は・・・;あれらと比べたらモー公が可愛く見えるくらいだ」
モードレッド「誰が子供の前でお前に言うか」


そして楽しい雰囲気のままバーベキューを終えた後にモードレッドは言う。


モードレッド「じゃあ、オレらも帰るわ。お前も気をつけて帰った方がいいぜ」
タママ「うん。なんとかは帰れる、よ・・・」


すると、タママの口周りに着いてたマシュマロの残り粒をモードレッドが指で取ってそれを舐めた。


モードレッド「マシュマロが付いてんぞ。抜けてんなあ」


モードレッドが優しく笑った後、タママは口を手で押さえていた。顔を真っ赤にしながら。
その後の西澤家ではタママが走りながら帰って来た。そこにたまたま歩いていたとある人物にぶつかった!


???「タママ殿!?申し訳ありません大丈夫ですか!?」
タママ「いや、なんでもないですぅ!パールも怪我なくてよかったですぅ・・・西澤家の執事でポールに次ぐ有能使用人に怪我されたら困るから!」
パール「あっ、タママ殿!?・・・。桃華様の心配に反してなんかいつにも増して元気だけど・・・」


自分の部屋に入った後にドアを閉めたタママはモードレッドのことを微かに考えていた。






モードレッド『へぇ。お前、大人なんだな』


モードレッド『慕ってるさ。圭一郎はあんなんでも根は優しい奴だ』


モードレッド『わかってる!たとえもう叶わない想いだとしてもまた傷つきたくないだけだ!』


モードレッド『マシュマロも焼いてるからお前も来いよ』


モードレッド『マシュマロが付いてんぞ。抜けてんなあ』






モードレッド『オレはそれで、怒らねーよ』






タママ「・・・一番好きなのは、アイルーのくせに・・・」


タママは立ちすくみながら半ばやるせなく思っていた・・・。

僕もまた、運命に導かれて(その2) ( No.38 )
日時: 2023/03/28 20:22
名前: 桜 (ID: D2NnH/3T)

王ドラ「は?タママさんが最近おかしいって?」


一方、王ドラはドロロから最近のタママのことについて相談を受けていた。最近のタママの様子の真相を探ってほしいというのだ。


ドロロ「そうでござる。春我部防衛隊にも聞いたけど、全く知らないって一点張りで・・・」
王ドラ(ネネちゃんか;)
ドロロ「それで最近のタママ殿の足取りをを探ってほしいでござる。キミならこういうのはお手のものだけれど」
王ドラ「春我部防衛隊が知ってる上でわざとはぐらかしてるかもしれませんね・・・わかりました、桃華さん達には内密に私が単独で調べてみましょう」


その翌日、タママはまたモードレッドからメールで呼び出しを受けたためキョロキョロと周りを見渡していた。王ドラやトラン(トララ)などの周囲がいないか確認するからだ。


タママ「よし、いないですぅ。安心して行けるですぅ♪」


しかし、タママが行った後に透明マントで隠していた王ドラが木陰から出てきてタケコプターも使用しつつ彼を尾けていた。


王ドラ「本当ならこれはいざという時にしか使いたくありませんけどね。ひみつ道具を駆使しつつ密かに探るか」


そしてタママのいる待ち合わせの場所の葛飾区にあるこち亀の両津勘吉の銅像の前(リアルにも実際にありますよ)。王ドラはその付近にある木陰から透明マントを使って望遠鏡で探っていた。


タママ「ここでいいんだよな〜;」
王ドラ(両さんの銅像を待ち合わせに使うとは。もしや外来の侵略者が来てて脅迫されてる?脅迫したとしてもあんなオタマジャクシは何も利益になりませんけどね(酷)


すると、その付近に何か出かけている様子の大人数の子供達を見つけた。


王ドラ(子供達ですね。日曜なのにどこかに卒業遠足か卒業旅行かな?あ、まだ小さい低学年の子供もいますね)


すると、王ドラは後ろから何者かにより口を塞がれていた!


王ドラ「ーーーーーっ!!!」
???(私ですよ。何かを見つけたらヤバそうな雰囲気はしたので)
王ドラ「っ?」


王ドラが振り向くと、何と妖弦の円卓騎士トリスタンがいた!・・・なぜか頭や着ている私服にはアイスとケーキを投げつけられたような跡があったが。


王ドラ(トリさん!?あんた、何でここにっ;)
トリスタン(さっきまで美しいご婦人とカフェで逢瀬していたらこの前に声をかけた別の美女に目撃されて争われた上にどっちが好きなのかと問われたら咄嗟にどっちも好きじゃないと答えたので両者からアイスとケーキを投げつけられた後に探る様子の王ドラ殿を見かけたので)
王ドラ(うわー;こんな奴のどこが好いてるんですか・・・;)
トリスタン(私が絶世の美男子なので。円卓一の美男子ですよ)
王ドラ(顔で許されると思ったんですか;あっ)


すると、王ドラがいつのまにかタママがいなくなってることに気付いた。自分のアクシデントによる手違いミスとはいえその原因を作ったトリスタンを引っ張った!


トリスタン「貴方という人はとうとう私と褥(しとね)を共にする決意を・・・」
王ドラ「あなたのせいでしょうが!!罰として一緒にあのバカオタマジャクシを探りますよ!!」
トリスタン「私は悲しい・・・」


一方、タママは夜の間だけマンションに行き来している子供達のお出かけに保護者として一緒に付き合ってとモードレッドに言われたので共に上野公園内にある上野動物園に同行で遊びに来ていた。子供達もパンダなどが見られて楽しそうだ。
ちなみに王ドラが見た大人数の子供達はこの子らのことです(つまりタママが待つ待ち合わせ場所に着く寸前を見たのをトリスタンに邪魔された)


タママ「なんか子供達が楽しそうだなー」
モードレッド「そりゃな、たまには羽根を伸ばしたいんだよ。保護者達からも許可を得てるしな。フランやシルクもそうだけど、あっちゃんも楽しそうだし(嬉しそうに子供達と一緒にライオンを見ているアタランテを見る」
タママ「あー;」


すると、モードレッドのスマホの電話の通知が鳴る。彼女達のバックアップに回る白魔道師の葉樹からだ。


モードレッド「ごめん、電話だ。タママ、ガキども見てやってくれない?」
タママ「おう(仕事かな?」


モードレッドは葉樹からの電話に応じた。葉樹が話した内容にモードレッドは少し驚いた。


モードレッド「は!?この動物園も擁する上野公園付近にはあいつが部下達を連れて来てる!?」
葉樹「うん、圭一郎サマの管轄下である監査モニターからも情報が入ったって;悪いと思うけど、夕方にはせめてもの撃退はしてくれない?」
モードレッド「夕方になったら帰らすようにかよ;わかった(タママ、せっかく来てくれたのにごめん・・・」


一方、タママを探す王ドラはトリスタンを連れて方位磁針まで駆使したが、なかなか見つからなかった。現在いる場所は上野区にある駅前だ。


王ドラ「全くもう!見失った上に方位磁針もおかしいことになってるんですが!?」
トリスタン「私のハープの音で方位磁針に細工を施したので」
王ドラ「あんたか!!」


トリスタンは少しだけフッと笑いながら言う。


王ドラ「なんですか?」
トリスタン「いえ。以蔵殿のこともあったとはいえようやく話せるようにはなったと。前まで貴方はガン無視していたのでしょうから。触れたら手を洗うし服なら全身消毒するし」
王ドラ「あなたが出会いに私を女だと思って胸を触ったせいですけどね(^ω^#)」
トリスタン「でも、あの出来事からもその前の新世界やジャマハルダ関連の騒動も私やカービィ嬢、クルーク達を案じて密かに助力していたのでしょう。なんだかんだで貴方は私達の正体も内密にしてくれた。英霊であっても貴方は分け隔てなく接してくれている。それが私は嬉しく思ったから笑ったのです」


トリスタンの言葉に王ドラは満更でもない様子でそっぽ向きながら言う。


王ドラ「・・・そういうところがさらにムカつきますね」
トリスタン「私はマゾなので」
王ドラ「こんな人前で言わないで下さい;」


すると、何か人が騒いでいる様子が見られた。どちらかと言うと逃げ惑っているようだ。


王ドラ「向こうに何かあったのですか?」
トリスタン「何らかの襲撃があるようですね(でも、英霊もとい我が同胞の気配がしますが?」


一方、襲撃場所では青の吸血鬼一族の一般吸血鬼と部下の粛清騎士達とともに逃げる最中の人々を片っ端から斬る英霊、セイバーの騎士ガウェインがいた!クルークを攫うために一番の障害でもあるモードレッドを探しているのだろうか。


ガウェイン「どいつもこいつも人が多いですね。あの反逆者のいる場所を知っている人間もいるかと思いましたが」
粛清騎士A「ガウェイン様!こちらの方も掴めずじまいでした」
ガウェイン「そうですか。ならば範囲を広げて探してみなさい。貴様ら一般の青の吸血鬼達と提携して何としてでもあの騎士を見つけ出すのだ」
一般の青の吸血鬼A「はっ!」


一方、王ドラとトリスタンは逃げ惑う人々を避難させつつ襲撃場所に向かっていた。まだ残っている人達がいないか確かめるからだ。


トリスタン「ところどころに血の匂い・・・!酷いです」
王ドラ「・・・行きましょう。倒れて起きないならもう助からないですよ」


トリスタンは王ドラの言うこともわかっている。実際にその騒ぎによって人間達もその逃げ遅れた一部が死に絶えたのだ。彼だって内心ではやるせない気持ちだったのだろう。


トリスタン(大半は助かったとはいえ、あくまでも「大半」は「全員」ではない・・・本当は彼にだって・・・!)


すると、トリスタンは橋の上からガウェインを発見する!桜サイドのサーヴァントとしてこれから敵対する同胞の出現に驚きの顔をしていた。


トリスタン「ガウェイン卿・・・!(また・・・!」
王ドラ「トリスタンさん?どうしました?」


すると、王ドラもガウェインを見つけた。ガウェインは泣きながら必死に懇願する眠る赤ん坊を抱えた母親を斬ろうとしていた。


母親「お願いです!!この子だけは斬らないで下さい!!この子のこれからの未来だけは・・・!!」
ガウェイン「母親としては理想的ですが、残念ながらその未来はもうありませんよ」


ガウェインがガラティーンで斬ろうとして母親が赤ん坊を守りながら立ちすくむが、それを見て飛びかかった王ドラの蹴りがガウェインに命中した!


ガウェイン「誰だ!」
王ドラ「その未来を奪うのはフェアじゃありませんね。せっかく正統派に見えそうなのに」
母親「あ、ありがとうございます!あなたは一体・・・」
王ドラ「通りすがりの格闘家です。ほら、早くその赤ちゃんと一緒に逃げなさい!」


母親が王ドラに頭を下げた後に逃げたが、邪魔をされたガウェインは彼を睨みつけながら言う。


ガウェイン「私を蹴り倒すとは相当な手馴れのようですね。喧嘩でも買いに来たのですか?」
王ドラ「売られた喧嘩は買いますよ?」


一方、人々を避難させているトリスタンは王ドラの無事を祈りつつ同時に申し訳ない気持ちを抱いていた。


トリスタン(ごめんなさい王ドラ殿。彼は私の身を案じて人々を避難するように言ってくれたのに私は・・ ・)


一方、当の王ドラはガウェインが放った攻撃にもかわしつつガウェインに攻撃に繰り出すのを繰り返していた。ガウェインは今は太陽の下で強化されているはずが、それを相手に応戦している王ドラの強さやその実力に驚愕していた。


ガウェイン「やりますね。その背丈の割に私の攻撃にも軽々とかわすなど・・・」
王ドラ「伊達に強いんじゃありませんよ!チビって言うな!!(°д°###)」
ガウェイン「ならばこちらも我が宝具を放つ!それをその身体で受け止めよ!」


ガウェインは自分の宝具を放つ!


ガウェイン「その不浄を清めようぞ!転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!!」


ガウェインは特大ダメージの宝具を放ち、王ドラを死亡させた・・・が、ガウェインはそれを見た瞬間に険しい顔をした。なぜなら・・・






王ドラ「けほっけほっ。宝具まで使ったのに残念でしたね。私が咄嗟に自分で改造したひらりマントで防がれるとは。まあ跳ね返すまではできませんでしたが」






何とこれを見越して自分が改造したひらりマントで攻撃を防いだのだ!ガウェインの強力な宝具により跳ね返すのはできずに受けた拍子でそれが壊されてしまったが、ガウェインはそれでも驚愕していた。


王ドラ「あの騎士ほど見抜く様子がなくて残念でしたね」
ガウェイン「ぬん・・・!この太陽騎士を手玉に置くなど・・・!」


すると、ガウェインに何らかの異変があった!いつも身につけているあの首飾りからだ。


ガウェイン「ぐあぁっ・・・!!」
王ドラ「!?どうしました?」
ガウェイン「ヘクソン、獅子王が私に戻って来いと・・・いいでしょう。今日は引き上げます。よく見たら噂のオレンジの悪魔のようですから。悪魔狩りは後でも楽しめますし」


ガウェインがそう言って転移ワープで立ち去った後に王ドラはガウェインを見たトリスタンのことを思い出しながら険しい顔をしていた。


王ドラ(同胞とは今は戦いたくないということですか・・・人のことばかり見てないで自分のこともちゃんと見ればいいものを・・・!)






一方、モードレッドはそろそろ夕方になるのを腕時計で見ていた。同じく葉樹から連絡を受けたアタランテは言う。


アタランテ「そろそろ行かねばならぬぞ。苦い気持ちはわかるが・・・」
モードレッド「ああ、わかってる・・・ん?また葉樹から電話か?」


モードレッドが葉樹からの電話に再び応じたその内容は驚くべきものだった!


モードレッド「は!?なんだって!?」
葉樹「なんでも一足早く気付いた誰かが事態を対処したらしくて、あのガウェインを退けたって・・・」
モードレッド「なんだと!?あいつを退けるなんて相当なもんじゃねーか!」
葉樹「というわけで向かわなくていいよ。あのオタマジャクシ君やフランちゃんやシルク、子供達のそばにいてやって!あの子達の親達も幸いにも全員無事だからね!」


葉樹がそう言って電話を切った後に同じく驚いたアタランテはその人物について思わず畏怖を抱きかけた。


アタランテ「誰なんだ?あのガウェインを退けた奴」
モードレッド「わからない。少なくとも実力はあるのはわかるが・・・」


すると、タママは夕食に来ていた精養軒でメニューを見ながら二人を呼ぶ。


タママ「おい、二人は何頼むよ?」
モードレッド「すまない、ちょっと相手からの愚痴。オレはパンダプレート」
アタランテ「私もパンダプレートだ」
タママ「子供らといいフランやシルクといいみんな好きだね(なんかあったのか?モー公を心配してるわけじゃないけど!」


この時にはタママがモードレッドに対して芽生えたこの気持ちが何なのかまだ知る由もなかった・・・






トリスタン「まさかあのガウェインを退けるとは・・・」


一方、王ドラと共に人々の避難や怪我人の搬送先の病院の手当てなどの対処を終えたトリスタンは彼の実力に感嘆していた。


トリスタン「でも、私には勝てないのはなぜなのですか?」
王ドラ「戦うのならば相性が悪いのですよ;あと、私はあなたみたいな何考えてるのかわからない雰囲気を持つ人は苦手ですし」
トリスタン(嫌いではないのですね・・・)


王ドラはガウェインと決して出くわしたくない様子のトリスタンにあることを聞く。


王ドラ「そんなに同胞と戦うのは嫌ですか?」
トリスタン「恐れるのなら割と少ししかありませんね」
王ドラ「恐れてますね;」


すると、トリスタンは王ドラにあることを聞き返す。


トリスタン「それを言うなら、私からも」
王ドラ「なんですか・・・?」






トリスタン「貴方はもし私の立場ならば自分の親友と戦うのも受け入れるというのですか?」






一方、とある某所。ガウェインは今日のことを目の前に王座に座る人物に報告していた。


ガウェイン「というわけで外部からの邪魔もあったのでモードレッドの居場所も掴めず・・・」
???「いや、構わぬ。お前は現にその人物に蹴りを入れられている。お前に罰を与えるならばそいつにも与えさせる。次の任務のためにしばらく謹慎だ」
ガウェイン「はい」


ガウェインはそう言って立ち去った後にその場に立ち会っていたボーンキングが言う。


ボーンキング「あんたにしては珍しいなぁ〜。そんなにそいつが脅威に感じるんか?」
???「・・・貴公にもいるだろう?」
ボーンキング「そやな、あのジャガイモ頭のクソガキのせいで一度は台無しになった。だが、珠黄泉族の長タマムレのばあさんがワイを子孫達に協力してまで蘇らせたんやからな。まあ言わば利害の一致や。あんたにも当然あるやろ?」






ボーンキング「獅子王さんよ?」






FIN






「後書き」
短い話ではありますが、内容がなんと言ってもそれに関係ないぐらい濃い濃い;執筆的には大分苦労しましたが、結果オーライだイエーイ。
タママとモードレッドの掛け合いも好きですが、王ドラとトリスタンの掛け合いも気に入っています。この両者が並ぶと普段とはまた一味違うような感じがあって楽しいです。
青の吸血鬼一族を含めた傷だらけの三つ巴の悪魔の詳細を桜サイドはまだ掴めていませんねぇ〜・・・;もうそろそろ掴める頃だと思いますが。ちなみに冒頭のはタママとモードレッドの両者の気持ちから要約して現したものです。この二人は状況は異なるけれど過去や生前の経歴には同じところがありますので。






感想OK