二次創作小説(紙ほか)

キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう(その1) ( No.561 )
日時: 2025/10/06 17:13
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

今回で第五部のプレリュードはおしまいですが、ここからは本当の第五部が始まります。
果たして、トリ子は敵と味方、どちらかを選ぶのか・・・!?






むかしむかし、あるところに。ようせいのくにがありました。


そのようせいのくには、わるいしはいしゃであるまじょによって、ようせいのひとびとは、ぶんかもあたえられず、とてもこまりはてていました。


しかし、そんなところに、よげんの子とよばれるようせいがあらわれます。かのじょは、まじょをたおすべく、かくちをたびする中で、少しずつ、なかまをふやしていきました。


そしてようせいたちのきょうりょくもあって、よげんの子はついにまじょをたおしました。


こうして、ようせいのくにはへいわを手にし、いつまでもたのしく、しあわせにすごしました。


めでたし めでたし






—————なんで、あいつらは私を殺さないんだろ。


私を怖がらないんだろ。怯えないんだろ。


私は悪の妖精姫、悪い子なのにどこまでも私を信じる目に戸惑った私の、あいつは雨が止むまで横にいてくれたんだ。


「トリスタン」が執心する、からくりのオレンジの猫は・・・






その夜、王ドラの直属のサーヴァントである天草四郎達はマスターでもある彼の帰りを待っていた。


天草「それにしても、王ドラ殿は遅いですねー」
阿国「迷子になりそうではないと思いますけど・・・」
為朝「マスターの王ドラの感知、確認。異常なし。じきに帰還される」
天草「ということはもうすぐ帰ってくるのですね!」


その直後、為朝の言葉通りにドアが開くような音がした!


王ドラ「ただいまー」
阿国「お帰りなさいませ、王ドラ様!さ、夕食の支度は済ませてきたので・・・」






王ドラ「すみませんが、この子をしばらく匿ってくれませんか?」
トリ子「・・・;」←連れてかれた






王ドラ、なんとトリ子を連れて帰ってきた(ぇ)これに驚いた天草は彼に問い詰める。


天草「私という正夫がありながら、お持ち帰りとは・・・!」
王ドラ「そんなんじゃないですよ!たまたま帰りたくないっていうから、保護しただけです!」
阿国「保護って・・・では、あなた様の親友が見たら、何をお伝えすれば正解なのですか!?」
王ドラ「どう考えても私が殺されるじゃないですか!」
トリ子(なんだ?こんなボロ屋というよりも、こんな騒がしいの・・・;)


今日の夕食を済ませた後、トリ子は自分の食べた皿を洗おうとしていた。


王ドラ「あ、私がやるのでいいですよ」
トリ子「あ?私が食べたんだし、そのぐらいはさせろよ・・・せっかく招いてくれたし」


トリ子が文句言いつつも自分の食べた皿を姿を見た王ドラはふうっと一息がついた。
その数十分後、天草が麻雀のボート盤を持ってきた!


天草「麻雀しましょう。今日こそ王ドラ殿に負けませんよ?」
王ドラ「まだ麻雀での勝利に対する執着があるんですね・・・;」
阿国「トリ子様も一緒にどうですかー?」
トリ子「やり方がわかんねーけど・・・少し、教えてくれるなら・・・」


四人で麻雀に興じるが、王ドラがある牌を置くと・・・


王ドラ「ロン。純チャン二盃口」
天草「うぐっ;」
阿国「なんという技を・・・!!」
トリ子(ナチュラルに容赦ない奴・・・;)


為朝「家の周辺。侵入者の気配なし」←外の警備してた


その夜、阿国と一緒に風呂に入っていたトリ子は彼女からこんなことを聞かれた。


阿国「あの、トリ子様」
トリ子「なんだよ」
阿国「王ドラ様とは、一体どういう関係なのですか?」
トリ子「はぁっ!?それは・・・私がキスする寸前までいった関係だぞ。向こうは誰か勘違いしてたそうだけど(前々回のお話参照」
阿国「ホワット!!?相変わらず自覚なしの人たらし様ですね!」


王ドラ「タオル置いてきますからねー(なんか私が勘違いされてる・・・;」


風呂に上がった後に寝る準備に入る中で王ドラはトリ子に布団を用意してくれた。


王ドラ「これ、使いなさい。私用のですけど」
トリ子「は!?お前のだろうが!」
王ドラ「私は予備の寝袋に入って寝るから問題ないです。はい、おやすみー」


明かりを消した後に就寝すると、トリ子はうとうとしながら何かを考えていた。


トリ子(・・・あいつらは、どうしてんのかな・・・って、私が心配することじゃねーし!明日になれば、忘れてるだろうし!)


トリ子は寝袋を使って寝てる王ドラを思い浮かべながらため息が吐いた。


トリ子(少しは襲う気はねーのかな・・・あの時のこと、嬉しくないわけじゃないわよ)


トリ子は布団に潜り込みながら、目をそっと閉じた・・・。

キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう(その2) ( No.562 )
日時: 2025/10/06 17:15
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

その翌日、みんなより早起きしたトリ子はまだ寝袋で寝てる王ドラをじっと見ていた。


トリ子(本当に襲わなかったな。私は悪逆の妖精。いつ襲われてもおかしくない・・・)


すると、王ドラはぱちっと起きてくれた。


王ドラ「あ、トリ子さん、おはようございます。よく眠ってくれたようで」
トリ子「(しかし、こいつは女っぽいけどな;)おはよう。本当に寝袋で寝たんだな・・・」
王ドラ「はい。今日は私が軽い修行をした後にどこかに行きますか?」
トリ子「は?」
王ドラ「遊びに、ですよ」
トリ子「遊びに??」


一方、リップ達の方はリップが昨日よりもさらに落ち込んでいるようだった。


チャラ王「おい落ち込むな。サーヴァントになる前にあの子にも色々あったってことだろ。なんか訳ありそうな美少女だしなー」
リップ「うっさい;すっかり鼻の下伸ばしちゃってんじゃん;」
チャラ王「聞くけど、あれでトリ子が嫌になったか?」
リップ「それはないわ(きっぱり」
チャラ王「鋼のメンタルだな;まあ、トリスタンやメルトちゃんを受け入れるぐらいだからな。メルトちゃんはトリスタンよりもマシだけど」
リップ「そうだけど〜;」
チャラ王「そもそもあいつの目的の「トリスタンを抹殺する」というのは今思えば、なんか理由があると思ったし、このままだったら、逆に襲われるかも・・・」
リップ「グサーッ!!」


リップはトリ子のことをどこか心配してそうな口調で呟いた。


リップ「トリ子ちゃん、どこに行ったんだろ・・・泣いてないかな?」
チャラ王「靴でも磨いてんじゃねーか?ほら、トリ子の履いてる靴は武器にもなるし」
リップ「トリスタンちゃんを殺す気!?」


リップは散々悩んだ後、すっと立ち上がった!


リップ「ちーくん!一緒にトリ子ちゃんを探しに行くよ!」
チャラ王「は!?なんで俺が!?」
リップ「もちろん、ちーくんだけじゃないもん!」


すると、リップはトリスタンの自室をバンと開けた!


リップ「トリスタンちゃん!あのね」


しかし、トリスタンの顔は目を見開いたような顔をした。なぜなら部屋には・・・






壁には王ドラのプロマイドのポスターが貼られてあり、棚には数多くの王ドラのぬいぐるみとプラモと人形(原型&擬人化共に、しかも手作り)が置かれていたからであった!


トリスタン(°д°)
リップΣ(°д°;)ナニコレ!!?






トリスタンの自室にまさかの唖然。あれはマスターになった際に元は長兄の部屋だったのを譲ってくれたというのに・・・;
そこにチャラ王が来ていた。


チャラ王「おい、どうし・・・げぇっ!!?なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁー!!?」
トリスタン「これは譲ってくれたものです!」
チャラ王「嘘つけぇ!!」


一方、トリ子は川の近くで大きい魚を釣った王ドラを見て褒めていた。


トリ子「へー、やるじゃんか!おっきい魚ー!」
王ドラ「今度はトリ子さんが釣ってみてください」
トリ子「は!?それなら少しは教えやがれ!」


案外楽しそうな雰囲気の二人をこっそりと見ていた天草と阿国はそれぞれで唇を噛み締めていた。


天草「まあ、それが「私の」マスターのいいところではありますが。いいところではありますが(強調」
阿国「ソーバッド・・・このままではあの二人が契りそうになります!」
為朝「世間一般から見たら、兄妹のような感じなのであるが」


その後に二人で乗ったこの時代における小さな屋形船では王ドラが訊ねに来た。


王ドラ「トリ子さんは、どうして私を頼ってくれたんですか?」
トリ子「は?そ、それは・・・」
王ドラ「他に行くところがないからですか?」
トリ子「ちげーし。そんなんじゃねーよ・・・」


王ドラはトリ子に優しい口調で話しかけた。


王ドラ「トリさんやリップさん達、多分あなたと色々あったんでしょうが、そこに悪感情はありませんよ。もちろん我らの仲間達にも」
トリ子「別に、悪口なんか上等だし」
王ドラ「少なくとも陰口を言う奴らなんかじゃないんですがね」
トリ子「だけど、私はこれでも悪逆の妖精。だから、嫌われて当然なんだ・・・」


王ドラはトリ子を諭すように話す。


王ドラ「あなたのそれは、私からしても偽悪的だと思いますよ。だって、あなたはあの時にのび太君達を助けてくれたんでしょう?多分、それは他の人も気付いてたんだと思いますよ。悪人としてならスマブラの悪役組とかあのアラフィフ達の方がまだ筋が通って見えますけどね。でも、誰も言ってくれないなら私が言ってあげますよ。殺される覚悟がありますので。トリ子さん、あなたは悪にはなりきれませんよ」


王ドラの言葉にトリ子は一瞬だけ彼の顔を見ながら呟く。


トリ子「・・・思わずぐっと来たんだけど。オマエが殺される覚悟してなきゃ殺してたよ」
王ドラ「そうでもしないとやっていけないので。私の方では日常茶飯事でしたし」
トリ子「どんな日常なんだよ・・・;」


トリ子は思わず引いたが、今思えばリップ達も王ドラと同様に理解してくれたはずだ。あの時にリップが自分を心配して駆けつけてくれていたのだから。


トリ子(リップ・・・)


すると、自分の修行している道場の同門の一人が王ドラに向かって呼びつけていた。


王ドラ「おや、私の同門が呼んでいるようですね。少しお待ちを」


王ドラが先に屋形船から降りた後、トリ子は気付かれないようにそっと降りた後に走り出した!


王ドラ「そうですか・・・おや?」
同門生「どうしたんだ?」
王ドラ「いえ、何も。少し失礼」


すると、王ドラはスマホを取り出した後に電話をかけた!


王ドラ「もしもし、リップさん?ええ、彼女ならあっちの方に—————」






トリ子(なんで走ってるか知らねえ!!だけど、やらなきゃいけないことはわかってる!!まずはリップに謝って、それから・・・)


すると、トリ子は自分を探すリップ達を見つけた!


トリ子「おい!」
リップ「あっ、トリ子ちゃん!?」
チャラ王「(王ちゃんの言う通りだったか・・・)こんなところにまで、どこに行ってたんだ?」
トリ子「その・・・トリスタンのマスター、昨日は悪かったな・・・」
リップ「トリ子ちゃん・・・」
トリスタン「自分から謝罪する心はあったのですね・・・」
トリ子「だから」






トリ子「これが最後だから、オマエが私と勝負しろ!トリスタン!」
トリスタン「!!?」






二人のトリスタンの勝負を見届けることになったチャラ王はリップに耳打ちする。


チャラ王(なぁ、いいのか?)
リップ(うん、いいの。少なくとも、今のトリ子ちゃんには・・・)


トリ子はトリスタンに向かって叫ぶ!


トリ子「勝負は先に膝をつかせた方が勝ち!あ、オマエのマスターからの令呪はなしだぞ!」
トリスタン「(どうやら本気で・・・)わかりました。では・・・」






トリスタン&トリ子「いざ勝負!!!!」

キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう(その3) ( No.563 )
日時: 2025/10/06 17:17
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

勝負の先攻として、まずはトリスタンがハープを奏でた!そこから音の刃が放ち、トリ子はそれを自分のヒールを活かした華麗なステップによる動きで避ける。


トリ子「当たるわけねーだろバーカ!」


その最中にぞろぞろと邪魔しようとした雑魚敵を次々と薙ぎ払いながら、お互いに相対していく。それを見たリップは何かを感じた・・・


リップ(何、この戦い。今思えば、前までの戦いはどちらかというと本気じゃなかった気がする。もちろん挨拶代わりだろうけど、でも、これはそれを優に超える!二人は同じ名を持つ、お互いに違う「トリスタン」。それがあるからこそ・・・違う部分を生かした「芸術」にして「騎士」!!)


トリ子が木に登った瞬間、トリスタンは音の刃を放つが、たまたま近くにいた雑魚敵を盾にしたことで回避した!


トリスタン「ああ、近くにいたエネミーを盾にするとは・・・私は悲しい」
トリ子「うるせーお互い様だ優男が!」
トリスタン「はい、おっしゃる通りで」


それを見たチャラ王はリップの隣にいながら呟く。


チャラ王「あれが正直本当に弓なのか疑いたくなるレベルだが・・・末恐ろしい射撃だな。音楽が聞こえたかと思えば罠にかかり、攻撃したかと思えば誘導している・・・本気を出せば、トリ子のスピードなんか追いつけるようだな。この戦い—————荒れるな」


トリスタンの卓越した弓の腕前を見たトリ子は内心ではびっくりしていた。


トリ子(やっべぇ〜!!今のは一発で放ったんだろうが、雑魚敵の身体には三発も射られた跡があったぞ。弓らしいハープでつまんない音を奏でるかと思えば、一瞬にして攻撃を転じやがる。なるほど、これが「トリスタン」という騎士か!)



トリスタンは下を見ながらつぶやく。


トリスタン「では開きますか」
トリ子「えっ?」


すると、下から出てきた音の刃に当たりそうになったのをトリ子は自分のヒールを使って間一髪で回避した!


トリ子「ちぃっ!」


このまま、トリスタンの独壇場で行くかと思われたが・・・


トリスタン(ナレーションもそうですが、何が独壇場ですか。あまりにも彼女の靴のスピードが速い!これは恐らく、本当は私を殺したいのではなく・・・)


しかし、向こうから爆発音が鳴った!


リップ「?爆発?」
チャラ王「気のせいじゃねえ?」


しかし、ここから向こうにある町が爆発に襲われていた!その町は・・・!


トリ子「あのオレンジのからくり猫がいる場所・・・!!」


トリ子はその町に向かって駆け出した!


トリスタン「ちょっと!?」
リップ「まさかあの町に王ちゃんがいるの!?」
チャラ王「追いかけるぞ!」


一方のトリ子は王ドラを探しに向かおうとした最中に襲撃してきた騎士のような敵を倒していた。


トリ子「(襲撃してきたのは騎士のような奴らね・・・そんなことよりも・・・)おいコラ!返事しやがれ!」


すると、トリ子の目の前にその騎士のような敵に襲われそうになった小さな子供の姿があった!


小さな子供「助けてぇぇぇぇぇー!!!」
トリ子「!!」


その言葉を聞いたトリ子が咄嗟にその騎士のような敵を蹴り飛ばす形で倒した!


小さな子供「あ・・・ありが・・・」
トリ子「何も言うな!すぐ逃げやがれ!」
小さな子供「は、はい!」


小さな子供が逃げれた後、トリ子はあることを呟く。


トリ子「おい。テメーの仕業だろ、傲慢の騎士」


トリ子に呼ばれた傲慢の騎士はすぐに姿を現した!


傲慢の騎士「おや、バレてたか。いきなり会ってなんだけど、あんた、あちき達の仲間にならないか?」


傲慢の騎士の誘いにトリ子は少し目が見開いた。


傲慢の騎士「あんたが妖精ってことはあちき達と同じってことだよ。その悪として振る舞う姿はトリストラムやあのお方に気に入られるわ。もちろん本当に大事にされる形でね」


その言葉を聞いたトリ子は一度だけ目を閉じた後、静かな口調で言った。


トリ子「お断りだ。オマエらの目的はわかんねーが、こんな爆発を起こす奴らのところにいるよりも、あんな平和ボケでのんきな奴らのいるところがいいんでな」


トリ子に誘いを蹴られた傲慢の騎士は自分の剣を鞘から取り出した!


傲慢の騎士「交渉決裂でショー」


「あははは!こういう弱っちい妖精の奴らの叫びはワクワクしてくるぜ!」


トリ子「・・・!」


一方、リップ達は騎士のような敵を倒しつつトリ子を探していた。


リップ「おーい、トリ子ちゃーん!」
チャラ王「どこに行ったー!?」
トリスタン「返事をして下さい!」


すると、傲慢の騎士と戦うトリ子の姿があった!


トリスタン「!レディ・トリ子!」
チャラ王「あの女はこの前の・・・!」


少しだけ苦戦する様子のトリ子は咄嗟に叫ぶ!






トリ子「ああくそ!最初は私が「トリスタン」として、居場所を得たかっただけだったなのになぁ!」
リップ「!」







その彼女の言葉を聞いたリップはおぼろと出会った時のことを思い出した!一寸子となった彼女は、自分達と出会う前に誰かに追われていたこともあって居場所がなく、一人ぼっちだったことを・・・!


リップ(ああ、そうか。よくわからないけど、あの子は、ずっと・・・!)


傲慢の騎士は剣をトリ子に振り上げようとした!


傲慢の騎士「ここで死ねぇ!」


トリ子は思わず目を瞑るが、彼女には何もなかった。リップが杖による魔法で傲慢の騎士を弾き返したからだ!


トリ子「!オマエ・・・!」
傲慢の騎士「あんた、この前の!どういう変化の兆し!?」


リップはトリ子の方に振り向きながら訊ねる。


リップ「トリ子ちゃん、あなたは妖精でもサーヴァントだよね?だったら、こっちにいい提案があるの」






リップ「アタシと契約してくれる?」






リップの誘いにトリ子は驚きながら問い詰める!


トリ子「はぁ!?私はオマエらのトリスタンを殺そうとしたんだぜ!そんな妖精と契約するだなんて・・・」
リップ「今はもうあなたの人となりを知ったし、もう警戒してないよ。それにあなたはさっき戦った後にそう言いたかったんでしょう?」
トリ子「・・・いいの?私と契約して」


トリ子の問いにリップは首を縦に振った。


リップ「いいよ。あなたの望むなら、どこまでも一緒に落ちてあげる」


リップの令呪が光った後、トリ子はリップとの魔力パスを感じた後に呟いた。


トリ子「どいつもこいつも変わった奴らばかりね・・・」


その様子を見た傲慢の騎士は剣を構えながら叫んだ!


傲慢の騎士「おい!契約したからって調子に乗らないでよ!」


剣を振り上げようとした瞬間、トリスタンの音の刃によって阻まれた!


トリスタン「させませんよ」


その直後、チャラ王がヌンチャクを振り上げながら叫んだ!


チャラ王「らぁぁぁぁぁ—————!!!」


それが傲慢の騎士に当たって、彼女は吹き飛ばされたがすぐに立ち上がろうとした!


傲慢の騎士「おのれ・・・!」


すると、トリ子は自分の宝具を展開させた!






トリ子「これが半分は不本意ながらも契約したサーヴァントの力だ!痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)!」






正式にリップのサーヴァントとなったトリ子の宝具によって大ダメージを受けた傲慢の騎士は負け惜しみに叫ぶ!


傲慢の騎士「ふん!いつか必ずあんた達を殺しに行くからな!覚えてなさい!」


傲慢の騎士がテレポートで立ち去った後、トリ子は訊ねる。


トリ子「おい。あのオレンジのからくり猫のことは・・・」
リップ「王ちゃんなら大丈夫だよ。あの人、めちゃくちゃ強いし、あんな騎士の数人なんか一瞬で瞬殺だよ?」
トリ子「そうなのかよ・・・でも、そうかもね」


すると、リップは腕を広げながら声をかけた。






リップ「ようこそ我が家へ。そしておかえり、トリ子ちゃん」
トリ子「・・・!」






一方、その様子を少し遠くから見ていたトリストラムは少しだけ舌打ちした後に呟いた。


トリストラム「どうやら彼女は、そちら側についたようですね・・・まあ、我らが殺しに行くことは確定しましたが・・・!」


すると、後ろから攻撃があったのをトリストラムは咄嗟に避けた!その攻撃を放った人物は・・・


王ドラ「すみませんが、先程の町の襲撃は私が目当てだったんですよね?」


王ドラの姿を見たトリストラムは聞く。


トリストラム「貴方はこの前の・・・どこで気付いたのですか?」
王ドラ「あの騎士達のような姿が怪しい動きをしていると、私の同門から聞いたのです。事前に出来る限り、町の人々を避難させて正解でしたね」
トリストラム「では貴方が目当てだという言葉。何故、そう思うのですか?」
王ドラ「私があなたの剣の鞘の紋章を見たのを気付いたのでしょう?そして、それは私が今もずっと調べているものと一致していると」


王ドラの答えを聞いたトリストラムは飛びながら軽くお辞儀する。


トリストラム「やはり私の目に狂いはなかったのですね。ならば、貴方は我らが狙うものにも気付いているのでしょう?」
王ドラ「そんなことはさせませんし、そこまでにしてまで、何が目的なんですか?」
トリストラム「今は教えられませんが・・・知りたければ、どこまでも追いなさい。そして貴方は、第一人者になることでしょう。我らのフェアリーナイト王国に、足を踏み入れた「勇者」としてね」


トリストラムが笑いながら立ち去った後、王ドラは少しだけ舌打ちしながら呟く。






王ドラ「・・・ミニッツさんとタイマーさんを、誰が攫わせますか。クソ仮面野郎が」

キミが望むなら、どこまでも連れてゆこう(その4) ( No.564 )
日時: 2025/10/06 17:19
名前: 桜 (ID: Wz/uC4rR)

その日の夕方、現代の日本の都内ではルートにも話してもらい、リップ達が新たな仲間となったトリ子をアムールに連れ帰っている途中で彼女は訊ねる。


トリ子「本当にいいのか?退屈したあまり、傷つけてしまうこともあるかもしれないぜ?」
リップ「いいよ。その時はカラオケでも遊園地でも連れて行ってあげる。もちろんみんなで!」
トリ子「みんなでかよ・・・「おや、レディ・リップ?」


すると、 アイオーンと一緒に歩く、彼の直属のサーヴァントであるベディヴィエールがリップ達に声をかけにきた!


トリスタン「ベディヴィエール・・・!」
ベディ「また人を連れ帰ったのですね。相変わらず物好きなのですね・・・トリスタン卿の命を狙っていたというのに」
リップ「!」
チャラ王「ベディさん、どこから知って・・・」
ベディ「なんでも。ではそろそろ行きましょう、アイオーン様」
アイオーン「ヴッ」


二人が立ち去った後、帰路に着く最中にアイオーンはベディに訊ねる。


アイオーン「あの娘が、トリスタンと同じ名を持つ、名ばかりの系譜の者か・・・介錯しなくてよかったのか?」
ベディ「はい。少なくとも、今は彼女にはそのような気はなさそうなので」


そしてアムールに着いた後、リップはトリ子に声をかけた。


リップ「パパ達に話した後、トリ子ちゃんの部屋は用意するからね!あと、家具も買ってあげる!可愛い子は可愛い部屋に住まなくちゃ!」
トリ子「別にいいし・・・」
チャラ王「おいおい、あんまり無駄遣いすんなよー;」


すると、上からタケコプターで飛ぶ人物の姿が見えた。事件の後始末を天草達や同門生に任せて、現代に来た王ドラだ!


王ドラ「おーい」
リップ「!王ちゃん、無事だったのね!」
王ドラ「そりゃそうですよ。私があんなので死ぬわけがないでしょう(まあ、別の意味でヤバい事態に発展していますが・・・)おや、トリ子さん」
トリ子「!あの・・・」
王ドラ「・・・無事に帰れてよかったじゃないですか」
トリ子「!」


トリ子が思わず顔を赤くするが、王ドラは2階の窓が開いているのを見つけた!


王ドラ「2階?あなたの部屋ですよね、トリさん。侵入者のリスクもあるから、ちゃんと閉めて—————」
トリスタン「!お待ち下さい、その部屋は・・・!」


王ドラが窓から入って着地した瞬間・・・






壁一面には自分のプロマイドによるポスターと棚の上には自分のぬいぐるみ(原型・人間ともに)などを見た(爆弾投下)


王ドラ「!!??」






その数分後、王ドラは「マシュマロを焼いていいですよ」とトリ子に告げたあと、自分のプロマイドやぬいぐるみなどが入った箱を焚いた火に燃やそうとそれを運び始めた!


トリスタン「本当にお待ち下さい!それは燃やしちゃダメです!まずは話し合いましょう!話せばわかりま「はい、ポーイ」あああああー!!!(縄に縛られてる」
トリ子「焼きマシュマロ、案外うめーな!」


しかし、彼は知らなかった。王ドラのこれらはアムールでの自室以外にもあることに(ぇ)


リップ&チャラ王「オチがひでぇ!!」


おわりールー






「後書き」
ということで第五部のプレリュードはこれにて終了ですが、これからどんどんトリストラム達騎士やフェアリーナイト王国の謎、そして最重要なキーパーソンとなるタイマー兄妹のさらなる心情なども明かされていくので、その辺をお楽しみいただければ!
話が変わりますが、いよいよハロウィンの季節になってきたので漫画の方でも忙しいし、小説もそれにちなんだテーマを書くと思います。今年のハロウィンはどんなギャグなどの衝撃を与えれるかな・・・。






第五部が本格的に始まった!感想OK