二次創作小説(紙ほか)
- 時の輝きよ(その1) ( No.45 )
- 日時: 2023/04/13 23:46
- 名前: 桜 (ID: BmxuFWGD)
今回からいよいよあの太陽の騎士との再戦による長編ストーリーが開幕!話の構成からしてかなり長くなるかならないかはわからない(震え声)
とりあえず序盤だけでももうね・・・;
ーーーーあの者達は以前にもチェリーワールドでの大きな事件を解決し続けているという。
数多の試練やそれによるいざござ、悲しみや苦しみがある道の中で、その解決を三つもやり遂げたのだ。我らの存在を知る前に。
まずは一。月の巫女と闇の巫女をめぐる国がらみの事件。闇の巫女が愛した月の巫女を蘇らせようとしたのだが、問題は月の巫女だ。既に死んでいる彼女とは実は既に会っているが、亡くなった後に月の巫女の力を有して転生したのはそれに関する凡例により生前の記憶はない、彼女と同じくウサギの耳が生えた幼い少女だった。
まるで私の愛する主である少女そのものだ。似てるなんてものじゃない、今もなお呪いにより眠り続けている少女と同じような末路に辿り着きそうで恐れた。
次に二。現在の四勇者と犯罪組織ペールノエルをめぐる冒険と陰謀による事件。この前に出くわしたキャスターのサーヴァント二人を連れた、あの闇の魔導師が四勇者の一人だったことには少し驚いたが、その冒険譚を見るうちにどこか高揚感を覚えた。
闇の流星という厄災を四勇者やその仲間達が払い除けた。あれは大厄災だったというのに、消滅までの鍵を掴めたことが稀に見ない偉業であったのだ。
最後に三。天使族の血を引く少女やその仲間達が犯罪組織ブタのヒヅメとの激突による事件。その過程で天界の階級制度を改めるに至ったのは大層に興味を惹かれた。
まさか天使族の厄災がその少女に取り憑いていたことを知って驚愕はしているが、ブタのヒヅメの目的はとある一家への復讐とは、吸骨鬼集団も珠黄泉族もそれと同じようなことを言っていた。まさかそれと同一の一家だろうか。一体どんな一家なのか機会があればこの目で確かめてみたいものだ。
しかし、一番気になる部分はあった。二からのあの三人のサーヴァントを連れた、メガネをかけたあのマスターの少年だった。良くも悪くもあの中では普通だ。しかし、日向影にもいろんな者にその背中を押して、なんだかんだで誰にでも分け隔てなく接して、水面下で支え続けた。
そのマスターを、私は欲しがった。その内にある輝きは、私の眠り続けているマスターであるホイップの呪いが解けるかもしれない。
「もしもあの人がいてくれたら、ホイップの呪いが解けるかもしれない」と。
ガウェイン「ーーーーーだから、必ずあの場から奪還する。たとえどんな手を使ってでも、泣き喚こうとも貴方をそこから引き離す。ホイップの呪いが解ける鍵となるのなら」
とある日のスマブラ屋敷。いつもの仲間達と共に遊びに来ていたエージェントはカービィが作ってくれたマフィンを食べながら言う。
エージェント「夢!?」
ルキナ「そうですよっ。まあ私達も世界を救ったとはいえまだまだ志半ばですけどね。エージェントさん達からも聞きたいと思って」
エージェント「うーん、スパイとして大成する夢は自分の力で叶いたいと思うし・・・ヒーローになりたいとも今は思ってるけど。小さい頃にTVで見てた優しくて強い、スーパーヒーローみたいに・・・」
ルキナ「確かにスパイの人にはありがちな志望動機ですね」
アイク「まあきっかけはそんなものだ(大好物の肉を食ってる」
カムラ「エージェントは失敗ばかりのドジでもちゃんとヒーローのようだけどね」
エージェント「やめろその間接的な腫れ物を触るみたいに!!(大汗)おい、お前は・・・(アレクやアストルフォは自信満々に答えそうだけど、サンソンのは・・・」
すると、サンソンがどこか悲しみを帯びたかのような顔をしていた。エージェントはそれを見て驚いてしまう。
エージェント(えっ)
サンソン「僕、子供組の様子を見に行ってきますね」
アストルフォ「シャルル!?」
アレク「あ、僕も行くよ」
エージェント「待て!サンソン!そんな歩を速めるな!サンソ〜ン!!」
エージェント達が部屋を出て行った後にルキナは少し疑問に思った。
ルキナ「今エージェントさん、サクソンさんのこと「サンソン」って言わなかったですか?」
カムラ「さあ?」
アイク「空耳だろう」
エージェントはサンソンを呼び止めるために彼を真名で呼びながら追っていた。
エージェント「待てっサンソン!違うんだー!!」
サンソン「待ちますから!スマブラ屋敷内で僕の真名を呼ばないで下さい;」
エージェント「あっ、ごめん;さっきの発言は気にすんなよ!その・・・嫌がらせのつもりで言ったわけじゃないから!」
サンソン「怒ってませんよ。ただ僕の生前を少し思い出してしまっただけです。僕には少し眩しかっただけで・・・」
シャルル=アンリ・サンソン。18世紀末〜19世紀初めにかけてのムッシュ・ド・パリでありサンソン家の四代目。医者としても活動していた彼はやがて処刑の際に痛みをなくせるように処刑具のギロチンを開発したのだが、皮肉にもそれがフランス革命で当時のフランス王家や関連する貴族などの人物を多く処刑するために使われてしまった処刑人。彼の人生はその大半が幼少期を含めても差別と侮蔑で彩られている。だから聖杯に関する願いはあっても声高らかに言えないのだ。
アストルフォ「シャルルだって言っていいのになー」
アレク「実際よく働いてくれてるしここの人達からも冷たい印象に見えるだけで根はいい人だと思われてるし」
サンソン「そうかい。・・・ごめんね」
エージェントだってわかっている。なんだかんだでサンソンがサーヴァントの身であっても「人」として振る舞う人物であり、一歩引いた位置でちゃんと見てくれていることも。でも、たまには甘えたり弱音を吐いたりもしてほしい。たとえいつか別れなければならない時が来るとしても少しでもここで過ごして楽しかったと思ってくれるように。
キッド「あー!ちくしょー!!王ドラの奴ー!!!」
一方のアメリカ西部時代での自分の家。キッドは何やら腹が立っていたようだ。以蔵のことに関して王ドラと激しい口喧嘩したからだ。
キッド「以蔵の奴があのへちゃむくれと親しげに話してたら「以蔵さんは確かに博打好きで酒好きでもそんなNTRする人じゃありませんよ」とか庇ってたからオレも言い返してやったら殴ってくるし、しかもあいつの賭博のツケを返すのも目的の一つとして前から勝ちすぎて出禁にされたカジノ店を前よりも増やしただけじゃなく、そこにリップんとこのトリ野郎が付いてきたのをほっときやがった!!それでドラミにも「大人気ない」とか言われて喧嘩しちまうし・・・OTL」
キッドは思わずため息を吐いてしまい、椅子にギッと座る。ちなみにさっきのは以蔵さんが今度王ドラにチャーハンを作るから何かバリエーションがないかドラミちゃんに相談していただけです。
キッド「前まではかなり嫌ってたくせに最近なんか軟化してきてるし、あの禍いの種の件で何があったんだよ・・・」
すると、キッドはとある本を目にした。自分の本棚でもあまり見たことないような代物だ。
キッド「なんだこれ?〝武器生成の錬金術〟?〝この錬金術が成功したらアナタは相手を懲らしめるだけの武器が作れます〟〜?きな臭いだろ誰がそんなのに・・・(王ドラに少しだけ日頃の鬱憤による仕返しできればいいかな・・・」
キッドはその材料を集めてその魔法陣を描いた。材料は身近なものばかりであったためにもうすぐ使い切れそうな文房具などのものなら問題なかったようだ。
キッド「これで武器生成するなら問題ねーかな;呪文だ!なるべく王ドラをできれば懲らしめるようなオレの空気砲のシステムを含めたやつだ!〝鐘を鳴らす小鳥、千年の森の唄、鏡の中のわたし、あなたは誰?〟・・・」
キッドはその呪文を放って魔法陣が光ったが、光っただけで何も起こらなかった。
キッド「なんでい、何も起こらなかったじゃねーか!!やっぱりあれはきな臭いやつか・・・」
すると、突然キッドの頭に激痛が走った!キッドはその痛さに思わず頭を抱えた。
キッド「あっ、ぐ・・・!!なんだ何かが、オレの・・・!!!うわあああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」
その数分後。気付いたらキッドはどこかに失踪していた。床にあったのは彼が行ったその武器生成の錬金術に関しての記された本・・・
ーーーーー波音が聞こえる。
周りをかき消すかのような音。目の前に立つ羊のツノを持つ幼い少女は告げる。
「ーーーーー貴方が、好きだよ」
そう告げる理由は親愛か恋情かはわからない。だけど、どことなく切なそうな恋する表情(かお)だ。まるで少女の想いはちゃんと淡い恋慕であると、言っているかのようにーーーーー。
モードレッド「・・・」
モードレッドはそこで目を覚ました。それはあいりとの間に起きたとある出来事を機に熱を出して意識をなくした時などに見る夢。最近はタママやマルク、クルーク達とも交流するようになったことであまり見なくなったのに、サーヴァントは夢を見ないという話は嘘であるとモードレッドは内心で呪った。
モードレッド「クソ野郎が・・・!」
クルーク「ふう。やっとクルミ名義での新曲ができた・・・」
クルークは自身がピアノボーカルのクルミとして在籍するcantabileの新曲がようやく完成した後に自分の家の部屋にあるベッドに寝転んで物思いに耽る。モードレッド達と本格的に出会ったと同時にガウェインと初めて遭遇した出来事だ。自分がカスパルが放った毒蛇に噛まれたことを知ってガウェインが激怒して彼の命とも言える灯火のストーンを術火で燃やして殺したこと。何の因果か敵対する自分に注目するのかはわからない。理由がどうであれ自分のためにカスパルの命を弄ぶのはどう考えても間違っているからだ。
クルーク(トリスタンやモーさんの生前の同胞とはいえ、ボクのためにカスパルの命を弄ぶのは間違ってる。それがあるからアミティ達やゼオ達、クー達を裏切るなんてできないよ。トリスタンだって・・・あの時の様子からして何も知らなかったんだし)
このことを誰よりも一番悲しんで複雑に思うのは生前におけるガウェインの同胞でもあるトリスタンだった。事実彼はサタンに召喚されていたという話を彼から聞いたので敵ではないことがわかる。このチェリーワールドに召喚された彼にはこれから待ち受ける苦難の出来事が待ち受けているにせよ、それを受け入れて覚悟を決めるかはあくまで彼自身だ。クルークや彼のマスターのリップも、それに口出しするのはできない。
クルーク(死なれてほしくないからトリスタンの覚悟を決めるまで、根気よく待ち続けるしかないのかな・・・)
バウム「そう思うのならさっさとバシーンと背中を押せばいいだけじゃないか」
クルーク「そうだけど、それだと本人自身の意思を蔑ろに・・・」
クルークは突然窓から来訪したバウムの声を聞いて驚いたのか飛び起きた!
クルーク「いつからそこに・・・;」
バウム「オレがあの三人の霊核を奪いに来たと言ったらどうする?・・・冗談だそんな睨みつけるような顔すんなよ;まあお前に用があるからやるぜ」
バウムに渡されたモノを見てクルークは驚愕した!
バウム「それは違法コレクターが運んでる最中に手違いで落としていたのを拾ったブツだ。それは絆を深めることや敵側の詳細を知る鍵にもなるから、とある場所に着くまで無駄にすんなよ。場所ならお前もわかっているだろ?」
バウムがそう言って立ち去った後にクルークは渡されたモノを見てそれを口にした。
クルーク「間違いない、これは魔道学の昔の伝説にある〝ハートビート・クロックタワー (針音の時計塔)〟に存在する、時計のオルゴール・・・!?」
とある黒い空間。何もない空間に気付いたらトリスタンはそこで一人立っていた。彼が密かによく見る夢だろうか、さておきとある黒い何かに話しかけられていた。
とある黒い何か「ーーーーー貴様はこれまでに苦難の出来事に立たされているが、それからもたくさんの出来事がお前を待ち受けているだろう」
トリスタン「・・・貴方は何か見えたのですか?」
とある黒い何か「それについては俺は言う由もない。それを決断するのも覚悟を決めるのもお前自身だろう。・・・お前の同胞が付けている、あの首飾り。あれは魔の類だが、その結末に破滅は期待するなよ」
その黒い何かは消えて、黒い空間は蝶から光に変えた。その夢の終わりだろうか、この世界に召喚されてから夢を見るたびに終わりがこれなのだ。曖昧にしか言ってくれないが、彼の言うことには一理はあった。ただ彼が、青の吸血鬼一族らと同様にかつての主君である王が成った獅子王やガウェイン達の敵としてリップ達と一緒に戦う覚悟をまだ決めていないからだ・・・。
- 時の輝きよ(その2) ( No.46 )
- 日時: 2023/04/20 23:01
- 名前: 桜 (ID: YUZdXVbt)
その翌日のスマブラ屋敷。桜サイド側のサーヴァント達を中心にしんのすけから自分が知る野原家の事情を聞いていた。それは・・・
しんのすけ「おいみさえ〜、なんで俺のビールをもう1本追加してくれないんだ〜。ダメ!ビールは1日1本まででしょ!せめて早く出世しなさいよ係長止まり!なんだとー!この脂肪嫁!なんですってー!三段腹アターック!いてー!俺が悪かったー!(交互にひろしとみさえの口調に変えて話してる」
クー&アストルフォ&アサト&沖田&モードレッド&以蔵&アポロン「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!(大爆笑」
トリスタン&お竜「ブゥーッ!!(爆笑で吹いた」
メイヴ&エレナ&エジソン&ディルムッド&うしお「〜〜〜〜〜!!!(笑いを堪えてる」
アタランテ「なぜそんな騒動が日常茶飯事の家族でありながら慣れた様子なんだ;」
ベンちゃん「うしお様、もうそのぐらいで・・・!」
龍馬「以蔵さん、お竜さん、そろそろ当人達から怒られるからやめたげて;」
フィン「いやー、しんのすけ君の家族は愉快だね〜」
フラン「う!」
メルト「フラン、なんで私を見るのよ;」
ジャック「メルトはフランのママだって!」
リップ&ヒップ&チャラ王&ルート&おぼろ(モイモイ)「え!!?」
メルト「違うわ!誤解よ!!」
マキノ「まるで認知はしないような態度だな」
メルト「少し黙っててもらえるかしら!?」
パリス「しんのすけ君の家族は平和ですよね!ちょっと羨ましい限りですっ」
ナーサリー「幸せで平和な家族の物語も読みたいのだわ!」
しんのすけ「いや〜、それほどでも〜」
デオン「少々騒々しいけどな;」
楽しそうに過ごす彼らを一歩引いた位置から見守るサンソンにアレクが話しかけながら言う。
アレク「やっぱり嫌かい?」
サンソン「えっ?」
アレク「キミ、しんのすけ君の母方のおばあちゃんに会っても切なそうな顔をしていたよ」
サンソン「・・・嫌じゃないよ。ただちょっともしもの時があればと思っただけだ。野原一家はその理想的というか、時折沸き立ちそうになる憧れを抑えているだけだよ。それにあの人はどこか面影が誰かに似ているんだ」
アレク「生前にキミが処刑執行を行った人?確か英雄として座に刻まれたって聞いたけど」
アレクの問いにサンソンは答え代わりに頷いた。すると、しんのすけがサンソンの方を呼ぶ。
しんのすけ「サクソン君ー!アレク君と一緒にこっちに来るゾ!」
サンソン「えっ、でも・・・」
しんのすけ「何か寂しそうな顔をして見ていたから、本当は輪に入りたいんじゃないかって思って」
アストルフォ「あっ、ごめん!みんなサクソンのこと仲間外れにしてるわけじゃないんだよっ;むしろみんなはたまには頼ってほしいというか・・・」
アレク「サクソン。僕達もしんのすけ君と話そう!」
サンソン「・・・うん、そうだね」
サンソンだってわかっている。ただ自分の中に温かくて平和な時間の安らぎに綺麗すぎて耐え切れるわけがないと泣いている自分もいることを否定できることができないからだ・・・
一方、クルークはプリンプタウンでバウムに渡された時計のオルゴールのことで聞き込みしていた。しかし、結果はみんなその伝説の逸話にあるオルゴールを持てたことは素晴らしいからクルークが一生モノとして大切に持った方がいいという答えばかりだった。
クルーク「やっぱりこれ、伝説のオルゴールなんだ・・・!じゃあ、早く返した方がいいかな・・・ん?」
町民「何これー。おじさん、この人形はアンティークに作られた用のやつ?」
商人「バカだね、昔から伝わる伝説のハートビート・クロックタワーから持ち出されたものだ!正しくは空から落とされたものだから道標は知らんけどな」
クルークはその話を聞いて一刻も早く時計のオルゴールを元の居場所であるハートビート・クロックタワーに返すために駆け出した!
クルーク(ボクが・・・ボクが返してあげなきゃ・・・!)
一方、ゼオは好物のプリンを食べながらププルに聞く。
ゼオ「なあ、ププル。なんか最近エターニャからじろじろと見られてないか?」
ププル「そう?エターニャ、最近はどこか険しい顔をしてたけど、あれは疑うような顔じゃないよ」
ゼオ「もしやエレナ達サーヴァントの存在がバレたとか?」
ププル「変なこと言わないでよ〜;根は悪い人達じゃないんだから!」
ゼオ「ごめん、悪い悪い」
一方、二人と同じ部屋にいるアイオーンがソファの上でジャガーと飼い猫のショコラを抱き枕として寝ていた。
アイオーン&ショコラ「スピー・・・zzz」
ジャガー「いい加減離せ;ヤスやハッチンとこのクソ金髪同様に小さく可愛い生き物として扱われて最悪だ;」
ププル(ジャガー、見た目が全くそうだけどね;)
ゼオ「ん?あの時は双循に酷い目に遭わされたとかじゃねーの?」
ジャガー「別の意味で精神的に酷い目に遭わされたOTL」
くぅちゃん「ぐ!!?(ジャガーの発言からあの出来事のその後の真相を察して思わず怯む」
ププル「くぅちゃん、急に怯えてどうしたの?」
ゼオ「ステラやリストもなんか急に怖がって俺に抱きついてきてるぜ。よしよし、怖くない(抱きつくステラやリストを宥める」
すると、ドアをバンと開けた音がした!クルークだ。
ゼオ「クルーク、どうした!?」
クルーク「ゼオはこのオルゴール、知ってるかい?」
ゼオ「!このオルゴール・・・どうしてそれが・・・!」
クルーク「バウムから渡されたんだ。返さないといけない。お願いだけどボクやカーン、よぞらやクー達をハートビート・クロックタワーに連れて行ってほしい・・・!」
その後にみんなが集まったエージェント達が住む屋敷ではクルークが返そうとしている時計のオルゴールからゼオが魔法で解析し、調べたところどうやら空の中にあるようだ。
ゼオ「空の中でも見えんな。気配はするから実在はしてるが、姿が見えなかったら行くことはできない」
ハッチン「な、なんとか方法はねーのか!?」
ゼオ「ギガディスにダメ元でも聞くか?サタンなら今またやらかしてシェゾさんやアルルさん達にしばかれてるだろうから」
ペイペイン「いや、止めてでも聞きなさい;」
すると、ギガディスにスマホのSMSでアイコンタクトを取ったところ彼らの予想外に鍵となる方法なら知っているという返信が来た。
ゼオ「知ってるそうだ」
ププル「ホント!?やっぱりあれでも魔王なんだなー」
ヒメコ「すぐに向かうよ!」
クルーク一行はすぐにメルヘンランドの郊外にあるギガディスの別荘に向かう!
一方、その空上では独自にハートビート・クロックタワーを調べているとある飛行船があった。
???「ハートビート・クロックタワー・・・いつか必ず発見するためにその鍵を見つければいいんだが・・・あの時に会ったあいつに久しぶりに会いに行くか」
そしてメルヘンランドの郊外にあるギガディスの別荘。魔界の若き王に相応しくなかなかに絢爛豪華な構造だった。
ハンドレッコ「ところどころにサタンの友人らしい趣味の悪さがあったけど、若き魔界の王に似合うレベルだね」
ほわん「トリスタンさんはサタンさんに召喚されたって言ってるけど、ギガディスさんっていう人とも知り合ってる?」
トリスタン「いいえ。今が初対面ですよ」
ヤス「そうか・・・まああいつはあんたほどじゃないけど女好きな魔王だと聞いてるからな」
ラフィーナ「足もひろしさんと同様に臭いですわ」
シグ「あと、泣き虫のダメ男」
あやクル「こら;」
ブラック「あ、指定の部屋に着いた」
指定の部屋に着いてドアを開けて入ると、そこにはギガディスが待ち受けていた!
ギガディス「やあ、ププル、ゼオ。それにそこな仲間達も。いつもの如くなかなかに個性的な面々だな・・・」
すると、ギガディスはリップのサーヴァントであるトリスタンを垣間見て何かに気付いたような様子を一瞬だけ見せたが、すぐに話を戻した。
ギガディス「さて。そなたらはハートビート・クロックタワーについて詳細を聞きたいのであったな。それを発現する鍵なら教えても良い」
アミティ「ホント?」
ギガディス「ただし、条件がある。よく見たらそこの者はメタナイトが探しているお尋ね者の騎士ではないか。その仲間と同様に協定を外すが良い。嫌ならば余を倒すがいい。教えるのはどちらかだ」
すると、スキルを解放したゼオに合図されたエレナとエジソンはギガディスに自分の魔力を解放する。選んだのは後者の方だ。
ギガディス「・・・ゼオはどうしても後者を選ぶのか?」
ゼオ「ああ、あの騎士は外せない。だから、後者を選ぶよ」
ギガディス「了承した。ならば余を倒してみるがいい。その覚悟がどれほどのものか見極めようぞ!」
そして戦闘が始まった後、せめてもの庇護のためにギガディスが作り出した空間により閉じ込められたププル達はホルミーが聞く。
ホルミー「あの人は腐っても魔王ですよね?でしたら、かなり強いのでは!?」
ププル「確かにボロクソ言ってるけど、強いってことはある。旧友のサタンさんには及ばないけれど、強力な魔法を色々と使いこなすよ」
ツキノ「でも、ゼオさんが負ける気はしないの〜」
モードレッド「ああ(あいつ、なんだかんだオレらを匿ってくれたことは内心では満更でもないよなぁ・・・」
ゼオはギガディスを追いながらエレナとエジソンが後方からゼオを支援しながらギガディスを追撃する!
ゼオはギガディスとの戦いについて内心で高揚感を感じていた。
ゼオ「ダークマインド!」
ギガディス「ソウルスピア!」
ゼオ(なんだろうな、この感じ。まるでボレロを踊って(遊んで)いるようだな)
これについてはエレナとエジソンも同様だった。何しろ相手は自分達も知らないような魔法も使う者・・・!
エジソン「全く彼のは実に未知の領域だ!」
エレナ「この目で見てとことん調べてやりたいわ!」
ギガディスとの戦いはますますヒートアップするが、クルークが何かに気付く。
クルーク「まずいね。この部屋の中は完全にギガディスのゾーンに調整されてる」
エージェント「・・・!!バカ!ゼオ!!すぐにエレナ達と一緒に逃げろ!!」
エージェントの懇願も聞かないゼオ達を前にギガディスは自分のゾーンの中で勝利を確信し、最上級魔法を詠唱なしで放つ!
ギガディス「ーーーーー悪く思うな、ゼオ。テラマジックスピア!」
放たれた最上級魔法により当たったゼオは倒れ込むのを見たギガディスはすぐさま渋い顔をした。その理由は・・・
ゼオ「エンジン。もう効果が切れたよ」
エジソン「そうか。あとは上手くやるのだ」
ゼオ「最上級魔法まで使ったのにヤバいと思ったか?そこのライオン頭に防御できる魔術術を1回だけかけてもらった。バカに見える天才の方が厄介だな」
すると、ゼオがギガディスに最上級魔法を放った!
ゼオ「ダークネスフレア!」
ギガディス「ぐっ・・・!!」
ゼオの最上級魔法が命中したギガディスは仰向けに倒れ込む。彼は言う。
ギガディス「流石若さ故に伸び代がすごいな。我が息子のようなゼオ」
クー「ゼオがあのギガディスの息子か!?」
クルーク「いや、違うからね;本気にしない;」
エレナ(平和な現代でもどこも大変なのね・・・;)
すると、ギガディスがようやく折れたのかクルーク一行の頼みを了承した後、ハートビート・クロックタワーを体現する方法を教えてくれた。
ギガディス「方法なら一つだけだ。世界中にある指定された世界遺産のうちの四つの地点にいるそれぞれの赤・青・白・黄と呼ばれる使者に選ばれた者に会いに行き勝たなければならない。四人の使者に勝った時に、ハートビート・クロックタワーは体現するであろう」
アリシア「じゃあ、四人の使者の人達に勝てれば体現できるのね!?」
カーン「・・・」
ギガディス「ああ、そうである!余がその話を知っててよかったと思うである!(実は全てキッドに聞いた話だがな・・・;)せっかくであろうから、四つの世界遺産の道標ぐらいは教えるぞ」
その後にギガディスの別荘から出たクルーク一行は次なる目的を定めた。
クルーク「気になるポイントは多いけど;ハートビート・クロックタワーを発現させるためには四つの世界遺産の順にその赤の使いがいるイースター島、青の使いがいるイタリアの水の都ヴェネツィア、白の使いがいるローマの闘技場のコロッセオ、そして最後に黄の使いが待つペルーの世界遺産の空中都市マチュピチュ行かなければならないってことか!」
姫子「でも、道標の順番が地理的にバラバラですわ!そんなところにどうやって行けばいいのよ?」
フルシュ「それは・・・」
すると、以蔵が何かを思い出したかのように言う!
以蔵「あいつじゃ!あいつを呼び出す他はないぜよ!」
乱麻「以蔵、どうした?」
沖田「またバカなこと考えてるんですねぇ」
すると、以蔵が持ってきた銅鑼で呼び出した後に突如巨大な飛行船が雲の隙間から現れて降りてきた!
弓弦「飛行船!?なんですかこれ!?」
すると、飛行船の中からとある人物が出てきた。ゴーグルを身につけている若き青年だ。
???「よう、以蔵!ちょうど久しぶりにお前に会いに行こうと思ったんだ!」
以蔵「おい、グレン!おまんが探してるのはハートビート・クロックタワーじゃろう!?じゃから、2日後にわしらとこいつらを全員乗せい!」
グレン「えっ!?どういうことだ!?」
龍馬「それはこっちのセリフだけど、キミは以蔵さんとどういう関係なの?」
お竜「リョーマ、こいつとこのナメクジは会話からしてただの知り合いだぞ」
以蔵を通じてクルーク一行から話を聞いたその飛行船の船長で冒険家でもあるグレンはその内容に驚きつつも彼らを自分が独自に調べているハートビート・クロックタワーへの足かがりとなる鍵として連れて行く決意を固めた。
グレン「わかった。あの伝説の塔への足かがりになるならば運転役としてもサポートするぜ。どうやら以蔵のツレのようだし」
プロキオン「ホントですか!?」
ベリー「よかった!これでハートビート・クロックタワーの使いの人達に会いに行けるよ!」
ゼオ「うん、その前に俺達のコピー人形作らなきゃまずいな」
クルーク「あ;」
とはいえこれでようやくハートビート・クロックタワーへの旅には出られそうだ・・・
弓弦「ところで彼とどうやって知り合ったんですか?」
以蔵「わしらがあの寮に移って暮らし始めた頃に飛行船が落ちてきて、中に乗ってたグレン達が腹を空かせて倒れたからわしが作ったおにぎりを振る舞った」
乱麻「合宿帰りに疲れで飛行船が飛んでいる幻を見たかとまさか本物だったのか」
旅立ちの時
- 時の輝きよ(その3) ( No.47 )
- 日時: 2023/04/13 23:52
- 名前: 桜 (ID: BmxuFWGD)
タママ「ったく、モー公の奴、自分の住むマンションで重要な話があるってなんなんだ・・・;」
その翌日、タママはモードレッドから呼び出しを受けており、彼女達が住む白金のマンションに向かっていた。いつものようにフロントマンが通してくれた後に当のモードレッドが玄関で出迎えてくれた。
モードレッド「よぉ、タママ!今日はオレがパンプキンパイ作ったんだ。食べるか?」
タママ「?まあこの前のやつは美味しかったからいいか」
タママはモードレッド作のパンプキンパイを食す。彼女はまだあいりに出迎えられたばかりの時に自分の真名を初めて言った後にパンプキンパイを食べたことでよほど美味しかったのか元から好んでいるジャンクフードと同様に大好物になった。なのでパンプキンパイや他のカボチャ料理のみ作れるようだ。
タママ「美味しいっ!」
モードレッド「そりゃあオレはパンプキンパイを始めとしたカボチャ料理しか作れんからな。・・・なあ、タママ」
モードレッドはタママの目を見ながら何かを話した。
モードレッド「オレはしばらくは長期の調査に行かなきゃならんでな。まあ例の腐れ縁の奴も含む知り合いらも一緒なんだがな」
タママ「そうか・・・じゃあ・・・待ってて・・・やる・・・か・・・ら・・・」
モードレッド「お前が待つ必要ねーよ。オレは・・・」
モードレッドが答える前に眠ってしまったようだ。どうやらあのパンプキンパイには睡眠薬を盛っていたらしい。
モードレッド「チッ・・・言う前に眠っちまったか・・・クルーク達には内緒で連れて行くと言おうとしたんだが・・・まあこれでもいいか」
モードレッドは原型の今はすやすやと眠っているタママを抱き抱えながら向こうの部屋へ向かっていった。
その翌日の旅立ち当日の深夜の午前1時、クルーク一行がハートビート・クロックタワーに向かうことを知らないスマブラ屋敷ではメタナイトが例の新世界での手配人物である白い兜を被った騎士(モードレッド)の詳細を未だに掴めずに難航していた。
メタナイト「一体どこにいるんだ!全くどこの誰もあの騎士の詳細を知らんとは!」
マルス「メタナイト。白い兜の騎士と言っても手がかりがそれだけじゃあね・・・;」
アイク「白い兜は今どき珍しいからな。重装兵でもない限りでな」
メタナイト「わかっている。だけど、私の知り合いの騎士と名乗っていたから私のカービィが興味を持ってしまったではないか!」
マルス「そっちなの!?」
すると、ドアを鳴らすような音がした。ドラメッドだ。
ドラメッド「邪魔するであるよ」
メタナイト「ああ、入れ」
ドラメッドが書類庫のある部屋に入った後にマルスは聞く。
マルス「やっぱり王ドラとキッドがまだ仲直りしてないの?その方法が知りたくて僕達の方にも」
ドラメッド「いや、それが。キッドが三日前から行方不明になってたんであーる!」
アイク「・・・何?」
衝撃の展開だった。キッドが三日前から失踪したのだ。ドラメッドが慌てながら言う。
ドラメッド「ドラミ殿がキッドと仲直りしようと思って大好物のどら焼きを持ってアメリカ西部時代に行ったら突然失踪したことが判明したであるよ!キッドが帰ってこなくてドラミ殿が泣いてたから吾輩らも必死に探してるであるが、喧嘩した相手の王ドラが腹を空かせたら帰ってくると言ってすぐに一人でどっかに行ったであーる!タママ殿も昨日から帰ってこないからそれでマタドーラが「テメェは血も涙もないのかよ!!?」ってそれで大喧嘩して今ドラケロ防衛隊がギスギスしてる状態であーる・・・;」
マルス「キミらすごい大喧嘩してるね・・・;王ドラも確かに悪いけど・・・;」
アイク「メタナイト、王ドラに会ったら叱ってやれよ」
メタナイト「・・・いや、今はいい(まさかあの騎士か・・・?」
一方、リップ達と共に旅立つトリスタンはリップの実家である夜明け前のアムールの前で自分達のコピー人形に自分達の留守の間はスマブラ屋敷の人達ともいるように託していた。
トリスタン「・・・頼みますよ」
リップ「トリスタンちゃん、行くよ!」
チャラ王「集合時間に遅れるぞ!」
トリスタン「はい」
そして集合時間に全員グレンの飛行船の前に着いた後、リデルが何やら何かを見て驚いていた。
リデル「食料も含めてたくさん物質があるようですね」
アイオーン「これはセレンが事前に用意した我らへの供物だ。あやつはオリオン達には内密に食料やスペアの歯車を含めた供物を定期的に捧げると約束した」
ラーマ「セレンの奴が・・・」
アイレーン「葉樹も戦いの面で情報収集などの支援を約束したのだ。適材適所がいなければ成り立たないからいい人事登用なのだ♪」
ハルトマン「俺達も女史には上手いこと伝えたから気付かれる心配ないよ」
レガムント「ところでモー公、そのキャリーケースは?」
モードレッド「ああ、オレの趣味の物が入ってるやつだ」
すると、ロージアが言う!
ロージア「グレンさんがそろそろ入り口の扉を開けます!」
ジャクリン「クルーク君、うちらに掛け声な!」
クルーク「いいのかい?」
しおん「なんだかんだで私達の一人一人に接してくれてるのはあなただから」
すると、クルークが先頭に立って掛け声で促す!
クルーク「目的の地はハートビート・クロックタワー。ボクの役目はこの時計のオルゴールをその場所に返すこと!傷を負うならまだしもなるべく死ぬなよ!たとえサーヴァントでも生きるために戦え!いざ出発ーーーーー!!!」
全員「おおおおおーーーーー!!!」
そして全員がグレンの飛行船に乗って旅立つ!しかし、その飛行船をどこからか見送るように見ている者がいた。その姿は擬人化姿のキッドに酷似しており、闇の雰囲気を纏う青年・・・
???「ふふふ・・・全ては、我らの計画通り・・・」
続く・・・
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