二次創作小説(紙ほか)

Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.5 )
日時: 2023/11/12 15:59
名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: GNo3f39m)

『恐怖のゲーム』
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ウルフ「それでは...。今から、狼ゲームを始める。」

すると突然、目の前にカードが配られた。

ウルフ「さあ。カードを一枚選べ。」

メリー「みなさんの命を左右する大切なカードです...。」

ユキナリ「(命を左右する?あいつは一体何を言ってるんだ?)」

みんなは困惑しながらもカードを引いた。
ユキナリの引いたカードは...。

ユキナリ「(これは...羊...?)」

ユキナリの引いたカードの中央には、羊の顔があった。

ウルフ「今、お前たちに配ったカードには2種類ある。羊のカードと、狼のカードだ。突然だが、狼のカードを引いたモノは...。羊を1匹●せ。」

ウルフの口から、衝撃の言葉が発せられた...。

タクヤ「●せ...だと?」

カレン「...冗談、だよな...?」

メリー「いえ、冗談抜きです...。」

ウルフ「そして、狼が羊を●した12時間後に狼裁判を開く。そこではお前らに誰が狼なのかを推理してもらう。そして、誰か一人を選んで処刑しろ。無事、狼を処刑することができたら羊側の勝利。この建物から出るための脱出の扉が開く。」

シンイチ「ふむ、つまりは狼になった者は、生き残るためにバレないように羊を●す。羊側は、狼を見抜いて脱出の扉を開く...ということだな?」

ウルフ「その通り。オマエたちは、お互いの命をかけて脱出を目指すんだ。」

ウルフから大まかなルールが説明されたところで、メイが質問のために割って入った。

メイ「もし...狼が羊を●さなかったら...?」

ウルフ「その場合は命令違反として、狼は無条件に処刑される。」

ミホ「そ、そんな...。」

羊は狼に●される恐怖、狼は正体を突き止められて処刑される恐怖。
どちらにも救いなどほとんどないということに、参加者は全員絶句した。

ウルフ「これで全ての説明が終了だ。

そういうと、メリーとウルフはいなくなってしまった。

コタロウ「チッ...ふざけたゲームッスね...。」

ユウヒ「い、い、いやだ...!!●されたくない...!!帰りたいよ...!!」

ネム「まあまあ落ち着いて〜。」

ヒロム「お前...逆になんで落ち着いていられるんだ...!」

周りが絶望と恐怖に満ちた顔をしている中、ネム一人だけ変に落ち着いている。

ネム「だって狼を処刑すればいいんでしょ?だったら今狼を探せばいいじゃん〜。はい、狼の人〜?」

ユキナリ「え、えっと...。」

タケオ「......。」

リツ「......。」

スミレ「......。」

ヒロシ「......。」

ネム「...あれ〜?」

当然、周りは黙り込んでいた。

コウ「当たり前だ...。狼かどうかを聞かれて素直に答える奴がどこにいる...。」

オサム「もう、騙し合いは始まっているってことですね...。」

カズサ「そうみたいだね...。」

チエ「......。」

タツヤ「......。」

誰も信用できなくなりそうなこの沈黙を、ミサキが破った。

ミサキ「ちょ、ちょっとみんな...!こ、こんな暗い雰囲気じゃあかんて!とりあえず、みんなで現状を整理した方がええんちゃう?」

アスナ「そ、そうだよ...!」

ダイゴ「だな。状況がわからんことには何もわからんしな...まずはこの部屋から出よう。」

ユキナリ「う、うん...。」

そう言ってユキナリ達はその部屋を出た。
その先には、さらに奇妙な部屋が続いていた。

ジュン「な、なんだここは...。」

メイ「不気味...。ちょっと怖い...。」

タケオ「ちょ、ちょっとみんな...俺の話を聞いてくれないか?さっきも言ったが俺は警察だ。君たちの安全は俺が守るから安心してくれ。」

不気味さが漂う雰囲気で、タケオはそう言った。

タクヤ「ああ、そういえばそうだったな...。」

マキ「警察の人がいるなら、安心ね...。」

アオリ「確かにそうね...。」

ユウト「でも、あんたが狼の可能性だってあるよね...。」

ショウマ「こういう時に突然仕切り出すなんて、怪しいな...。」

タケオ「な、なんだと...!」

カレン「では、狼じゃないという証明はできるのか?」

タケオ「お前ら...いい加減に...。」

早速雰囲気が険悪になった中、メイが口論を止めた。

メイ「喧嘩は...ダメ...。」

ダイゴ「あぁ。喧嘩してちゃ主催者の思うツボだ...。」

タケオ「チッ...。」

カレン「ふん...。」

ミサキ「み、みんな仲良くしようや!みんなで力を合わせたら、きっと出られるはず...!」

ヒロム「断る。自分を●しにくるかもしれん奴が紛れてる連中とは、仲良くなんてできん。」

ヒロムはミサキの考えをそう言って否定した。

ミサキ「えっ...。」

リツ「そういうフラグ立てる奴って早めに●ぬよねー。」

ミサキ「ふ、フラグ!?と、とにかく仲良くしようや!」

シンイチ「仲良くしようと言われても難しい...ヒロムの言うことも一理あるしな...。」

スミレ「まさか、本当に●そうなんて思ってないでしょ...。」

リンタロウ「でも、狼も羊を●さなければ処刑されるんだよね?」

コウ「まあ、あのふざけた人形の言うことが本当ならな...。」

チエ「じゃあ...やっぱり狼は...。本当に誰かを●そうとしてくる...かも...。」

ユウヒ「い、いやだ...!!●にたくない...!!助けて...!!!」

ミホ「お、落ち着いて...!!」

ユウヒ「落ち着いてなんかいられませんよ...!!狼の人がいつ襲いにくるかもわからないのに...!!」

いつ誰が●されてもおかしくないこの状況、場の雰囲気はさらに悪くなっていった。

ダイゴ「こうしててもどうにもならねぇ。ちょいと建物の中を探索してみようぜ。」

リンタロウ「そうだね♪探索楽しそう♪」

マキ「それなら、単独で動くのは危険よ。それぞれグループになって、探索エリアも分担しましょ。」

コタロウ「その方がいいッスね...。」

ユキナリ達はそれぞれグループに分かれ、建物の内部を探索することにした。

Aグループ・リンタロウ、ネム、サトル、リツ、アスナ

Aグループはキッチンを調べていた。

ネム「わぁ〜、食べ物や飲み物がたくさんあるよ〜。」

アスナ「なんか、何日でもやると言わんばかりに多いね...。」

サトル「とにかく、飲食の心配はなさそうだね...。」

リンタロウ「生活するには困らないね♪」

リツ「こんなとこで生活したくねーし!どこかに出口ねーのかよ...!」

Bグループ・ミサキ、チエ、ダイゴ、ユウト、カズサ

Bグループは武器・道具部屋を調べていた。

ダイゴ「おいおい...これ、本物っぽいぞ...。」

チエ「こ、これで●せとでもいうのでしょうか...。」

ユウト「間違い無いだろうね...。」

カズサ「本当に、●されるかもしれないね...。」

ミサキ「と、とりあえずここは気をつけた方がええな...。」

Cグループ・タケオ、コウ、オサム、ミホ、ジュン

Cグループは図書室を調べていた。

オサム「おや、ここは図書室のようですね...♪」

ジュン「ほう、レシピ本もあるのか。」

ミホ「あら、六法全書まで...。」

タケオ「図書室だけあって、いろんな本があるな...。」

コウ「ふん...特にこれといって気になるところはなさそうだな...。」

Dグループ・タクヤ、マキ、ユウヒ、ヒロム、スミレ

Dグループは植物室を調べていた。

スミレ「あら、綺麗なバラですね♪」

ヒロム「こんな部屋まであるのか...。」

タクヤ「ん?大きな水槽もあるぞ。」

ユウヒ「こ、これ...確かピラニアですよね...?」

マキ「あら、本当ね...。」

ヒロム「本当に不気味すぎる...さっさと脱出したいな...。」

Eグループ・ショウマ、メイ、タツヤ、アオリ、ヒロシ

Eグループは病室を調べていた。

ヒロシ「あ、救急箱がありますよ。」

アオリ「狼の奇襲で負傷しても、なんとか処置はできそうね...。」

ヒロシ「負傷で済めばいいんですがね...。」

メイ「ベッド...ふかふか...。」

ショウマ「寝るのにも困らなそうだな...。」

タツヤ「寝てる間に襲われるかもしれんがな...。」

Fグループ・ユキナリ、カレン、トワ、コタロウ、シンイチ

残るFグループは、教室を調べていた。

ユキナリ「こ、ここは...教室...?」

カレン「なぜ、教室が...。」

トワ「な、なんか不気味だな...。」

シンイチ「ふむ、窓があるが...固定されていて開かないな...。」

コタロウ「なんか、出られる場所はなさそうッスね...。」

その後、ユキナリ達五人は調べ続けるが、脱出できそうな場所は見つからなかった。

ユキナリ「(...ん?何か黒板に書かれてある...。)」

『羊たちへ。君たちは、本当の自分に気づいているか?』

ユキナリ「ど、どういう意味なんだ...?犯人は、俺たちに何かを伝えようとしているのか...?」

カレン「な、なんだこれは...!?」

ユキナリ「な、何か見つけたんですか!?」

トワ「これ...俺たちの写真じゃね...!?」

カレンは、ゲーム参加者のプライベート写真を見つけた。

シンイチ「かなりプライベートなところを撮られているな...。」

コタロウ「こんなとこ、見られたくねぇッス...。」

ユキナリ「こ、これって...盗撮写真じゃないか...!!」

シンイチ「ともかく、これはみんなに報告した方がいいな...。」

そして、各々探索を終えたグループは再びリビングに集まった。

タケオ「さあ、みんな何を見つけたか報告してほしい。」

ダイゴ「少なくとも、脱出できそうなところは見当たらなかったぜ...。」

リツ「結構探したから、見落としはねーと思うけど...。」

ネム「キッチンの冷蔵庫には食料と飲み物があったよ〜。」

チエ「私たちが探した2階にも、特に出られそうな場所はありませんでしたが...。」

カズサ「●すときに使えとでも言わんばかりに、いろんな武器や毒が置かれている部屋もあったよ...。」

カレン「3階にも出られそうな場所はなかった...。だが、気になるものが見つかった...。」

カレンは教室にて見つけた、参加者のプライベート写真を見せた。

マキ「こ、これ...私たちの写真じゃない...!」

ヒロシ「僕たち、いつの間に盗撮されてたんですか...!?」

ダイゴ「...こりゃあいよいよ、犯人のイタズラでしたじゃ済まないレベルになってきたな...。」

シンイチ「ああ...どこにも出られる場所がなかったし、どうやら犯人は本気で私たちに●し合いをさせるようだな...。」

●し合いが本気だったと知ると、参加者は皆、顔を顰めて黙りこくった。

タケオ「とりあえず、一番危険なのは武器庫だな...。そこから武器が持ち出されないように、俺は武器庫を見張ろうと思う。」

ヒロム「怪しいな...そう言って武器を手に入れるつもりか...?」

タケオ「ち、違う!本当に俺は、みんなの安全を考えてるだけだ!」

ダイゴ「だったら俺も見張るのを手伝うぜ。多い方が狼も近寄れないだろうからな。」

カレン「私も手伝おう...。」

ユウヒ「じ、じゃあ僕も...!」

さっきまで怯えていたユウヒも、突然声を上げて立候補した。

ダイゴ「大丈夫か?怖いなら無理にやらなくてもいいぞ。」

ユウヒ「いえ、大丈夫です...。強そうな人たちと一緒にいれば安全かもって...。」

カレン「そっちか...まあ、単独行動よりは安全かもな。」

コウ「俺は単独で行動させてもらうぞ。」

ミサキ「そ、そんな!みんなでいた方が安全やん!」

コウ「信用できない奴と一緒にいる方が危険だ。自分の身は自分で守る。」

そういうとコウは一人、リビングを出て別の部屋に向かった。

ジュン「俺もあいつと同じだ。狼かもしれん奴らと一緒にいられん。」

ヒロム「俺もだ...。」

カズサ「ごめん、私も...。」

ユウト「僕も別の部屋でゲームしてくるよ...。」

そして単独行動派の者は皆、コウに続いてリビングを後にした。

ヒロシ「...結構、ドライですね...。」

それから数時間後...。
ユキナリ達は施設内をくまなく探したが、脱出できそうなところは見つからなかった...。

その後、探し疲れたユキナリは3階の大部屋で過ごしていた。

ユキナリ「はぁ...一体なんでこんなことに...。」

メイ「......。」

ユキナリ「な、なんか視線が...。」

メイはじーっと、イスに座って休んでいるユキナリを見つめていた。

ユキナリ「...な、なんか用...?」

メイ「...ねぇ...あなたは...誰が狼だと思う...?」

ユキナリ「えっ、き、急だね...うーん...ごめん、わからないや...。」

メイ「そっか...。」

メイの突拍子もない質問にユキナリは困惑しつつも答えた。
曖昧な答えだったが、メイは納得したようだ。

と、その時だった...。

「うわぁぁぁぁぁっ!!」

ユキナリ・メイ「!?」

ユキナリ「い、今のは...!?」

メイ「な、なんだろう...!?」

二人は耳を劈くような悲鳴を聞き、現場へと駆けて行った。
そしてその現場で、ついにその時が来たことを、知ることとなった...。
...続く。