第7話入口から出てきたのは、見た目的には40代くらいだろうか。髪は若干白髪混じりで、世間を悟ったような表情はしているが、どこか余裕を感じさせる恰幅のいい中年の男だった。「何を騒いでいるんだね、長田おさだくん」その中年男が言葉を投げかける。遠くからでも分かる酒とタバコの臭いに思わず顔を顰しかめそうになるが、その前に長田、と呼ばれたキツネ目男が口を開く。「これはこれは克典かつのり社長。屋敷への訪問者がいるようですよ」