二次創作小説(紙ほか)

第4話:魔女の■の讃歌(その1) ( No.453 )
日時: 2025/05/16 18:43
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

第4話なのですが、今回でとうとう・・・従来のFateシリーズもきっとこんな感じなんだなぁ・・・






ーーーーーあの日、私はキミのマスターとして呼ばれた。こんな自由のない蒸気都市の聖杯戦争で魔女を召喚、しかも男ではなく少女。
私は男を誘惑する魔女。故に本当は自ら殺した上で自分も自害を狙ったのだが・・・


蒸気リデル「よろしくお願いします、●●●●さん!私があなたのマスターです・・・!」


自分を信じると言っているかのような悪意もへったくれもない、バカらしい笑顔を見てそれは失せていた。殺そうとしていたのに。
彼女は時に叱り付けながらも、私を信じて見てくれる。この身は影だから、本体の私には届かない。






ああ、だからイヤなんだ。その時にこの私はキミを●してしまうのだからーーーーー






蒸気シェゾの住むアパートの一室。すっかり回復したゼオは朝食をたくさん食べていた。


クルーク「まだ食べるつもりかい?もう76杯目だよ」
ゼオ「いや、まだ69杯目だぞ」
蒸気クルーク「なんでそういうカウントができるんだ;」
蒸気シェゾ「おーい、ゼオ。おかわりいるかー?」
ゼオ「いる」


その様子を見ていたトリスタンはクスクスと微笑いながら言う。


トリスタン「ここでも貴方達はそんな感じなのですね。まさか同じ顔がいるだなんて驚きましたが」
リップ「つか、ごめんね。アタシ達にまで転がり込んじゃって」
蒸気クルーク「いいよ。このへっぽこ錬金術師の家のことは駆け込み寺だと思ってくれれば」
蒸気シェゾ「誰がへっぽこ錬金術師だ誰が!!」
チャラ王(このクルークはこのシェゾさんと親しいのか;)


朝食を食べ終えた後、蒸気シェゾが後片付けをしている隙をつくような形で見計らった蒸気クルークは椅子をぎっと動かしていた。


蒸気クルーク「じゃあ、これまでのメモを整理しよう。この蒸気聖杯戦争はキミ達が来た時点ですでに陣営が一つ脱落していたけど、キミ達が来てからは二つの陣営が脱落した。まさかあのマホロアが倒されるなんて正直びっくりしたけど」
ルート「は?この世界にもマホロアはいたのか?」
蒸気クルーク「・・・うん。ムカつくし何考えてるかはわからなかったけど、心底から悪い奴ではなかったかな」
メルト「つまりこっちのとはあんまり変わらないってわけね」


話し終えた蒸気クルークはすっと立ち上がる。


蒸気クルーク「予想もしない出来事の連続で精神的に参るとは思うけど、どうか諦めないでほしい。話は以上だ」


蒸気クルークの面持ちにトリスタンはクルークにささやく。


トリスタン「この世界の彼は随分と大人びているのですね。あの方はいい兄的ポジションでは?」
クルーク「同じ顔で兄弟は流石に嫌だよ;」
ゼオ「ははは、確かに誰なのか見分けがつかないな」


すると、トリスタンはゼオの首元にあるガーゼに気付いた!


トリスタン「!?ゼオ殿、その首のガーゼは!?怪我!?」
ゼオ「・・・いや、なんでもない。あの医者のキャスターが治療してくれたし、すぐに治るさ」


真相をはぐらかした様子のゼオにトリスタンは心配そうな表情を浮かんだが、クーが上手くフォローしていた。


クー「まあそれだけで済んだから心配いらねーよ。これが死んだとなると流石にえぐ」


その直後、ある紙飛行機がクーの額に飛ぶように刺してきた!


クー「」←額から大量のケチャップ
クルーク「クー・フーリンが死んだ!」
カッツ「この人でなし!」


蒸気クルークがその紙飛行機をクーから抜くと、よく見たら一通の手紙のような内容があった。


医者のキャスター「手紙か?」
蒸気クルーク「いいや、一見手紙のような形式だけど、内容はどうやら違うようだね・・・」






手紙の内容「これまで私達を助けてくれた医者のキャスターとそのマスター及び彼の仲間達。かぜのまちにある丘の上で待つ。魔女のキャスターより」

第4話:魔女の■の讃歌(その2) ( No.454 )
日時: 2025/05/16 18:46
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

その数十分後のかぜのまちの頂上にある丘では一同が向かったら予想通り魔女のキャスターが待っていた。


魔女のキャスター「へー。あっさり来たんだね」
メイヴ「そうね。クーちゃんの額に傷いっちゃったし」


蒸気クルークはふと辺りを見渡していた。


蒸気クルーク「そういや、マスターのリデルはどうしたんだい?」
魔女のキャスター「心配いらないよ。マスターを巻き込むのにも殺すのにも理由がないからね」
トリスタン「つまり怒られたくないから・・・それならばいいのですが」


トリスタンに一瞬だけじっと見られて少しだけ焦りかけたが、魔女のキャスターはなんとか態度を持ち直しながら杖を一同に向ける。


魔女のキャスター「マスターに怒られる前にとっとと始めようか!」
蒸気クルーク「まあ長時間じゃないならね!医者のキャスター、行こうか!」
医者のキャスター「・・・ああ」


魔女のキャスターは杖を使って魔法陣を描いた後、そこから魔法弾を放った!


クルーク「魔力弾の魔法陣verか」
ププル「ならこれはどう?」


ププルは自分の杖を使って、魔法弾を打ち返すように跳ね返した!


魔女のキャスター「そこの魔導師の卵ちゃん、なかなかやるね。現代でいう野球みたいな感じだけど・・・まあこれも跳ね返せるならやるといいさ!」


すると、魔女のキャスターが魔法陣からビーム砲を出したが、ゼオが防御魔法で防いだ!


魔女のキャスター「げっ、何このリア充!?」
ゼオ「魔女のキャスター、失礼」


すると、ゼオが杖で峰打ちとして魔女のキャスターを叩きつけた!


エレナ「ゼオ、少し手加減しなさい!」
ゼオ「いや、本気で戦ってるのにまずいだろう」
魔女のキャスター「・・・っこの・・・」


業を煮やした魔女のキャスターが今度は出現させた豚にまたがる形で乗った後に突進してきた!


魔女のキャスター「ワルガキがぁ!!」
エジソン「まずい!突進してきたぞ!」
ノッブ「ゼオのせいじゃぞ!」
ゼオ「なんで俺なんだ」


魔女のキャスターの乗る豚をチャラ王が蹴りでぶっ飛ばした!


チャラ王「あそこで逆鱗に触れさせるバカがいるか!」
リップ「ちー君、ナイス蹴り!」


その直後、ふと魔女のキャスターの様子からトリスタンは何かを察した。


トリスタン(おや?彼女はもしや・・・)


すると、トリスタンが魔女のキャスターの前に姿を現した!


トリスタン「魔女のキャスター!貴女にお聞きしたいことがあります」
魔女のキャスター「なんだい?死ぬ前でなら構わないよ」


トリスタンは魔女のキャスターにあることを訊ねた。


トリスタン「貴女は誘惑の魔女だとおっしゃいましたね」
魔女のキャスター「それがなんだい?」
トリスタン「確かにそれは嘘偽りはないと見えます。だけれど・・・」






トリスタン「貴女はゼオ殿らやメタナイト殿らのように本当に好きだった相手には振り向けられなかったのですね」






魔女のキャスター「・・・!!?(顔真っ赤」


トリスタンに図星を突かれた魔女のキャスターは杖をぶんぶんと振り回し始めた!


魔女のキャスター「なんだいなんだい!乙女の秘密を暴いちゃって!ヘンタイ騎士ー!!」
トリスタン「今です!今なら相手は怒りで防御力が低くなっているはず」


トリスタンの予想とは反して大半の全員が彼を白けた目で見ていた。


メイヴ「あーあ、これは最悪な指摘よ。最悪。魔女のキャスター、可哀想に・・・」
カッツ「流石に僕もあの魔女に同情を覚えたんだけどな」
蒸気クルーク「・・・;」
トリスタン「な、なぜなのですか!ほら、リップも」


すると、リップは笑顔でトリスタンに声をかけた。


リップ「トリスタンちゃんは悪くないよ」






リップ「帰った後のスイーツは1ヶ月抜きね(^ω^#)」
トリスタン「Oh・・・」






トリスタンの指摘が原因でブチギレた魔女のキャスターの鬼の形相を前にディルムッドが思わず怯むように訊ねた。


ディルムッド「これ、止めないと被害が拡大する気がしますが・・・;」
フィン「ははは、あの魔女は私のと逆verのようなものか」←女難の相もち
ププル「こらっ;」


フィンの発言を聞いてさらにカチンときた魔女のキャスターは突然落ち着いた様子で訊ねる。


魔女のキャスター「質問なんだけど、私の師匠ヘカテは何を成し遂げたかな?」
メタナイト「・・・?生前の話かもしれないが、お前が大成すると聞いたことか?」
カービィ「愛する人と結婚できると聞いたこと?」
魔女のキャスター「違うね。正解は・・・」


すると、魔女のキャスターが祈りと共に杖を振ったら三つの冥界の扉を出現させ、それを開かせた後にケルベロスを出現させた!






その時、大半の全員は思った。「あ、これはやべぇな」と・・・


魔女のキャスター「ギガントマキアの際にギガンテスの一柱であるクリュティオスを松明によって打ち据えたことだよバカ共!」






魔女のキャスターの宝具によって出現したケルベロスの鎖がトリスタンとディルムッドの二人を縛り上げた!


トリスタン「ああ、私を縛りプレイに・・・」
ディルムッド「俺に来る気はしてたー!!」


その直後、二人が動けなくなったことで無数の光柱がその頭を貫いた!


トリスタン&ディルムッド「ぎゃあああああー!!!」
ププル「二人ともー!!」
ルート「まずいな。相当切れてるぞ」
ノッブ「せめてケルベロスをあの扉の中に押し込めれば・・・」


すると、ノッブが何かを思いついた!


ノッブ「・・・カービィ」
カービィ「なに?」
ノッブ「小槌を貸すからハンマーに変身しろ」
カービィ「え?」


ノッブが自分の小槌をカービィの口に突っ込ませ、それを飲んだカービィがコピー能力ハンマーに変身した!


カービィ「コピー能力、ハンマー!」
クー「ハンマー・・・そうか、あれなら!」
カーン「力技でケルベロスを扉の中に押し込めることはできるかもしれぬ」


ハンマーに変身したカービィはケルベロスの方に飛ぶが、魔女のキャスターが杖を使って阻止しようとした!


魔女のキャスター「ふん!ハンマーだからって何さ・・・」


すると、魔女のキャスターの足元に濡れたような感じがあった!ゼオのルリリであるステラの水鉄砲だ!


ステラ「お姉さん、大丈夫?」
魔女のキャスター「ぎゃあ!!私の足元を濡らすなー!!」
ゼオ「ふん。邪魔はさせるかよ」


カービィはハンマーを振り回した後、それをケルベロスの方に投げつけた!


カービィ「ばくれつハンマー投げ!」


カービィの放ったハンマーによりケルベロスは冥界の扉の中に一気に押された後、扉がそのまま閉ざされた!


魔女のキャスター「ウソだろ・・・!」
蒸気クルーク「さて、そろそろ降参するかい?」
魔女のキャスター「やだね!私はまだ」


すると、魔女のキャスターがふと何かを感じ取った。


魔女のキャスター「マスター・・・?」


魔女のキャスターは自分の鷹の羽を使って飛び出した!


メタナイト「待て!」
チャラ王「追いかけるぜ!」


一同が魔女のキャスターを追うが、飛ぶスピードがあまりにも速すぎたのか見失ってしまった。


ナーサリー「見失ってしまったのだわ・・・」
クルーク「おーい、どこにいるんだー!」


魔女のキャスターの足取りを探そうとしたら、偶然かぜのまちの巡回をしていた蒸気ラフィーナが声をかけてきた。


蒸気ラフィーナ「あら、みなさんでどうなさったの?なんか増えましたわね」
蒸気クルーク「ラフィーナ、魔女のキャスターは知らないかい?」
蒸気ラフィーナ「あのリデルさんのキャスター?そういえば、リデルさんの家に飛んで行ったのを見ましたが」
蒸気クルーク「そうかい。みんな急いで向かうぞ!」


一同が蒸気リデルの家に向かうが、ゼオが突然助言のように言い出した!


ゼオ「待て!あっちの方向だ!」
エレナ「近道あるの!?」


ゼオが発見した近道らしい道を辿るように走り出した!


リップ「そこに蒸気リデルちゃんの家の付近に繋がる道あるの?」
ゼオ「まあ見てろ」


一同がようやく辿り着いたのは・・・






美味しそうな匂いのするイカ焼きの屋台でした(ぇ)






ゼオ「美味しそうな匂いがしてたから来たら当たったな(購入したイカ焼きを頬張る」
大半の全員「イカ焼きの匂いを辿ったんかバカヤロォォォォォー!!!」
カービィ「ボクも食べるー!」


こんな時にまで食べ物を追うのか・・・;






ゼオ君はギャグもシリアスもやってくれる男だ

第4話:魔女の■の讃歌(その3) ( No.455 )
日時: 2025/05/16 18:48
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

一方、魔女のキャスターは蒸気リデルの家に向かっていた。彼女の異変を察したからだ。


魔女のキャスター「マスター!!」


魔女のキャスターがドアをバンと開けたら予想通り、蒸気リデルの体調が急変していた。


蒸気リデル「魔女・・・の、キャスター・・・こんな時に、来なくていい、のに・・・」
魔女のキャスター「!!」


もちろんこれは彼女の遠回りな優しさによる突き放しだとわかっている。彼女は「もう長くない」からだ。


魔女のキャスター(このままだと・・・それならば、私の魔法で・・・!!)


魔女のキャスターは蒸気リデルを抱えながら家から飛び始めた!


蒸気リデル「魔女の、キャスター・・・?」
魔女のキャスター「大丈夫!私がチェリーワールドにある安らぎを得られるところに連れて行くよ!それだけは信じてもいいさ!」


もちろんチェリーワールドの病院は数多くある故どこが最適なのかわからない。それでもチェリーワールドのより設備が劣るかぜのまちの病院や貴族連中しか診ようとしない設備がいいだけのひかりのまち病院よりも遥かに上であった。


魔女のキャスター(クルーク達は実際にチェリーワールドに飛んでる。ならば、私の魔法でも・・・)


魔女のキャスターは転移魔法を発動する・・・






寸前に黒い剣筋が飛んできた。


ザンッ!!


魔女のキャスター「!!!」






それにより魔女のキャスターが翼がもがれたことで転落したが、同じように転落していた蒸気リデルを見た。


魔女のキャスター(ああ、だから嫌だったんだ!今でもずっと!キミが今も私を気にかけ続けたら・・・)






キミを愛してしまうことがわかっているから。






地に転落したものの蒸気リデルの身体には傷がない。魔女のキャスターが彼女を守ったからだ。


魔女のキャスター「お願いだから見つからないでくれ・・・じゃあ、最後のケジメをつけさせてもらうか!」


魔女のキャスターはその黒い剣筋を放った人物が誰なのか探査魔法をかけた。その度に黒い剣筋が飛び続けていた。


ザンッ!!ザンッ!!


魔女のキャスター「・・・っ!!(お願いだ、探知を掴んでくれ。こんな歪んだ聖杯戦争なんか終わらせるために・・・!」


すると、魔女のキャスターの探知がとうとう正体を割り出した!


魔女のキャスター「見えた!!あの黒い剣筋は、お前だったのかサーヴァント!!」


再び黒い剣筋が魔女のキャスターの方に飛んできたタイミングで蒸気クルーク達が彼女を見つけ出した!


蒸気クルーク「見つけたよ!さぁ、勝負の続き、を・・・」


一同は傷だらけになった魔女のキャスターの姿を見て驚愕した。ゼオは訊ねる。


ゼオ「おい。これはどういうことだ?」
蒸気クルーク「ボク達も知らない!今知ったばかりだ!」


どよめく大半の一同に医者のキャスターが呟く。


医者のキャスター「愚かなことだ。お前の大切なマスターはやはり僕を頼るべきだった。自分の感染症を治すようにな」
大半の全員「!!?」


医者のキャスターの言葉に蒸気クルークは彼を問い詰めた!


蒸気クルーク「リデルが感染症!?いつからだ!!」
医者のキャスター「・・・剣士のキャスターが蠢魔系のエネミーを放った時に魔女のキャスターが攻撃されそうになったのをそのマスターが庇ったんだ。それが原因で感染したことを気付いたのだ」
クルーク「じゃあ、なんで治療しなかったんだ!」
医者のキャスター「・・・魔女のキャスターのマスターの要望だ。僕の目を見ながら「私を治さないで下さい」言っている視線を送ってきたのだ。魔女のキャスターには心配かけぬようにな」


医者のキャスターの推察に魔女のキャスターはキッと睨みつけた!


魔女のキャスター「ああ、そうだよ!だから、キミには頼らなかった!私の妹弟子が乗っていた、船の同じメンバーだったキミには!」


その発言を聞いたメタナイトが医者のキャスターを見る。


メタナイト「おい医者。もしや魔女のキャスターの真名を知っているな?」


メタナイトの問いに医者のキャスターはため息を吐いた。


医者のキャスター「まさか生前の同じ船のメンバーの姉弟子がこの蒸気聖杯戦争に呼ばれるなんて思っていなかったがな・・・」






医者のキャスター「キルケー。英雄オデュッセイアに登場するアイアイエー島の神話における名高き魔女だ。本来なら神話という言葉を口にしたくないがな」






クルーク「ホメロスの叙事詩オデュッセイアの登場人物・・・!」


そんな魔女がこの世界で蒸気聖杯戦争にて召喚されたのかと驚きも覚えていた。キルケーは医者のキャスターを睨みつける。


キルケー「よくも真名を暴いてくれたね?」
医者のキャスター「ふん、貴様のマスターはもう治せない。これは僕からの仕返しのつもりだ」
キルケー「魔女をさらに怒らせたら、死に値するものだ!キミが雷にやられて死んだ時と同じようにね!」
医者のキャスター「っ」


キルケーが医者のキャスターを攻撃しようとしたら、トリスタンが割って入る形で彼女を止めに来た!


トリスタン「おっと。お身体に触りますよ?」
キルケー「どいつもこいつも・・・!!」


すると、キルケーが豪華に盛り付けられた食べ物を持ちながらいつのまにか出現させていたピグレット達に乗せながら突進してきた!


カーン「宝具展開か・・・!」
メルト「任せなさい!」


メルトが少し威力を減らした上でキルケーに宝具を放とうとするが・・・






キルケー「放て!快楽のアルターエゴ!」
メルト「・・・!!」






キルケーの言葉を聞いたことでメルトが力を込めた宝具で彼女を蹴り飛ばした・・・!






思わず倒れ込む魔女のキャスターを前にしたメルトに彼女は訊ねる。


キルケー「なんで致命傷の一撃を放たなかったんだい?」
メルト「・・・貴女が、傷だらけだからよ。そんな状態でも蹴り飛ばす趣味はないわ」


メルトの言葉にキルケーはにっと笑うが、蒸気クルークは訊ねた。


蒸気クルーク「教えてくれキルケー。なぜキミはそんな状態に・・・?」


蒸気クルークの問いにキルケーは答える。


キルケー「・・・斬られたからだ。マホロアがやられた理由がこれだろう?」
大半の全員「・・・!!」
キルケー「さらにその正体を割り出してやった」


キルケーが言った剣筋を飛ばした正体を蒸気クルークがさらに聞いた。


蒸気クルーク「誰だい!?」






キルケー「・・・この蒸気聖杯戦争における執行人の一人グローマン。あいつの正体はセイバーのサーヴァントだ。それもこの聖杯戦争の参加資格から外されてるやつだ!」






蒸気聖杯戦争に本来なら参加資格のないセイバーのサーヴァントが呼ばれて、その正体が蒸気ツーストと行動している黒の鎧の騎士グローマン・・・!?キルケーは自分が消える間際ににっと答える。


キルケー「そういえば、このかぜのまちには甘いものなんか全くないんだったな。だけど、叶うのならキュケオーンをマスターに作ってあげたかったな・・・」


そう言い残したキルケーが消滅した後、蒸気クルークは少し物憂げのある顔をした。


蒸気クルーク「リデル・・・」
クルーク「・・・」


一方の蒸気リデルは今にも死にそうな顔で苦しんでいた。


蒸気リデル「あぐ・・・!だけど、キルケーさんはあの時にボロボロになりながら私を守ってくれてた・・・その痛みと比べてみたら、なんとも・・・」


すると、蒸気リデルの前に立った人物がいた。医者のキャスターと同じように察していた蒸気アルルだ。


蒸気アルル「・・・」
蒸気リデル「ああ、来てくれたんですね・・・」
蒸気アルル「キミがなんかおかしいなと思っていたから・・・」


蒸気アルルは蒸気リデルの手を掴んだ。蒸気リデルはその感触を感じながらふっと微笑う。


蒸気アルル「何がおかしいわけ?」
蒸気リデル「いいえ、嬉しいんです。光に消える前にアルルさんに優しくしてもらえたから・・・」


蒸気リデルは一筋の涙を流しながらつぶやいた・・・






蒸気リデル「もし一度だけ叶うなら、甘いお菓子を食べたかったなぁ・・・」






蒸気リデルはその言葉を最後に蒸気アルルから手を離した・・・。


蒸気アルル「リデル!?起きて!まだキミには伝えてないことが・・・!」


すると、霊体化を解いた機関のキャスターがアルルの手に触れた。


機関のキャスター「マスター、ここから離れよ。その者はもう光に消える」
蒸気アルル「・・・!」


蒸気アルルはぐっと堪えながら機関のキャスターに抱えられてその場から立ち去った・・・。

第4話:魔女の■の讃歌(その4) ( No.456 )
日時: 2025/05/16 18:50
名前: 桜 (ID: ikPsPKC4)

ひかりのまちの中心にあるお城の城内では蒸気ツーストが歩いている様子のグローマンを見かけた。


蒸気ツースト「おう。仕事は済んだか?」
グローマン「・・・ああ。執行した」
蒸気ツースト「あれの場合はルール違反だからな・・・まあ俺としては小石にある苔程度しかないがな」


そんな彼らに作家のキャスターが話しかけてきた。


作家のキャスター「お二方、せっかくのところ悪いと思いますが、これまでの情報をまとめますぞ。此度の蒸気聖杯戦争では今日のも含めて四つの陣営が脱落しました。それは間違いないですかな?」
蒸気ツースト「ああ。マホロアのはこの蒸気聖杯戦争に関しては余計なことに気付きそうだったから、グローマンが防いだがな」
作家のキャスター「それはネタバレ厳禁な吾輩も同意しますな。ところで追記しておきますが・・・吾輩は先程あれをようやく書き上げました」
蒸気ツースト「!・・・本当か?」
作家のキャスター「ええ、公開するにはあと少しなのですが」


一方、かぜのまちでは蒸気さかな王子が自分が支配人を務める劇場で一人ぶつぶつとつぶやいていた・・・


蒸気さかな王子「クルーク・・・やはり余から強奪しておったか・・・余の、絵本のキャスターを・・・!」


一方、かぜのまちにある夢幻カービィの住むアパートでは夢幻メタナイトがひかりのまちから訪ねに来てくれた。


夢幻カービィ「メタナイト、どうしたの?」
夢幻メタナイト「いや、なんでもない。散歩がてらにだ」
夢幻カービィ「あの・・・クルーク達は今日のことでちょっと堪えちゃってるから・・・」
夢幻メタナイト「!・・・もしや知っているのか?」


夢幻メタナイトの問いに夢幻カービィは首を縦に振った。


夢幻メタナイト「・・・キミが心配することではない。今のクルーク達と、彼らと協力している彼らならきっとやれる。安心してほしい」
夢幻カービィ「・・・」
夢幻メタナイト「寝ようとしていた時に悪かった。おやすみ、良い夢を」


一方の蒸気シェゾが住むアパートの一室では蒸気クルークが話をまとめていた。


蒸気クルーク「・・・今日で四つ目の陣営が脱落した。もうここで瀬戸際なんだろうね」
大半の全員「・・・」


沈黙を破るかのようにチャラ王が訊ねる。


チャラ王「・・・これからどうするんだ?まさか今までの決意を捨てるつもりじゃないよな」
蒸気クルーク「そんなことないよ・・・それを放棄したら、リデルとキルケーやマホロアとアナスタシアのそれぞれの思いを無下にするだけだから、捨てるつもりない」


気丈に振る舞う蒸気クルークに思うところがありつつもゼオは訊ねる。


ゼオ「ということはこれからやることはグローマンのことだな?」
蒸気クルーク「うん!あれが誰なのか確かめなきゃ!まあ、別の場合もあるんだろうけど・・・」


蒸気クルークはクルークとナーサリーを一瞬だけじっと見た。


クルーク「ん?なんだい?」
ナーサリー「あたしの顔に何かついたのかしら?」
蒸気クルーク「・・・ううん。それは明日教えるよ」






蒸気クルーク「では明日作戦決行だぁ!」
大半の全員「おぉぉぉぉぉーーーーー!!!」






続く・・・!






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