二次創作小説(紙ほか)

Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.12 )
日時: 2024/02/10 09:27
名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: L0JcGsyJ)

『信じるのは』
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ユキナリはまず、●人現場である植物室を調べ始めた。

チエ「おや、ユキナリ君...。どちらへ行ってたのですか?」

ユキナリ「いえ、大したことでは...それより、何か進展は...?」

チエ「それが、何もさっぱりで...。」

ユキナリ「そ、そうですか...。」

ユキナリがメイ達を探し始めてから時間は経っていたのだが、証拠は一向に見つかっていないようだ。

その後、ユキナリも調査に参加して再びくまなく探したが、特に目ぼしいものはなかった。

シンイチ「霜月、君は何かわかったかな?」

ユキナリ「俺は特に...ん?あれ...?」

ユキナリはある事に気付いたようだ。

シンイチ「ん、どうした?」

ユキナリ「あの...よく考えたら、仮にヒロムさんが狼だとして、なぜ自ら疑われるようにしたんですかね...?」

コウ「...!確かにそうだ...!」

狼が羊を●したのであれば、誰かに濡れ衣を着せるはず。
仮にヒロムが狼だとしても、自ら疑われるような状況を作るのはあり得ない。

シンイチ「それが正しいなら、やはり初瀬は狼ではない...!」

チエ「このままでは無実のヒロムさんが処刑されてしまいます...!」

ユキナリ「ヒロムさんがやってないという証拠を集めないと...!」

コウ「これは一刻を争うな...証拠探しが始まってからどれぐらい経ってるかわからない...。」

4人がそう悩んでいる時、タクヤとネムが戻ってきた。

タクヤ「取ってきたぞ、鶏肉。」

ネム「んむ〜、んむむんむ〜。」

ユキナリ「タクヤさんにネムさん!...ってネムさん、なんか食べてます?」

タクヤ「こいつが鶏肉を少し食べたいと言うもんだから焼いて食わせてやったんだ。」

ネム「(ごくんっ)美味しかった〜♪」

タクヤ「じゃあ早速...。」

シンイチ「その前に、2人に言っておかねばならないことがある。」

水槽に切った鶏肉を落とそうとしたタクヤをシンイチがそう言って一旦止めた。

タクヤ「なんだ?できれば単刀直入に言えよ。」

チエ「あの...ヒロムさんは狼じゃないんです...。」

ネム「え〜?どうしてそう思ったの?」

コウ「よく考えたら、狼なら自らを疑わせるような工作はしないと思ってな...。」

タクヤ「はっ...!そういえばそうだ!!」

ネム「確かに〜!」

シンイチ「これから初瀬の無実を証明させるために証拠を集めるんだが、手伝ってくれるな?」

タクヤ「当たり前だ。羊を処刑したら出られないからな...。」

そして、タクヤとネムも加わって証拠探しを再開した。

ユキナリ「じゃあ、ピラニア達に鶏肉をあげましょうか。」

チエ「そうですね。」

ピラニア達は落ちてきた鶏肉に群がり始めた。
今ならスミレの遺体を引き上げられる。

タクヤ「よし、引き上げるぞ。」

タクヤはそう言って水槽からスミレの遺体を水槽から引き上げそっと床に寝かせた。

ネム「うわ〜、ピラニアに食べられたところがグロいね〜。」

シンイチ「これで遺体を調べられるな...。」

6人はスミレの遺体を眺めた。
すると、ネムが何かわかったようだ。

ネム「あっ!刃物で切られたような傷!」

コウ「本当だな...しかも出血している...。」

チエ「ピラニアにかじられたところしか見えなかったから、気づきませんでしたね...。」

6人が再び遺体を調べると、後ろから誰かが来た。

サトル「なにかわかっ...ってギャアァァァ!?」

チエ「ギャーーース!!」

ユキナリ「さ、サトルさん...!脅かさないで...!!」

サトル「す、すまない...私は血を見ると気が動転してしまうのでね...。」

ネム「医者なのに?」

サトル「恥ずかしながら、医者なのにだよ...。」

タクヤ「丁度いい。サトルさん、ちょっとスミレさんのこの傷を見てくれ。」

サトル「血は苦手なんだが...わかった。」

サトルはネムが見つけたスミレの遺体の切り傷を調べた。

サトル「ふむ...この傷、太い血管には届いてないようだね...。」

コウ「となると、スミレの●因はそれではないようだな...。」

シンイチ「だが、ますますわからなくなってきたな...。」

ネム「ねーねー、いっそヒロム君にスミレさんの遺体を見つけた時の状況を聞いてみよ〜。」

ユキナリ「そうだね...!ヒロムさんが狼じゃないってわかった以上、あの人の証言も十分証拠に!」

サトル「ん?ヒロム君が狼ではないのか...?」

タクヤ「後でゆっくり説明するぞ。」

そして7人はヒロムの元へ。
ヒロムはリビングで証拠探しをしていた。

ヒロム「...何の用だ?」

ネム「スミレさんの遺体を見つけた時の状況を聞こうと思って。」

ヒロム「...それが何になる?」

ユキナリ「俺達は確信したんです。ヒロムさんは狼じゃないって。」

メイ「ほら...みんなも信じてくれたよ...。」

ヒロム「......。」

ヒロムはそう聞くと、どこかホッとしたような表情になった。

ヒロム「...わかった、教えよう。だが、最初に言っておくが...俺がスミレさんの姿を見た時は、スミレさんはまだ生きていた。」

8人「!?」

ヒロムの発言にユキナリ達8人は耳を疑った。

チエ「す、スミレさんはその時はまだ生きてた...ですって...!?」

ヒロム「ああ、まだ生きてはいたが、手足を縛られて身動きが取れない状態で水槽に沈められていた。それで、スミレさんの血に反応したピラニア達がスミレさんの身体を貪っていたんだ...。」

サトル「うっ...生きてる状態でピラニアの餌食になるなんて惨すぎる...。」

サトルは狼の所業にドン引きしていた。

ヒロム「恐らく、スミレさんはピラニアに身体を貪られた時の出血多量で●んだと俺は睨んでいる。」

ネム「なるほど、狼は時間差で●すことでヒロム君に濡れ衣を着せたんだね〜。」

コウ「そのようだな...。」

ヒロム「...そういえば、俺が見た時は髪と衣類が水で靡いていてわかりにくかったが...スミレさんに狼と争った形跡がなかったな...。」

メイ「...じゃあ、スミレさんは寝てたか気絶してたかの状態で...。」

シンイチ「あり得るな。よし、もう一度現場を調べよう。」

9人は現場である植物室へ今一度調査する為に戻った。
すると、3人ほど既に調査をしていた。

ミサキ「あっ、ユキナリ君達や。」

リンタロウ「みんなも証拠探し?」

リツ「って!なんでお前ら、ヒロムと一緒なんだ!?」

ネム「それはね、かくかくしかじかなんだ〜。」

ネムが3人に訳とヒロムのアリバイを説明した。

ミサキ「そ、そうなんか...。ヒロムさんは狼じゃなかったんやな...。」

リンタロウ「そうみたいだね♪」

リツ「だな...まだ信用はできないけど...。」

シンイチ「よし、では早速調査再開といこう。」

12人は真犯人を突き止める為、現場を再び調査し始めた...。
...続く。