二次創作小説(紙ほか)
- 第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」(その1) ( No.457 )
- 日時: 2025/05/22 20:15
- 名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)
いよいよ物語が折り返し地点に入って来ました。今回はシリアスが強めです(つまりギャグ少なめ)
蒸気リデルとキルケーが脱落してから夜が更けた後の翌日。アパートの前で蒸気クルーク達一同が揃って来ていた。
蒸気クルーク「今日の目的はグローマンの正体を暴くために必ず狙うだろう素振りを取ってから丘の方におびき寄せること!奴の横には必ずツーストも出てくるだろうから注意してね!」
チャラ王「確かこの世界のツーストさんだっけか?」
クルーク「うん、あの男は怖いよー。ボクは最初ハゲハゲ言いまくったことで冷酷非情に変質したかと思ったんだけど」
メタナイト「お前、そうでなくともいつか殺されるぞ;」
蒸気クルーク「まあ移動には時間がかかるだろうけど・・・シェゾ、運転はできるかい?」
蒸気シェゾ「ああ、ある程度はな。今日は貴族のメタナイトも同行するんだろ?」
蒸気クルーク「うん、メタナイトも気にかけてるようだからね!」
蒸気クルークは再び一同の方に向きながら伝える。
蒸気クルーク「あ、行動するのは2組に分かれるから。チェリーワールドのボクはこのボクと同行だ。もちろんお互いのサーヴァントも一緒にね。あ、そこの魔人さんも」
クルーク「えっ!?」
蒸気クルーク「それじゃあ、ゼオ達をよろしく」
蒸気シェゾ「ああ。必ず来いよ!」
ゼオ達を乗せた蒸気シェゾが運転する車が丘に向かった後、自分のサーヴァント達と一緒に残されたクルークは問い詰めた!
クルーク「どういうつもりだい?」
蒸気クルーク「決まってるよ。ケリつけに行くんだよ。ボク達のはキミのナーサリーを守らなきゃならないんだし」
ナーサリー「あたし?」
その数分後、蒸気クルーク達を乗せた夢幻カービィのワープスター号が指定した場所に向かっていた。
夢幻カービィ「今日は少ないんだねー」
蒸気クルーク「とある事情でね。この聖杯戦争ももうすぐ終わりに近づいてるらしいから」
夢幻カービィ「そっか・・・もう終わりになろうとしてるんだね・・・」
クルーク「・・・」
終わりが近づいていることはあの三角ダイヤの中に閉じ込められた仲間達を救える=蒸気クルーク達との別れであることを感じてしんみりした様子のクルークの頭をクーがポンと撫でた。
クー「クルーク。ここから先は俺達も胸を抉られるほどのものを見せつけられる。しんみりしてる場合じゃねーぞ」
クルーク「わかってるよ」
カーン「お、着いたようだ」
ワープスター号はその指定の場所に着陸し、蒸気クルーク達もそのタイミングで降りて来た。
夢幻カービィ「みんな、頑張って・・・どうか無事でいてね」
蒸気クルーク「うん。なんとしてもケリつけてやるから任せろ!」
蒸気クルーク達はその近くにある劇場に向かった。豪華絢爛に彩られた観客席やステージからもわかるその迫力にメイヴは圧倒されかけていた。
メイヴ「流石に豪華絢爛そうね」
蒸気クルーク「この劇場の支配人、相当な成金だからね。ひかりのまちの貴族連中からお呼びがかかっていたそうだけど、本人はかぜのまちの住人寄りだからその依頼は受けてないんだよ」
クルーク「ふーん。まあボク達の世界にも庶民の温かい味を愛するお金持ちを知っているから、それに関してあんまりおかしいと思ってないけど・・・」
すると、クルークの頭上に紐が切れたシャンデリアが落ちようとしていた!
蒸気クルーク「チェリーワールドの僕!!」
メイヴ「マスター!!」
クルーク「!!?」
シャンデリアが豪快に落ちたものの、クルークは間一髪で助かった。たまたま仕事の合間に蒸気クルークに会いに行こうとしたらこの劇場に通りかかっていたかぜのまちの守人蒸気ラフィーナが助けてくれたからだ!
蒸気ラフィーナ「大丈夫ですか?」
クルーク「うん、なんとかね・・・」
蒸気クルーク「ラフィーナ、彼を助けてくれてありがとう。ところでなんでここに来たの?」
蒸気ラフィーナ「仕事の合間にクルークに会いに行こうとしたら、この劇場に入ったクルーク達を見かけてね。あと、シャンデリアの件で支配人と話さなければなりませんし」
すると、こっちに向かってくるような足音が聞こえた。一同はその足音の持ち主を見た。
蒸気クルーク「ずっと見てたんだよね?絵本のキャスターのマスター君」
蒸気さかな王子「・・・」
睨みつける様子の蒸気さかな王子(ぷよクエのカード名は蒸気都市のシェルブリック3世ですが、桜サイドの彼は蒸気さかな王子表記)を見て、クルークはあの時に自分達を見ていた少年と同一人物であることに気付く。
クルーク「キミ、まさかずっと見ていたのか?要求はなんだい?」
蒸気さかな王子「要求は決まっておろう」
蒸気さかな王子はナーサリーに指差した。
蒸気さかな王子「そこのキャスターとそのマスター権を余に渡すこと。いや、返還じゃな」
クー「は!?マジで言ってんのかよそれ!?」
指名されたナーサリーは戸惑いつつも蒸気さかな王子を見ながら答えを発した。
ナーサリー「できないわ。残念だけど、あたしはあなたのサーヴァントだった「あの子」じゃないわ」
ナーサリーの答えを聞いた蒸気さかな王子はため息を吐きながら言う。
蒸気さかな王子「そうか・・・ならば、仕方ない。そのマスターを殺せば済むことじゃろう」
蒸気クルーク「この子は殺させない!この子には仲間と帰るべき世界があるんだ!」
蒸気さかな王子「余がこの行動に出た理由はわかっておろうな?あやつがゾォルケンの陣営に殺された以上に・・・」
蒸気さかな王子「あやつが余に話してくれた秘密を知っていたことが、何よりも許せんことじゃ!!」
蒸気さかな王子が劇場を発動させたことで演者達がステージに出現した!
メイヴ「これは?」
蒸気クルーク「幻霊だ。この劇場があいつの固有結界になっているんだ」
クー「固有結界!?そんな中で攻撃されたらヤバいじゃねーか!!」
すると、医者のキャスターが演者の幻霊達の前に出た。
医者のキャスター「それなら僕が行こう。攻撃には及ばんでも治療ぐらいはできよう」
医者のキャスターが自分の蛇を使って幻霊達に攻撃した!
クルーク「蛇を使役してるのか!」
医者のキャスター「他にも杖を使えるがな。本領は医療行為なのだが」
それを見た蒸気さかな王子は手を振り始めた。
蒸気さかな王子「ならば、これはどうじゃ?」
蒸気さかな王子は劇場の悪役として魔獣を出現させた!
メイヴ「魔獣ね!」
蒸気ラフィーナ「それならば、私にお任せくださいませ!」
蒸気ラフィーナの拳により魔獣が吹き飛ばされた!
クルーク「どこの世界もラフィーナはこうなんだな・・・;」
蒸気クルーク「キミのとこもこんな感じか;」
すると、蒸気さかな王子が蒸気クルークに飛びついた上で首を絞め始めた!
医者のキャスター「マスター!」
蒸気クルーク「いい、よせ!」
蒸気クルークを睨みながら蒸気さかな王子は発し始めた・・・。
蒸気さかな王子「あいつは余に自分のルーツを話してくれたのじゃ。自分のこの霊基はとある少女をベースにしたものじゃと」
ナーサリー「・・・!」
蒸気さかな王子「それを余が敵対する貴様も知っているはずじゃ!ゾォルケンが倒れたなら、なぜあの子を助けなかったぁ!」
すると、蒸気クルークが蒸気さかな王子を蹴ってその隙に解放された!
蒸気クルーク「知らないねそんなの!」
蒸気さかな王子「なんじゃとぉ!!?」
すると、クーが自分の杖で蒸気さかな王子に攻撃し始めた!
クー「おっと!死にたくなければ、大人しく諦めなぁ!」
蒸気さかな王子「!ランサーか」
そんな蒸気さかな王子の後ろにメイヴが忍び寄るように来ていたよ
メイヴ「嫉妬深い男は嫌われるわよ?」
蒸気さかな王子「うわっなぜ背後にいれるんじゃあ!?」
蒸気さかな王子はトランクがら何かを引っ張り出したもので二人に攻撃しようとするが、その寸前に放たれたカーンの魔力球により壊された!
カーン「させぬ」
その直後、戸惑った蒸気さかな王子に蒸気クルークが攻撃した!
蒸気さかな王子「クルーク、なに、を」
蒸気さかな王子が硬直になりながら蒸気クルークはつぶやいた。
蒸気クルーク「もう教えておく。キミのキャスターは剣士のキャスターが使役していた蠢魔系のエネミーにより触れたら感染されるような毒性を持っていてね、ボク達が知った時にはもう手遅れだったんだ。それと、あの子が自分の召喚のルーツをボク達に話したことはなかった」
蒸気クルーク「キミに教えたとすれば、それはキミだけのものだ」
蒸気クルークの言葉に蒸気さかな王子が涙を流したながら倒れた後、クルークは訊ねる。
クルーク「・・・いいのかい?」
蒸気クルーク「うん。これでいいよ」
クー「で?あいつらのところに向かうよな?」
クーの問いに蒸気クルークは頷いた!
蒸気ラフィーナ「それなら私も一緒に向かいますわ!護衛もつきものよね?」
蒸気クルーク「ああ、キミの働きには期待しているよ!」
一同は蒸気さかな王子は観客席に寝かせた後、ゼオ達がいる丘に向かうためにワープスター号に向かった・・・!
- 第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」(その2) ( No.458 )
- 日時: 2025/05/22 20:18
- 名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)
一方の丘ではそこに着いたゼオ達が事前に蒸気クルークに教えてもらった合図をしようとしていた。
蒸気シェゾ「んで、何をするんだ?」
ゼオ「これです。メタナイト、カービィと遥か上の方にまで空を飛べ」
メタナイト「それだけでいいのか?」
飛行でカービィとメタナイトが遥か上の方の空を飛ぶが、その直後に黒い剣筋が飛んできた!
メタナイト「っ!」
それに気付いたメタナイトが宝剣ギャラクシアで打ち返したことで事なきを得た!
夢幻メタナイト「見事・・・!」
ゼオ「よし、ようやく来たか」
ゼオ達が後ろに振り向くと、そこには蒸気ツーストとグローマンがいた。
蒸気ツースト「完全にハメられたな・・・クルークの差し金が?」
フィン「キルケーが斬られたのは異世界に飛ぼうとしていたルール違反であっただろう?あくまでキミ達の言う〝ルール〟だがね、今回はそれが誘き寄せるに役に立ったよ」
チャラ王「つか、本当に同じ顔の奴いるんだな・・・;」
蒸気ツースト「何が目的だ。言え」
蒸気ツーストの問いにエレナはグローマンを見ながら答えた!
エレナ「グローマンの正体を知ることよ!そいつは人間ではなくセイバーのサーヴァントでしょう!」
蒸気ツースト「キルケーの奴、消滅間際に情報を教えやがったのか・・・あと、シェゾはこいつらに協力していたと確信したから連行させてもらうぞ」
蒸気シェゾ「やだね。それを言われて誰が行くかよ」
蒸気ツースト「・・・そうか」
蒸気シェゾから連行を拒絶された蒸気ツーストは自分の剣を彼らに向けながら構えた!
ゼオ「行くぞ!多少傷がついても怒るなよ!」
ゼオが古代魔法で蒸気ツーストに攻撃しようとするが、彼はそれを軽々と避けた!
ププル「ボク達の世界のツーストさんと同じく伊達に戦ったわけじゃなかったんだ・・・」
ディルムッド「ならば、この槍の二刀流を見よ!」
ディルムッドが自分の双槍で蒸気ツーストに攻撃するが、その直前にグローマンに阻まれた!
ディルムッド「っ!!」
ノッブ「やはりセイバーのじゃったか・・・!」
それぞれに攻撃しようとしても片方に阻まれており、このままではグローマンの正体を知るどころかダメージを与えることもできない。
カッツ「おいこのままじゃこっちが体力削られるぞ」
ルート(さて、どうしたものか・・・)
すると、ルートは二人のこれまでの行動を見ながら何か思いついた!
ルート「そうだ、あれならば・・・!お前、今から私が言う作戦に協力しろ」
蒸気シェゾ「なんで俺なんだよ?」
ルート「こうさ、ーーーーー」
その作戦の内容を聞いた蒸気シェゾは頷く形で承諾した後、蒸気ツーストは彼らが何やら話している様子を見ながら嗤う。
蒸気ツースト「はっ、何やら作戦会議か?どんな作戦が来ようとも俺達には・・・」
蒸気シェゾ「あー、あーあー。あああああー!!!」
蒸気シェゾが突然叫んだことにびっくりした蒸気ツーストとグローマンが周りを見渡した!
蒸気ツースト「な、なんで急に叫び声が・・・!?つか、あいつらはどこに「ここだよ!」
すると、リップが上からお供のヒップを変化させたピコハンで蒸気ツーストを殴りつけた!
グローマン「!」
夢幻メタナイト「させるか!」
続いて夢幻メタナイトが勲章の薔薇をピッとグローマンに投げつけたことで視線をこちらに向かせた!
ノッブ「ほぉ!お主、やるではないか!」
夢幻メタナイト「この勲章は私の武器も兼ねているからな。ルート殿、これが作戦か?」
ルート「ああ、そいつらは音のみで誰が攻撃してくるのかわかっていた。だから、そいつの叫び声でそれを混乱してやったのさ」
蒸気シェゾ「もうこれっきりだからな・・・;」
蒸気ツーストが気絶しているうちにグローマンの正体を露見させようとした矢先、彼女が剣に黒い光を込めながら振るってきた!
メルト「あら、本領発揮させたわね!」
トリスタン「なんとか隙を作れば良いのですが・・・なかなか・・・」
すると、空からお菓子などが降ってきた!夢幻カービィのワープスター号で帰って来ていたナーサリーの宝具だ。
おぼろ(モイモイ)「このお菓子は・・・あ!」
上を見上げたら、ワープスター号が丘の方に降りて来た!
クルーク「お待たせ!」
ナーサリー「あたしの物語のお菓子はいかがかしら?」
ププル「おかえりー!」
それを見たグローマンが剣筋を飛ばそうとするが、ゼオの杖に打ち返された!
ゼオ「おっと!斬ろうとしないで正体を見せろ!」
着陸してから降りて来たクルーク達と同様に降りて来た蒸気ラフィーナをグローマンが見る。
グローマン「貴様、このかぜのまちの守人なのに許すのか」
蒸気ラフィーナ「ええ。だって、こんなこと流石に酷いですもの!」
蒸気ラフィーナの迷いのない瞳にトリスタンが発言した!
トリスタン「こういうところはあまり変わってないのですね。モードレッドのは憎しみがあまりないとはいえ変わらないのでは問題なのですが」
すると、その言葉を聞いたグローマンがトリスタンに振るう剣筋が速くなった!
トリスタン「っ!?」
クルーク「モーさんの真名を聞いてスピードが速くなった!?ということは正体は・・・!」
ゼオ「いや。あの騎士の剣筋が憎しみ関係なくとも纏うのは赤雷だ。しかし、これは赤くもなければ雷でもない、黒い光だ。ということはグローマンの正体は・・・」
何かに気付いたゼオは叫んだ!
ゼオ「お前なら知っているはずだ!円卓の妖弦騎士トリスタン!」
呼ばれたトリスタンは顔を青ざめながら重い口を開いた・・・
トリスタン「・・・暴君と化した、お、う・・・?」
トリスタンに正体を割られたグローマンはパリンと割れたような音が鳴り、全部落とされた後に正体を現した。「暴君」と化した騎士王、アルトリア・ペンドラゴンを・・・。
騎士王?「・・・ようやく気付いたか。思ったよりも遅かったがな・・・」
- 第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」(その3) ( No.459 )
- 日時: 2025/05/22 20:20
- 名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)
グローマンの真名は「アルトリア・ペンドラゴン」である彼女は自分達が知る彼女の姿とは異なっていた。鮮やかだった金髪が淡くなっているし、何より服装が違う。
クルーク「騎士王様がなんか違うような・・・」
クー「あー・・・これはオルタだな。お前ら、ダイ山の時にオルタの俺にも会ったことあるだろ?」
クルーク「ああ、キミがおぞましくて黒くなったような感じの?」
クー「俺達サーヴァントは通常全盛期の姿で召喚される。だが、可能性は低いが別側面も召喚されるケースがある。それを踏まえれば・・・あんたはこの世界で「裁定者」の役割で呼ばれたセイバーだな?」
クーの問いに黒い騎士王ことセイバーオルタは頷いた。
セイバーオルタ「ああ、そうだ。この蒸気聖杯戦争における本来の役割であるルーラーは残念ながら呼び出せなかったからな。その代わりに私が呼ばれた」
ププル「ルーラー・・・?」
セイバーオルタ「聖杯の魔力に勘づくであろう、天草四郎時貞だ」
その名を聞いた大半の一同は首を傾げた。
セイバーオルタ「なんだ、わからぬか?」
カービィ「いやキミが言ったのは別存在だってわかってるけど、その人はボク達の仲間だよ」
メタナイト「そういえば、あいつのクラス名はルーラーだったな」
チャラ王「裁定者の役割はちゃんと持ってんだなー」
トリスタン「つか、あの男は同担拒否な奴ですよ。私の王ドラ殿に何度もちょっかいかけて・・・!」
蒸気クルーク「えっ、キミ達のはもうすでにいんのかよ!?」
セイバーオルタ「・・・話の内容はよくわからぬが、貴様らの世界では呼ばれたようだな。それはまあいいが」
セイバーオルタを前にゼオは訊ねた。
ゼオ「あんたらの目的はなんだ?言ってみろ」
セイバーオルタ「決まっている。この蒸気聖杯戦争の賞品である聖杯を使って貴様らの仲間が入ったダイヤと融合しチェリーワールドがこの蒸気都市ダイヤモンド・タウンに移し変えることだ」
エジソン「バカな・・・チェリーワールドをこの蒸気都市に移し変える・・・!!?」
フィン「メモフィアと蒸気聖杯戦争はそのためのものであったか!」
ナーサリー「そんなことしたらチェリーワールドが跡形もなくなくなってしまうのだわ!!」
蒸気シェゾ「一体王は何を考えてやがんだ!!」
セイバーオルタが話したメモフィアと蒸気聖杯戦争の真実に大半の全員がざわめく。
セイバーオルタ「話すのはここまでだ。このまま立ち去りたいところなのだが・・・」
すると、セイバーオルタが蒸気ラフィーナの腕を引っ張り上げた!
蒸気ラフィーナ「何よ!?」
セイバーオルタ「貴様は結果的にルールを破ろうとしたクルーク陣営を守った。その罰は受けてもらう」
セイバーオルタは自分のエクスカリバーで蒸気ラフィーナの目を突き刺した!
蒸気ラフィーナ「あああああーーーーー!!!」
蒸気クルーク「ラフィーナ!!」
その直後、蒸気ラフィーナは闇のオーラを纏いながら駆け寄ろうとした蒸気クルークに攻撃し始めた!
蒸気クルーク「!?」
医者のキャスター「マスター!」
医者のキャスターが拳を繰り出す形で庇った後、ノッブはセイバーオルタを問い詰めた!
ノッブ「お主、何をしたんじゃ!」
セイバーオルタ「私のエクスカリバーを通じて操り人形になってもらった。ちょうど作家のキャスターが作ってくれたからな」
ゼオ「作家のキャスター・・・」
蒸気ラフィーナは虚ろな目で蒸気クルーク達を見た。
蒸気ラフィーナ「あ・・・クルーク・・・私は・・・」
蒸気クルーク「目を覚ませラフィーナ!」
蒸気ラフィーナの繰り出し続ける攻撃にププルが杖で防ぎながら言う!
ププル「ダメ!ボク達はキミに攻撃したくないんだ!お願い!」
セイバーオルタ「無駄だ。戦わなければ傷をつけられる」
クルーク「・・・っ!」
やむを得ず蒸気ラフィーナと戦闘を開始するが、その最中にゼオは彼女から微かな呟きが聞こえた!
蒸気ラフィーナ「だ・・・め・・・わた、くし、はぁ・・・!」
ゼオ「!(まだ自我が残っているのか。ということは心の奥底では必死に抵抗してる・・・!」
それに気付いたゼオはエレナに指示する!
ゼオ「エレナ!頭冷やさせるために宝具!」
エレナ「!峰打ち代わりね。わかったわ、少しだけ手加減してあげる!」
エレナは自分の巨大UFOを呼び出しながらそれに向かって手を掲げた!
エレナ「少し痛いだろうけど、我慢しなさい!金星神・火炎天主(サナト・クマラ)!」
エレナの宝具により蒸気ラフィーナは鎮圧し倒れた!
蒸気クルーク「ラフィーナ・・・」
ゼオ「大丈夫、峰打ち代わりだ。威力を手加減した」
それを見たセイバーオルタがクルーク達を見た。
セイバーオルタ「死なせなかったのか・・・どうせなら即死級の力を放てばよかったと思っているだろう?」
クルーク「そんなこと・・・!」
ゼオ「クルーク、言っても無駄だ。一旦撤退。すぐに逃げるぞ」
一同が逃げ出そうとするが、セイバーオルタはつぶやいた。
セイバーオルタ「ふっ、貴様らの大事な奴らはそいつらだけか?」
蒸気クルーク「なに・・・?」
すると、夢幻メタナイトの後ろに先程目を覚ました蒸気ツーストの剣が飛んできた!
蒸気クルーク「しまった!!メタナイト!!」
夢幻メタナイト「っ!!」
その時、蒸気クルークよりも早く夢幻メタナイトを庇った姿があった。それはまるで自分の大切な人だからであると言わんばかりの桃色だった。
ザシュッ
それを見た瞬間、大半の全員が唖然。斬った張本人である蒸気ツーストは舌打ちした。
蒸気ツースト「チッ、無駄なことを」
夢幻メタナイト「どうして・・・私を庇った!カービィ!!」
夢幻メタナイトの叫びに夢幻カービィは口から血を出しながら彼を見る。
夢幻カービィ「・・・そんなの決まってる、じゃん・・・大切な、キミがこれ以上、傷を付けたく、ないから・・・」
夢幻メタナイト「カービィ・・・」
夢幻カービィ「メタ、キミに冷たくされても、構わない・・・メタ、ボクは、キミが、だいすき、だ、よ・・・」
その言葉を最後に夢幻カービィは光となって消えた・・・
夢幻メタナイト「カービィ!カービィ!!う・・・うう・・・うわあああああー!!!」
それを見たクルークは前の夢幻カービィの言葉を思い出した・・・。
クルーク(夢幻カービィの好きな人は、夢幻メタナイトだったのか・・・)
そんな彼らの様子を我関せずに蒸気ツーストが剣を上に掲げた。
蒸気ツースト「まあいい。今度こそ斬るだけだ。この蒸気聖杯戦争を止めるのに加担した時点で、この男は終わりだよもう」
蒸気ツーストが剣を夢幻メタナイトに振るおうとした瞬間・・・
蒸気ラフィーナ「たぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
我に返った蒸気ラフィーナが傷だらけになりながら夢幻メタナイトを庇う形で剣を弾き飛ばした・・・!
蒸気クルーク「ラフィーナ!!」
蒸気ラフィーナ「逃げなさい!医者のキャスターもあなたの仲間達も殺されるわ!時間稼ぎぐらいはしてもよくてよ!」
蒸気クルーク「死にに行くつもりか!あいつの片方はひかりのまちにおける最強騎士の一角だ!」
蒸気ラフィーナ「なら、今度はあなた達が勝ちなさい。それでこんな聖杯戦争を止めてあなたの願いを貫きなさい。今のあなたならきっとできると信じてあげるわ」
蒸気クルーク「ラフィーナ・・・」
蒸気ラフィーナは蒸気シェゾに向かって叫ぶ!
蒸気ラフィーナ「シェゾさん、車の運転お願い!」
蒸気シェゾ「おうよ!」
蒸気シェゾの運転する車に夢幻ラフィーナ以外の全員を乗せた後エンジンをかけた!
蒸気シェゾ「行くぞ!しっかり捕まってろ!」
蒸気シェゾの運転する車が猛スピードで走り去った後、蒸気ツーストはニヤリと嗤う。
蒸気ツースト「仲間を逃すことと引き換えに自らの命を差し出すとはな・・・どいつもこいつも無駄死を好むものだ」
蒸気ラフィーナ「無駄死と言われても結構。私は私の想いを貫くだけよ!」
蒸気ラフィーナは自分の拳にありったけの力を込めて突進した・・・!
蒸気ラフィーナ「おぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁー!!!!」
- 第5話:蒸気聖杯戦争の「目的」(その4) ( No.460 )
- 日時: 2025/05/22 20:22
- 名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)
その数時間後、なんとか蒸気クルーク達が住むアパートに戻ってきた一同は積み重なった色々な出来事により重い沈黙を貫いていたが、一番ショックなのは夢幻カービィが夢幻メタナイトを庇って光となって消えたことだ・・・
夢幻メタナイト「・・・」
蒸気クルーク「メタナイト・・・」
カービィ「ねぇ・・・あのボクは本当に消えちゃったの?」
蒸気クルーク「・・・この蒸気聖杯戦争の間は参加者でなくとも致命傷を負った奴は光となって消えちゃうんだ。どこに行ったかわからないけど、おそらく・・・」
リップ「そんな・・・」
ということは蒸気ラフィーナも・・・最愛の想い人を失ったショックで茫然自失となってしまった夢幻メタナイトは静かに呟く。
夢幻メタナイト「クルークにも、キミ達にも責めるつもりはない。全ては私の甘さ故の過失だ・・・」
蒸気クルーク「違う!あれはボクがちゃんと気付かなかったからだ!ボクのせいだよ・・・!」
蒸気クルークも思わず涙を浮かんだ直後・・・
メタナイト「自分を責めてる場合ではないだろうバカ共がぁ!!」
沈黙を真っ先に破ったメタナイトがもう一人の自分と蒸気クルークに拳骨した・・・!
夢幻メタナイト「!?」
蒸気クルーク「いっ・・・!」
メタナイト「どいつもこいつもおすまししながら振る舞うくせにこんな弱音を吐くとは・・・!蒸気クルーク!貴様も「クルーク」なら最後までその自己中を貫いておけ!このクルークも時にただこねる子供のようだが、それが人を惹きつけるぐらい諦めが悪い奴だぞ!」
クルーク「はぁ!?ボクのことそんな風に思ってたのかい!?悪口か褒めてるのかどっちなんだよ!?」
メタナイト「もう一人の私!どうせ身分差で彼女に想いを伝えなかったのだろう!私がカービィと通じていることを羨ましがりながらな!ならば、どうして彼女を信じてあげられなかった!彼女はそれでも貴様が好きなのだ!それでも・・・確かに過ぎたことは仕方ない・・・だが、今できることはこんな腐った聖杯戦争を止めることだ!それが貴様らの目的だろう!最後までその自己中を貫くんじゃなかったのか!」
蒸気クルーク&夢幻メタナイト「・・・!」
メタナイトの叱咤激励に予想もしていなかった一部は戸惑う。
ププル「あのメタナイトさんが、熱いお説教・・・!?」
ゼオ「暑苦しいな・・・」
しかし、メタナイトの叱咤激励を聞いた医者のキャスターはふっと笑った。
医者のキャスター「めちゃくちゃな物言いだ。場合によっては荒療治に過ぎん。だが・・・響くのではないのか?」
医者のキャスターからも諭された蒸気クルークと夢幻メタナイトは顔を上げた・・・!
蒸気クルーク「そうだね・・・こんな時に、落ち込んでる場合じゃない・・・!」
夢幻メタナイト「ああ。決意させてくれたのは、まさかもう一人の私の言葉とは・・・」
涙を拭った蒸気クルークは声を上げた!
蒸気クルーク「よーし!明日にもあいつらが狙ってくる!決戦だ!」
蒸気クルークの言葉に全員が頷いた・・・!
一方、ひかりのまちにある城では王が作家のキャスターからの報告を聞いていた。
作家のキャスター「グローマンの正体と真名がクルーク達に露見しましたぞ。そろそろ幕引きなのでは?スプラッタのホラーは少々避けたいのですが」
王「構わん。この蒸気都市ダイヤモンド・タウンの市長は中立派ゆえにこの城の棺に閉じ込めてある。この蒸気都市がどうなろうと問題ない」
作家のキャスター「ということは?」
王は作家のキャスターの方に振り向きながら告げる。
王「我が騎士達に明日にひかりのまちを全開放するのを告げろ。全てはチェリーワールドを新たな蒸気都市に変えさせるためにな・・・!」
その夜明け前、眠れなかったクルークは一人歩いていた。
クルーク(明日決戦だからなんかソワソワしてるのかも・・・)
蒸気クルークの自室に向かったら、予想通りキャンバスに絵を描く彼の姿があった。
クルーク「また眠れないのかい?」
蒸気クルーク「うん。自分で言い出しといてなんだけど、なんか眠れなくてさ。情けないよね」
クルーク「そんなことないよ。ボクも似たようなものだ」
蒸気クルークはクスクスと微笑いながらもう一人の自分に聞く。
蒸気クルーク「一度だけ聞くけど、あの時の約束は忘れてないよね?」
クルーク「ああ、覚えてるよ。このボクが約束を破るわけないだろう?こう見えても、一度たりとも破ったことないんだからね!」
クルークの言葉に蒸気クルークは笑顔を浮かべながら呟く。
蒸気クルーク「明日だね」
クルーク「うん。もうすぐ夜が明ける」
夜明け前の空に太陽の光が差し始めた・・・!
蒸気クルーク「そして終わらせよう。こんな戦い(悲劇)を・・・!」
その早朝、全員が集まったところでちびノブの一体に偵察を差し向けていたカッツが報告してくれた。
カッツ「この世界のドロッチェから聞いた。ひかりのまちが全開放されたそうだ。なぜか服が変わっていたが・・・」
蒸気クルーク「そうかい(聖杯を盗むのは本気だったか・・・上手くやってくれよ、ドロッチェ!」
蒸気クルークは絵筆を掲げながら宣誓する!
蒸気クルーク「キミ達!これが最後の戦いだ!敵はひかりのまちの城にあり!なんとしてでもこの蒸気聖杯戦争を壊して奴らの計画を破綻させろ!ひかりのまち突入開始ぃぃぃぃぃーーーーー!!!」
全員「おぉぉぉぉぉーーーーー!!!!」
第6話に続く・・・!
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