二次創作小説(紙ほか)
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その1) ( No.449 )
- 日時: 2025/05/12 17:08
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
第2話のラストでゼオ君が攫われた後の第3話!今回は初っ端から何気に彼がメインとなってます。
ププル「ゼオ!!ゼオォォォォォーーーーー!!!」
ゼオが拐われたのを見たププルは泣き叫んだのを見た蒸気クルークは彼女をなだめつつひかりのまちの方に向き直した!
蒸気クルーク「今泣いてる場合じゃない!とにかく彼を救出しに行こう!」
フィン「だが、ひかりのまちは貴族以外は立ち入り禁止にされていると聞いた。どうやって行くんだ?」
蒸気クルーク「ボクは仕事柄貴族連中からも絵を依頼されてるから多少なら許してもらえるかもしれないが、より的確な方法なら・・・!」
すると、夢幻カービィが乗るワープスター号が一同の前に降り立ってきた!
夢幻カービィ「乗って!ひかりのまちに行くんでしょ!」
ディルムッド「そうか、この世界の彼女は飛行機乗り。道が無理なら空からならば・・・!」
クルーク「すぐ助けに行こう!」
一同が乗ったワープスター号がひかりのまちに一っ飛びしたが、上を見上げたその門番が見つけたような顔をした!
メタナイト「おい見つかったぞ!」
蒸気クルーク「大丈夫、それは想定済み!目眩し用にボクが絵を描いたのを出して「その必要はない!」
すると、その門番にチビノブが落ちてきた!
門番A「ん?なんだ?」
チビノブ「ノブノブー!」
門番B「うわー!!なんだこいつらはあああああー!!」
大量のチビノブが門番に攻撃したことでひとまず門番の目を逸らすことができた。大量のチビノブ達を落としたカッツにノッブは褒める!
ノッブ「信勝!よく門番の目を逸らせてくれた!とりあえず助かったよね!」
カッツ「姉上・・・!だけど、姉上と違って何もない僕にはそれしか・・・」
クルーク「そんなことないよ。今だってカッツはボク達よりも早く門番の目を逸らさせてくれたんだし」
クルークに素直に褒められたカッツは思わず顔を赤くしながら目を逸らした!
カッツ「これは姉上のためであって、別にお前らのためにやったわけじゃない!」
エレナ「あ、そこは照れるのね」
蒸気クルーク「とにかく城に向かうぞ!カービィ!」
夢幻カービィ「りょうかーい!」
ワープスター号は目標地点のひかりのまちの中心にある城に向かって飛んだ・・・!
一方のひかりのまちの城では蒸気ツースト達に捕まったゼオは縄に縛られながら彼らに歩かされていた。
ゼオ「なぁ、これはもしかしてそういう趣味あったのか?」
騎士A「私語は慎め!あと、あのクルークといい言い方を考えろ!じゃないと、ツースト様に殺される!」
ゼオ(こいつら、このツーストを腫れ物のように扱ってるような言い方だな)
蒸気ツーストはそれを知って知らずかようやく着いた王の間のドアを開けた!
蒸気ツースト「王。連れてきました、この少年です」
王「うむ。ご苦労」
ゼオが目にしたのはよく見たら細かく違うが、姿はギガディスに似た雰囲気を持つ男が玉座に座っている姿だった。
ゼオ(ギガディスに似た雰囲気を持ってんな、この世界の王サマとやらは)
王「お初にお目にかかるぞ、チェリーワールドの魔導師。捕まえておいて早々なんだが、あの「クルーク」はどこに行ったんだ?共にいる、貴様と同じチェリーワールドのクルークだ」
王の問いにゼオは素知らぬような顔をしながら答える。
ゼオ「知らないな。全く持って全っ然知らねーよ」
騎士B「貴様、王に対して無礼な物言いを・・・!!」
王「良い。無礼な言動をされることは想定してある。それよりも聞きたいことがあってな」
王はゼオにあることを訊ねた。
王「貴様は剣士のキャスターの真名を知っていたな?あれが14世紀のフランスにおける聖処女、ジャンヌ・ダルクの副官であったことも。いや、〝元〟はだったか」
ゼオ「・・・」
王「真名看破は本来聖杯戦争においては希少とされるスキルだ。しかし、タブーに近い。真名を暴かれた上マホロアに撃破された剣士のキャスターの心情を最低限教えてやろう。作家のキャスター」
作家のキャスター「了解しました」
作家のキャスターが台本を書きながら話す。
作家のキャスター「チェリーワールドから吸い込まれた闇の魔導師、青髭の心情を教えましょう」
ーーーーーあの異邦の魔導師に自分の真名を暴かれたことはいい。だが、それよりもあの質問のことが気に掛かった。
私は「ジル・ド・レェ」の霊基を媒介にして召喚された青髭だ。故に私は綺麗な花嫁が欲しかっただけだ。私のために束縛されて従順でいてくれる、「綺麗」な女性の花嫁を。だからこそわからなかった。「ジャンヌ・ダルク」というのを知らないというのに。
・・・ああ、そうだ。「ジル・ド・レェ」はそれに対してそうだったのだ。だからこそ青髭として嫌悪した。だからこそ青髭として否定した。だからこそ青髭として壊した。
それが届くことはないと異邦の魔導師達も、あの医者のキャスターのマスターも、そして自分が密かに花嫁として攫おうとした魔女のキャスターのマスターもわかっている。だって、
この男にとっても、聖女はもう火の中から戻ることはないとわかっているのだから。
作家のキャスター「わかりましたか?青髭は花嫁を欲しがったのですよ。自分のために束縛される愚かで従順な花嫁を。そのためにあの魔女のキャスターのマスターであるリデルを襲ったのでしょうなぁ。まあクルークだけでなく、あなた達やマホロア陣営が来たことは彼としては想定外だと思いましたが」
ゼオ「その感じ、あんたもキャスターだな。その王サマがマスターか?」
作家のキャスター「おお、察しがいい。あなた達が紡ぐ物語はさぞハッピーエンドで終わったのでありましょうな。それに続編があったのですが、吾輩の感想からすればつまらない。悲劇を幾度となく直面しかけたというのに、あなた達はその度にそれを跳ね除け続けている。悲劇あってこそ「物語」は作られて紡ぎ」
すると、それを割って入るかのように王の杖が鳴らされた。
王「作家のキャスター、これ以上は慎め。流石の余も嫌悪する」
作家のキャスター「おお、これはこれは怖いことを」
王「ツースト。この者をクルーク達に対する人質として置く。牢に連れて行け」
蒸気ツースト「はい」
ゼオは蒸気ツーストに連れて行かれる形で王の間から退室させられた。
王「良いか。貴様の仕事はそれではない。あれを完成させるのを忘れるでないぞ」
作家のキャスター「わかっておりますぞ」
一方、ゼオは牢に連れて行かれる最中に蒸気ツーストから訊ねられた。
蒸気ツースト「聞きたいことはあるが、お前らの世界にも俺がいるんだな?どんな奴だ」
ゼオ「同じ顔でもあんたとは大分違うぜ。好戦的かつ一匹狼で口悪いけど、面倒見が良くて優しい。だけど、めちゃくちゃ好いてる恋人のことになるとかなり一途だけど色ボケだぜ。場合によってはその女よりも愛が重いんじゃないかと思ったぐらいだ」
ゼオからチェリーワールドの自分の話を聞いた蒸気ツーストは呟く。
蒸気ツースト「いわゆるふぬけってやつか」
ゼオ「正しくは恋愛に関してポンコツかもな・・・」
すると、蒸気ツーストはゼオの襟首を掴んでその首筋に剣元を突きつけた!
ゼオ「おうおう、こっちも血気盛んなことで」
蒸気ツースト「黙れ、俺はお前らの「ツースト」と違って人の不幸や泣き叫ぶ顔を見るのが大好きなんだ。それの方が格別に美味に感じるんでな」
それを聞いたゼオは息を吐きながら呟く。
ゼオ「ツーストの・・・ツーストの顔でそんなこと言うなよ・・・」
蒸気ツースト「その目障りな口を閉じろ」
その直後、壁がドカーンと壊されるような音が鳴った!ワープスター号だ!
ププル「ゼオ!助けに来たよー!!」
ゼオ「ププル・・・!お前らも・・・!」
すると、エレナがミニUFOを蒸気ツーストの方に飛ばした!
蒸気ツースト「っ!」
エレナ「これはエジソンの仇よ!」
エジソン「私は生きているがな!」
蒸気ツーストから解放されたゼオはその隙にワープスターに乗り込み、再び飛ぼうとした拍子で蒸気クルークが顔を出した!
蒸気ツースト「二度も愚弄するか、クルーク!」
蒸気クルーク「とりあえずうるせぇバーカ!で言う、そんなボクはチートな手段を取り入れるぞ!」
メタナイト「自分でチートって言えるのか;」
蒸気クルーク「今出ないでくれ!じゃーな、ツースト!恨むなら未熟な自分を恨みたまえー!」
ワープスター号が立ち去ったあと、蒸気ツーストは思わず壁を殴りつけた!
蒸気ツースト「チッ、今に見てろ・・・待て。さっきの奴はあの忌まわしい貴族メタナイトか?服が変わっていたが・・・」
一同が帰還した後のかぜのまちにある蒸気シェゾの住むアパートの一室ではカービィがゼオの首筋にある傷を見た!
カービィ「ゼオ君、その傷はどうしたの!?」
ゼオ「蒸気ツーストに剣を突きつけられただけだ。致命傷ではないから心配するな」
ププル「ダメだよ!ちゃんと回復させないと」
そんな中で医者のキャスターがププル達よりも早くゼオの首筋の傷を手当てした!
医者のキャスター「これで良いな。まだ完全に治るまでは時間がかかるから無理はするなよ」
ゼオ「そうか、あんた医者だったな。心配いらないと言ったのになんで?」
医者のキャスター「今のお前のように傷ついた人間を治すのが生前においても僕の目的だからだ。ただし、お前がもっと傷が多かったなら引っ提げてでも人間(サンプル)として面白いし役に立ったがな」
蒸気クルーク「医者のキャスター、人間と書いてサンプルは読まないよ;」
蒸気クルークはクルーク達の方に向き直した後に告げる。
蒸気クルーク「とりあえずゾォルケン陣営は撃破した。致命傷を与えたのがマホロア陣営だってことは多少気に障るけれど、それはいい結果だと思うことにしよう」
クルーク「うん」
蒸気クルーク「じゃあ、今日のところは身体を休んでね。おやすみ」
みんなが寝静まった後の夜、クルークは目が冴えていたのか水を飲みに行こうと歩いていた。
クルーク(眠れないんだよな・・・)
そんな中、クルークは玄関ドアが開けられていた隣の蒸気クルーク陣営が住む一室に入る。そこにはキャンバスに絵を描く蒸気クルークの姿があった。
クルーク(絵が好きなんだ。芸術の分野が違うけれど、まるでボクがピアノを弾くのが好きなように・・・)
すると、蒸気クルークはクルークに気付いた。
蒸気クルーク「なんだ。眠れないかい?」
クルーク「うん。絵はちゃんと描いてるんだね」
蒸気クルーク「そうだよ。たまに何枚も絵を描いちゃうけど」
蒸気クルークの手元にはコーヒーの入ったコップ。それを見たクルークは聞く。
クルーク「ねぇ、まさかこのかぜのまちにはデザートがないの?」
それを聞いた蒸気クルークはクルークの方を見た。
クルーク「あ・・・ごめん!この町のルールが何か知らないけど、そうなのかなって・・・」
蒸気クルーク「・・・いいよ。キミ達が疑問に思ってたことだろ?」
蒸気クルークはやるせない笑顔を話しながら呟く。
蒸気クルーク「そうだよ。このかぜのまちでは貴族以外はひかりのまちへの立ち入りだけでなくお菓子の持ち込みが許されてないんだ。カービィとかはたまに遠いところに出かけて甘いものを食べる一例があるけど、それをお土産に持って行こうとしたら入る前に門番に取り上げられてしまうんだ。ひかりのまちの貴族連中はいつでも食べれるんだけどさ」
クルーク「そんなのって・・・!」
蒸気クルーク「ああ、反論するんだね。だけど、言いたいことはわかる。キミ達のチェリーワールドではいつでも甘いものを食べれるんだね。これは嫌味というわけじゃない、ただ羨ましいだけだよ」
蒸気クルークの言葉を聞いたクルークは顔を上げながら彼に向かい合って話す。
クルーク「なら、ボクがこのかぜのまちにお菓子を持ってきてあげるよ。キミはチェリーワールドで食べてるかもしれないけど、かぜのまちの人達には幸せな気持ちになってほしいんだ」
蒸気クルーク「・・・ボクだってこんなこと言いたくないけど、それは無理だ。必ずかぜのまちの門番に取り上げられる」
クルーク「でも、何度だってやるよ!取り上げられても取り戻すさ!ボク達はそうなんだからね」
クルークの揺るぎない瞳を見た蒸気クルークは自らの小指を差し出す。
蒸気クルーク「じゃあ、やってみてよ。それは叶いもしないだろうけど」
クルーク「小指?」
蒸気クルーク「チェリーワールドで旅していた時、ノッブに教えてもらったんだ。約束していたけど、結果的に叶えれなかったけど」
クルーク「!叶えてやるよ。ゆびきりげんまーん」
クルークと蒸気クルークはその不可能に近い誓いを指切りげんまんで交わした・・・
蒸気クルーク「あ、そうそう。もう遅いかもしれないけど」
蒸気クルークは一枚の絵が描かれてある紙をクルークに渡した。
クルーク「これ・・・!」
蒸気クルーク「それはいつでもいい。キミを通して渡してやって」
クルーク「うん!任せたまえよ」
二人は満面の笑顔で笑い合う。それをドア越しから見た医者のキャスターは微かな笑顔を浮かべていた・・・。
医者のキャスター「・・・」
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その2) ( No.450 )
- 日時: 2025/05/12 17:10
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
その翌日、カービィは正体を隠して蒸気ルルーが営む食堂「ルルー亭」を手伝っていた。
蒸気ルルー「悪いわね、今日も手伝ってもらっちゃって」
カービィ「うん、いいよ。それにボクは結構楽しいしね(あのボクのフリして手伝っちゃってるけどバレてないしいっか」
一方、蒸気クルークの一室の郵便にある手紙が届けられていた。
蒸気クルーク「手紙かな?今日は寝不足なのに・・・どれどれ」
蒸気クルークがその手紙を読んだ後、もうすっかり慣れた様子で団らんと過ごしている一同がいる部屋のドアを開けた。
蒸気クルーク「おーい、猪突猛進のガールズ。呼ばれてるよ」
ププル「なんで?」
蒸気クルーク「なんかリデルが女子でお茶会したいって。アルルも連れて行くとはあったけど、どうせならキミ達も一緒にって」
メイヴ「あらー。女子会ってやつね!」
蒸気クルーク「ということで男子は支度を手伝ってね。もちろんボクやシェゾもやるから」
クー「はぁっ!?男子はその小間使いかよ!?」
蒸気クルーク「しょうがないだろ、キミ達の世界もそういうもんだろ;」
カーン「どこの世界も男と女は複雑なのだな・・・;」
蒸気クルーク「ところであのカービィは?」
メタナイト「今蒸気ルルーの店を手伝っている。結構気に入ってるのでな」
蒸気クルーク「あの人、グラマラスな美人だけど結構気が強い店主として有名なのによく許してもらえたね・・・;まあ、ボク達の世界のカービィは今日もデデデ社長と飛行機レースしてるから地と空じゃわからないけどね。それに今日のはいつもよりも白熱したレースなんだって」
クルーク「(夢幻カービィ、今日もデデデ社長と飛行機レースなんだな。しかも今日は大事な・・・)・・・」
一方、夢幻カービィはいつものように飛行機レースで夢幻デデデに勝っていた。彼女は今回で100連勝を達成したのだ。
夢幻カービィ「デデデ社長、大丈夫?怪我はない?」
夢幻デデデ「ふ、ふん!当たり前だわい!あのぐらいの墜落で怪我するオレ様ではない!」
夢幻カービィ「よかった〜、デデデ社長は墜落に慣れてるもんね。今回で20回目だっけ」
夢幻デデデ「17回目だ!間違えるなー!」
夢幻カービィ「それでパラシュートの使い方が上手いんだね。ボクなんて一度も墜落したことないから使い方がわからないんだ」
夢幻デデデ「オ、オレ様が負けたのは飛行機の整備がなってなかったからだ!ワドルディ、お前のせいだぞー!」
夢幻ワドルディ「えーっ!?デデデ社長が力任せにレバーを押すから・・・」
夢幻カービィ「そうだよ〜。それに言うならボクの方が飛行機の使い方が上手いんだってこと!」
夢幻デデデ「み、認めんぞ、そんなこと!今度こそお前に勝ってみせるからな〜!!」
今日のレースで100連勝を果たした夢幻カービィが帰路に着く中、彼女はふと空を見上げた。
夢幻カービィ「今日のこと彼にも伝えられるよね、きっと」
すると、夢幻カービィの上にクルークが顔を出した。
クルーク「聞いたよー。今日のレースで100連勝果たしたんだって?」
夢幻カービィ「チェリーワールドのクルーク君!」
クルーク「いや、クルーク君でいいよ。それは他のみんなには秘密にしておくようにあのボクに言われたんだろ?」
夢幻カービィ「あっ、そっか。今日はリデルが女子でお茶会してると聞いたけど、キミも手伝いしろって言われたよね。どうしたの?」
クルーク「ひとまず抜け出してきたんだ。多分後で怒られそうだけどね。はい、ボクからのお祝いのサンドイッチ」
夢幻カービィ「わーい!ありがと!」
クルークが持ってきたサンドイッチを二人で頬張る中、夢幻カービィが訊ねてきた。
夢幻カービィ「あのボクも自由なんだねー」
クルーク「キミも人のこと言えないだろ;だけど、根っこはちょっと脆い部分があるけれど・・・ボク達でもなんとかフォローしてるから大丈夫なんだけどね」
夢幻カービィ「やっぱりあのメタナイトがいるから?随分とあのボクに甘いけど、もしかして・・・」
クルーク「うん、ボク達の世界の二人は相思相愛の恋人だよ。キミはもしかして羨ましい?」
夢幻カービィ「そんなことないよー」
クルーク「じゃあ、キミは好きな人いたりしないのかい?」
それを訊ねられた夢幻カービィはその人物の姿が脳裏に浮かんだ。よくかぜのまちに来る貴族で、他の貴族にはない冒険心のある紳士で優しい人・・・。そしてその容貌は・・・。
夢幻カービィ「・・・好きな人、いるよ」
クルーク「えっ、ほんとかい?誰?」
夢幻カービィ「クルーク君v(にまっ」
クルーク「ちょっ、ちょっと!このボクをからかわないでくれたまえ!」
夢幻カービィ「ごめんごめん」
一方、蒸気クルークを含めた男子組はクルークが抜け出したことに気付いたが、そんな余裕すらもなく女子組のお茶会に奔走していた。
カッツ「このクソ忙しい時にどこに行ったんだー!!」
ディルムッド「今探す余裕はありません。今は手伝いに専念しましょう」
医者のキャスター「倒れたら治療してやる」
蒸気クルーク「じゃあキミも手伝え!」
一方の女子組はそんな有り様を見て流石に罰が悪そうな顔をした。
ノッブ「やはり大変なことになってるようじゃな;」
蒸気リデル「あとで蒸気クルークさん達も招きますか・・・;」
蒸気アルル「そうしようか;」
すると、蒸気アルルの方に紅茶が置かれた。それを運んでくれたのは蒸気シェゾだ。
蒸気シェゾ「よう、久しぶり。私がない歌手活動を頑張ってるかー?」
蒸気アルル「キミこそ。まだ懲りずにサーヴァント召喚しようとしてるんだね。何度も失敗してるのに」
蒸気シェゾ「なんだとこらー!」
その様子を見たメイヴは蒸気リデルに耳打ちする。
メイヴ(ねえ。あの二人、ひょっとして・・・)
蒸気リデル(ええ、好き同士ですよ。ただお互いに素直になれないだけなのですが・・・)
エレナ(ああ、照れてるからってやつね)
続いてナーサリーも蒸気リデルに耳打ちした。
ナーサリー(ねえ、あの魔女の人は?今日は一緒じゃないのね)
蒸気リデル(はい、私が誘おうと思った矢先勝手にいなくなっちゃって・・・また何かやらかさないといいのですが)
一方、ひかりのまちにある「メタナイト」の屋敷ではその執事が淹れてくれた紅茶でお茶会を楽しむリップ達の姿があった。
リップ「あの執事さん、口うるさいけど紅茶は美味しいんだね」
メタナイト?「すまないな、彼には私からも言っておく」
チャラ王「いや、いい。俺達はいつものことだしあんたが謝ることはないさ!(あれから様子を見てるが、メタナイトさんの方は・・・」
トリスタン(ええ。まだ記憶は戻っていません)
メルト(それに変装してまで蒸気聖杯戦争に関するものやあの三角ダイヤの情報を他の貴族達に聞き回ったけど、どこも素知らぬ顔をしていたわよ・・・)
リップは密かにトリスタンとメルトに蒸気聖杯戦争や城の前にある三角ダイヤについての情報を他の貴族達に聞き回ったが、どこも素知らぬ顔をするかはぐらかしたりで大した情報を得られていなかった。やはり「メタナイト」が持つ冒険心は贅沢三昧を当たり前とするような他の貴族には持っていないのだろう。
ルート(まあ大丈夫だ。明日はあのメタナイトに頼んで・・・)
おぼろ(モイモイ)「ん?なんなのあれは」
すると、空から飛んできたのは一人浮遊している魔女のキャスターの姿があった!
魔女のキャスター「やあ。久しぶりだねー」
メタナイト?「貴様は魔女のキャスター・・・!」
トリスタン(キャスター・・・つまり、あのレディはサーヴァント!)
魔女のキャスター「あの医者のキャスターとそのマスターが帰って来てるんだ。なんか連れ込んでる様子だったけど・・・」
すると、魔女のキャスターがリップ達を見てショックを受けた!
魔女のキャスター「こっちのは男二人が複数の女を侍らせてるのか!?しかもそのうちの二人はサーヴァントじゃないか!」
リップ「え?」
チャラ王「ち、ちげーし!」
トリスタン(こっちの?今彼女は何を言って・・・)
魔女のキャスター「まずは眠そうなお前からピグレットに変えてやる!くらえー!」
トリスタン「あ、しまっ「トリスタン、危ねぇ!」
チャラ王がトリスタンを庇ったことで事なきを得たが、代わりに彼がガングロな豚の姿になってしまった!
チャラ王「ブヒィー!!?(訳:なんじゃこりゃぁぁぁぁぁーーーーー!!?」
リップ「ちー君!?豚になっちゃってる!」
ルート「あはは、まあ可愛いではないか」
トリスタン「可愛い豚ならここにいます。その名も居眠り豚という・・・」
おぼろ(モイモイ)「なんで自分のこと豚って言えるのよ;」
メタナイト?「おい。今回のことお前のマスターに話すぞ」
「メタナイト」に告げられた魔女のキャスターは思わず慌てながら口を開く!
魔女のキャスター「し、知らないね!それにこいつもだろ!恨むなら間違った蜜月を過ごしていた自分達を恨め!」
メタナイト?「あっ、待て!」
メルト「追いかけるわよ!」
魔女のキャスターを追うために事前に「メタナイト」は自分の愛車を出した!
リップ「自分の愛車を持ってるんだねー」
メタナイト?「全員乗ったようだな。行くぞ」
すると、「メタナイト」が運転する愛車が初っ端から爆走レベルのスピードを出していた!
リップ「わぁぁぁぁぁぁーーーーー!!?ちょっとちょっとスピード出しすぎー!!」
チャラ王「ブヒィィィィィー!!!」
ルート「おい!スピード下がれ!!」
メタナイト?「・・・(運転モードに入ってる」
トリスタン「ダメです聞いてませんOTL」
メルト「私の脚に傷付いたら蹴り飛ばすわよ!」
おぼろ(モイモイ)「今は我慢してあげてよ;」
爆走レベルの猛スピードにリップ達は思わず慌てたり落ちそうになっていた。「メタナイト」はそんな様子には目もくれずに運転に集中していた。
そんな愛車が行先は、魔女のキャスターが逃げた地区にあるかぜのまち。
ちなみに夢幻の歯車の小説でのメタ様のスピード狂は公式(ぇ)
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その3) ( No.451 )
- 日時: 2025/05/12 17:13
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
一方、かぜのまちの蒸気リデル達のいるお茶会ではようやく男子組も参加を許されてそれを楽しんでいた。
蒸気クルーク「あー、一服一服」
クー「手伝いを抜け出したクルークにはあとで笑わねーといけねーなぁ!」
ププル「それはやめたげてよ;」
そんな会話が繰り広げる最中に魔女のキャスターがお茶会に入って飛んで来ていた!
魔女のキャスター「マスター、ただいま!お茶会を楽しんでるようだね」
蒸気リデル「その呼び方はあまりしないで下さい;それと慌てた様子でしたが、どこに行ってたんですか?」
魔女のキャスター「(ギクッ;)それはちょっとした散策さ;」
ゼオ「怪しいな。ちょっと話を聞かせてーーーーー」
その直後、ゼオは自分の杖を取り出した!
ゼオ「お前ら少し頭を下げろ!飛んでくる!」
エレナ「えっ!?」
ゼオは魔法を使って飛んできた何かを打ち砕いた!飛んできたのは一つの氷だ。
ノッブ「氷!?ということは・・・」
カッツ「あの皇女のキャスターです・・・!」
大半の全員の予想通り、皇女のキャスターが一同の前に現れた。しかし、彼女の顔には覇気がなく、様子がおかしかった。
皇女のキャスター「あ・・・ああ・・・」
メイヴ「やっぱり現れたけど・・・なんか様子が変ね」
その様子を見た蒸気クルークは思わず彼女の横やその後ろを見渡した。
蒸気クルーク「ねぇ。キミのマスターのマホロアはどうしたんだ?」
???「光となって消えた。何者かに斬られたからな」
皇女のキャスターの後ろから現れたのは姿がププルやゼオ達魔導師も知るものに変わっていたが、あの時の夢幻マホロアのトドメに消えたはずの・・・!
蒸気クルーク「ゾォルケン・・・お前、随分と老けた姿に変わったか・・・!」
一方、何かの気配を感じたクルークはその方向を見渡した。
クルーク「今・・・夢幻カービィ、悪いけどボクは帰るね」
夢幻カービィ「どうしたの?」
クルーク「今帰らないとみんなが危ない気がする・・・!」
夢幻カービィ「そうなの?それならボクのワープスター号で送るよ」
クルーク「ありがとう。あと、もう一人のキミも乗せてやってくれるかい?」
夢幻カービィ「うん!」
一方、カービィは蒸気ルルーからまかないのオムライスを食べていた。
カービィ「美味し〜v」
蒸気ルルー「今日も頑張ってくれたお礼よ。あなたがうちの店を手伝うようになってからお客さんがいつもよりも来ちゃってたから。アルルは今日はリデルがやるお茶会に行っちゃったけど。シェゾがその手伝いに参加すると聞いたからかしらね。全くじれったいんだから」
カービィ(あ、こっちのもあんまり変わらないんだ)
その直後にカービィのスマホに電話のブザーが鳴った。彼女はそれに応じる。
カービィ「はーい」
クルーク「カービィ、ごめん!今緊急事態だ、すぐ戻って来て!いや、市街地の郊外で停めてあるからそこに向かいたまえ!」
カービィ「う、うん!わかった!(電話を切る)ルルー、ごめんね!今日は引き上げるから!」
蒸気ルルー「あっ、ちょっと!」
カービィが市街地の外に走ったら、ワープスター号が停まってあった!
クルーク「来たか!乗って!」
カービィ「うん!」
夢幻カービィ「じゃ、しゅっぱーつ!」
ワープスター号は蒸気クルーク達のいるところに飛びながら向かった!
一方、老人(Fate/Accel Zero Orderに登場した時の姿)の姿となって蘇ったゾォルケンの行動や言葉に絶句していた。
蒸気クルーク「あんた、いつのまに生き返ったんだ!?それよりもマホロアが消えたって・・・!!」
ゾォルケン「わしが消える直前に奴に蟲の一匹を忍ばせておいた。おかげで再生しそこのキャスターのマスター権を奪えた。いや、再生にも生き返りも似たようなものか・・・」
エジソン「では彼女の顔に覇気がなくなったというのも・・・!」
ゾォルケン「わしが身体中に蟲を埋め込んだからじゃ。そうだ、面白いものを見せてやろう。きっと貴様らにとっていい見物になるものだ、とんと見れ」
魔女のキャスター「面白いもの?」
すると、現れたのはマホロアの部下である大量の夢幻ネスパー達だった!その顔には皇女のキャスターと同様に覇気をなくしており、なぜか音がチリチリと聞こえていた。
メタナイト「大量の夢幻ネスパー達・・・何をする気だ・・・!」
夢幻ネスパー「・・・」
ゼオ(あのネスパーは・・・俺がリボンをあげた・・・)
それと同じタイミングで皇女のキャスターがヴィイを使ってある氷を吹こうとした・・・
皇女のキャスター「あ・・・あ・・・」
ーーーーー私がこの地に呼ばれた時、マスターであるマホロアはなぜか私の意思を待っていた。
自分の目的のためなら私の意思を待つ・・・それさえも彼には目的の一環として行動していた。
・・・いいえ、違う。彼は最初から私の従順な態度に思うところがあった。「お前は、本当はその性格じゃない」と気付いていたのだ。
そうよ。私はあのロシアで起こった二月革命の時に家族や召使諸共処刑された皇女。本来ヴィイとの契約を果たす前に死んだ者。
真名、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。
アナスタシア「あ・・・ああ・・・」
英霊へと昇華する際、私に補完したヴィイが今では私と同様あの男の傀儡として氷を吹こうとしている。あのネスパー達の中に埋め込まれた蟲を爆発させる起動を押すための氷を。
アナスタシア「やめて・・・やめて・・・」
やめてやめてやめて。お願いだから。ねぇ。
呼ばれた時からずっとずっと、ぼんやりながらも私の頭の中に浮かぶ「誰なのかわからないあの人」にも傷を残したくないのーーーーー
アナスタシア「やめてぇぇぇぇぇーーーーー!!!」
アナスタシアの叫びもむなしく起動されたネスパー達が爆散した。もちろんゼオがプレゼントしたリボンを着けていた夢幻ネスパーも・・・
ゼオ「・・・」
その無惨な姿を見た一同は唖然となった・・・。
ププル「夢幻ネスパー達が・・・酷すぎる・・・!!」
ディルムッド「貴様・・・!!」
ゾォルケン「どうして怒りを抱く?よかったではないか、敵だったマスターの部下さえも消えてくれて「ダンッ」
その直後、ゾォルケンの横に放たれた魔力球があった。放ったのは自分があの夢幻ネスパーにリボンをプレゼントした、もう一人の闇の魔導師・・・!
ゼオ「悪いな。流石に本気で潰すと思ったぞ」
ゼオは持っている自分の杖を黒く光らせた!
ゼオ「じゃあ、今度は貴様が死ね!俺の手で、殺してやる!」
一方、空からではクルークがゼオの魔力を感じ取った!
クルーク「いる!この場所だ!」
夢幻カービィ「オッケー、そこから飛びながら降りて!キミ達ならできるはずだ!」
カービィ「うん!」
ワープスター号から飛んで着地したクルークとカービィがようやく蒸気クルーク達のところに駆けつけた!
メイヴ「クルーク!」
クルーク「みんな遅くなってごめん!ゼオの魔力を感じたから辿り着いた!今ゼオが戦ってくれてるんだね!」
クー「それが・・・」
クルークとカービィは彼らから話を聞いて絶句した。
カービィ「ウソ・・・!!」
クルーク「じゃあ、それで激怒したゼオが強大な魔法を放ち続けて・・・!?」
エレナ「ええ。私とエジソンは後方支援からしかできないけど、このままだとゼオが魔力を尽きて・・・」
自分の魔力を全開放させたゼオがゾォルケンに攻撃しようとした瞬間、アナスタシアのヴィイの氷に阻まれた!
ゼオ「貴様ぁ・・・!!」
一方、いまだに爆速のスピードを出し続ける「メタナイト」の愛車ではリップ達がもう限界に近づてきていた。
リップ「もうだめだぁ〜;吐いちゃうOTL」
トリスタン「私も座に帰りそうに・・・む?」
すると、トリスタンは向こうで戦っている様子のゼオを見かけた!
トリスタン「ゼオ殿!?」
メタナイト?「?彼はもしやキミ達の仲間か?」
ルート「ああ。悪いが、彼がいるところに目的地を変えてくれ!」
メタナイト?「わかった。振り落とされるなよ」
一方、ゼオが魔力もそろそろ限界に近づいてきていた。
ププル「ゼオ・・・!!」
蒸気クルーク「このタイミングでゾォルケンに攻撃しなきゃまずい。まずは皇女のキャスターを足止めなくちゃ・・・!!」
医者のキャスター「足止めっていっても、僕のスキルだと少しの時間しか作れないのだがな・・・」
その直後、ポロロンと音が鳴ったタイミングでアナスタシアを弦で縛りつけた!それを見た一同にトリスタンの声が聞こえた。
トリスタン「何があったのか知りませんが、ゼオ殿!あの者に攻撃を放ちなさい!」
その言葉を聞いたゼオは自分の攻撃力を最大限にまで増幅させ、そして・・・
ゼオ「ダークネスフレアァァァァァー!!!」
ゼオが放った限界にまで増幅させた攻撃力を放つ闇魔法によりゾォルケンは包み込まれていった・・・
ゾォルケン「蟲一匹まで残さず攻撃するとはバカな・・・フ、ユスティーツァよ、この世界のわしでも我が宿願は果たせぬというのか・・・」
ゾォルケンはそれを悟ったかのように気味の悪い笑みを浮かべた・・・
その直後、「メタナイト」の愛車がようやく止まった。かぜのまちにいた仲間達の前に・・・
トリスタン「お待たせしました。あなた方の黄昏の救いの騎士トリスタンです・・・」
クルーク「長い長い!でも、無事だったんだ!」
リップ「うん、メタナイトさんに助けられて・・・って、ええっ!!?メタナイトさん!?」
メタナイト「なんだ一体;」
蒸気クルーク「あ」
すると、蒸気クルークは「メタナイト」のところに駆け寄った。
蒸気クルーク「メタナイト、キミがこの人達を助けてくれたのか!」
メタナイト?「ああ。なぜか私を見知った誰かだと勘違いしていたようだがな・・・」
メイヴ「え?どういうこと?」
蒸気クルークは「メタナイト」について話す。
蒸気クルーク「この人はこの世界の貴族のメタナイトだ。キミ達はこのメタナイトに助けられてたんだよ」
リップ「じゃあ、恋人のカービィちゃんにメロメロなメタナイトさんは・・・」
ルート「カービィ関連のことになるとはっちゃけたり・・・」
メルト「カービィを狙う奴らには情け容赦なくて特にセイバー組から恐れられるようなオーラとか・・・」
おぼろ(モイモイ)「いつも王ドラやゼオ達にちょっかいかけられる度にギャラクシア持ちながら探し回るような魔王みたいな品格とか・・・」
トリスタン「カービィに何かあったら殺人鬼と化す恐れがなくなったわけではないのですか・・・」
リップ「よかったー!!」
リップ達にボロクソ言われたメタナイトは自分のギャラクシアを構えた!
メタナイト「貴様ら・・・」
クー「げぇーっ!!切れやがった!!」
そんな光景を目にした夢幻メタナイトは蒸気クルークに訊ねた。
夢幻メタナイト「彼らは・・・」
蒸気クルーク「ああ、キミが助けた人達の仲間だ。ボクが助けたんだ。まさかチェリーワールドのキミがいるなんて驚きだけどね」
夢幻メタナイト「そうか。あの私はこの私とは随分と違うようだな。それに彼らが言っていた・・・」
蒸気クルーク「うん。あのメタナイトはあのカービィとは恋人だ」
それを聞いた夢幻メタナイトは思わず目を見開いた。
蒸気クルーク「・・・羨ましいのかい?それはそうだな、だってキミはカービィのことを・・・」
夢幻メタナイト「言うな。決して私が口にしてはいけない想いだ・・・」
蒸気クルーク「・・・」
すると、アナスタシアの方もようやくゾォルケンの蟲による呪縛から解放された。彼女は微かな声で言う。
アナスタシア「・・・ありがとう。あなた達のおかげであの男から解放されたわ」
ゼオ「いや、いい。俺が許せなかったのはあのネスパーを爆散させたあの男だからな・・・」
蒸気クルーク「皇女のキャスター。キミに聞きたいことがあるんだけど」
アナスタシア「真名は教えてあげるわ。アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」
ルート「20世紀におけるロシアの皇女・・・」
蒸気クルーク「じゃあ、アナスタシア。あの時にマホロアを斬った奴の顔は見なかったかい?」
蒸気クルークの問いにアナスタシアは首を横に振った。
アナスタシア「見てないわ。姿がなかったのよ。私のヴィイも感知できなかったほどにね」
蒸気クルーク「そうか・・・」
アナスタシア「なんだかんだで彼を気にかけてくれるのね。それにあなた達の仲間にはさっきの彼女達みたいにちょっかいかけたかったわ」
アナスタシアが悪戯っぽく笑う表情に蒸気クルークは気付いた。
蒸気クルーク「マホロアはそれをずっと見たかったんだ。いいね、キミらしい表情(かお)だよ」
蒸気クルークに言われたアナスタシアはその笑みを浮かべながら消滅した・・・。
ゼオ「消えちまったか・・・ところで」
ゼオはリップがずっと抱えているものについて訊く。
ゼオ「リップ、このガングロな豚は誰だ?」
リップ「ちー君。あの杖持ってるキャスターに豚にされちゃったんだよ;」
チャラ王「ブヒ・・・;」
クルーク「あははは!可愛いじゃんチャラ王!」
蒸気リデル「つか、ほんとですかそれ!」
魔女のキャスターがチャラ王を豚に変えたことを知った蒸気リデルは彼女の方に向かい直した!
蒸気リデル「すぐに戻して下さい!2回もやらかしたんです!」
魔女のキャスター「えぇ〜・・・;わ、わかった。さっきはあの魔導師の手助けしてくれてたしな・・・」
魔女のキャスターが残っていた解除薬を飲ませたことによりチャラ王はガングロな豚から元の姿に戻った!
チャラ王「はー;もう豚になるのはゴリゴリだぜ・・・;」
メルト「ねぇ、2回って言ったわね?それが事実なら前に豚になったのは誰なのかしら?」
ノッブ「この仮面(メタナイトに指差す」
メタナイト「おい!!」
トリスタン「魔女のキャスターの方、もう一度この仮面を豚にしてもらえないでしょ「もうダメ!」(´∨ω∨`)」
すると、ププルは何かに気付いた。
ププル「そういえば、アルルさんは?」
蒸気シェゾ「アルルならいつのまにか逃げ切れたようだな。まああんな惨状から逃げたのはいいんだがな」
エレナ「そう・・・」
一方、蒸気アルルは霊体化を解いた機関のキャスターに駆け寄った。
- 第3話:決して叶いもしないだろうけど、(その4) ( No.452 )
- 日時: 2025/05/12 17:15
- 名前: 桜 (ID: eR9v1L6x)
蒸気アルル「いつのまにか避難させてくれてありがとう。おかげであの子達にはボクがキミのマスターだって知られなくて済んだよ」
機関のキャスター「マスターがそういう命令であったからな。故に誰にも知られずにやり抜けている」
蒸気アルルはある事情から蒸気聖杯戦争にはマスターの中でも一際消極的であり、機関のキャスターもその上で霊体化をしてまで過ごしていたのだ。それはいい、だけれど・・・
すると、とある人物の声があった。蒸気リデルだ。
蒸気リデル「アルルさーん」
蒸気アルル「リデル?(ごめんね、また霊体化してくれないかな?」
蒸気アルルの命により機関のキャスターが再度霊体化した後、蒸気リデルが駆け寄ってきた。
蒸気リデル「ごめんなさい、お茶会が台無しになっちゃって・・・」
蒸気アルル「ううん、いいよ。それよりもクルークやあの子達は?」
蒸気リデル「あの子達なら無事です。クルークさんも」
蒸気アルル「それならよかった!」
蒸気リデル「アルルさんも無事に逃げ切れてよかったです。あんな惨状を見たらびっくりするなと思うので」
蒸気リデルの悪意のない発言に蒸気アルルは一瞬だけギクついた。
蒸気リデル「でも、クルークさんやあの子達はあんな惨状を見ても動じなかったんです。中には一人だけ怒ってくれた人もいたから・・・おそらくここに来る前に何かあったと思いますが、私達にはない度胸はある方々だと思います。あ、アルルさんのことを悪く言ってる場合じゃないですから。ではまた明日」
蒸気アルル「うん。また明日!」
蒸気リデルと別れた後、蒸気アルルは少しだけ罪悪感を覚えていた。
蒸気アルル(ごめん、リデル。ボクは自分が契約したサーヴァントを使って逃げたんだ)
その数分後、蒸気リデルの住むアパートでは魔女のキャスターが出迎えてくれた。
魔女のキャスター「おかえり、マスター!今日は罰当番も兼ねて私が作った麦粥だよ」
蒸気リデル「ごめんなさい、魔女のキャスター。それはあとで食べますね。今から寝ますので」
ある時期からマスターの蒸気リデルの足がおぼつかなくなってきていた。それを見抜いた魔女のキャスターは麦粥の入っである鍋の取手を握りしめた・・・
魔女のキャスター(今は誰も察されてないけど確実にマスターの身体が弱くなってきてる。本人は治療を望まないと言っていたけれど・・・)
ならば、世界を転移してでも私がキミを助けるのがいいだろうか。
夜のひかりのまちの夢幻メタナイトの屋敷では門番に見つからないよう変装していた蒸気クルークと医者のキャスターが訪ねに来ていた。
蒸気クルーク「こんばんはー」
夢幻メタナイト「わざわざ変装してまで訪ねることか?」
医者のキャスター「すまないな、あの執事はどうしても苦手なのでな。あんな口うるさいのに捕まったら堪えられん」
蒸気クルークと医者のキャスターが座ったあと、夢幻メタナイトは開口一番で訊ねる。
夢幻メタナイト「で、そろそろ圧迫した状況だと?」
蒸気クルーク「あの子達からも話を聞いたんだね。うん、とうとうメモフィアがチェリーワールドを吸い込み始めた。もうなんとかしないといけない」
夢幻メタナイト「そうか、キミ達の目的はこの蒸気聖杯戦争の破壊。ならば、その原因とされる聖杯を入手しないといけないのだが「その役目は俺にやらせてもらうぜ」
すると、現れたのは赤いシルクハットとマントを覆った姿で不敵に笑う人物。そう、かぜのまちにあるカフェの店長の姿から変身した夢幻ドロッチェだ。
夢幻メタナイト「ドロッチェ、キミのは聖杯の「入手」ではなく「盗み」だろう?それをやったら間違いなくキミが疑われることになる」
夢幻ドロッチェ「構わねーぞ。俺はひかりのまちで悪い貴族から宝を盗み出してる大盗賊だからな」
蒸気クルーク「キミのは義賊なんだろうけど。じゃあ、お願いするね」
夢幻ドロッチェ「おうよ。タイミングが来たらいつでも言ってくれ」
夢幻ドロッチェが出て行ったあと、蒸気クルークと医者のキャスターが立ち上がった。
蒸気クルーク「それじゃあボク達も帰るね。あの子達の様子を見なきゃいけないし」
夢幻メタナイト「ああ、気をつけて」
二人が帰った後、夢幻メタナイトも出かけようとしていた。
夢幻バル「おや旦那様、こんな夜中にお出かけですか?」
夢幻メタナイト「すぐに戻るから心配するな」
夢幻バル「ようやく例の騒がしい奴らがお帰りになったと思いましたが・・・何卒お気をつけて」
かぜのまちに来た夢幻メタナイトは誰かと待ち合わせしていた。待ち合わせの場所のベンチで待っていたのは夢幻カービィだ。
夢幻カービィ「あ。メタナイト、久しぶり!」
夢幻メタナイト「カービィ。聞いたぞ、またひかりのまちの門番の奴らを撒いたんだってな」
夢幻カービィ「うん。もしかしてイヤだった・・・?」
夢幻メタナイト「問題ない。キミが無事なら何も言わない」
夢幻カービィ「ホント?いつもありがとう」
夢幻メタナイト「ところでサンドイッチを用意したのだが」
夢幻カービィ「わぁ!美味しそー!」
夢幻メタナイトは仮面からでは表情がわからないが、自分が持ってきたサンドイッチを頬張る夢幻カービィを微笑ましそうな様子で見ていた。その瞳はまるで恋心を抱いている相手を見るかのような・・・
夢幻メタナイト(カービィ。私はキミが無事ならば何もいらないのだ。だから、私の想いをキミに告げなくていい・・・)
一方のかぜのまちの蒸気シェゾが住むアパートでは・・・
ププル「ゼオ。今回はキミの大金星だし、リップちゃん達とも合流したから、キミのサーヴァント達のためにももう少し魔力の使い方を考えようね?あ、蒸気クルーク達がもうすぐ帰って来るから」
ゼオ「悪かった・・・;(魔力を大分消費し切ったのか寝込んでる&ププルにスープを飲ませている」
続く・・・
感想OK