二次創作小説(紙ほか)

五の儀、星へ届けるハーモニー(その1) ( No.385 )
日時: 2025/02/03 17:22
名前: 桜 (ID: QaTT9JyW)

いよいよクライマックスなので、あらすじ〜!


【前回までのあらすじ】いつも通りのドタバタな日常を過ごしていたチェリーワールドだったが、突如現れた2騎のサーヴァントを連れた「赤いトララ」率いる小隊がドラえもんズを始めとしたキャラ達にケロロ小隊に代わって地球侵略を宣言され、三度の戦いを繰り広げる。
事態を知ったケロロ小隊らにより赤いトララの正体はトララ上等兵の姉であるホルル少尉だと判明するが、その翌日に王ドラがホルル小隊に拐われてしまう。
イギリスのストーンヘンジにあるホルル小隊の秘密基地に乗り込んだドラえもんズやクルーク達はそれぞれ役割を分担した上で謎の配信美少女アイドル「あいりん」の正体であったドルル軍曹の対峙やホルルとの接触の末地球侵略のための封印装置の破壊(発端がカービィの音痴な歌声)に成功する。
しかし、ホルルの眼帯に隠してあった目が光り出したのをきっかけに彼女が地球ごと封印しようとしたのはなんと・・・!?


その結末は如何に・・・!?






崩壊したホルル小隊の秘密基地から現れたかつての災厄の種。それを見た一部の人以外の人達は驚愕した。


ランスロット「なんだ?あれは人類悪の類か?それをなぜ知っているのか私もわからないが・・・」
メタナイト「星霊石・・・!!」
プロキオン「えっ!!?」


それを知らないハッチンがゼオ達に詰め寄る!


ハッチン「なんだよ星霊石って!詳しく教えろ!」
ゼオ「闇の流星を生み出す原因となった石だ。ケロン星の負の遺産だ。今は俺達によって星霊石もろとも滅ぼされてるが」
ププル「でも、残ってるんだよね!?」


ゼオはそれに少し俯きながら答えた。


ゼオ「滅ぼしたんだよ。特殊な条件でなければ。星霊石は箱庭と呼ばれるところにいれば滅ぼすのは回避されるようになってる。あれの「箱庭」は・・・ホルルの眼帯付けてる方の目だ!」


一方、対ホルル班も星霊石の出現に唖然となっていた。


キッド「ウソだろ・・・!!?」
ギロロ「ホルル少尉の眼帯の方の目に星霊石があったのか・・・!!」


みんなと同じく唖然となったドラえもんだったが、すぐさま我に返って指示した!


ドラえもん「カルナさん、アシュヴァッターマンさんを運んで!小太郎君は果心居士さんを!」
カルナ「承知した」
小太郎「承知!」
パーシヴァル「では私がレララとラババを運ぼう!」
タママ「お願いするですぅ!」


急いで対あいりん班と合流に向かう対ホルル班だったが、クルークが転けかけた。


クルーク「わっ!」


その手をクーが引っ張る形で掴んでくれた。


クー「逃げ遅れてんなよ、マスター!」
クルーク「うん!」


そして彼らは対あいりん班のところに合流した!


エージェント「あっ、お前ら無事か!」
クルーク「うん、大丈夫。あれにはびっくりしたけど・・・」


すると、ゼオはクルークに訊ねる。


ゼオ「クルーク、なんか変わったことないか?」
クルーク「え?ないよ」
ゼオ「そうか・・・(じゃあ、あのクルークは・・・?」
クルーク「?」


あの「桐明と名乗ったクルーク」はさておき、今は星霊石の退治が優先であった!


ツースト「とにかく今はあの災厄の対処が先だ!」
クロス「そうだ。また闇の流星が生み出されたら困る・・・!」


合流した一同がスキル解放や武器を向ける前に闇の流星が大半の全員にガンドを放って来た!


メイヴ「ガンド・・・!!?」


動きを封じられる効果を持つガンドが放たれたことで大半の全員が無力化されるが、恐ろしいのはそれだけではなかった。


ジャック「死にたくないよ・・・誰か助けて・・・」
阿国「踊る気力が、奪われてゆく・・・」
段蔵「無気力感を与える類の術ですか・・・!」


なんとか耐え切っていたトリスタンは同じく耐え切っている天草に問う。


トリスタン「天草!なんとかならないのですか!」
天草「これは強力な魔術です。未熟とはいえ魔術使いである私も今は耐え切っていますが、いずれ・・・」


闇の流星はガンドを免れたホルルを見ながら囁く。


・・・ホルルよ、お前はもう何もしなくていい。終末まで我と共にあろう・・・


ホルルはその中にある「目」に魅入られ、そして脳を支配された・・・。






ホルル「・・・ああ。お前と共にいよう。終わりの時まで・・・」






星霊石に乗せられたホルルをトララは静かに口を動かす。


トララ「お・・・ね・・・え・・・ちゃ、ま・・・」


このまま絶体絶命かと思われたがーーーーーある男の「怒り」が黙っていなかった。


???「ふざけんな・・・だから、呼ばれてからずっと気にくわねぇんだよ・・・」






アシュヴァッターマン「一人で何も言わずに抱え込むマスター(テメェ)がよぉぉぉぉぉーーーーー!!!!」






怒りにより自力でガンドの支配を解いたアシュヴァッターマンは自分の宝具を星霊石に放つ!






アシュヴァッターマン「転輪よ、憤炎を巻き起こせ(スダルシャンチャクラ・ヤムラージ)!!!」






アシュヴァッターマンが放った宝具によりホルルはゆっくりと振り向いた。


ホルル(あれは・・・ずっと怒ってくれていたのか?私に、私のために)


ああ、そうだよ。俺のマスターなのに本心をずっと言わないから怒ったんだ。何かあってからじゃ遅いから、せめてもの話してほしかっただけだ。


ホルル(私は言葉よりも行動で現す。だから、言ったって変わらない)


言えんだろ。口で言えないなら行動で示せ。お前は、今何をしたかった?


ホルル(私、は・・・)


行動に移せ。一歩ずつでもいい、どんなことがあってもそれを考えながら移せ。そんなんでは妹が泣くぞ。俺は、生前の主君の旦那と同じことをさせたくないだけだ!






パリンッ






言われたわけじゃない。聞こえたわけでもない。
ただ、頭の中に響いたのだ。あの男の「怒り」が響いたのだ。
凄まじい「怒り」が、私から楔を引きちぎってくれたのだ。不甲斐ない私のために。


ホルル「・・・バカ者」


支配が解けたホルルは立ち上がったのを見て星霊石が引き止めようとする。
どこへ行く。ホルル。


ホルル「・・・」


ホルルは一瞬俯いたが、すぐに顔を上げて毅然と答えた!


ホルル「お前の封印の可能性がなくなったわけではない。まだやるべきことがあるんだ・・・!」


意を決したホルルは星霊石から降りた!


トリスタン「ホルル!」
ホルル(これぐらい自分で受け止めれる。待っておけーーーーー)


すると、ある人物がホルルを抱き抱えるように受け止めた!


???「キッヒッヒッ。どうやらあれの支配が解けたようじゃのう」
ホルル「貴殿は・・・!」


ホルルを受け止めた人物は自分の力を使う!それは邪竜である彼女だからこそできる能力・・・!






ヴリトラ「わえはガンドを解除することもできるのだぞ?」






ヴリトラがガンドを解除してくれたことにより一同は動けるようになった!


サン「動けるようになったアル・・・!」
姫子「幸運ですわ〜!」


駆けつけたヴリトラをアルジュナは聞く。


アルジュナ「なぜヴリトラがここに・・・」
クルル「それが俺様が今回の事態を察して、その最中でヴリトラを察知してピンチな時に駆けつけるよう話したからだぜェ〜」
ディルムッド「そんないつのまに・・・;」


クルルの隠れた交渉力に大半の全員が思わず驚く中で降り立ったホルルはトララを見た。


トララ「あ・・・」
ホルル「トララ・・・私は・・・」


しかし、ガンドが破られた星霊石がそれを許さなかった。
よくも我のガンドを・・・ならば、妹をも捕まえてくれるわ・・・!


トララ「っ!!?」


トララは星霊石に捕まり拘束された!


タママ「トララ!!」
トララ「ぐ・・・ぁ・・・!」


星霊石はトララに囁く。
お前には色恋以上に許せないものがあるだろう?我に委ねよ。貴様が許さないのはなんだ・・・?


トララ「い・・・あ・・・」
しんのすけ「やめろおおおおおー!!!」


一同の呼びかけもむなしく、次第に支配されたトララはこう口にした。






トララ「・・・姉です。私は、姉が憎い・・・!」






ホルル「トララ・・・!」


いいだろう。貴様の望みを疾く叶えようーーーーー


トララの身体は生体恋化(アホトロン・フォーム)時の人間に変わり、それを成長させ・・・






闇の雰囲気をその身に纏う、ブラックトララに変質した・・・!!

五の儀、星へ届けるハーモニー(その2) ( No.386 )
日時: 2025/02/03 17:25
名前: 桜 (ID: QaTT9JyW)

あいり「姿が変わってる・・・!?」
クルル「今その星霊石の性質を突き止めたぜェ〜」


割り出したその星霊石の性質の詳細をクルルがコンピューターを操作しながら話す。


クルル「その星霊石は心の弱い奴につけ込んで、自分の傀儡として取り込むことで持ち主の能力を自分のモノにする奴なんだな。だが、これでも不完成な形だが・・・あとちょっとすれば、奴の傀儡として完成だ・・・!」
デオン「つまりこのままいけば、その厄災を倒してもあの子は助からないってことか・・・!?」
ギロロ「冗談じゃない!あいつが完全に奴に取り込まれてたまるか!」
キッド「総攻撃だぁぁぁぁぁーーーーー!!!」


一同はトララを引き離すべく、星霊石に攻撃を仕掛けるが、トララのトランペットによる防御術により悉く阻まれた!


龍馬「これは完全に防がれてるね・・・」
以蔵「つか、あいつがちょこまかと動いてるんじゃぁぁぁぁぁー!!!」


すると、ダークトララが偶発的に落とされたモンスターボールから彼女のポケモンのプラスルのドレミとマイナンのナナオが出てきた!


ドレミ「何ー?」
ナナオ「え?なんでトララがあんな姿になってるの・・・?」
リップ「危ない!」


星霊石に攻撃されそうになったドレミとナナオをリップが庇った!


チャラ王「リップ!」
リップ「平気!二人とも、すぐにあなた達のご主人様を元に戻してあげるからね・・・!」


ドレミとナナオを知らないお竜さんがタママに聞く。


お竜さん「あのポケモン二匹はなんだ?美味そうなんだが」
タママ「トララのポケモン達だ。んで、そのプラスルとマイナンにはドレミとナナオという名前が付けられてるんだけど・・・」


すると、ゼオは何かに気付いた!


ゼオ「なあ、これならいけるんじゃないか?ドレミとナナオのあの技ならな・・・!」
王ドラ「!そうか、あれなら・・・!」


すると、二人はタケコプターを使ってリップからドレミとナナオを渡された後に二匹に呼びかける。


王ドラ「あなた達、ちょっと協力してくれませんか?あなた達の主人を元に戻せる兆しにはなるかもしれません」
ドレミ&ナナオ「うん!いいよ!」
王ドラ「よし!合図が来るまでちょっと待ちなさい!(キッド、天草さん、お願いします!」


王ドラに目で言われたキッドと天草は頷く!


キッド「これで元に戻せるならやるしかねーな!」
天草「はい。あくまでも可能性の話ですが・・・!」


王ドラがタケコプターを使いながら星霊石の周りを駆け回る!
おのれ、タヌキ風情がちょこまかと!


王ドラ「今ですよ!」
ドレミ&ナナオ「スパーーーーーク!!!」


ドレミとナナオのスパークにより星霊石が麻痺された!


ダークトララ「!」
キッド「チャンス!スペシャルドッカーーーーーン!!!」
天草「双腕・零次集束(ツインアーム・ビッグクランチ)!!」


二つの渾身の切り札により爆発が起きた!


フィン「麻痺をさせて一撃を喰らわすというわけだな!」
ディルムッド「これならあの厄災から彼女を引き離せるでしょう・・・!」


誰もがそう思っていた。しかし・・・






王ドラ「ウソ!バリケード・・・!!?」






トララが直前に奏でたことで超強力なバリケードにより防がれてしまった!さらに言うなら麻痺も解除されている・・・!


ガレス「麻痺されたんじゃなかったんですか!?」
小太郎「いや、勝手に解かれてます。つまり星霊石の麻痺を解除した彼女を引き離すことを優先させなければ、どうしようもない・・・!」
ぽぽか「そんな・・・!」


今の策が失敗したのではどうしようもない。誰もがそう思っていた・・・


ホルル「・・・」


そんな中でもホルルは自らのホルンをケースから取り出す。


ホルル(私はお前にどれだけ憎まれても構わん。だが・・・)


ホルルは唇にマウスピースを当たらせる。






ホルル(聞け。これはお前が高熱にかかった時に安心するように吹いた曲だ・・・!)






ホルンの音がストーンヘンジに響く。それはトララの意識の奥底にも響いた。


トララ(これは・・・あの時の・・・?)


それを聞いていた大半の一同の頭の中にホルルのテレパシーが響いた。


ホルル(介入するな。私にやらせてくれ)
アシュヴァッターマン(マスター・・・)


トララはそれを聞いて優しい記憶を思い出しそうになるが、星霊石がそれを阻んできた!
惑わされるな!それは自分で作った曲なのだぞ!劣等感を抱えるはずだ!


トララ(そうなんだ・・・いやです!お姉ちゃまの作った曲なんか聞きたくない!)


ダークトララは星霊石に攻撃を指示するが、それをヴリトラに阻まれた!


ヴリトラ「させるか!貴様のための演奏じゃ!たっぷりと聞け!」


ホルルはテレパシーでトララに呼びかけた。


ホルル(トララ。やはり覚えていなかったのか・・・これはお前があの時に口ずさんでいた曲だったのに)
トララ(え?)


ホルルの告白にトララは顔を上げた。


ホルル(それがよかったから曲として思い起こした。完成するのに少し時間がかかってしまったが・・・今もあの時ほどよかった曲なんてなかったよ)


ホルルはテレパシーを通して妹のトララに謝った。






ホルル(ごめん。だが、あの時も本当はお前を心配していたんだ・・・)
トララ(・・・!)






トララ(お姉ちゃまが心配してくれた?褒めた?私の、作った曲を・・・?)


トララは気付けばトランペットで二重奏という形でホルルの演奏に合わせた!
何をしている・・・!?


ホルル(トララ?それは・・・)
トララ(えっ?あの時は曖昧にしか覚えてないから勝手に作りました!)
ホルル(お前らしいが・・・素晴らしい。ならば、私も・・・!)


ホルルとトララは二重奏を通じて会話しだした・・・


トララ(ちょっと!お姉ちゃま、走りすぎです!)
ホルル(そっちが合わせろ)
トララ(だーかーらー!私の音を聞いて下さいよ!)


トララのトランペットはホルルのホルンに食らいつきつかれつつもアンサンブルとして成り立っていた!


トララ(どうですか?)
ホルル(ああ。いい、な・・・)


そのハーモニーを聞いた大半の一同も思わず聞き惚れていた!


トリスタン「いい演奏です・・・」
サンソン「トレビアン・・・」


やめろ!やめるのだ!お前は・・・!!やめろおおおおおー!!!
すると、光が浴びた後・・・






トララが星霊石から引き離されたことで元の姿に戻った・・・!






トララ「あ・・・」
ドレミ&ナナオ「トララー!!!」


トララに大半の全員が駆け寄った。それを見た星霊石はさらに怒りに触れ・・・
おのれおのれ!我をここまで怒りに触れさせたこと、覚悟しろ!


カービィ「わわっ!ヤバい!」


しかし、空から無数の銃撃が星霊石に浴びさせた!


ナーサリー「銃撃?」
モードレッド「いや、これは宝具。まさか・・・!」


全員が上を見上げたらまさしく魔王とも称されるアーチャー・・・!






ノッブ「ここぞという時に奴を封じたぞ!ぜひもないよね!」
カービィ「ノッブ!」






ノッブの宝具により星霊石が人を傀儡するのは不可能となった・・・!
我の手を封じるとはなめくさりおって・・・!


アシュヴァッターマン「マスター!俺に宝具を回せ!」
ホルル「あの星霊石はそれでも防御が高い!令呪を使っても倒すのに無理がある!」


しかし、ドラえもんが前に出た!


ドラえもん「いや、倒せるよ!ぼく達の親友テレカの力も与えればいいんだ!」
ケロロ「そうか!親友テレカは令呪と同等以上の力があったでありますな〜!」


それを聞いたホルルとアシュヴァッターマンはお互いを見ながら頷いた後、ホルルは自分の右手に宿る令呪を光らせた!


ホルル「令呪を以て命ずる。アシュヴァッターマン、私を守っていた星を、炎で天へ放て」


ホルルから令呪を受けて力を与えた後、ドラえもんズも親友テレカを取り出した!


ドラえもんズ「我らドラえもんズ!!!」


ドラえもんズの親友テレカの光を浴びたアシュヴァッターマンはこれまでにない力を宝具に込めた・・・!






アシュヴァッターマン「大人しく逝きやがれぇぇぇぇぇーーーーー!!!転輪よ、憤炎を巻き起こせ(スダルシャンチャクラ・ヤムラージ)!!!」






ホルルの令呪やドラえもんズの親友テレカの力を受けたアシュヴァッターマンの宝具により星霊石は粉砕された・・・!


カルナ「ようやく終わったか・・・」


しかし、倒されたものの完全には粉砕されておらず残っていた残滓が王ドラやタママ、トララの三人に及んできた!


王ドラ&タママ&トララ「!!?」
アイオーン「馬鹿な・・・!?」

五の儀、星へ届けるハーモニー(その3) ( No.387 )
日時: 2025/02/03 17:27
名前: 桜 (ID: QaTT9JyW)

気付けば三人が飛ばされた場所は暗い空間の中であった。先に目を覚ました王ドラが二人を起こす。


王ドラ「二人とも、大丈夫ですか!?しっかりしなさい!」
タママ「タマッ!?ここは・・・」
トララ「どうやら星霊石の残滓に取り込まれたみたいです・・・」


三人は突如光った方から声が聞こえた。


王ドラ「これは誰かの泣き声?」
タママ「行ってみるですぅ」


三人が光の中に入ると、そこはタママとトララには見覚えのある草原であった。


トララ「ここはケロン星の・・・!」


トララは遠くで何かを発見した。そこには泣き叫ぶホルルと・・・


トララ「・・・僕・・・?」


トララは覚えていなかったが、この時、幼い彼女は姉のホルルの不注意による事故で死ぬはずであった。自責の念と悲しみに囚われたホルルの前にある光が現れた。


ホルル「!」


ーーーーー死の淵にある妹を助けたいのだな?その願いがあるならば、我に身を委ねよ。貴様の身と引き換えに妹に救いを与えるのだーーーーー


王ドラ「そうか・・・彼女の片目はそうだったんですね。大切な妹のあなたを死の運命から救うために・・・」
トララ「・・・っ」


トララは涙をのみつつ、自身の身を犠牲にしてまで救ってくれた姉のホルルに向かって叫んだ!


トララ「お姉ちゃま!!」
ホルル「!」


ホルルはその声に振り向いた後、トララは叫ぶ!


トララ「僕は生きます!たとえお姉ちゃまに助けてもらえなくても生きてやります!だから、未来で待ってて!」


そう伝えた後、三人は穴の中に落ちた。ホルルは自分の目の前で横たわる妹が息を吹き返すまでそれを見続けていた・・・


タママ「あ・・・」


次第に三人は無力感に囚われていた。王ドラはそれでも三人一緒に元の場所に帰るために踏ん張っていた。


王ドラ「・・・」


ーーーーーこれでわかったのだろう?結局決められた運命を覆せぬものがあるのだと。未来からのからくりタヌキである貴様なら我の言葉がわかるはずだ。


王ドラ(いや、違う。違う。違う違う違う。それでもちゃんと覆せた、というよりも切り開いた奴がいる。私はその人を知っている・・・)


王ドラはラビとアイオーンの姿を思い浮かんだ。そう、彼らはまさしく自分の決められた運命に押し潰されずに切り開くことができた人物・・・!


王ドラ(だから、その人達のためにもこんなところで止まってたまるか!)


王ドラはもうすぐ辿り着く出口まで懸命に無力感に抵抗するが、次第に歩みを遅めてきていた・・・


王ドラ(出口が見えたのに、あと少しなのに・・・)


だから、言っただろう。どんなに抗おうが、歩みを止まるのだからーーーーー






「じゃあ私はそれを否定する。絶対にこの子達の歩みは止まることはないってね」






王ドラは自分の背中を押す人物の声が微かに聞こえた・・・


王ドラ(ウソだ。まさか、「また」があるわけ、がーーーーー)
王ドラの背中を押す人物「私はこの子達のことは知らないからよくわからないけど・・・間違いなくこの子達は歩む力を持ってる。戦う力もだけど、何よりも大切な人を助けたい気持ちがね」


王ドラの背中を押す人物はにっこりと微笑いながら呟く。


王ドラの背中を押す人物「キミ達に何があったか私にはわからないけど言うね。ーーーーーよくここまで頑張ってきたね。私から言えることだけど、確かに才能があればいいかもしれないけど・・・それでもただ自分達の信じる気持ちに向かって進めばいいんだ。元は何の才能もないような、ただの平均レベルの一般人の私が言うことじゃないけどね!」


その人物は笑いながら、王ドラに呼びかける。


王ドラの背中を押す人物「だから、この子達と一緒に早く行ってあげて。まだここで終わりじゃないでしょう?」
王ドラ「・・・」


王ドラは後ろから静かに呟くように話す。


王ドラ「「また」助けたのですね?だったら、少しだけ振り向いていいですか?」
王ドラの背中を押す人物「えー?ここでわがまま言うんだね。一生懸命初対面を装ったのに・・・しょうがないなぁ、たったの一度だけだよ。一度だけならいいよ」


王ドラはその人物の方を振り向く。そう、「彼女」はキャメロット城の時に閉じ込められた石の中で心を折れかけた自分に発破をかける形で助けてくれた人物・・・!






王ドラの背中を押す人物「でも、私に二度も会ったことは内緒だよ?「彼」が泣いちゃうんだから!」






三人は気付けば、元の世界の空の上に移動していた。つまりこのまま行けば地面に落下・・・!


王ドラ「わぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
タママ「なんですぅ・・・タマァァァァァー!!!」
トララ「短い人生でしたぁぁぁぁぁー!!!」


その寸前に誰かが王ドラを受け止めた!為朝に乗せてもらったトリスタンだ。


トリスタン「全く危なっかしいですね・・・」
王ドラ「トリさん!」
為朝「無事に脱出したようだな。タママやトララもパーシヴァルに救出された」
王ドラ「そうですか・・・私達を助けてくれてありがとう」


トリスタン達に助け出された三人は駆けつけた仲間達のもとに戻れた。


チャラ王「おお、脱出したか!」
トリスタン「ええ。あの星霊石の気配もありません。恐らく消滅したのでしょう・・・スヤァ」
ベディ「トリスタン!貴方はなぜこんな時でも寝るんですか!?」


トリスタンをベディ達円卓が叩き起こしに向かった後、トララはホルルの変化に気付く。


トララ「お姉ちゃま、その目・・・!」
ホルル「ああ、なぜか元の色に戻っているし、封印の能力も失っている。なぜだろうな・・・」
王ドラ(あの星霊石と決別したから・・・?)


王ドラはそう推察するが、そんな中でレララ達が起きた。


レララ「隊長、トララ!?何があったんダ!?」
ラババ「倒れてから目を覚まさなかったんだけど・・・」
果心居士「何ガ起こッたのデすか?」
段蔵「みな様。それは・・・」


彼女達と同じく起きたドルルも項垂れていた。


ドルル「あ・・・みなさん・・・」
トララ「ドルル!目を覚ましたのですね!」


バトルウィンドウズもスクリーンに大丈夫かの文字が映されたが、ドルルはホルルを見た。


ドルル「ホルル!?ごめん、私は・・・!」
ホルル「いや、もういい(お前のあの歌がなかったら、変わらないままだったからな・・・」
ドルル「でも・・・私はキレて、月島あいりにも酷いことを・・・!」


それを聞いたあいりはドルルに声をかける。


あいり「別にバーチャルアイドルが悪いわけじゃありませんわ。ただ一つだけ言うなら・・・やるならオリジナルをやりなさい!」
ドルル「!」


顔を上げたドルルに対してあいりは彼女を諭した。


あいり「あなたの歌もダンスも素晴らしかったわ。それはあなただけの、あなたにしかない長所よ。人の長所ばかり見るのではなく、自分にしかない長所や短所をちゃんと見ることね!」
ドルル「はい・・・!」


ひとまず解決と見たクルークは一息ついた。


クルーク「なんとかなったみたいだね」
ププル「やっと家に帰れるよ〜・・・」


すると、何らかの拍手が聞こえてきた。


ツースト「誰だ!」


その人物は拍手を止めた後、一部の人達以外の一同の前に姿を現しながらため息を吐く。


トリストラム「やれやれ。結局地球人の力を借りるとは・・・」
あおい「あなたは・・・?」


トリストラムを見たアシュヴァッターマンが舌打ちをしながら王ドラ達に話す!


アシュヴァッターマン「こいつだ!こいつがケロン軍の使者を名乗った後にマスターを縛り付けた奴だ!」
一部の人達以外の全員「えええええーーーーー!!?」


トリストラムの姿にギロロは驚く!


ギロロ「どう考えても地球人ではないか!」
ドロロ「いや、ケロン軍の最近の記録には確かにホルル小隊に地球を向かわせてるとあるでござる。ということはまさかそなたが介入を・・・」


ゼオは自分の杖をトリストラムに向けながら訊ねた!


ゼオ「答えろ。お前は何者だ?」


トリストラムにそれに鼻で笑いながら話す。


トリストラム「今は答えられませんね。あのお方の命令にも入っていないので」
ホルル「だが、名は私に教えたのではなかったのか?」
トリストラム「ええ、「トリストラム」という名前だけは。みなさん、どうやらお疲れのようですのでここは大人しく引き下がりましょう。目的のあれの「封印」も予想外ながら達してますし」
エージェント「こら待て!」


トリストラムがテレポートで立ち去る際に王ドラは彼の剣の鞘にある刻印を見た!






王ドラ(あのマークは・・・フェアリーナイト王国の・・・!?)

五の儀、星へ届けるハーモニー(その4) ( No.388 )
日時: 2025/02/03 17:29
名前: 桜 (ID: QaTT9JyW)

その後、クルルからの通信を通して(多少はサバを含む)今回の事態を知ったケロン軍はその間接的な原因の一人でもあったトリストラムを宇宙警察との協力の上で緊急指名手配。ガルル小隊を始めとした一部のエリート小隊が彼の足取りを追うことにし、地球側とされるCOMやタイムパトロールや秘密警察も各地で調査を行うことになったそうだ。
ストーンヘンジから帰還した一同は帰りを待っていた人達から大目玉を食らったものの王ドラが事の真相を説明。ついでにアネモネの正体がわかった夏美は思わず倒れて3日間は寝込んだことは言うまでもない。
そしてトララを含めたホルル小隊は今回の事態も含めた騒動により当分は謹慎かつ島流しの処分。期間中はケロロ小隊がその監視を担うことになったが、その島流し先は・・・






メルト「アナタ、相当死にたかったようね?」
ホルル「ふん、水の身体など大したことはない」
王ドラ(その島流し先がまさかの地球ってどういうことですかねー!!?)






なんとホルル小隊の島流し先は地球。ケロン軍の上層部曰く「田舎の星であっても一度は地球の多様かつ最低限の礼節のある文化に触れてきなさい」とのことだそうだ。それで今は古代中国にある王ドラの家でもつれになっているらしい。


レララ「まさか隊長が地球のからくりに恋をするなんてナ!」
為朝「私もこの身はからくりであるのだが」
トリスタン「二人とも、ダメですよ。彼は私の愛妾?ですからね。今アムールの手伝いをサボってまで来たので」
天草「と言ってますが、チャラ王はどうでしょうか?(チャラ王に電話」
チャラ王「わかった、帰って来たらお前えんずいバイルドライバーだからな?(^ω^#)」
トリスタン「天草・・・!!」


争いが争いを生む事態にもなるが、ホルルは王ドラに近づきながら言う。


ホルル「それに王ドラは私からのプロポーズを受け取った身なのだぞ」
阿国「そうなんですか!!?(大ショック」
王ドラ「そうでしたか?」


王ドラのすっとぼけた発言を聞いたホルルは口をあんぐりと開きながら言う!


ホルル「アネモネの時の私は大人になったらと言ったから今明かしたのだぞ!!?」
王ドラ「あれはアネモネちゃんだったから無効です!!」


ホルルの話を聞いたメルトは鼻で笑いながら話す。


メルト「からくりのアルブレビト、子供の姿でなければ想いを伝えることができない愚かな女なんて捨てなさい。それなら私と二人で水の中に閉じ込めるのはどう?拒否権はなくってよ?」
トリスタン「この毒婦!」
天草「ダメですよ彼は私の正室ですから!」
メルト「アナタのは聖杯を手に入れるための措置に過ぎないじゃない!」
果心居士「それなら改造をお勧めしましょう!(急に口調が流暢に」
王ドラ「あああうるっさあああああーい!!!」
アシュヴァッターマン(あんたも苦労してんだな・・・;)


そんな最中、ラババはパソコンをいじっている様子のドルルに聞く。


ラババ「ドルル先輩、新しいバーチャルできたんだ?」
ドルル「うん。今配信開始するところよ・・・!」


一方、「あいりん」の生配信のライブ会場だった場所では集まってくれた大勢のファン達を前に「あいりん」だったアイドルは彼らに謝罪した。


アイドル「みんな、今日は私のためにたくさん集まってくれてありがとう。そして今まで騙してごめんなさい・・・あの姿は月島グループのご令嬢である月島あいりさんの姿を模したものだったの。新しい私のバーチャル姿を見ても怒るかもしれないけど・・・これからも私を応援してくれますか?」


「あいりん」だったアイドルのバーチャルの前にファン達は一瞬だけ沈黙したが、すぐに拍手の音が聞こえた!


のだめ「流石にびっくりしたけど、どんな姿でも好きデスよ!」
峰「だからいつものようにあんたの元気な姿と一緒に歌を届けてくれ!応援するぜ!」


「あいりん」のライブ配信を見たことでファンになってくれたのだめや峰を始めとしたファン達に受け入れられたアイドルは可愛いとびきりの笑顔を見せた!






アイドル「みんなありがとう!新生アイドル、ドルるんの初ライブ、歌っちゃうよぉぉぉぉぉー!」
ファン全員「おおおおおーーーーー!!!」


「あいりん」だったアイドルことドルルは新生アイドル「ドルるん」として生まれ変わったのだ・・・!






ドルるんことドルルのライブを会場の外の方から見届けたあいりの方にモードレッドが声をかける。


モードレッド「よぉ、あいり。外から見てるじゃねーか」
あいり「モーさん。そうね・・・あの子が罵倒されるのがちょっと心配になったからせめてもの様子を見に来たけど、杞憂だったみたいですわ」
モードレッド「ドルルのアイドル伝説はこの地球にいる限り続けられそうだな〜」
あいり「ありえるわね」


クスクスと微笑うあいりにモードレッドはマスターである彼女の顔を覗き込んだ。


あいり「な、なに!?」
モードレッド「いや?もしもあいりんがお前なら、やっぱりこの顔だなと思って。今みたいに戸惑うような赤い顔だ」
あいり「変わりませんわねあなた・・・そうやって何人の乙女の心を弄んだんですの?」
モードレッド「別に弄んだつもりはねぇよ」


一方、以蔵は電話で快刀金融に桐明の行方を聞いたが、彼はすでに自ら申し出る形で出て行ったことを告げられていた。


伊庭「やっぱりいなくなったのか?」
以蔵「おん。自らお頭に申し出ちょった・・・(もし見つけたら、奴がクルークじゃったかは問い詰めるぜよ!」


一方、タママは何かを呟いていた。


タママ「あの時は誰がボク達を助けたのかは知らないですぅ。だけど、王ドラさんには悪いけど助けられなくていいかなと思ったんですよ・・・」






トラン(トララ)「タママ先輩ー!!あなたのために作ったお弁当です受け取ってー!!(はぁと」
タママ「今みたいにトララが追いかけなくなるからだよ!!(汗」






いつもの如く自分宛の弁当を渡そうとするトララから逃げ回るタママ。恋愛事になると過激なアプローチを行うのは姉妹共だったのかよ!!?


タママ「このままじゃヤバい!パールを呼び出して「タママ先輩、隙が多すぎですよv」


タママが倒れた拍子で生体恋化(アホトロン・フォーム)により人間時のトララの割と大きめな胸に埋もれてしまう!


トラン(トララ)「タママ先輩、とうとう人間時の僕の胸に・・・v」
タママ「ちげーよ離せ!!もし誰かに見られたら・・・!」


タママが上を見ると、そこには驚いた様子のモードレッドの姿があった(爆弾投下)


モードレッド(°д°)
タママ「・・・;」
トラン(トララ)「あ、倒れた拍子で弁当が崩れちゃいました!では名残惜しいけど、今日はバイバイでーす!お姉ちゃまにも進展報告しないといけないのでー!」
タママ「そういうことは大声で言うんじゃねー!!」


トララが立ち去った後、タママはしどろもどろでモードレッドに弁明しようとするが・・・


タママ「あの、これは・・・;」
モードレッド「別に怒ってねーよ。トララの方が勘違いしてるってわかるし。今のはパーシヴァルに言われたくないって顔だろ?」
タママ「違う!」
モードレッド「いや、弁明しなくてもいいぜ。約束は守るよ」






タママ「俺がモー公に変に思われたくなかっただけだよ!」






モードレッド「・・・は?」
タママ「タマッ!!?なんでもない今のは忘れとけ!じゃあな!」


顔が赤くなりながら走り去ったタママを見たモードレッドは数分後、たまたま夕飯の買い物に出ていたガレスに会った。


ガレス「モードレッド!今帰りなのですか?」
モードレッド「ガレス。そっちは夕飯の買い出しか?」
ガレス「はい!あの、モードレッド・・・さっき見ましたが、もしやタママ殿が貴方に我が王の話をしていたのですか?」
モードレッド「いや、そんなことねーよ。どうして思うんだ?」
ガレス「あなたがなんか気に食わない顔をしていたので。なのでタママ殿が貴方に我が王の話をしたのかと・・・」


ガレスはモードレッドの顔を見た瞬間に言葉を止めた。何しろ自分の目の前にいる、今の弟(妹)の表情はーーーーー






モードレッド「ーーーーーそうかよ・・・っ」






モードレッド「オレはそんな顔しながらタママと話してたのかよ・・・」
ガレス「・・・モードレッド、貴方はもしやあいり様のと同じ・・・」


それからモードレッドが何言われたのかは全く覚えていない。ただその中で自分が覚えていることはさっきタママに言われた時から顔が熱くなるほど赤くなっていること・・・






ゴルドール「うおおおおおワシのそこそこ一番のあいりんとのコラボグッズの在庫がぁぁぁぁぁー!!!やっとワシが再登場できたかと思えばオチ担当かぁぁぁぁぁー!!!(落胆のポーズ」






おわり






「後書き」
久々のオリケロが中心となって活躍してくれましたが、まさかの星霊石を引っ提げてくるなんて思ってなかったなー;フェアリーナイト王国についてもようやく進展の兆しが来そうだし。
様々な伏線を残しつつもようやく終わらせましたが、実は桐明にはこれから先のお話で最重要のキーパーソンになる予定がありますのでその時をお楽しみに!とは言ってもかなり大掛かりなテーマであるお話になるかもしれないがな!






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