二次創作小説(紙ほか)
- 最終話:さよなら蒸気都市(その1) ( No.466 )
- 日時: 2025/06/03 17:06
- 名前: 桜 (ID: ly29w5Uv)
今回で最終回!果たして蒸気都市ダイヤモンド・タウンの結末は・・・!?
ーーーーー夢幻メタナイトはこのまま死の淵に消えるかと思われたが、気付いたらどこかの洞窟にいた。
夢幻メタナイト「ここは・・・」
???「僕の生きたギリシャの・・・あの男が気にかけていたある吟遊詩人が下っていた冥界にある洞窟だ。と言っても、いわゆる仮想空間に過ぎんがな」
夢幻メタナイトは自分に声をかけた人物を見る。第三再臨姿のアスクレピオスだ。
夢幻メタナイト「そなたは・・・もしや医者のキャスター?」
アスクレピオス「霊基を変えているから一瞬わからなかったか。ついてこい」
アスクレピオスに案内された夢幻メタナイトはとある場所に辿り着く。
アスクレピオス「着いたぞ。見ろ」
夢幻メタナイトが目にしたのは・・・
小さな星の光の上で眠る夢幻カービィの姿だった・・・!
夢幻メタナイト「カービィ・・・!?あの時に死んだはずでは・・・!」
アスクレピオス「厳密には死んではいない。あの時にそいつがなった光の形を見て、生きた魂のまま聖杯の中に連れて行かれたと勘づいた。それを僕がひかりのまちの奴らには内密で連れ出した。その代償に眠り続けているままだがな・・・」
夢幻カービィを見る夢幻メタナイトを見て、アスクレピオスは問う。
アスクレピオス「・・・吟遊詩人は愛する者を永遠に失った。冥界から連れ戻そうとしてもその女に振り向いてしまったことでそれが確実となった。問おう、貴様はその吟遊詩人と同様にこの冥界からそいつを連れ戻す気はあるか?」
アスクレピオスの問いに夢幻メタナイトは首を横に振った・・・
夢幻メタナイト「連れ戻さなくていい・・・ただ彼女に、言いたいことがある。だから、今ここで言わせてもらう」
夢幻メタナイト「カービィ。私も、キミが好きだ・・・」
一筋の涙を流しながら夢幻カービィに想いを告げる夢幻メタナイトを見てアスクレピオスはふうっと一息ついた。
アスクレピオス「誤解するな。貴様はあの吟遊詩人ではない。連れ戻せる資格はある。冥府神ハデスがいないなら尚更な。僕を殺した神々を嫌う僕が来たからな・・・」
すると、夢幻カービィの動きが微かに動いた・・・!
アスクレピオス「そいつに与えた特効薬を教えてやる。一番下らんものだがな・・・貴様の真実の愛、だ」
夢幻メタナイト「・・・!」
夢幻カービィは目をうっすらと開けながら、目の前にいる愛しい人の顔を見た・・・
夢幻カービィ「メタ・・・?」
夢幻メタナイト「カービィ・・・!よかった・・・!」
夢幻メタナイトは夢幻カービィを思わず痛いほど抱きしめる。それを見た夢幻カービィは涙を浮かべながら彼の頭を撫でた。
夢幻カービィ「メタ、あのね・・・ボクもずっとキミに言いたかったことがあるんだ!あの時みたいにじゃなくて・・・」
夢幻メタナイト「私もだ、カービィ。ならば、同時に言うか・・・」
夢幻カービィ&夢幻メタナイト「キミが、好きだよ」
想いが通じ合った二人は光に包まれた・・・
夢幻メタナイト「では帰るか。クルーク達を助けに・・・」
夢幻カービィ「うん!」
二人を包んだ光が消えた後、アスクレピオスは一人静かに呟いた・・・
アスクレピオス「・・・あとは僕の本導体と、マスター達次第だ。あと・・・今度はもう手放すなよ。あの吟遊詩人とそいつが愛した女ではないのだからな・・・」
パワーアップしたワープスター号に乗る二人を見た蒸気クルークは二人を呼ぶ!
蒸気クルーク「カービィ!メタナイト!」
夢幻カービィ「えへへ。ただいま!」
夢幻メタナイト「流石に死ぬかと思ったがな・・・」
それを見たアスクレピオスはニヤリと笑った。
アスクレピオス「僕による治療は完了したようだな・・・一抹の賭けだったが、マスターのあの時の演技はオーバーが過ぎたな」
クルーク「え?じゃあ、あの時に泣き叫んでたのは・・・」
クルークに聞かれた蒸気クルークは・・・
蒸気クルーク「てへっ☆」
大半の全員「いや、てへっ☆じゃねーから!!!」
おぼろ(モイモイ)「どうやって戻ってきたの?」
夢幻メタナイト「愛の力だ」
一方、これまでの経緯を知らないあいり達は思わずびっくりしていた!
あいり「カービィとメタナイトが二人!?」
モードレッド「なんだこのムフフなじゃなくてどっちがあいつらなんだ!?」
ゼオ「どっちも本物だ。あいつらはこの世界の住人だ」
クロス「ほう(王ドラ辺りが見たら思わず弄ってそうな・・・;」
それを見た蒸気王は唖然としながらワープスター号を見た。
蒸気王「バカな・・・あそこから出られないはずだ!」
夢幻カービィ「愛の力だもん!」
そうこうしているうちにクルーク達もスタン状態が解けた!
ププル「スタンが解けた・・・!」
フィン「ではそろそろ覚悟してもらうか」
蒸気王はクルーク達を睨みつけながら発する。
蒸気王「貴様らはワープスター号のような乗り物がないゆえ飛ぶことはできん」
ゼオ「一部はともかく浮遊魔法ならどうにかなるが、流石に大人数相手では・・・」
すると、空から何かが飛んできていた!蒸気王はそれを見た。
蒸気王「あれは古代の技術で作られた神秘の船・・・!」
カービィ「ローア・・・!?(ボク達の世界のとは違うようだけど・・・」
すると、ローアのウィング部分からモニターが映し出され、そこには夢幻マホロアが映っていた!
夢幻マホロア(モニター)「ヤア、キミタチ!コレが映し出されタというコトはボクはマケタんダロウケド・・・ソノ時のタメの乗り物としてキミタチにボクのローアを貸してアゲるヨォ!必ずボクタチのためにこんな蒸気聖杯戦争を終わらセテ、そしてボクタチを助けテネ!」
クー「夢幻マホロアの奴、最初からこの策を用意してやがったのか・・・!」
メイヴ「でも、これで蒸気王に立ち回れそうね。最後まで助かったわ・・・!」
メタナイト「乗るぞ!」
大半の全員がローアに乗る中でノッブは夢幻クルークとアスクレピオスに訊ねる。
ノッブ「お主らは乗らんで良いのか?」
蒸気クルークはその言葉に首を横に振った後・・・
蒸気クルーク「・・・乗ってくれ。ボク達はここに残るよ」
蒸気クルークの言葉にノッブは察した。
ノッブ「やはりあの古代機械のところに向かうのか?」
蒸気クルーク「うん。最後のケジメをつけにね。二度とこんな歪んだ聖杯戦争を起こさないように・・・」
すると、モードレッドがゲート扉からひょっこりと顔を出した!
モードレッド「おい。もう飛ぶぞ」
ノッブ「ああ。今向かう」
モードレッド「あと、そこのクルーク」
モードレッドが無言で何かを蒸気クルークに手渡した。蒸気クルークが見ると、彼女が三角ダイヤから脱出できた際に持っていた、最後の三つ目の魔法の歯車だった・・・
モードレッドの気持ちを察した蒸気クルークがお互いに目を合わせた後、彼女はローアの中に戻った・・・
ノッブ「どうやら全部お主らの手に入ったそうじゃな」
蒸気クルーク「だね。あ、一つだけ言い忘れてたんだけど・・・キミ達のところのアサシンの彼には後で謝っておいてね」
それに頷いたノッブはやるせない笑顔を浮かべ・・・
ノッブ「・・・さらばじゃ、クルーク」
ノッブがローアの中に入った後、ゲート扉が閉ざされた。そしてローアが蒸気王のところに向かうために飛んだ・・・!
アスクレピオス「マスター・・・」
蒸気クルーク「大丈夫。行こう!」
蒸気クルークとアスクレピオスは城の奥にある古代機械のところに向かった・・・!
- 最終話:さよなら蒸気都市(その2) ( No.467 )
- 日時: 2025/06/03 17:12
- 名前: 桜 (ID: ly29w5Uv)
一方、城の前で仲間達と共にセイバーオルタと戦っている妖弦の円卓騎士は飛ぶローアを見た。
トリスタン「あれは・・・!(そうですか・・・」
王ドラ「ローア!?なぜこんなところに?」
トリスタン「いえ、あれは・・・この世界の彼のローアです」
王ドラ「!この世界にも彼が・・・会えないのは残念ですがね」
一方、それを見たセイバーオルタもローアの方に剣を振ろうとしたが、天草がそれを阻止するかのように黒鍵を投げ飛ばした!
セイバーオルタ「っ!」
天草「彼らの邪魔はさせませんよ?」
阻まれたセイバーオルタは自分のエクスカリバーに黒い光を込めた!
リップ「この感じはまさか・・・宝具!みんな逃げて!」
セイバーオルタは剣を振り・・・
セイバーオルタ「約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)!!」
セイバーオルタの超強力な宝具により周囲一帯が飛ばされ、このまま全滅かと思われたが・・・
チャラ王「!為朝さん!!」
為朝が自分のガッツスキルを発動させてまで矢を放ったことでマスターの王ドラやリップ達を守ってくれたことで事なきを得たのだ・・・!
為朝「心配ない、ガッツスキルを発動させたことで無事である。だが、これ以上の戦闘は不可能」
王ドラ「為朝さん・・・あなたは休んでて下さいね」
為朝の矢によって宝具を半減させられたセイバーオルタは二度目の宝具展開を発動させようとした。
セイバーオルタ「次が貴様らの全滅だ・・・」
しかし、彼女の足元にはルートの発明品だった小さな機械人形達に囲まれた!
セイバーオルタ「!?なんなのだ、こいつらは?」
ルート「どうだ動けないだろう!リップ、ちー、お前らがヘンテコだと言った私の発明品は役に立ったか!」
リップ&チャラ王「役に立った!!」
ルート作の小さな機械人形達に妨害されたセイバーオルタはそれを振り払っていた。
セイバーオルタ「この私を舐めるとはな・・・」
阿国「隙あり、斬サブローアタック!」
斬サブロー「ザァンッ!」
メルト「これはこないだの彼女の分の仕返しよ!」
セイバーオルタ「っ!!」
阿国とメルトの攻撃に続いて、王ドラもセイバーオルタを蹴り飛ばした!
セイバーオルタ「がっ・・・!!」
王ドラ「いけっ!!」
リップ「!」
王ドラに合図されたリップは自分の令呪を光らせた!
リップ「令呪を以て命じる。今こそ黒い騎士王に眠りを与えて!アーチャー!」
トリスタン「!」
リップの令呪による命を受けたトリスタンはハープを引く。
トリスタン「我らの王。黒い騎士王。貴方はこの世界の王に、蒸気聖杯戦争に力を貸した。だからこそ・・・我が宝具の空気撃ちを以て、貴方達の野望を砕く!」
トリスタンはハープを奏で・・・
トリスタン「痛哭の幻奏(フェイルノート)!!」
自分の最大威力を込めた宝具を黒化した生前の主君に放った・・・!
セイバーオルタ「・・・っ」
それにより倒れたセイバーオルタは自分のエクスカリバーを手に取ろうとするが、そこにトリスタンが前に現れた。
セイバーオルタ「貴様・・・」
トリスタン「王。今貴方に眠りを与えることをお許し下さい」
セイバーオルタ「それは・・・どういう・・・」
その直後、セイバーオルタはトリスタンに剣で刺し貫かれた。それを抜いた後、セイバーオルタは口から血を流しながら・・・
セイバーオルタ「あの時に私の前から去った嘆きの騎士よ。ーーーーー見事、だ」
そう言い残した後に消滅した・・・
トリスタン「・・・」
剣を鞘に納めたトリスタンにリップ達が駆け寄る。
リップ「トリスタンちゃん・・・」
トリスタン「言わなくていいですよ・・・これで、良いのです」
王ドラ「・・・」
トリスタンは自分の内心に秘める悲しみをごまかすかのように微笑みを浮かんだ・・・
一方、ツーストの方も蒸気ツーストと剣を交わりながら彼に言い放った!
ツースト「おい。お前にとって自分の主君はなんなんだ?自分の主君に歪みがあると知っていても従うつもりだったのか?」
蒸気ツースト「・・・」
ツースト「答えろ・・・蒸気ツースト(この世界の俺)!!」
蒸気ツーストはツーストの曲刀に飛ばされたのを耐え切った後に呟く。
蒸気ツースト「当たり前だ。あの人は天涯孤独の身だった俺を拾ってくれたのだからな」
ツースト「何・・・?」
蒸気ツースト「俺は両親が死んだ後に愛を知らぬまま一人きりで彷徨っていたところをあの人が見つけてくれた。その目的が利用するためだとしても、あの人が拾ってくれたことと俺に「士爵」の位を与えてくれたのは事実だからな・・・!」
蒸気ツーストの言葉にツーストは何かに気付いた。
ツースト(ああ、そうか。こいつは俺が運命(あいり)に出会えなかったーーーーー)
蒸気ツースト「話はもういいだろう。ここで死ねっ!」
ツースト「っ!!」
ツーストは曲刀を飛ばされた拍子で倒れ込み、そこを蒸気ツーストが剣で構えた。
蒸気ツースト「俺にしては運のいい奴だ。ではここで死を・・・」
しかし、ツーストはニヤッと笑った・・・!
蒸気ツースト「何がおかしい?」
ツースト「甘いな。俺がわざと曲刀を離したと知らずにな」
その直後、蒸気ツーストの後ろに曲刀が刺さったタイミングで床が地鳴りし始めた!
蒸気ツースト「!しまっーーーーー」
ツースト「これがゼオ達の分の報いだ!!グランドダッシャアアアアアー!!!」
ツーストの策に嵌った末に最大攻撃を受けた蒸気ツーストは抜け落ちた床から落ちる寸前に走り出したツーストがその手を掴んだ!
蒸気ツースト「ここで俺を助けるか!貴様は俺でありながら緩い!情に脆い!人に甘すぎる!貴様は同じ俺ならば、不要な情を切り捨てるはず!それができなかったからこそ腑抜けたのだ!」
ツースト「腑抜けたつもりはねぇ!!」
ツーストの叫びに蒸気ツーストは驚いた!それに目もくれずにツーストは同じ自分に叫び続ける!
ツースト「あの時に俺の愛に出会えたから強くなれたんだ!かくいう俺も今のあんたと同様に愛を知らなかったんだよ!だけど、あの時に俺の愛に出会えたから俺もあそこにいたいと思えた!俺の愛が笑ってくれたりしてくれると嬉しくなった!それだけじゃなく、他の奴に優しくされるのもそいつらと一緒にバカ騒ぎするのもそいつを信じることも心地良くなった!俺にとっては俺の愛が、そいつらが、俺にとっての「光」だった!俺の愛やそいつらの心にある「影」に惹かれて、「光」の想いに憧れた!俺は俺の愛と、そいつらと一緒に生きたい!お前には響かないだろうが、それが俺が同じ俺(お前)を助ける理由だ!」
ツーストの叫びを聞いた蒸気ツーストは脳裏にある思いが浮かんだ・・・
蒸気ツースト(おい・・・これが、「俺」か・・・?)
気付いたら、蒸気ツーストは水が見えた。それは彼から流れた・・・
蒸気ツースト(涙・・・?)
二人はそのまま瓦礫と化した城の下に落ちていった・・・
- 最終話:さよなら蒸気都市(その3) ( No.468 )
- 日時: 2025/06/03 17:15
- 名前: 桜 (ID: ly29w5Uv)
一方、ローアとワープスター号はようやく蒸気王の元に追いついた!
メタナイト「追いついたぞ!覚悟しろ!」
蒸気王「なめくさりおって・・・!貴様ら他の奴ら諸共潰された虫となれ!」
その様子を見ていた蒸気シェゾは自分の脳裏にある思いがよぎった。
蒸気シェゾ(俺は・・・結局何もできていない。あいつらだって、頑張ってるのに・・・)
すると、蒸気シェゾは自分のハンマーのようなフラスコを光らせた!
蒸気シェゾ(いや。俺にも、できることはまだある・・・!)
ゼオ「蒸気シェゾさん!?」
ローアから放たれた蒸気シェゾの光を蒸気アルルが気付いた!
蒸気アルル「シェゾ!?」
蒸気シェゾ「俺の錬金術が生み出した「力」だ!アルル、そこにお前の歌を送れ!」
その言葉を聞いた蒸気アルルは自分のマイクを手に取った!
蒸気アルル「この借りはあとで返してもらうからね!行くよ!ミュージックスタート!!」
蒸気アルルが蒸気シェゾが錬金術で生み出した「光」に向けて歌い出した。その歌声によりクルーク達の身体に力がみなぎってくるのがわかった。
カービィ「力がみなぎってる・・・!?」
エジソン「やはりか・・・薄々と感じていたが、彼は本来なら存在しないはずの「八人目のマスター」だったか!」
聖杯戦争の中には本来なら存在しないはずの「八人目のマスター」がいる稀な一例がある。そのマスターには相棒とするサーヴァントが存在しなかったり、本来呼べないはずの英霊を呼び出せたりと色々なケースがあるのだが、その聖杯戦争に決定的な歪みが生じた場合のみ現れる所謂抑止力に値する・・・!
蒸気シェゾはこの世界の蒸気聖杯戦争を止める「抑止力」に値する「八人目のマスター」だったのだ・・・!
アルル「同じボクにしては綺麗な歌声ー!」
シェゾ「お前のじゃないだろ;(とはいえこれで勝機はお前らに与えられたな・・・!」
機関のキャスター「これが、マスターの歌・・・」
蒸気シェゾが生み出した光とそれに与えられた蒸気アルルの歌声により力がみなぎってきたクルークはニヤリと笑いながら告げた・・・。
クルーク「勝つぞぉぉぉぉぉー!!!」
手始めに蒸気王にあいりの剣撃とモードレッドの攻撃を与えた!
あいり「雪薔薇!」
モードレッド「Take That.You Fiend!」
それにより蒸気王の鉄壁の鎧がダメージを受けた後、あおいとアタランテが攻撃をそこに与えた!
あおい「喰らいやがれです!」
アタランテ「我が矢にも打ち砕け!」
蒸気王の鉄壁の鎧にヒビが割れ始めてきていた後、雪と雷が飛んできた!
しおん「フラン、ナイスアシストよ!」
フラン「ウ!」
蒸気王の身体に氷と雷が帯び始めてきた時に沖田の剣撃とハンドレッコのブレードによる斬撃が与えられた!
沖田「大人しく降参するといい!」
ハンドレッコ「ふーん、今のはカッコいいじゃないか!」
蒸気王「貴様のマスターはちっこいくせに・・・」
すると、そこにペイペインの鞭が叩いてきた!
ペイペイン「私のアイレーン様を悪く言うな巨大豚が!」
アイレーン「よくやったのだ!(今のペイペインの顔は怖いが・・・;」
思わず身体がよろけた蒸気王にカーンの支援魔法を受けたクロスのハンマーに変化させた天羽々斬りによる打撃が飛んできた!
クロス「魔人よ。支援魔法、感謝する!」
カーン「ふん・・・せめてものおまけのようなものだ」
それにより蒸気王の鎧一枚目が完全に割れた!
おぼろ「鎧が割れたわ!このまま行けたら・・・!」
すると、蒸気王のハンマーがローアに攻撃するかのように振り出した!
蒸気王「ははは。まだ終われぬ・・・!」
ゼオ「甘いな!俺達がまだ出てきてない!」
その直後にゼオが自分のサーヴァント達と自分のポケモン達と一緒に蒸気王に攻撃した!
ゼオ「ダークブレイド!」
エレナ「最後まで油断したわねあなた!」
エジソン「ミスター・すっとんきょうは一人だけで十分だアホがぁ!」
ステラ「ハイドロンプー!」
リスト「スピードスター!」
それに続いてププル達も蒸気王に攻撃した!
ププル「サンダー!」
くぅちゃん「ぐー!!(クーシービーム」
フィン「ここで終わることだな!」
ディルムッド「これが我らの意地です!」
それにより蒸気王がよろかけたのを耐え切った後、飛んだクーが槍を向け始めた!
クー「ここで朽ち果てなぁ!」
メイヴ「メイヴキーック!」
ナーサリー「あなたの物語は、もう終わりなのだわ!」
クルーク「ステラ・イネランス!よぞら!」
よぞら「任せて!ねんりき!」
クルーク達の攻撃に続いてよぞらのねんりきにより蒸気王の頭が混乱し始めた!
蒸気王「頭が・・・!!」
メタナイト「シャトルループ!」
メタナイトのシャトルループにより再び身体がよろけた際にカービィのウルトラソードが飛んできた!
カービィ「ウルトラソード!!」
蒸気王「っ!!」
蒸気王はそれを受け止めるが、あまりの威力により攻防の末に最後の鎧一枚目が割れたが蒸気王は耐え切った!
カービィ「!」
蒸気王「ははは!勝ったぞ・・・!?」
すると、蒸気王の足元にはいつのまにかアヴェンジャーにクラスチェンジしたノッブの炎が広がった!
ノッブ「信勝!貴様が力を与えたことで助かったぞ!」
カッツ「はい!姉上!」
蒸気王「ここで悪あがきを見せるか・・・!!」
蒸気王の目にはいつの間にか二人でレバーを操作していたワープスター号が・・・
夢幻カービィ&夢幻メタナイト「いけぇぇぇぇぇー!!!」
ワープスター号の体当たりにより蒸気王からリア王が解放され、それを外に出ていた夢幻カービィが吸い込んだ!
モードレッド「そっちの姫も吸い込めるのか!」
リア王を吸い込んだ夢幻カービィは笑顔で満腹だと言わんばかりに満足していた・・・
リア王を失った蒸気王は姿が変わる寸前に睨みつけた!
蒸気王「おのれ・・・このままでは終わらせるものか」
すると、蒸気王の腕が蒸気アルルを捕らえた!
蒸気アルル「わっ!!」
アルル「蒸気のボク!!」
蒸気王「そのマスターも道連れだ!!」
蒸気シェゾ「アルル!!」
蒸気シェゾはローアから飛び降りた後に蒸気王の腕に噛み付いた!
蒸気シェゾ「させ・・・る、かぁ・・・!!」
蒸気アルル「シェゾ・・・!!」
そこにいつの間にか飛んできたフランの雷が飛んだことで蒸気王から二人を引き離した!
フラン「サセ、ナイ!!」
しおん「フラン!!」
蒸気シェゾと蒸気アルル、二人の前に立ったフランに蒸気王の最後の攻撃が飛んできた!
蒸気王「まとめて塵となれぇぇぇぇぇーーーーー!!!」
しかし、蒸気王の最後の攻撃さえも阻まれた。なぜなら、もう一つの巨大な蒸気が三人を庇うかのように攻撃を受けたからだ・・・
蒸気アルル「バベッジ!!!」
蒸気王の姿が消えた後、攻撃を受けた拍子で倒れた機関のキャスターことバベッジにその場にいた全員が駆け寄った!
エジソン「ミスター・バベッジ・・・!!」
エレナ「あたしが止めに行ってたのに・・・!なんで自分の命を投げ打ってまで庇ったりしたのよ!」
ゼオ「ミスター・バベッジって・・・!」
チャールズ・バベッジ。天才的な数学者であり機械設計者。世界初のコンピューターとなる「階差機関」、「解析機関」を考案した天才碩学であり、現代では「コンピューターの父」と呼ばれる名前が、機関のキャスターの真名だ・・・!
バベッジ「・・・ヴィクターの娘が、二人を助けるという無茶をするからだ。ヴィクターの娘も、二人も、守りたいという我の身勝手だ・・・」
バベッジはフランの頭を優しく撫でながら言う。
バベッジ「ヴィクターの娘。貴様が幸せに過ごしていて、我は嬉しく感じている・・・」
フラン「ウゥ・・・アァ」
フランが涙を流す中、バベッジはドラえもんズの方を見た。
バベッジ「貴様らは未来から来たロボットだな?エジソンから受け継ぎ、人の心が発展した奇跡ゆえ・・・それを決して無下にするな。おこぼれであろうとそれぞれ違くとも「人」なのだからな・・・」
王ドラ「はい・・・」
バベッジは蒸気アルルに向けて話す。
バベッジ「マスター。そなたの歌を初めて聴いたぞ・・・」
蒸気アルル「・・・嫌ってるんじゃないの?」
バベッジ「我が自分の主君の歌を嫌うわけはないだろう」
その言葉を聞いた蒸気アルルは堰を切ったかのように涙をポロポロと流し始めた・・・!
蒸気アルル「ごめんね・・・バベッジ・・・ごめん・・・!本当はキミと、もっと話したかった!キミに歩み寄ればよかった!キミにボクの歌を聞かせたかった・・・!それでもキミはボクの意思を尊重してくれたのに・・・ボクは・・・」
そんな蒸気アルルにバベッジは彼女を励ますかのように手を掲げた。まるで彼女にマイクを与えるかのように・・・
バベッジ「良い・・・」
バベッジはその手を下ろした後に消滅した。蒸気アルルにしか聞こえなかった、「貴様のシェゾ(大切な者)と幸せになれ」という言葉を残して・・・
- 最終話:さよなら蒸気都市(その4) ( No.469 )
- 日時: 2025/06/03 17:17
- 名前: 桜 (ID: ly29w5Uv)
一方、城の奥にたどり着いた蒸気クルーク達はようやく古代機械を初めて目にした。
蒸気クルーク「ついにたどり着いたぞ・・・」
そう言いながら蒸気クルークはふと後ろの方を向いた。
蒸気クルーク「いるんだろ?ドロッチェ」
蒸気クルークの言葉で夢幻ドロッチェは二つ目の魔法の歯車から作られた聖杯を持ちながら現れた。
夢幻ドロッチェ「ほらこれ。それと報告だが、あいつらは王の野望を打ち砕いたぜ。それからふと耳にした悪いニュースなんだが、機関のキャスターが・・・」
蒸気クルーク「いやいい。わかってるから」
夢幻ドロッチェ「そうか・・・じゃあ、俺はとっとと退散するぜ。あとは・・・お前の好きにするといいさ」
蒸気クルーク「・・・」
夢幻ドロッチェが立ち去ったあと、蒸気クルークは絵筆による魔法で聖杯を元の魔法の歯車の姿に戻させた。
アスクレピオス「聖杯に光として取り込まれた奴らは・・・」
蒸気クルーク「あいつらは丘の上に飛ばされてるだろうから大丈夫だよ。ゾォルケンは元から生き長らえせた死者だったから、あの中にはいないだろうけど」
アスクレピオス「そうか・・・マスター、お前に問おう。お前は今から何をするんだ?」
アスクレピオスの問いに蒸気クルークは答えた。
蒸気クルーク「決まっているだろう?蒸気都市ダイヤモンド・タウンに取り込んだ魔力を、元のチェリーワールドに逆流させるんだ。二度とこんな聖杯戦争が起こらないようにね」
蒸気クルークの答えにアスクレピオスは静かに口を開いた。
アスクレピオス「そうか・・・全てなくなるわけでもないが、それが果たせたら僕はもうお払い箱というわけか」
蒸気クルーク「・・・」
蒸気クルークがやるせない顔で自分を見つめてきたアスクレピオスは問う。
アスクレピオス「マスターはこれからどうするつもりだ?」
蒸気クルーク「ボクはこの蒸気都市を出ていく。王の野望を止めたとはいえ何も知らない人から見れば、ボクは罪人だ。「ひかりのまち」を崩壊一歩手前に追い込んだに飽き足らず、「かぜのまち」にも被害を及ばせかけた罪でね。それがある以上出て行かない理由がないだろう?」
アスクレピオス「・・・」
蒸気クルークの決意を見たアスクレピオスはため息を吐いた。
アスクレピオス「勝手にするといい。それがお前の選んだ道だからな。まあ貴様の症状を治療できなかったのは残念だが・・・さらばだ、クルーク」
アスクレピオスが蒸気クルークに別れを告げた上で立ち去った後、彼はその古代機械に三つの魔法の歯車をはめ込んだ。
蒸気クルーク「これで止められるね・・・だけど、この町の奴らにお菓子を食べさせたいという願いは叶えたかったな・・・」
すると、古代機械が突然光り出した!
蒸気クルーク「これは・・・!?いや、魔力の逆流はもう始まってる。その残り滓がかぜのまちに・・・!?」
一方、かぜのまちではゼオが何かを感じ取った。
ゼオ「甘い匂いがする・・・」
ププル「何言ってるの?」
しかし、その直後にその上にあるダイヤモンド鉱山から流れて来たのは・・・
大量のチョコレートの川の洪水だった・・・!
大半の全員「チョコレートだぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
それを目にした大半の全員は早速と言わんばかりにチョコレートの川に飛びついた!
リップ「すごい!しかも美味しそうー!」
チャラ王「味も美味いじゃねーか!」
蒸気シェゾ「これがチョコレートか・・・!」
蒸気アルル「お菓子ってこんな味だったんだ・・・!(ジーン」
シェゾ「お、食べたことねーのか?」
アルル「そっか、キミ達には今までお菓子を見たことなかったんだね・・・」
夢幻カービィ「ワドルディ!?泣いてるけど嫌だった!?」
夢幻ワドルディ「違う。あまりにも美味しくて涙が・・・!これが初めて食べたお菓子、チョコレートの味なんだ・・・!」
夢幻デデデ「そうか、そうか!あ、お前らも食え食え」
カービィ「えっ、いいの!?」
メタナイト「ちょ、ちょっとだけなら・・・」
夢幻メタナイト(やはり彼は私なのだな・・・)←自分もチョコに飛びついていた
あいり「いいじゃないこれ!ちょっと持ち帰れる!?」
モードレッド「どうせならたくさんもらおうぜ!まだまだたくさん溢れてるからな!」
そのチョコレートの川の味の美味さに口にした全員が幸せな表情をした。初めて食べて感激のあまり涙を流したキャラもいた。
実は蒸気クルークがあの古代機械を目覚めさせたことでこの蒸気都市の上にあるダイヤモンド鉱山にある宝石が片っ端からチョコレートに変えられていたのだ。
そう、クルークがあのときに「かぜのまち」にお菓子を食べさせるという約束を見事果たしたのだった・・・!
クルーク「どうだー!キミが叶いもしないと言った約束を、今守ったぞ!まだ戻って来てないけど」
カーン(どこかで倒れているであろう王は未だ魔力反応があるが、あれではもう・・・シェイクスピアもどこにいるかわからんしな・・・)
一方、城の上から脚本を書きながらそれを見ていた人物がいた。あの時に王から解放されたシェイクスピアだ。
シェイクスピア「よくある冒険譚・・・サーヴァントの敗北だけの一縷程度の悲劇・・・最後には代償は伴うだろうが幸せな終わり・・・普通の物語、だと言うところですがな・・・」
シェイクスピアは次第にその筆が速くなった!その表情からして躍動感を感じさせながら・・・
シェイクスピア「素晴らしい!実に素晴らしい!内容こそ吾輩が求める悲劇とは言えないが、実に素晴らしき物語である!しかも誰が呼び出したかわからないが、閉じ込められた仲間を解放させるとは!しかもあの墨色のタヌキのサーヴァントの一人にいつかの世界のマスター(天草四郎)がいるなんて!」
シェイクスピアはその台本を持ちながら城から飛び降りて・・・
シェイクスピア「しかし、一つだけ残念な部分がある。その物語の、主役は吾輩が演じたかったぁぁぁぁぁー!!!」
彼はその叫びを残して退去していった・・・!
一方、クルークは未だに蒸気クルークが戻らないことに次第にイラついていた。
クルーク「というか彼はまだなのかい!?ノッブからすぐに戻ると言ってたのに・・・」
ゼオ「すぐに戻るという言葉が嘘だったら?」
クルーク「えっ、どういう・・・」
ゼオ「あの時のノッブの表情を考えろ。一瞬でも奴の悲しそうな表情からしてみたら・・・」
ププル「えっ、ウソだよね!?」
すると、向こうから誰かが歩くような音がした。アスクレピオスだ。
アスクレピオス「大丈夫だ。マスターは生きている」
クルーク「アスクレピオス!それならよかった・・・!」
アスクレピオス「安心してる暇があるなら僕の最後の治療に付き合え。もう時間がない」
クルーク「え?」
一方、蒸気クルークは未だに騒然とする蒸気都市をこっそりと見ていた。
蒸気クルーク「まさか古代機械がこんなご褒美くれるだなんてね。でも、ボクが食べれないのは残念だったなぁ・・・「きゃあああああー!!!」
立ち去ろうとした時に女性の叫び声が聞こえた!
蒸気クルーク「なんだなんだ!?」
蒸気クルークが叫びがある場所に向かうと、そこには・・・
チョコレートを狙うローブを被った悪い魔法使い三人に扮したクルークとゼオとププルの姿が(ぇ)
蒸気クルーク(□д□)え?
悪い魔法使い達の正体を見抜いた蒸気クルークは呆然。クルークは杖を振り回しながら叫んだ!
クルーク「このチョコレートは我らのものである!根こそぎいただくぞ!」
女の子「いやー!!やめてー!!せっかく高級のチョコレートが食べられるのにー!!」
ゼオ「うるせぇ黙れ。貴様らに対する慈悲はない」
女の子の母親「子供になんてことを・・・!」
ププル「このチョコを入れてる瓶もいただくよ!」
男の子「やだ返してよー!!」
蒸気クルーク(えっ、何これ。ボクに会えというやつ?どっちにせよやめさせなきゃ・・・!)
蒸気クルークは絵筆を持ちながら三人のところに突進する!
蒸気クルーク「キミ達!どうしてそこまで」
しかし、クルークは周囲には死角で見えないようにして蒸気クルークに合図した。「大丈夫だからボク達をやっつけろ」と・・・
蒸気クルーク(えっ?まさか演技してるの?一体どういうつもりか知らないけど・・・)
すると、蒸気クルークが絵筆で描いた石像を持ちながら振り回し始めた!
蒸気クルーク「せっかくみんなが食べられるチョコレートを奪うな魔法使い共!」
クルーク「うわー!痛い痛い!勘弁!」
ゼオ「逃げろ!」
ププル「まさかこんなに強い人がいるだなんて・・・!」
クルーク達がわざとダメージを受けた上で逃走した後、蒸気クルークは落ちてあった瓶を男の子に渡した。
蒸気クルーク「はい」
男の子「ありがとうクルークお兄ちゃん!また悪い奴らが来たらやっつけて!」
女の子の母親「クルーク君、助けてくれてありがとう!本当にあなたがいなかったらチョコレートを取られるところだったわ!」
女の子「ありがとー!」
蒸気クルーク「えっ、いやその・・・」
蒸気クルークはふと物陰に隠れているアスクレピオスの姿を見た。そう、この芝居が彼の提案だ・・・!
クルーク『ボク達に悪い魔法使いに扮しろって?』
アスクレピオス『ああ、そうだ。マスターがこの町にいられるようわざとやっつけられるようにするんだ』
ゼオ『俺はこれでも闇の魔導師だから否定しないが・・・』
ププル『でも、罪人だと思って出て行くよりもずっといいかも!』
アスクレピオス『やる気持ちは固まったようだな。その脚本もどきを請け負うのは絵本のキャスターのマスターに・・・』
アスクレピオスは去り際にその芝居を考えてくれた蒸気さかな王子の方に向く。
アスクレピオス「これでいいな?」
蒸気さかな王子「ああ。こないだの詫びにはならないかもしれんかもじゃが」
アスクレピオス(・・・この蒸気都市で生きろ。僕のマスター)
アスクレピオスが立ち去った後、蒸気クルークは笑顔を浮かべながら・・・
蒸気クルーク(ありがとう、アスクレピオス・・・さよなら、僕の友達)
その目から雫が流れていた・・・
クー「おせぇぞお前ら!どこに行ってたんだ!」
クルーク「ごめんごめん」
仲間達のところに戻って来たクルーク達は芝居を実行する前にアスクレピオスとの会話を思い返した。
クルーク『もう行くのかい?』
アスクレピオス『ああ。それと、マスターに対しての振る舞いは僕から言わせれば荒療治だがな・・・いい治療だった。お前達に出会えたことが一番の特効薬だった』
クルーク(アスクレピオスはこの後、もう・・・)
すると、クルーク達の身体が突然浮かび始めた!
キッド「げっ!!?高いとここわーい!!」
ドラえもん「なんだいこれ「もう始まったようだな」
そんな彼らの前に現れたのは無事にかぜのまちを守り切った蒸気サタンだ。
蒸気シェゾ「サタンのオッサン!それはどういう・・・」
蒸気サタン「お前達はチェリーワールドに帰還する。他に閉じ込められた奴らも一緒に帰るだろう。この町が吸い込んだチェリーワールドの魔力を逆流するのは帰還と一緒だが、それによりこの世界への道は閉ざされる。つまり二度と来れないのだよ」
リップ「そんな・・・じゃあ、アタシ達がやって来たことも全部・・・」
しかし、蒸気シェゾがそれを励ますかのように告げた。
蒸気シェゾ「全部なくなるわけないだろ。現にお前らはこのかぜのまちにチョコレートをもたらした。他の奴らが知らなくても俺達はずっと覚えてる。それだけでいいだろう」
チャラ王「蒸気シェゾさん・・・」
蒸気シェゾ「まあ結局俺が呼んだのが何のサーヴァント達だったかわからんけどな!」
ディルムッド「ズコー!!」
蒸気シェゾの自信ありげの様子を見た王ドラは苦笑いした。
王ドラ「この世界のシェゾさん、おそらく気付いてませんね;」
メタナイト「ああ。だが、このまま知らないでいてくれると・・・」
すると、メタナイトは夢幻メタナイトを見た後、お互いにガッツポーズを交わした!
すると、あいりは何かに気付いた!
あいり「待って!ツーストが戻って来てませんわ!」
あおい「なんですって!?おそらくタヒってますね」
アタランテ「墓は立派なところでいいか?」
クロス「おい勝手に殺すでない;」
次第に空に飛んでいくカービィ達を見た夢幻カービィは手を振りながら叫ぶ!
夢幻カービィ「みんな!ありがとー!元気でねー!!」
カービィ「うん!じゃあねー!!」
こうしてクルーク達は空の方に飛んでいった。瓦礫の下で横たわっている一人だけを残して・・・
ツースト「って、死んでねーよ!!俺を殺すんじゃねぇぇぇぇぇー!!!」
失礼、生きていましたwツーストが起き上がったタイミングで蒸気ツーストも目を覚ました。
蒸気ツースト「俺のタフさはお前もよく知ってるな」
ツースト「そっちもだろ」
蒸気ツースト「チョコレートか・・・嫌な匂いかと思ったが、思ったよりも・・・いい匂いだな」
ツースト「ああ。チョコレートが嫌いな奴もいるだろうけど、落ち込んだ時に幸せな気持ちにしてくれるからな!」
すると、ツーストの身体が浮かび上がった!
ツースト「うおっ!?」
蒸気ツースト「もう帰るのだな」
ツースト「ああ、そうらしいな」
蒸気ツースト「これだけは言わせてもらう。お前の言葉は俺と違ってバカバカしいが・・・響いたな」
ツースト「少しはわかったか。じゃあな、酷い俺」
蒸気ツースト「ああ。さらば、忌まわしき俺・・・いや」
ツースト&蒸気ツースト「ツースト」
その時の二人のツーストの表情は、穏やかに満ちたものであった・・・
- 最終話:さよなら蒸気都市(その5) ( No.470 )
- 日時: 2025/06/03 17:21
- 名前: 桜 (ID: ly29w5Uv)
黒い空間。トリスタンはそこで目を覚ましながら黒い何かに訊ねる。
トリスタン「・・・終わったのですね?」
黒い何か「ああ」
黒い何かはトリスタンに語りかける。
黒い何か「此度の戦いで使用した我が一つ目の試練(力)は貴様に渡した。これで残り六つなのだが・・・引き続きよく使うといい。貴様の霊核に響くからな」
トリスタン「わかっています。私はまだあの方を見つけていない。それを果たすまでは多用するつもりなどありませんよ」
トリスタンの言葉に黒い何かは言葉を発する。
黒い何か「・・・行くのか?」
トリスタン「ええ。早く覚まさないといけませんからね。それに王ドラ殿やクルーク殿ら、リップらだって頑張ってるのに負けていられませんから。それもこの私の意志なのですよ」
トリスタンはそう言い残した後、夢から覚めるように消え去った・・・。
それからのチェリーワールド。蒸気都市から戻って来た大半の全員は何事もなかったかのように、あるいは突然幽体離脱が起きたとか何やらで噂をするキャラやそれに呆れるキャラの光景があったりで過ごしていた。そして桜ノ城。チェリーワールドの創造主であり作者である桜は蒸気都市の解析をしていたが・・・
ゼオ「作者、どうだった?」
桜「ええ、確認したけど・・・蒸気都市がチェリーワールドとの繋がりが切られてる。つまりアシアワールドの時の閉鎖とは違う断絶状態ね」
クルーク「・・・」
桜「あと、あなた達の話から調べてみてわかったことけど・・・やっぱり、蒸気聖杯戦争の発端はトリストラムが仕掛けたらしいわ」
ププル「そんな早くから行動していたなんて・・・しかも、キーラとダーズとかいう二つの化身の復活の事件にも・・・」
桜「だけれど、これで奴が仕掛けた種はまた刈り取った。それだけはいいことだと思うことにするわよ」
一方、それを立ち聞きしながら聞いていた王ドラは腕をみながら思案していた。
王ドラ(あの男の狙いはなんなのか・・・とはいえ恐らくフェアリーナイト王国との繋がりがあることも含めて、一日も早く見つけ出さないと)
王ドラはそう決意しながら気付かれないうちに立ち去ったあと、桜はふと思い出した。
桜「あ、そういえば!スマブラ屋敷にまた常駐のサーヴァントが来たみたい!新たな医療班のメンバーですって」
ゼオ「えっ、誰だ?」
桜「なぜか消滅してなかったとかそれでふてくされてそうにしてたけど・・・そのサーヴァントの真名は・・・」
一方、スマブラ屋敷ではそのサーヴァントが仲間の資料を見ていた。
医神アスクレピオスが、どこかむすっとした顔をしながら。
乱麻達の住む学生寮の屋根。岡田以蔵は空を見ていた。
以蔵「ーーーーーあぁ、あいつは帰ってこんかぁ」
ノッブから桐明こと蒸気クルークの詳細を聞いた彼はフッと笑いながら言う。
以蔵「なんなら、指啜りちょりながら見ちょれ。わしらは絶対におまんよりもやっとうと見せつけちゃる。じゃから、安心して阿呆のように幸せに過ごしちょるとえい・・・」
ああ、さよなら桐明。ああ、さよならわしらの仲間(家族)だった人。
人斬りのアサシンはそう言いながら、一筋の涙を流した。あくびをしただけだとごまかしながら。
そして蒸気都市ダイヤモンド・タウン改めチョコレート・タウン。かぜのまちにチョコレートの川が流れるようになったこの町は噂を聞きつけた観光客が急増したことで前よりもさらに賑わっている。ダイヤモンド鉱山にある宝石はなくなってしまったけれど、「かぜのまち」の人々の心が穏やかになっていた。もう辛いことがあってもチョコレートが吹き飛んでくれる。あの件で蒸気都市から追放された王の代わりに統治者代理となった蒸気サタンは忙しないながらも楽しそうに見えた。
そんな中の蒸気シェゾの住む一室の前では急な来客の姿に少し驚いていた。
蒸気アルル「上がるからねっ」
蒸気シェゾ「お前から来るなんて珍しいな・・・」
蒸気シェゾはチョコレートを材料にしたショコラショーを作りながら呟く。
蒸気シェゾ「んで、結局バベッジが言ってた「大切な者」って誰だよ?」
蒸気アルル「!」
蒸気シェゾ「お前に好きな奴がいるなんてびっくりだなー。それで、俺のところにいたらそいつには逃げられるぜ・・・」
すると、蒸気アルルは蒸気シェゾの服の裾を掴む。その表情には真っ赤にさせながら・・・
蒸気アルル「その人が、キミだって言ったらどうするの・・・?」
蒸気シェゾ「は・・・?」
一方、蒸気クルークは夢幻カービィ達に招かれたチョコレートケーキでのピクニックに行く前にいつもの作業で絵を描きながらチョコレートを少しだけつまんでいた。
蒸気クルーク(マホロア達は生きて帰って来てくれたし、あれから市長補佐になったツーストの顔が少しだけ穏やかになってきてるように見える・・・なんの心変わりか知らないけど)
蒸気クルークはフッと笑う。
蒸気クルーク(密かに仕込んだボクが気にかける義理はないけれど・・・アスクレピオスは無事にチェリーワールドに着いてるといいな)
蒸気クルークは絵筆を置きながら立ち上がった。
蒸気クルーク「ボクも、頑張らなくちゃな」
その描かれたキャンパスには、街並みで並ぶ自分達とクルーク達の笑顔が溢れていた姿が見られていた・・・。
おしまい
「後書き」
たとえば、ここに魔法のランタンがあります。それが古代機械でもいいし、この際聖杯でもいいです。そこから出てきたランプの精のようなものに「あなたの願いを一つだけ叶えてやる」と言ったら、みなさんは何を願ったりしますか?
「一番大切な友達に会いたい」?「愛しい人のために自分の無念を晴らしたい」?「また世界に飛び立ちたい」?「生まれた時から顔にある痣を治したい」?「愛しき主を永遠の眠りから救いたい」?それとも「新世界を創造するべく今の世界からアップデート(変換)させたい」?
今回の黒幕でありラスボスであった蒸気都市の王はその中の一つを選びました。故に彼の結末にはこれでいいのか私も口に出すことはできません。それは彼が選んだものであり、彼がどういう気持ちなのかは知ったこっちゃないからです。
それはさておき、今回で最終回を迎えた蒸気都市での外伝の裏話ですが、第1話と最終話のサブタイトルが真っ先に浮かんだのですが、その後のサブタイトルを決めるのには一苦労。証拠としてその中には迷走も含まれたのも入ってます。いやはやお恥ずかしい。
蒸気都市だということでバベッジの登場は外すことはできませんでした。なぜなら蒸気王がその鎧を酷似するのも重要な役割を担うのも彼がいなくてはありえなかったからです。真名を明かされるのは最後にしたのもこのため。
先述する蒸気都市の王は恐らくお察しの通り、蒸気都市におけるギガディス様です(ゼオ君は王をギガディス様に似た雰囲気があると言っており、ププルも同じ感想を言ったようなシーンやセリフがある)ギガディス様とはかなり違ってますね。書いたのは私だけども!ちなみに夢幻メタナイトとアスクレピオスのシーンはこと座に関するオルペウスの伝説を下敷きにしたものです。設定資料についてはシブに。
一つだけ追記しますが、リアルの話になるけど、うちの姉はチョコレートが大好物なのですよ。
・・・ウソです(姉はチョコレートが嫌い。それだけでなく他の甘いものもダメ)
その気持ちはいつまでもずっと・・・!感想OK