二次創作小説(紙ほか)

時空鉄道の夜(後編)(その1) ( No.488 )
日時: 2025/06/25 17:24
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

いよいよ時空鉄道のお話が後編へと進みます。ブラッディクスの正体とその目的とは・・・!?






ーーーーー俺がただ彷徨うだけの存在だった頃に旅人と出会った。


その旅人は姿も目的もわからぬ、掴みどころのないやつだったのだが、思いついたように言ってきた。


「じゃあ、今からキミを作ってあげるよ。あ、ある人物が生み出した人格も材料にして、ね!」


俺はそいつにその人格を押し込まれた。






そして、「ブラッディクス」が生まれた。






時空鉄道の列車が次の目的地に向かう時空であるクレしん世界の春我部。そこでは野原一家とハンターでもある良達がボーン・キング率いる吸骨鬼一族と戦っていたのだが・・・


みさえ「ああもう!こいつらがキング達をも食べまくるしどうなってんのよ〜!!」






「どうして・・・どうしてだよぉ・・・!!」






以蔵「!」


以蔵は目的地に向かう時空鉄道の中で目を覚ました。サーヴァントは夢を見ないはずなのだが、なぜか共鳴したような、誰かが泣き叫ぶ悲しき夢を見て。


以蔵(なんとも夢見が悪いのう・・・)


その数分後、呼び出された以蔵達を前にブラッディクスは紅茶を一口啜りながら話す。


ブラッディクス「もうすぐ次の目的地に着く。現代日本における春我部の時空だ」
以蔵「しんのすけ達がいる、時空・・・」
ブラッディクス「三つ目のジョバンニ入手の時の世界よりはいささか平和的で多少は好かんが・・・少なくともジョバンニが作り出した歪みはあるだろうな。気を引き締めろ」
晴信「あんたが仕組んだものじゃないのか?」


晴信の問いにブラッディクスは何も答えなかった。


晴信(無言か・・・だが、これは奴の関与ではなさそうだな・・・)


そして時空鉄道の列車が目的地であるクレしん世界の時空に着いた!


ブラッディクス「さぁ、行こう。春我部の町へ・・・」

時空鉄道の夜(後編)(その2) ( No.489 )
日時: 2025/06/25 17:27
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

四つ目の時空の目的地






そのクレしん世界は普段の明るく温かい雰囲気が一変し、どこもかしこも暗さが漂う世界に変貌していた。


景虎「なんか暗いですねー」
ブラッディクス「ジョバンニによる介入だな。恐らくステーション・ガーディアンであるボーン・キングの勢力が優勢になってて・・・」


ブラッディクスが突然目を見開きながらあることに気付いた!


ブラッディクス「は?どういうことだ?」
ブラダマンテ「マスター?どうしましたか?」
ブラッディクス「なぜボーン・キングの気配がないのだ!?」


ブラッディクスがそう発した瞬間、周りが何らかの霧に包まれた!


晴信「!?」
景虎「にゃ?なぜかみなさんの姿がなくなってる!?」
ブラダマンテ「マスターはどこに・・・!?」


その霧による気配遮断によりお互いの姿が見えなくなってしまったが、元から気配遮断スキルを持つアサシンの以蔵はたまたまブラッディクスの一番近くにいたこともあり彼だけはその姿を見ることができた。


以蔵「ブラッディクス!」
ブラッディクス「そうか。貴様は気配遮断スキルを持つアサシン・・・」
以蔵「おん。他の奴らの姿が見えちゃあないがな。この霧は一体なんなんじゃあ?」
ブラッディクス「それは・・・」


すると、二人の前になぜか浮遊している幼児達がふらふらとやってきた。


以蔵「なんじゃあ!?」
ブラッディクス「貴様らは・・・」
浮遊している幼児A「ねえ。そんなことしてまで何になるの?」


浮遊している幼児の言葉にブラッディクスは眉をしかめた。


ブラッディクス「・・・何?」
浮遊している幼児B「あなたは生きていた。だけど、他の親友達はもう死んでしまったんだ」
ブラッディクス「うるさい」
浮遊している幼児C「親友の一人があなたを助けようと自らの命と引き換えに力を差し出した。その決断は英断だよ」
ブラッディクス「黙れ」
浮遊している幼児D「他の親友達もそれに賛同した。あなたに生きてもらうためにね」
ブラッディクス「やめろ」
浮遊している幼児E「あなたはそれで悲しいのかな?」






浮遊している幼児E「そんなもんもう切り捨てちゃえよ「やめろと言っている!!」






ブラッディクスの銃声により浮遊している幼児達は散ったが、以蔵は今の彼の様子に異変を感じ取った。


以蔵「ブラッディクス・・・?」


一方、しんのすけとひまわりとシロと合流したみさえはようやく今回の春我部を一変させた原因と対峙した。


みさえ「この春我部がこうなった原因はあなたなのね?まつざか先生」
まつざか「・・・」
しんのすけ「おお、もしや図星ですなぁ〜」
ひまわり「た〜いの」
シロ「ク〜ン・・・;」
みさえ「あなたの動機は知らないけど・・・徳郎さんを亡くした気持ちはわかるわ。だけど、こんな乱入してまでふたば幼稚園のみんなのためにもこんなことしちゃダメなの「うるさいわね!!」


まつざかは声を荒らげた後にジョバンニを取り出した!


まつざか「あなた達なんかに・・・徳郎さんを失った気持ちがわかるわけない・・・!」


すること、ジョバンニが突然光り出した!


みさえ「!?なんなのこの光!?」
しんのすけ「おおっ、まずしいぞ」
みさえ「それをいうならまぶしいでしょ!」


ジョバンニの光が消えた後・・・






大きな魔神柱のようなエネミーに姿を変えた・・・!






みさえ「ぎゃああああー!!!」
しんのすけ「おぉー!お化け屋敷とかに出てくるお化けよりもカッコいいー!」
ひまわり「おぉー!」
シロ「キャンキャン!!」


一方、一行は気配遮断を持つ霧に囲まれたことによりお互い逸れてしまっていても解決策を探していた。


以蔵「それにしてもこの霧はどうやって出てきたんじゃあ?」
ブラッディクス「これは何らかの・・・」


すると、二人の前にまつざか先生が現れた!


以蔵「おまんは、しんのすけ達の通う幼稚園の・・・」


しかし、彼女はいつの間にか一人や二人、いやそれ以上に増殖し始めた!


以蔵「増殖しちょるぅ!!?」
ブラッディクス「!そうだったか」
以蔵「どうしたんじゃ!?」
ブラッディクス「ボーン・キング率いる吸骨鬼一族はもう全滅している。しかし、奴が死ぬ前に誰かがジョバンニを奪っていたことでそれ自体は生き延びていたのだ・・・!」
以蔵「つまりステーション・ガーディアンがまつざか先生に切り替わっちょったということか・・・」


一方、それぞれ逸れてしまった三人も増殖したまつざかと遭遇して対峙していた。


晴信「くそっ!この女が誰なのか知らないが、次々と増殖してやがる・・・!」


景虎「この人、なんかアメーバみたいですねぇ」


ブラダマンテ「マスターはどこにいるのですかー!!?」


未だ増殖し続けるまつざかに苦戦する三人。このまま体力切れでギブアップかと思われたが・・・






エコロ「フェイクスピーチ!」






エコロが大量のまつざかに対して一気に攻撃したことで霧が消えてようやくお互いの姿が見えるようになった・・・!


晴信「お前ら!無事か!」
景虎「私が負けるわけないので無事でーす」
ブラダマンテ「それよりもマスターは・・・」


すると、エコロが気ままにしながら飛んできた!


エコロ「二人にはある人物に行かせてもらった。多分キミ達と合流できるよ〜」


一方、大量のまつざかを相手にするうちに以蔵も次第に疲れが見え始めてきた。


以蔵(斬っても斬ってもまた蘇ってちゃる・・・!もうキツい・・・!)


しかし、その大量のまつざかを大きな口で捕食する黒い竜の姿が出てきた!


以蔵「(は?この蛇みたいな黒い竜は・・・)お竜!」
お竜さん「なんか苦戦していると聞いてな。本当は嫌なんだが助けに来たぞー」
以蔵「おい(^ω^#)」


すると、龍馬の方も駆けつけてきた!


龍馬「以蔵さん!無事でよかった!」
以蔵「おい!わしはいつでも無事じゃあ!」
ブラッディクス「・・・」


ブラッディクスはこれを遠い目で見ていたが、ふと上を見上げると・・・






空が割れて大量の雨が流れてきた。






お竜さん「空が割れてるのに雨かー?」


それを見たブラッディクスは少し訝しげな顔をした。


ブラッディクス「まさかこんなことが起きるとはな・・・」
以蔵「何があったんじゃ!?」
ブラッディクス「あの空のヒビから降り出した雨は先の目的地からの影響だ。津波の予報をよく聞かされているだろう?つまり・・・」






ブラッディクス「これから向かうはずのケロロ軍曹の時空が崩壊した」






ブラッディクスの発言に全員が驚愕する。ケロロ軍曹の世界の時空が崩壊・・・?


龍馬「これはヤバくなってきたね・・・」
以蔵「おい!四つ目のジョバンニは・・・!」
ブラッディクス「今ケロロ軍曹の世界の時空に向かっている。五つ目のジョバンニと結託するためにな」
以蔵「!!それなら早く向かうきに!!ブラダマンテ達も一緒じゃあ!!」


以蔵達がひとまずブラダマンテ達のところに合流しようとしたら、魔神柱のようなエネミーに阻まれた!


以蔵&龍馬「魔神柱!!?」
ブラッディクス「いや、それはジョバンニ自身が俺達を阻むために作られたコピーだ。本物はあの世界に向かっているというのに・・・くそ、なんでこんな時に・・・!」


このまま絶体絶命かと思われたが・・・


みさえ「それなら私が引き付けてあげるわ!だから、早く行きなさい!」
以蔵「おまんは・・・!」
龍馬「以蔵さん!今は晴信さん達のところに向かおう!」


以蔵達が魔神柱のようなエネミーを引き付けてくれたみさえを背に向かい、彼女はそれに向かって飛んだ!


みさえ「誰がケツデカじゃーい!!」


みさえの武器でもある自分のデカい尻で魔神柱のようなエネミーを圧倒する時、以蔵達が走り出したら時空鉄道の列車が向かってきた!


以蔵「あれは・・・!」
卑弥呼「こっちよ!こっち!」
壱与「他のみなさんも乗ってます!」


以蔵達はすでに時空鉄道の列車に乗り込めたブラダマンテ達を見て少しだけ安心し、龍馬が本来の姿に戻ったお竜さんに乗る。


龍馬「行くよお竜さん!」
お竜さん「ああ、行こう!」


それを見た以蔵はブラッディクスを見る。


以蔵「おい。おまんはどうするんじゃ?令呪があるんじゃろ」
ブラッディクス「・・・」


なんだかんだで自分を見てくれる以蔵の目を見たブラッディクスは自分の令呪を光らせた!


ブラッディクス「令呪を以て命じる。岡田以蔵、俺を抱えて飛べ!」


ブラッディクスの令呪を受けた以蔵は早速と言わんばかりに彼を抱き抱えた!


以蔵「行くぜよ!少しは浮いた感じがするが、我慢せい!」


ブラッディクスを抱えて飛んだ以蔵はようやく二人とも時空鉄道の列車に乗り込めた!


龍馬「以蔵さん!」
以蔵「正直落ちるかと思ったが、やればできるもんやき・・・;」


時空鉄道の列車がケロロ軍曹の世界の時空に向かっていくのを見届けたみさえは呟いた・・・。


みさえ「・・・行けたのね。あとはあんた達の好きにしなさい・・・」

時空鉄道の夜(後編)(その3) ( No.490 )
日時: 2025/06/25 17:29
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

五つ目の時空の目的地






そして時空鉄道の列車がケロロ軍曹の世界の時空に着くが、そこは雷が鳴らす黒い雲と周囲には足場もない海でできた世界になっていた!


晴信「おい!これはどういうことだ!」
景虎「ケロロ軍曹の世界は春我部となんら変わりない現代の街だと聞きましたが」


景虎の問いにブラッディクスは首を横に振りながら答える。


ブラッディクス「いや、ケロロ小隊にはとある記録があった。それは奴らが任命されたある任務。その任務の地が今ここである大コウカイ星だ!」
以蔵「ケロロ・パイレーツか・・・!」


この世界がケロロ・パイレーツ(ケロロ軍曹の海賊をテーマにしたメディアミックスの一つ。公式で漫画となっていた)の世界であることを知った一行は大半がますます焦りの顔を見え始めた。


ブラダマンテ「では足場がなければ意味がないじゃないですか・・・!」


そんな彼らの不安を突くかのように魔神柱のようなエネミーの二体が立ちはだかってきた!


晴信「こんな時に来やがって・・・!」
壱与「でも、この列車を足場にしたら壊れちゃいますよ〜!!」


しかし、ほぼ同じタイミングで何かが飛んできた!


卑弥呼「!あれは・・・!」
エコロ「わぁお!これはいい流れだ!たとえ全滅すると分かっていながら最期まで戦い続けたケロロ小隊の最後の置き土産!」






エコロ「その名は超キングケロン!」






一行を助太刀に来た超キングケロンは早速と言わんばかりに彼らの足場となった・・・!


エコロ「全くキミ達兄妹は!キミ達の犬と共にこれを見つけて運ぶだなんてまさに嵐を呼んだね!」


それを見たしんのすけとひまわりとシロは自分達が消滅する前に手を振った。


しんのすけ「ほっほーい。じゃ、そういうことで!」
ひまわり「や!」
シロ「アン!」


それを見て一瞬だけ笑顔になった以蔵は他の仲間同様にキングケロンのある一体のレバーを引いた!


以蔵「行くぜよ!!」


魔神柱の片方がキングケロンに攻撃しようとするが、景虎が操作するドロスカイによる韋駄天で回避した!


景虎「このロボの回避の性能もなかなかですねぇ!」


その直後、晴信が操作するギロキャノンによる煙幕砲撃が魔神柱二体の方に落ちてきた!


晴信「よし!これでめくらましにはなるはずだ!」


しかし、これを効かんと言わんばかりに魔神柱二体は超キングケロンを捉えた!


晴信「ちぃっ、気付かれたか・・・!」
ブラダマンテ「お任せて下さい!」


ブラダマンテが操作するタマホーンによる超破壊華斬氷で魔神柱二体にダメージを与えた!


ブラダマンテ「どうだー!」
晴信「いや!まだだ!」


しかし、魔神柱に攻撃されそうになりドロスカイの韋駄天により回避した!


景虎「今のはやっばいです!次が来たら・・・!」


すると、時空鉄道の列車の上から何らかの光が出てきた!そこには立つのは卑弥呼・・・!


卑弥呼「これは以蔵君達が勝つわ!星辰象る久遠鏡!」


卑弥呼の補助宝具により超キングケロンはパワーアップを果たした!


以蔵「力がみなぎちょる・・・!龍馬!」


以蔵に呼ばれた龍馬はクルアームを操作しながら魔神柱を分析した!


龍馬「うん、大丈夫!今なら二体とも倒せるほどになってる!」
お竜さん「イゾー。羽目を外すなよ」


以蔵は頷いたあと、自分が操作するケロダッシュからハンマーを取り出した!


以蔵「キングケロンハンマー!」


そして超キングケロンはそれを魔神柱二体に向けて振り・・・






以蔵「このケロンションブレイクで二体とも死にさらせぇぇぇぇぇー!!!」






超キングケロンによるケロンションブレイクによって魔神柱二体は粉砕され、その中から二つのジョバンニが出現した!


ブラッディクス「!」


ブラッディクスはそれらをすかさず自分の中に取り込ませた・・・!


ブラッディクス「これで四つ目、五つ目のジョバンニが手に入った。旅はもうすぐで終わりだな・・・」
以蔵「なんかしんどそうやのう;」


すると、超キングケロンがキングケロシップに変わり、大半の一行を時空鉄道の列車にまで送り出した!


お竜さん「お竜さん達を送り出すというのか。リョーマも乗ってみるか?」
龍馬「そうだね。ここまで来たら最後までついていくしかないし・・・」


ブラッディクスはふと以蔵の上着の裾を掴んだ。


以蔵「おん?」
ブラッディクス「・・・」


ブラッディクスの顔を見た以蔵はなぜ裾を掴んだのか聞かないことにした・・・。

時空鉄道の夜(後編)(その4) ( No.491 )
日時: 2025/06/25 17:31
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

ーーーーードラ・ザ・キッドは西部時代を始めとしたアメリカにおけるヒーローであった。


保安官代理としても活躍した彼は持ち前の正義感の強さから善人を助け、それを苦しめる悪人を成敗していた。


そんな彼はまさしく英雄と語られる器を持っていた。


しかし、彼はとある事件を引き金にその輝きは次第に失われた。


それどころか悪を成すようになったのだ。彼が嫌っていた善人を苦しめるような悪人と同じ立場で。


その本心を自分の中に閉じ込めてしまった彼は友をも遠ざけた。友を嘲る言葉を浴びせながら。


だが、友はそれでも自分を救おうとした。彼だけではない、他の友も自分を救うために立ち上がって。


それでも彼はどうにもならなかったのだ。世界が崩壊する直前だとしても。だから、友は最後の手段に応じた。


「キッド。キミは本当にそれでもいいんだね?」
「何がだ?」
「キミがそれでいいなら何も言わない。ただキミがこれを見ても戻るのであれば、後悔をしないことだね」
「何をごちゃごちゃと。やるならさっさとやれよ」


グシャッ


友は彼に自分の命を差し出したのだ。それにより世界が崩壊した今、彼は元に戻れたのだ。


もちろん身体などなく、思念体だけで彷徨う存在として。






時空鉄道の列車が次の目的地に向かう途中、以蔵はうとうとと目を覚ました。


以蔵(今度は違う夢か・・・)


あれは誰なのかはぼんやりしていたが故判別はできない。だが、これは・・・
その数分後、ブラッディクスを待つべく合流した一行の中で卑弥呼は明るい表情を見せていた。


卑弥呼「この時空鉄道の列車、意外と普通な作りなのね!」
エコロ「そりゃ時空鉄道だもん。いろんな人の心象風景が映されるからこんな作りになるよ。場合によっては血まみれの電車内とかね」
晴信「やめとけ飯が食えなくなる;」


壱与は座りながら何かを呟いた。


壱与「たとえそれが本当だとしても、私と卑弥呼様はブラッディクスを討ち取るつもりです」
景虎「えっ!?なぜなのですか?」
壱与「私と卑弥呼様は元々はブラッディクスを討ち取るために呼ばれたサーヴァントです。チェリーワールドにはもうルーラーのサーヴァントがいるそうなので居座ることは許されていないのです」
以蔵「天草か?奴がいるから無理だと?」
壱与「・・・いいえ、無理なことはないのですが、どう考えたって彼に阻まれてるような気がする・・・」
龍馬「・・・?」


すると、ブラッディクスが車内に出てきた!


ブラダマンテ「マスター!」
ブラッディクス「・・・待たせたな。次の目的地を伝えるぞ」


ブラッディクスは紅茶を一口啜りながら話す。


ブラッディクス「次の目的地はこの身体が本来の場所とされる22世紀のトーキョーだ」
お竜さん(つまりドラえもんの未来世界かー)
ブラッディクス「・・・それはあそこのステーション・ガーディアンを倒したら、すぐに撤退するぞ。どうにも気分が悪い」
晴信(?こいつにしては随分殊勝な・・・)


そして時空鉄道の列車が22世紀のトーキョーの時空に到着した!


ブラッディクス「さぁ、行こう・・・」

時空鉄道の夜(後編)(その5) ( No.492 )
日時: 2025/06/25 17:34
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

六つ目の時空の目的地。しかし・・・






その22世紀のトーキョーは原作通りの未来の街・・・ではなく土地が枯れ果て何も残らずに寂れた廃墟と化していた。


以蔵「ここが22世紀のトーキョーか?」
龍馬「なんか荒れ果ててる。まるで世界の果てのような・・・」


何もない、何もない、何もない。一行が周囲を見渡したその時・・・


晴信「ん?なんか眩しい・・・!!?」


突然包まれた光によって全員が倒れたのだ・・・!


以蔵「・・・っ!!」






以蔵「ここ・・・は・・・」


気付けば以蔵は先程いた場所とは違う、いつもの22世紀のトーキョーで目を覚ました。
彼は自分の近くにいる黒いのを見る。


以蔵「・・・ブラッディクス・・・?」


それが誰なのか気付いた以蔵は彼に手を伸ばそうとするが・・・


???「おらおら待ちやがれえええええー!!!」
以蔵「!!?」


空気砲で撃ちまくりながら相棒の馬エドともに駆ける、その人物は・・・!






キッド「悪人のくせに市民に金をカツアゲしようとはいい度胸じゃねーか!」






以蔵「・・・!!」


以蔵はキッドの顔を見て驚くが、彼は黒い影であるブラッディクスに向かって撃ち出した!


キッド「ドッカーン!!」
ブラッディクスの影「・・・!!」


キッドの空気砲による一撃によりブラッディクスは倒された・・・!


キッド「おい!お前、大丈夫か!怪我とかは・・・」






以蔵「おいキッド。何のつもりじゃ?」






以蔵の言葉にキッドは驚いた顔の後に悲しい表情に包まれた・・・






以蔵「ん・・・」


以蔵は気付いたら元の荒れ果てた土地で目を覚ました。彼は今の光が放った元を見る。


以蔵「魔盾・・・」


その魔盾から放たれた光を見て、以蔵はようやく確信する。そう、この魔盾の持ち主であり、一行の中で唯一光を浴びていなかったのは・・・!






ブラダマンテ「アサシン?そうですか、あなたは軽かった方ですね」






魔盾の光を浴びせたブラダマンテを前にした以蔵に彼女は自分の片手槍を向けた。


ブラダマンテ「邪悪な魔術師アトラントが所有していた魔盾を使った一か八かの賭けでしたが・・・」
以蔵「何言うて・・・」
ブラダマンテ「ごめんなさい。ここで死んでもらいます」


すると、ブラダマンテの片手槍が阻まれた。以蔵と同じく目を覚ましたお竜さんだ!


お竜さん「流石に見過ごせないな。お前のことは目を瞑ってやるつもりだったが、この時空のステーション・ガーディアンの役割を全うするのだったら牙を剥くぞ!」
以蔵「は!?」


以蔵はその言葉を聞いたことで知った。ブラダマンテがブラッディクスのサーヴァントでありながら、この時空のステーション・ガーディアンの役割を担っていることに・・・!


ブラダマンテ「すでにお気付きでしたか。ならば仕方ない!」


ブラダマンテは眠っているブラッディクスを抱き抱えた!


ブラダマンテ「この方は連れて行きます!もう取り戻せません!」
以蔵「ブラッディクス!ブラダマンテ!」


ブラダマンテがブラッディクスを攫って、いつの間にか出現していたある異空間に飛び込んだ。が・・・


お竜さん「ヒミコ、よだれつき!」
卑弥呼「はいはーい!任せて!」
エコロ「よだれつきの呼び方は感心しないけどなぁ」


その直後、三人は以蔵を連れ出した上でその異空間に飛び込んだ・・・!


以蔵「!!?」






緊急事態発生

時空鉄道の夜(後編)(その6) ( No.493 )
日時: 2025/06/25 17:37
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

ブラッディクスの心象風景へ・・・






その異空間の中は何らかの灰色の西部時代の町。そこに入り込めた四人は目的地まで歩いていた。


卑弥呼「ブラッディクスを拐ったブラダマンテちゃんはここから向こうのバーにいるわ。彼女が何かしでかす前に連れ戻すわよ」
お竜さん「場合によっては食ってやろうか?」
以蔵「おい;」


以蔵はエコロを見ながら声をかけた。


以蔵「おいエコロ。おまん、何か知っちょるんか?」


以蔵に訊ねられたエコロは彼らの方に向きながら茶目っ気溢れた様子で答える。


エコロ「聞きたがりだなぁ。まあいいや話すよ。あのブラッディクスは間違いなくドラ・ザ・キッド。でも、チェリーワールドの彼とは違うな」


ブラッディクスの正体がドラ・ザ・キッドだったが、チェリーワールドの彼とは違うという。どういうことなのだろうか・・・?


エコロ「彼はとある事件を機にとある敵側の人物として操られていたんだ。操られるままに悪の限りを尽くしたけど、彼の親友はそれを許さなかった。だから、それによる世界崩壊寸前にその親友が彼を救うために自分の命を差し出した。それを見たことで元に戻っちゃったんだよ」
以蔵「・・・」
エコロ「それから思念体で彷徨う存在だった彼をボクが見つけてね。それと同時に「ブラッディクス」の人格とジョバンニを使役する役割を押し付けた結果身体を手に入れたんだ」


エコロの発言に三人はようやく気付く。


以蔵「は・・・?じゃあ、あのブラッディクスを生み出した人物は・・・」
エコロ「ボクだよー!面白そうだと思ってたからつい、ね!」
卑弥呼「つまりアルターエゴみたいか何かだったの?」
エコロ「彼は一応生者だし、ちょっと違うかな?」
お竜さん「つか、今回の発端は貴様のいざこざか!他のぷよぷよ組に伝えるぞ!」
エコロ「一度や二度はされた身なのにまたフルボッコは困るなぁ〜;」


すると、四人はようやくブラダマンテ達がいるバーの前に着いた!


卑弥呼「ここよ。魔力でたどったらここだったわ」


四人がそのバーの中に入ると、ある少女の泣きそうな声が聞こえた。ブラダマンテだ。


ブラダマンテ「マスター。お許し下さい・・・あなたはロジェロではないけれど、私はあなたを・・・」


四人がバーに入ったドアの音を聞いたブラダマンテは平常心に戻った。


ブラダマンテ「どうやってここへ・・・」
卑弥呼「私とエコロ君が力を合わせれば入れるわ。それよりもあなたはやはりマスター想いなのね。ロジェロ君のような恋愛感情がなくとも」


卑弥呼の言葉を聞いたブラダマンテは眠り続けるブラッディクスを見ながら言う。


ブラダマンテ「そうですね。だけれど、私はマスターを殺さなければいけない。だって、彼が望んだことなので」


その言葉を聞いた以蔵はスマブラXの時空の時でメタナイトが言い放った言葉を思い出した。


メタナイト『それにこの機械人間には殺される理由がある。そいつはいわゆる■■■■■だ』






以蔵「ーーーーー死にたがり」






ブラッディクスの目的は自分が死ぬために殺されることであった・・・!


お竜さん「そうか。今のでわかったぞ。こいつは一人彷徨い続けるのが嫌だったから死ぬためにあんな行動を起こした。しかし、奴にとってイレギュラーな事態が起きた。自分が偶然イゾーを引きずり込んだことだ。だから、イゾーをチェリーワールドに返すために奔走したあとは自分一人で死ぬのだと」
ブラダマンテ「ええ、そうです。だから、私は自分が退去してでもマスターを殺すつもりです。私のマスターがこれ以上の苦痛を受けないために・・・!マスターは何度も拒否しましたが、彼はようやく眠ってくれた。今がその時です・・・」


ブラダマンテは自分の片手槍をマスターであるブラッディクスに向けた。


以蔵「・・・っ!!」


それを見た以蔵はブラダマンテに叫んだ!


以蔵「こんべこのがぁ!!ブラダマンテ、おまんはそれでえいっちゅーか!!?いくらブラッディクスが死にたがったってわしは・・・!!」


以蔵の叫びにブラダマンテは無言で首を横に振った。


ブラダマンテ「ごめんなさい、マスター。今あなたを楽にしますから・・・」


ブラダマンテは自分の片手槍でブラッディクスの心臓を刺した・・・!


以蔵「・・・!!!」


これでブラッディクスは死んだ・・・と思われたが。


ブラッディクス「・・・ブラダマンテ?」
ブラダマンテ「あ、マスター!私は・・・!」
ブラッディクス「いや言わなくていい。むしろ感謝している」






ブラッディクス(?)「貴様のおかげで主の人格はなくなったのだから」
ブラダマンテ「え?」






一方、龍馬達も目を覚ましていた。龍馬は周りを見渡す。


龍馬「お竜さんと以蔵さんは!?」
景虎「卑弥呼様もエコロもいないし、一体どこに行っちゃったんでしょうねー?」


すると、再度出現した異空間から以蔵達が帰ってきた!


晴信「!今までどこに・・・!!」


しかし、彼らの様子を見て驚いた。ブラダマンテが全身傷だらけの状態でお竜さんに抱えられたからだ・・・!


壱与「ブラダマンテさん・・・!?何があったのですか!?」
卑弥呼「それが大変なことになったわ。ブラッディクスが・・・」


自分達の後ろにいるブラッディクスを見た大半の全員は驚愕する。ブラッディクスの瞳の色が赤に変わったからだ!


龍馬「これは・・・」
お竜さん「ああ。MIDICITYの時よりも酷い状態だぞ」


ブラッディクスを見た以蔵は叫んだ!ブラッディクスがこうなった理由はわかっているからだ。


以蔵「ジョバンニ!ブラッディクスを返しちょれ!」


以蔵の叫びにブラッディクスもといジョバンニは三日月笑いを浮かべる。


ブラッディクス(ジョバンニ)「犬のように叫ぶ元気は残っているようだな。ならば、ちょうどいい」


すると、後ろから異空間が出現した!


ブラッディクス(ジョバンニ)「アサシン、岡田以蔵。最後の目的地である時空で待っているぞ。時空鉄道の列車を使ってな!」


そう告げたジョバンニはその異空間に飛び込んだ!それにより異空間は閉ざされた。


以蔵「ブラッディクス・・・!!」
龍馬「以蔵さん。今は彼女を治療を優先しよう」
お竜さん「お竜さんに任せろ」


その数分後、最後の目的地に向かうために出発した時空鉄道の列車の中で晴信は項垂れていた。

時空鉄道の夜(後編)(その7) ( No.494 )
日時: 2025/06/25 17:39
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

晴信「なぁ、あんな治療はありか?唾液で回復させるって・・・;」
龍馬「お竜さんの唾液は治癒の効果があるからねぇ」
景虎「そういえば、アサシンは?」
卑弥呼「今ブラダマンテが目を覚ますまで診てくれてるわ。目を覚ましたら彼女と話をしたいそうよ」
壱与「・・・」


一方、客室ではブラダマンテは以蔵に付き添われた状態でようやく目を覚ました。


以蔵「気がつきちょったか」
ブラダマンテ「アサシン・・・?」
以蔵「お竜の奴には感謝せい。あいつがいなければおまんは退去しちょったぞ」
ブラダマンテ「坂本龍馬に寄り添うお方が治療して下さったのですか・・・」
以蔵(あの蛇女の治療法が唾液やということは言わんでえい気がしちょる・・・;)


ブラダマンテはこれが夢ではないことに気付いた後静かに呟く。


ブラダマンテ「あなたは恨まないのですか?」
以蔵「こればかりはわしが恨む権利はない」
ブラダマンテ「私はマスターを殺そうとした!だけれど、あなたはマスターを助けようとした!そんな正反対ゆえに恨んでいいはずです!マスターもそう・・・なぜ実行しようとしたら止めるのに私を恨まないのですか・・・」


ブラダマンテの言葉に以蔵はその姿勢を正しながら言う。自分の脳裏にクルークの姿を思い浮かべながら・・・


以蔵「おまんが泣いてるからやき」
ブラダマンテ「え?」
以蔵「奴とて情がなくなったわけではないんでのう。自分を殺そうとした女の涙を見たら、奴はおまんをどうしても止めるし、だからといって恨むことはできん」
ブラダマンテ「・・・あなたがそんなこと言うなんて驚きです」
以蔵「いや、今の言葉はただの受け売りじゃ。あいつなら言いそうやと思うて」
ブラダマンテ「誰なのですかその人って?」
以蔵「秘密じゃあ」


ブラダマンテは以蔵の表情を見ながら訊ねる。


ブラダマンテ「あなたにお聞きしたいことがあるのでいいですか?」
以蔵「えいぞ」
ブラダマンテ「あなたは明らかに私を知っている様子を見せてる。いや、誰かから話を聞いた様子だと思います。もしや私に関係する方がチェリーワールドに呼ばれましたか?」


ブラダマンテの問いに以蔵はにっと笑いながら答えた。


以蔵「楽しそうに話しちょったからな。アストルフォの奴が」
ブラダマンテ「アストルフォ・・・アーちゃん・・・!」
以蔵「ついでに言うが、円卓騎士の奴らもチェリーワールドにいちょる。まあ色々好き放題しちょったが、わしまで巻き込んだりで・・・」


その言葉を聞いたブラダマンテは以蔵の手を掴む!


ブラダマンテ「円卓の騎士様も!?」
以蔵「おん、そうじゃが・・・」
ブラダマンテ「あなたが知り合いになるなんてずるいです!よければ私にもお話を聞かせて下さい!」
以蔵「は?」


前編のセリフからしてお察しの通り、ブラダマンテは円卓の騎士のシンパ。思わず唸る以蔵だが、彼はつぶやいた。


以蔵「・・・敵として戦った場合もあるが、ざっくりじゃ。それでもえいか?」
ブラダマンテ「はい、お願いします!円卓の騎士様達に何があったのか、それによるあなた達の冒険譚を・・・!」


以蔵は王ドラやクルーク達の仲間になってから起きた出来事を話した。ガウェインが敵側の人物として味方サイドであったモードレッドのみならず自分達とも戦ったこと、ハートビート・クロックタワー(針音の時計塔)を巡る旅、敵側から逃げた円卓騎士達の捜索、獅子王やランスロットがとある出来事を機に自分達に対する協力、ガウェインの戦う理由、そしてそれらを救うために戦ったトリスタンの意思も尊重してくれた仲間達がいること・・・
それらを話し終えた以蔵はブラダマンテの涙を見た。


以蔵「す、すまん!嫌じゃったか?」
ブラダマンテ「いいえ。いいえ・・・むしろ嬉しいんです。たとえ過ちを犯したとしてもガウェイン様を救おうとしてくれた人、円卓の騎士様達にも寄り添ってくれた人達がいてくれたから・・・こんな素敵すぎる出来事があったんだって・・・」
以蔵「・・・」


その数分後、以蔵に付き添われる形で姿を現したブラダマンテを晴信が険しい目で見ていた。


晴信「起きたか、裏切り者。何か言いたいことはあるか?」
ブラダマンテ「・・・」


そんな晴信を卑弥呼が宥めながらブラダマンテを諭す。


卑弥呼「武田君。ブラダマンテちゃん、あなたは理由もなくマスターを裏切る子じゃないと思っているわ。今のあなたの気持ちを教えて欲しいの」
ブラダマンテ「・・・」


以蔵が横で頷いたのを見たブラダマンテは自分の今の気持ちを伝える。


ブラダマンテ「あんなことをしておいて今更許されると思っていません。だけど、私は・・・誰に何を言われようとも今度こそマスターとちゃんと向き合うつもりです・・・!」


ブラダマンテの言葉を聞いた晴信はため息を吐きながら告げる。


晴信「ならば・・・自分の命は、自分で守れ。それがお前にできる、あいつへの償いだ」
ブラダマンテ「!」


晴信からの言葉にブラダマンテは無言で頭をぺこりと下げた。彼らへのお礼のつもりで・・・。
エコロは拍手をしながら話す。


エコロ「はいはい、これで彼女の件は解決したようだね!あとはブラッディクスと話をするだけだね〜」
龍馬「もうすぐ彼がいる時空に着く。何があるかわからないから気をつけてね!」


そして時空鉄道の列車がジョバンニ達に乗っ取られたブラッディクスが待つ時空に着いた!






以蔵「あいつとなんとしてでも話すきに・・・行くぜよ!」

時空鉄道の夜(後編)(その8) ( No.495 )
日時: 2025/06/25 17:41
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

そして最後の時空の目的地にて






ジョバンニ達に乗っ取られたブラッディクスがいる、ぷよ魔導世界(MAX2時の)の時空。ブラッディクスはジョバンニ達の意のままにそこのステーション・ガーディアンだったシェゾ・ウィグイィと戦っていた。


ブラッディクス(ジョバンニ)「ではさらば。貴様の野望は今ここで潰えたのだ」
シェゾ「・・・っ」


シェゾの首が落ちて黒い砂と化して散った後、ブラッディクスは最後のジョバンニを取り込んだ・・・


ブラッディクス(ジョバンニ)「ははは・・・ははははは!!ようやく我らが全て揃った!」


ブラッディクスは周り一面を炎に染め上げた!






ブラッディクス(ジョバンニ)「これで主の命が取り留める!主が閉じ込めた檻から出ることはない!主が死ぬことは許さぬ!主の命は我らのものなのだから!」






一方、その時空に着いた以蔵達一行はその惨状に唖然となった。


お竜さん「・・・酷い有様だな」
ブラダマンテ「これが・・・私がしようとしたことの結末・・・あ・・・ああ・・・」


ブラダマンテが改めて自分がマスターのブラッディクスにしようとしたことの重大さを痛感するが、エコロは横を見た。


エコロ「!あれがジョバンニ達か!」


エコロが見たのはブラッディクスが取り込んだのをそれぞれの個体としての姿で現界したジョバンニ達の姿だった。


景虎「あれは・・・!そしてその中心にいるのは・・・」


そのジョバンニ達の中心にいるのは目を閉じたままのブラッディクスであった。


以蔵「ブラッディクス!!」


以蔵は彼を助けようと走るが、ジョバンニ達が織りなす炎に道を阻まれた!


以蔵「・・・っ!!」
ジョバンニA「させぬ」


なおも景色を炎に包ませる。その直後、ジョバンニ達は融合する。






ジョバンニの真体として・・・!






それを見た壱与は以蔵達に話す。


壱与「みなさん!彼はもう救えない!こうなれば、手をかけるしか道はありません!多少手荒な真似は使うと思いますが・・・」


それを聞いた以蔵は首を横に振る。


以蔵「壱与。それならわしにあいつを救うチャンスを与えてくれんか?」
壱与「えっ!?諦めないつもりですか!?」


すると、ブラダマンテは壱与の腕を掴みながら懇願する!


ブラダマンテ「お願いします、壱与さん!岡田殿にマスターを救うチャンスを与えてあげて下さい!あの人はロジェロじゃないけど・・・私はマスターを・・・悲しいまま死んでほしくない・・・!」
壱与「・・・っ」


ブラダマンテの涙を見た壱与は思わずたじろぐが、それを見た卑弥呼が彼女を諭した。


卑弥呼「壱与ちゃん。私からもお願い。いくら私達が呼ばれた役割だからって彼を死なせるのとは違う。それに以蔵君はブラッディクスに悪感情を抱いていない」


他の人物も同じかと言わんばかりに卑弥呼に賛同の意で頷く。それを見た壱与はとうとう折れた。


壱与「ああもう!どこまでも命知らずなのですねあなた達は!」
以蔵「それはチェリーワールドの奴らにも言ってほしいきに」


壱与は巫女姿に変身し、その炎に自分の宝具である「宵闇翳る月御珠」を与える形で散らせた!


壱与「私は滅びの巫女ゆえ炎をも滅せます。というか今ならやれるかも。また炎が甦られないうちに行ってください!」
以蔵「・・・!」


その直後に卑弥呼によって出現した空間の中に以蔵が飛び込んだ・・・!






気付いたら泡のような空間の中に以蔵は目を覚ました。その上から猫のような見目をした少女の姿があった。


少女「ようやく会えたわね。はじめまして、アサシンのあなた」
以蔵(ああ、ほうか。こいつがわしにブラッディクスと契約するよう差し向けたーーーーー)


以蔵はそっと目を開けた後、少女は話す。


少女「気付いていたようね。私が今から言うことはわかる?」
以蔵「・・・」
少女「あの人は私の彼とは違うけれど、それでも放っておけなかった。だから、あの人と一悶着があるあなたに彼と契約するように引きずり込んだ」
以蔵「・・・」
少女「だからこそお願いがあるの。ーーーーー少しでも、彼を救ってあげてほしい。最初で最後のお願いよ」
以蔵「何言うとんじゃ。ーーーーーおまんも一緒にあいつを救うんじゃ」


以蔵の言葉を聞いた少女は微笑んだ・・・






以蔵は気付いたら別の空間に飛ばされていた。今度は先程のバーと同じ場所。


以蔵(ブラッディクスの心象風景か・・・)


しかし、よく見たら周りには少しだけ色が付いている・・・以蔵が歩き出すと、ブラッディクスの姿があった。


以蔵「ここにいちょったか。一緒に帰るきに」


以蔵の言葉にブラッディクスは目を開けた。


ブラッディクス「ふん。人の秘密を暴いたくせに何を偉そうに」
以蔵「それは悪かったな・・・」
ブラッディクス「ならば、何のつもりで来た」


ブラッディクスの問いに以蔵は答えた。


以蔵「おまんに生きていてほしいから、ここに来たき」
ブラッディクス「・・・」


ブラッディクスは目を見開きながら呟く。


ブラッディクス「・・・俺に、生きていてほしいってか?親友も何もかも失った俺に対して、よくそんなこと言えたな!同情も憐憫もいらぬ!これ以上何もかも」
以蔵「同情も憐憫もないわこんのべこのかぁ!!」


以蔵の叫びにブラッディクスは驚きながら彼を見る。


以蔵「おまんがわしを庇ったからじゃ!何も言わず自分からな!わしはおまんがそんな態度やからついてきちょった!やからこそ・・・」


以蔵はブラッディクスの目を見ながら言う。






以蔵「わしはおまんを守る。やからこそ、親友達の代わりに今迎えにきたぜよ」






ブラッディクス「・・・!」


以蔵の言葉にブラッディクスはふっと笑いながら言う。


ブラッディクス「本当に諦めが悪いなお前は」
以蔵「生前の反省も多少はあるかもな」


そしてその空間が崩れた後、ブラッディクスは最後の令呪を光らせた!


ブラッディクス「令呪を以て命じる!岡田以蔵、俺の中にある迷いを斬れ!」






以蔵「おう!生きろ、ブラッディクス!」






そして以蔵は自分の剣でブラッディクスの中にある迷いを叩き斬った・・・!

時空鉄道の夜(後編)(その9) ( No.496 )
日時: 2025/06/25 17:43
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

覚醒






その直後から広がる光。これに真体であるジョバンニ達は驚いた。


ジョバンニB「何だ!?我が主から光が・・・!」
エコロ「おー、ようやく自分の生きる意味を見出したんだ!電車で先頭に立ちながら、いろんな時空を旅する役割を持つ・・・」






エコロ「時空の車掌!」






以蔵に救われたブラッディクスは時空の車掌として覚醒した姿を現した・・・!


ブラダマンテ「マスター!」
景虎「へー!似合ってるじゃないですか!」


ブラッディクスが覚醒したのを見たジョバンニ達は目を泳がせながら怒りを向けた。


ジョバンニC「バカなあり得ない!こんなことあっていいわけがない!」
ジョバンニD「我が主が、時空などの役割なぞ・・・!」


その言葉を聞いたブラッディクスはジョバンニ達の方にも向けて名乗りをあげた!


ブラッディクス「ああ、そうだな。俺はやっと生きる意味を見出したんだ。この姿の俺の名は、トリップトレインコンダクター・ブラッディクスである!」


名乗りを上げたブラッディクスはその直後にきょとんとした顔をした。


ブラッディクス「だが、この名は言いづらいな」
以蔵「えいきの。わしはその方が面白いぜよ!」


その様子を見たジョバンニ達は再びブラッディクスを取り込もうと手を伸ばした!


ジョバンニE「許さん・・・!許さんぞぉぉぉぉぉー!!!」
ブラッディクス「また捕まえられるならやってみろ!アサシン、行くぞ!」
以蔵「おうよ!」


ブラッディクスと以蔵が戦闘を開始した後、以蔵は手始めに伸ばそうとしたジョバンニの腕を斬った!


ジョバンニF「!?」
以蔵「おー、案外斬れるもんじゃのう。命が惜しけりゃかかって来いや!」


その直後にブラッディクスがジョバンニの後ろからビームライフルで撃つ!


ジョバンニG「がっ・・・!!」
ブラッディクス「失礼」


その様で怒り心頭のジョバンニ達は再び二人に手を伸ばそうとした!


ジョバンニA「こうなったら二人とも捕らえてくれるわぁぁぁぁー!!」
ブラッディクス「あ、しまった捕まる」
以蔵「何しちょるんじゃあ!?」


しかし、巨大な竜がそれを阻止した!変身したお竜さんに乗っている龍馬だ。


以蔵「龍馬!」
龍馬「わしは大丈夫じゃ!やから以蔵さん達は早くジョバンニを倒しとうぜ!」


龍馬が引き付けているうちに二人は向こうまで走るが、その道中が炎に包まれかけていた!引き上げる道もすでに炎に包まれている・・・


以蔵「しまった・・・これじゃ通れん・・・」


しかし、景虎が風の舞で炎が消し去った!


以蔵「景虎!晴信!」
景虎「行って下さい!そしてバシンとぶっ飛ばして下さい!」
晴信「言っておくが、お前らの優勢だ。決して驕るなよ」


以蔵が無言で頷きながら走ったあと、晴信は第三霊基にチェンジした!


景虎「おう!本気を出しますか・・・武田信玄」






信玄「当たり前だろう。最後まで役割を務まらなきゃ意味ないだろ・・・!」






一方、到着寸前で炎に阻まれた時、ブラダマンテが助けてくれた!


ブラダマンテ「お二人とも、大丈夫ですか!?」
以蔵「ああ、大丈夫きに」
ブラダマンテ「よかった・・・あ、今卑弥呼様達はジョバンニの足と戦ってくれています」
以蔵「それぐらいデカかったか・・・;」


ブラダマンテはブラッディクスに対して罰が悪そうな顔をした。


ブラダマンテ「あ、あの・・・」
ブラッディクス「いやいい。貴様を糾弾する意味はない」


ブラッディクスからの言葉を聞いたブラダマンテは彼にぺこりと頭を下げて残りのエネミーを倒しに行ったあと、二人はようやくジョバンニ達の付近にたどり着いた。


以蔵「着いたきの!これで・・・!」


しかし、ジョバンニの一人の炎が以蔵に及んできた!


以蔵「!!」
エコロ「ラブリートリック!」


その隙を突いたエコロがそれを阻んだため、以蔵は事なきを得た!


以蔵「エコロ!」
エコロ「注釈しとくね。可愛い女の子なら助けるのは嬉しいけど、キミはほっといたら死にそうだからね。そんなことになったらキミのマスターのあの子も泣いちゃうから!」
以蔵「!ああ、必ず奴らを止めちゃる」


以蔵とブラッディクスはようやくジョバンニ達の前に辿り着き、それを見たジョバンニ達は憤った。


ジョバンニ全員「ああなんてことを!!元はといえばアサシン!貴様が引きずりこまなければ、こんなことにはならなかったというのに!!貴様のせいだ!!!」
以蔵「逆恨みが過ぎてツッコむ気にもなれん。もしこいつの親友ならばこんなこと言わんな」


以蔵の挑発を受けたジョバンニ達は攻撃しようとするが、卑弥呼と壱与の攻撃に阻まれた!


ジョバンニ全員「!!邪馬台国の巫女!!」
卑弥呼「もうここで大人しくしなさいよねー?」
壱与「ブラッディクス。あなたのことはもう咎めない。今からあなたがやることを分かりますよね?」


その言葉を聞いたブラッディクスはにっと笑顔を浮かんだあと、右手に空気砲を模した光が包まれた!


ブラッディクス「まさか愚かな俺が使っていた武器を今使うとはな・・・!」






ブラッディクス「スペシャル・ドッカーン!!!」






ブラッディクスの空気砲の光による射出によりジョバンニ達は吹っ飛ばされ戦闘不能となった・・・!

時空鉄道の夜(後編)(その10) ( No.497 )
日時: 2025/06/25 17:48
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

元の姿に戻ったブラッディクスは息も絶え絶えになったジョバンニ達を見る。


ジョバンニB「ここで終われるものか・・・このまま終わらせるものか・・・ああ・・・死にきれない・・・死にたくない・・・自分は・・・何も悪くない・・・」
ブラッディクス「・・・オレ(キッド)は親友が命を差し出したことによって心を取り戻した。俺(ブラッディクス)はそれに後悔や罪悪感を抱きながらずっと彷徨った。故にお前達だけだ、オレ(キッド)の親友達」
ジョバンニC「・・・」
ブラッディクス「オレ(キッド)が捨てたものをお前達は泥の如く執着し続け、その人生に憎しみの炎を燃やし続けた。俺 (ブラッディクス)は認めてやる」


ブラッディクスに突きつけられたジョバンニ達は真体から瓦解し始めた・・・。


ブラッディクス「だが、それならば真体になってまであの岡田以蔵を憎むほど執着し続けたのか・・・」


元の個体に戻ったジョバンニ達はなおもブラッディクスに寄ろうとしていた。


ジョバンニD「我が主よ。我らと共にーーーーー」
ブラッディクス「ここで最期を迎えるのも悲惨だ。看取れる者がいない、こんな何もない場所で」


ブラッディクスに諭されたジョバンニ達は黒い砂と化し、元の機械化人に戻った・・・。


ブラッディクス「ジョバンニ達よ。俺は死なん。だから気にせず俺に支配されるといい」


ジョバンニ達がそれを受け入れるかのように頷いてから再びブラッディクスの中に取り込まれた・・・。


エコロ「・・・周りを見てみなよ」


周りの景色は元の、否、時空鉄道で旅をする前と同じ場所に戻った。
そこに以蔵達が駆け寄ってきた!


以蔵「ブラッディクス!」
ブラッディクス「なんだ騒々しい」
晴信「今そんな反応はないんじゃないか?」
景虎「少なくとも私が一戦を交えたいと思っていたところですよー」
ブラダマンテ「車掌姿のマスター、なんだかカッコよかったです!」
ブラッディクス「おい褒め倒すな」


すると、卑弥呼がブラッディクスの頭を撫でた!


卑弥呼「ブラッディクス、よく頑張ったわね!勲章としてはまぐりを差し上げたいところだわ!」
ブラッディクス「おい俺を子供のように扱うな」
龍馬(あ。ブラッディクス、元の姿に戻ってる・・・だけど、前とは違う顔つきだ)


勝利を喜び合う中、エコロは突然飛んだ!


エコロ「じゃあ、ボクはそろそろお暇するよー。ここでやることは終わったし」
お竜さん「おいよだれつき。今回のことはお竜さんから他のぷよぷよ組に話しても構わないか?」


お竜さんの質問にエコロは少し気まずそうな顔をした後ほぼ強引に近い形でワープした!


お竜さん「逃げたか。有能だが変に雑魚だなー」
龍馬「お竜さん、どういうことだい?」
以蔵「エコロが「ブラッディクス」を誕生させた本人じゃ。別世界のキッドに「ブラッディクス」の人格を押し付けたもんでのう」
龍馬「なんというめちゃくちゃさだね・・・;」
以蔵「まあ、あいつのおかげで助かったこともあるきの・・・」


そうこうしていたら、時空鉄道の列車が来た!


以蔵「時空鉄道・・・!」
ブラッディクス「ああ、それは貴様らがチェリーワールドに帰るために俺が呼び寄せたものだ。そこから帰るといい」


その直後、卑弥呼と壱与の退去が始まった!


卑弥呼「じゃあ、私達はそろそろ退去するわね。私達の役割も終わったことだし」
以蔵「ほうか・・・」
壱与「あ、一つだけ約束してください。天草四郎には私達のことを話さないこと。彼を信用できないのはもちろんですが、チェリーワールドへの繋がりがさらに厳しくなったらたまったものじゃありませんので」
お竜さん「おー、わかった(やはりあいつはなんかありそうだな」


自分達の役割を果たせた卑弥呼と壱与が退去した後、景虎と晴信も帰るそぶりを見せた。


景虎「じゃあ、私達もそろそろ失礼しまーす。晴信、あなたの赤い車で川中島まで送って下さい!」
晴信「まだ諦めてねーのか!!」
龍馬「うん。二人も元気でね!」


赤い車で走る景虎と晴信を見送った後、ブラッディクスはじっと見ながら言う。


ブラッディクス「おい。いつまでここにいる。アサシン、貴様との仮契約は解けた。だから早く行け、しっしっ」
以蔵「可愛くない態度やきのう」


以蔵は時空鉄道の帰りの列車に乗る前にブラッディクスにつぶやいた。


以蔵「これだけは言わせろや・・・あの時、わしを庇ってくれてありがとき」


以蔵と龍馬(+お竜さん)が帰りの列車に乗った後、ブラダマンテは話そうとする。


ブラダマンテ「マスター。私は・・・」
ブラッディクス「何を言う気だ。そんな暇があるならお前もあの列車に乗れ」


ブラッディクスの言葉にブラダマンテは顔を上げた。


ブラッディクス「チェリーワールドに呼ばれるかもしれないお前のロジェロを探してこい。それを果たせたら、また俺のところに戻って来い」


ブラッディクスに案じられる形で命じられたブラダマンテは頭を下げた!


ブラダマンテ「ありがとうございます、マスター!このブラダマンテは必ずロジェロを見つけ出します!それまではどうか身体をお気をつけて、お元気で・・・!」


ブラダマンテが涙を拭いながら帰りの列車に乗り込み、その後に出発した列車をブラッディクスが見送った・・・


ブラッディクス(行ったか・・・俺も時空鉄道の車掌としての役割を全うしなくてはな・・・)


ブラッディクスの方に時空鉄道の列車が来た。彼はそこに乗る。


ブラッディクス「ーーーーーああ、始まるな(たとえ、これから先に出会って行く奴らの記憶から忘れ去られる存在になるとしても・・・)さぁ、ブラッディクス。俺は時空鉄道でどんな物語を紡ぐのかーーーーー」


ブラッディクスはその椅子に座る人物達を見て少し驚いた。






彼の親友達が、依然変わることはなかった自分に対する笑顔の表情でそれぞれの席に座っていたからだ・・・!






前のように騒がしく自分を呼ぶ親友達をブラッディクスは懐かしい笑顔を浮かべていた。元のキッドと同じような笑顔で・・・

時空鉄道の夜(後編)(その11) ( No.498 )
日時: 2025/06/25 17:51
名前: 桜 (ID: ICvI0sBK)

後日談






ーーーーー以蔵達がチェリーワールドに帰還してから数日後、彼らから話を聞いた大半の全員は驚き、弓弦は叫んだ!


弓弦「ブ、ブラッディクスと仮契約だって!!?」
以蔵「おん・・・わしでも考えられんぐらいにな」
クルーク「よく無事だったね!ブラッディクスはどんな感じだったんだい?」
龍馬「あんまり詳しくは話せないけどね・・・」
弓弦「・・・乱麻さん、僕はちょっと部屋に行って来ます・・・;(クルーク君にも今の顔見せられない・・・OTL」
乱麻「ああ、気が済んだら戻って来いよ」


お竜さんは気まぐれに振る舞うような様子で訊ねた。


お竜さん「そういえば、ブラダマンテはどうした?」
クルーク「彼女なら今桜達による調査を受けてるよ。と言っても敵と繋がりがないかの軽い取り調べみたいなもんだけど・・・」
以蔵「あー、それなら心配いらん。あいつが理由もなく敵に回ることはない」
クルーク「・・・そっか」


景虎の話も聞いた王ドラは以蔵に訊ねた。


王ドラ「景虎さんにも会ったんですよね?彼女はどういった感じなんですか?」
以蔵「・・・あの景虎には禍いの種による世界での記憶はないきに。やけど、今度は最後まで敵に回らんかった」
王ドラ「そうですか・・・せっかく会える機会があったのに・・・」






景虎「おやおや?まるで私のファンだというような言い方じゃありませんか!」
王ドラ「え?」






景虎が突然姿を現したことに大半の全員が驚いた!


以蔵「はぁっ!?なんでこんなところに!!?」
景虎「このチェリーワールドの戦士達には興味深かったので来ちゃいました!この晴信も連れ出してね!」


景虎の横に晴信が来ながら罰が悪そうに伝える。


晴信「すまん・・・;この女がチェリーワールドに行こうとしてあの時空鉄道の列車の上に乗るために俺の愛車(元は愛馬)の操縦の権利を奪ってな・・・;」
龍馬「ま、まさか本当に列車の上に乗って来ちゃったのかい!?」
王ドラ「え、戦国時代の武将が愛車?」


乱麻が以蔵に耳打ちしながら伝える。


乱麻「以蔵・・・恐らくあのジョバンニ達はあんなやり方でも自分達なりにブラッディクス(カムパネラ)を守ろうとしていたんだろう。私の推測しかないが、動機はそれだけだ」
以蔵「・・・!」


それを聞いた以蔵は無言で頷く。すると、そこに聞き慣れた声があった!


キッド「おーい!お前ら、随分と楽しそうな話をしてるなー」
王ドラ「キッド!」


キッドに初めて会った景虎と晴信は少し驚くも彼はそれを気にせずに場に入って来た。


キッド「あのオレの話なんだろう。以蔵と仮契約したっていう話」
晴信「・・・なあ、お前。あいつについては何も思わないのか?」
キッド「うーん・・・色々思うところはあるけどな・・・だけど、オレがあいつの立場だったら同じことしていたかもしれねえ。それを考えたらあいつ(俺)を否定することはできない」
晴信「そうか・・・」


キッドのブラッディクスに対しての心情を聞いた王ドラは少しだけホッとした表情をしたが、クルークは以蔵に話す。


クルーク「ねえ、以蔵さん。キミが良ければボク達にもその時空鉄道の話を聞かせてくれないかい?」
以蔵「・・・おん。ざっくりやぞ」







ーーーーーこれは別世界に飛ばされた人斬りが語る冒険譚。多少は脚色しながら、電車でいろんな時空を旅したとある人物の物語。
その上に、「時空鉄道の夜」というタイトルを記して。


おしまい






「オリキャラ紹介」


・ブラッディクス
キッドに酷似した姿を持つ謎の人物。姿は青の吸血鬼一族の一人パンキッシュがキッドに乗り移った時の「ブラッディクス」と同一だが、彼とは同一にして別存在である。その正体は「平行世界のドラ・ザ・キッド(ドラえもん友情伝説のIF」にエコロが「ブラッディクス」の人格を与えた存在であり、それゆえか心の奥底には元の彼が持っていた正義感も残している。


「後書き」
ブラッディクスの話をずっと書きたいという気持ちがあり、ついに今回の前後編に乗り切りました。ここまで長くなるなんて思わなかった・・・;
ストーリーはFGOのACコラボイベントを元にしていますが、銀河鉄道の夜のネタを一部取り入れたかったのもあってバランスが取れるように執筆しました。
様々な時空にいろんなネタを混ざっていますが、どのネタが話に当てはまるのか考えると面白いかも。






長かった・・・;感想OK