二次創作小説(紙ほか)

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魔天使マテリアル  「さよなら、また会おう」
日時: 2013/10/25 15:46
名前: ルイ (ID: x2W/Uq33)
プロフ: http://www.kakiko.info/upload_bbs/data/img/999.jpg

↑の参照は表紙です。。アナログ絵スミマセン><

えーっと
ルイ「え?何作目?」
ルア「阿呆、私もわからねぇよ」
ルイ「・・・」


的な状況でありますが、また新しいものを・・・はいスミマセン。
題名が意味深←。
まぁそんな感じで、はいプロローグへどぞ☆((死 byルア

目次

プロローグ >>0
第一章 >>6 >>20 >>24
第二章 >>27 >>29 >>30 >>34 >>46 >>48 >>49
第三章 >>50 >>51 >>54 >>61 >>66 >>76 >>82 >>88
!イラスト! 二章開始の表紙 >>27
       綾香     >>70
       紗綾(詩)   >>71
____


冷たい風が吹き付ける。

少女はそんな暗闇の中、一人で立っていた。

行く宛てが無いようには見えない、しっかりとした足取り。

それでも、その少女は、どこかフラフラと歩いていた。



暫く歩き続けた少女。

ふとある場所で止まる。

少女は目を見開くと、何の躊躇もなくその場所へと入っていった。

その場所は、人目の無い路地裏。

何も面白いものは無いというのに。

そしてその路地裏に入った瞬間、少女の目は光を変える。



少女は泣きそうだった。



震える唇を動かして、小さく。



誰にも、聞き取れないように。






「さよなら、また・・・・会おう」




その場に風が吹き荒れ、次の瞬間には、少女の姿は見当たらなくなっていた。

Re: 魔天使マテリアル  「さよなら、また会おう」 ( No.47 )
日時: 2013/10/15 22:54
名前: 悠 ◆joZC5jv7jo (ID: DcPYr5mR)

ユウヤ・・・?

ああ、あの場面、ユウヤが綾香を見張ってた場面か・・・

ホントマジ気になる!がんばってよー!めちゃ楽しみ♪

Re: 魔天使マテリアル ( No.48 )
日時: 2013/10/16 00:40
名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)
プロフ: そうだよ〜

「今日は良いことが有るみたいだ、母さん」


ユウヤが、綾香を見張り初めて最初の言葉を紡いだ。


「…良いこと?」
「ああ。特別だよ?今回だけ、この部屋から出して上げる」


相変わらずの作り笑いでそう返答したユウヤは、部屋の鍵を開けた。
綾香は反射的に立ち上がり、扉へ駆け寄る。
ユウヤは扉を開け放ち、綾香に出るようにと促した。
綾香は恐る恐る部屋を出た。


綾香に続いて部屋を出たユウヤ。
その表情には、先ほどまでの嘘臭い笑いは無かった。
あるのは、これから起こる波乱を楽しむかのような…、歪んだ笑みだった。

Re: 魔天使マテリアル  「さよなら、また会おう」 ( No.49 )
日時: 2013/10/16 09:11
名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)
プロフ: がっこがwww休みwwwなうwww

大量更新です。

+++


綾香は一室の部屋に通される。
その部屋は無闇に広く、孤独感と喪失感をうかがわせる。

確かにこの城は元から広くはあるけど、この部屋はさらに群を抜いていた。

その部屋の中には、木でできた椅子が一つ。
椅子には一人の少女が座っていた。

綾香の胸を、不安がよぎる。

その少女はゆっくり、顔を上げた。
瞳まで掛かっていた髪がふわりとゆれ、少女の顔があらわになる。
ユウヤは綾香の後ろで、言った。


「久し振りだね、サーヤ。迎えに行くなんて言ったけど、まさかそっちから来てもらえるとは思わなかった」


部屋の温度が一瞬で下がる。
その言葉で綾香は確信する。
いや、聞く前から解っていたのだろう、心のどこかで。


   「紗綾・・・・・」


綾香の細い呟きが、部屋に響いては、消えていった。

Re: 魔天使マテリアル  「さよなら、また会おう」 ( No.50 )
日時: 2013/10/16 09:34
名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)
プロフ: がっこがwww休みwwwなうwww

第三章


サーヤもとい、紗綾は首を傾け、綾香の顔を見る。
彼女もまた、即座に誰だかを察知したようだ。


「お母さん・・・?」


呟くけれど、紗綾が椅子から立ち上がる気配は無い。
何事かと思えば、ユウヤが読み取ったかのように説明を始めた。


「サーヤは今その椅子から動けないよ。何をしたってね。」
「な、んで・・・」
「いいの、お母さん。私はこのために来たんだ」


はっきりと言い切り、今にも消えそうな儚い笑顔を見せる紗綾に、綾香は一抹の不安を覚える。
綾香の心情を知ってか知らずか、紗綾は続けた。


「私は、お母さんを助けるためにここに来たの。何日か前、悪魔に言われて。 お母さんが生きてて、ここに囚われてるって知って・・・。」
「何で他の人も連れてこなかったの!?黎夜だって・・・」
「駄目だったんだ。私が一人で行かないといけなかったの。
私が行かないと、皆に危険が付き纏うから・・・・。それに私、今、破魔の笛に触れないんだ」


紗綾の胸元で揺れる破魔の笛は、一見何の変化も無いように見える。
でも、同じその笛を長年扱ってきた綾香には、なんらかの力が掛けてある事が解った。
途端、すべての糸が手繰り寄せられるように一つになる。


「じゃあ・・・」

「逃げてお母さん。これは取引。私がここに来る代わりに、お母さんが逃げる。もう決定したことなの。だからお願い。逃げてお母さん」


紗綾の必死の訴え。
これ以上の反対など、娘の気持ちを踏みにじることとなる。
綾香は今までこらえてきた嗚咽をもらし、紗綾に近づく。
ユウヤも止めはしなかった。


「ごめん・・・ゴメンね、紗綾・・・!貴方が生まれてから、一度も傍に居てあげられなかったのに・・・!ゴメンね・・・・!」

綾香は紗綾をきつく抱きしめ、拳を握り締める。
その後はもう、紗綾の顔は見なかった。
前を向いて、ひたすら走った。

綾香が部屋を出る前、ユウヤが、


「人間界に行くなら・・・ウィンドミルに行くほうがいい」


そう言っていた。
思惑があるのかも知れないし、何か罠があるのかも知れないけれど、綾香は走った。

枯れることなく涙を流しながら。

Re: 魔天使マテリアル  「さよなら、また会おう」 ( No.51 )
日時: 2013/10/16 10:14
名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)
プロフ: がっこがwww休みwwwなうwww

ガタガタと、窓が音を立てる。
激しい雨と風が襲ってきた今日の夕方。
何かが起きそうな風が吹いていた。


「レイヤ、飯だ」


休憩室に篭ったレイヤを呼びに来た伊吹。


「今・・・行く」


部屋の中から、疲れたようなレイヤの声。
伊吹は軽く溜息。
先に行っている、と言ってから、伊吹は階段を降りた。



「・・・サーヤ・・・」


休憩室で一人、雨や風の音も気にせずに座り込む。
ふと窓の外に目を向ける。
何かがちらついては消える。
目を擦り、窓まで寄って外を見渡してみる。
すると、眼下に茶色がちらついた。

レイヤは目を見開く。

嘘だ。 ありえない。


だけど、あの色は、あの人は。

レイヤは階段を駆け下りる。
伊吹が驚いたような顔をする。

それでもレイヤは気にせず、雨のふる外へ飛び出した。
案の定、走ってきた人物とぶつかる。

ああ、これはこの人だ。
レイヤの瞳から、無意識に涙が零れる。
本人はそれに気付かない。
雨が降っているからなのか、気付かないほど驚いているのか。

あとから追いかけてきた伊吹も、目を見開く。


「母さん・・・なのか」
「・・・黎夜・・・?」



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