二次創作小説(紙ほか)
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- 【薄桜鬼】 夢幻泡沫
- 日時: 2014/05/10 13:17
- 名前: 瑠々 ◆sZgkRcXqJk (ID: fIG41VUw)
はじめまして!の方も、久しぶり!の方も、
クリック有難うございます。
少し前に「海里」という名前で薄桜鬼の小説を始めましたが受験生だったため途中で止めてしまいました。
やっと受験も終わったので、途中で止めてしまったこの小説を再開させようと、新しくスレッドを立てさせていただきました!
その前に銀魂の二次小説も書いていたんですが……話がぐちゃぐちゃになってしまい、おまけにスランプに陥ってしまい、それも流してしまったのですが、今回こそはやりきってみせます!(`・ω・´)
よろしくお願いします<m(__)m>
△!!注意!!△
・荒らしはUターン
・誹謗中傷もUターン
・流血描写あり。苦手な人もUターン
・オリキャラ主人公です。嫌な人もUターン
・千×土です。嫌な人もUターン
基本的な事は護ってください。
−−−−−−−−−
登場人物>>2
−−−−−−−−−
■本編 ※小説(アニメ)沿い
序章>>1
一 京の都>>3
二 壬生の狼>>5
三 友との別れ>>6
since 2014.4.4
- Re: 【薄桜鬼】 夢幻泡沫 ( No.1 )
- 日時: 2014/04/04 16:01
- 名前: 瑠々 ◆sZgkRcXqJk (ID: fIG41VUw)
序章
夕暮れ時、二人の幼子が神社の境内で遊んでいる。
二人の顔は瓜二つで、着物の色でなんとか判断できる。
二人のうち、赤の着物を着ている方が突然その場に座り込むと、もう片方の青の着物を着ている方も、その横に座り込む。
ふいに青の着物のほうが口を開いた。
「ねえ楓、ぼくたち、ずっといっしょだよね?」
赤の着物の楓と呼ばれた子供は、相手のどこか不安そうな表情を見つけると、手をぎゅっと握りしめる。
「もちろん!ずっと、ずーっといっしょだよ!」
子供らしい、明るい笑顔で言った。
「ほんと?」「ほんと!」というやり取りを数回繰り返した後、二人はすっと右手の小指を絡め、
「やくそくだよ?」
「うん。やくそく」
ゆびきりげんまん
うそついたらはりせんぼんのーます
ゆびきった!!
- Re: 【薄桜鬼】 夢幻泡沫 ( No.2 )
- 日時: 2014/04/05 17:07
- 名前: 瑠々 ◆sZgkRcXqJk (ID: fIG41VUw)
■登場人物
【名/ヨミ】菊月 楓/キクヅキ カエデ
【年齢】斎藤、藤堂と同い年
【性別】女
【身長】163㎝
【誕生日】9月28日
【容姿】明るい栗色の髪で長さは顎まで。しかし右横髪だけ胸あたりまで長い。目の色は赤で釣り目。肌は白く、美人。両腕は、腕から指先まで包帯を巻いている。
【性格】基本無表情。口数もあまり多くなく、無愛想だが、沖田曰く「外面は良い」。ただおちょくられたりテンパるとめちゃくちゃ話すし、方言を使う。自分の意見は持っているが、口に出すことが少ない。ただ、気に食わないときは意見を言う。泣かない。
【備考】久留米藩出身。双子の弟がいるが、なぜか楓が跡継ぎになる。幼い頃にいろいろとあり、祖父を殺したいと思うほど憎い。両親は楓達が生まれてすぐ亡くなったと聞いている。
理不尽で自分の利益しか考えていない祖父や、それを見て見ぬふりをしている家の者に嫌気が差し、脱藩。
桂小五郎や高杉晋作と知り合いらしい。
剣の腕は沖田と互角。我流。
新選組十一番組組長。
【名前/ヨミ】古谷 裕介/フルタニ ユウスケ
【年齢】19歳
【性別】男
【身長】168㎝
【誕生日】5月8日
【容姿】黒髪で目の色は藍色。童顔。
【性格】楓とは対照的に明るく、いつも笑顔。気遣いができ、陰で楓を支える。
【備考】長州藩出身。尊王攘夷と言いながら京の治安を乱す長州侍が気に食わず脱藩し、新選組に入隊。新選組十一番組伍長を務める。
北辰一刀流の免許皆伝。萩の生まれであることから、高杉等とは顔見知り。楓に懐いて(?)いる。
【名前】なつ
【年齢】16歳
【性別】女
【身長】155㎝
【容姿】黒髪で目の色は黒。可愛らしい顔立ちをしている。
【性格】元気で明るい。肝が据わっている。
【備考】壬生屯所の近くにある団子屋の娘。楓が上洛した初日に訪れ、仲良くなる。楓に惚れているらしい。
随時加筆、修正
- Re: 【薄桜鬼】 夢幻泡沫 ( No.3 )
- 日時: 2014/04/13 10:46
- 名前: 瑠々 ◆sZgkRcXqJk (ID: G1aoRKsm)
第一話 京の都
星空には少しだけ欠けた月が浮かんでいるが、今は雲隠れして見えない。
暗い京の夜道を青年——否、少女・菊月楓は月明かりを頼りに歩いていた。
楓はハァ…とため息を吐くと呟いた。
「団子屋の娘さんの話、真面目に聞いとけばよかった———…」
———「新選組?」
楓は団子をゴクリと飲み込むと、団子屋の娘に聞き返した。
楓の横に立っている団子屋の娘はコクリと頷き、
「ええ、そうどす。半年前、今日の治安維持のため上洛してきた浪士集団どす。同士討ちしたり、道の真ん中で浪人と斬り合いしたり・・・。
とにかくおっかない連中なんどす」
「へえ……」
ハァ…とため息を吐いて話す娘の話を、楓は適当に聞き流す。
すると娘は「あっ」と声を漏らし、
「菊月はん、今夜の宿はとってはります?」
「?いや、まだだけど」
楓がそう返すと、娘が少し心配そうな顔で、
「夜は物騒やさかい、早めに宿をとっておいたほうがよろしゅうおすよ。最近は辻斬りが横行しとるし…」
(大丈夫だろうと思ってぶらぶらしてたけど、日が暮れるころには殆どの宿が開いてないとは…)
恐らく、仕事などで京を訪れた人はその事を知っていたんだろう。楓も京が物騒だとは聞いていたが、此処までとは思っていなかった。
先程より大きなため息を吐き、自分がしたことに後悔しながら歩を進める。
すると、前方に人影が現れた。
(誰?こんな時間に。まあ、私も人のこと言えないけど)
その時、楓の脳裏に団子屋の娘の言葉がよぎった。
——最近は辻斬りが横行しとるし…。
もし、前方にいる人物が辻斬りだとしたら今日は厄日だ、と苦笑し、前方の人物に用心しながら一歩一歩、歩を進める。
すると、先程まで雲隠れしていた月が顔を出し、相手の顔が明らかになった。
「!?」
相手の顔を見た瞬間、楓は目を見張った。
白い髪、爛々と光る赤い目。
そして血塗られた刀———。
(———アイツは、辻斬りなんかじゃない…)
自然と刀の柄に手が掛かる。
「危険だ」と、脳が信号を発している。
すると相手も楓の存在に気付いた、その刹那——、
「…血を……血をくれえええええええええええ!!」
悲鳴ではない。獲物を見つけた獣の、歓喜の叫び。
男は楓に向かって走り出した。
楓も抜刀し、構えた。が、
(速い!!)
男とはかなりの距離があったが、楓が構えた時には男は手が届くか届かないかの距離まで来ていた。
振り下ろされた刃を避けようとしたが、とても間に合わない。
かわせぬと判断した楓は、咄嗟に刀で受け止めたが、時間の問題だった。男の腕力は並みの男以上。女の楓に長時間持つはずがない。
瞬間、楓は男の太ももに蹴りこんだ。
男は体制を崩した。この機を逃すまい、と楓は男の胴に一閃。
男の胴から血が噴き出す。これで男は失血死するだろう。楓は刀を鞘に納め、その場を立ち去ろうとした。が、
「ひゃははははは!!!」
甲高い笑い声が背後から聞こえ、抜刀しながら振り向いた、その刹那、
「———っ!!」
楓の左腕に鋭い痛みが走る。
斬られた、と思った瞬間、楓は後方に飛び、男との距離を取るが、うまく着地できず、その場に倒れこむ。
「ひひ…血…血だ…」
男は手についた己の血を舐めている。男の赤い目の輝きが増したのは気のせいだろうか。しかもよく見ると、腹の傷が癒えている。
急いで体を起こそうとするが、左肩の所為でうまく起き上がれない。
やっとの思いで膝を地につけた時だった。
「ひゃははははは!!」
刀を振り上げた男が目の前にいた。
獣のような赤い目、血で汚れた体——鬼としか形容できないそれを、楓は慌てず、狂った男をじっと見ている。
再び、血飛沫が舞う。
しかし、血を流したのは楓ではなく、男の方だった。
楓の刀は、男の左胸に深々と突き刺さっていた。
「悪く思わないでよね。こうでもしないとアンタ死なないでしょ」
そして、男は事切れた。
男が倒れ伏すのを見届けると、楓は肩の傷を見た。
どくどくと血が溢れだしている。
楓は静かに倒れこみ、意識を手放した。
- Re: 【薄桜鬼】 夢幻泡沫 ( No.4 )
- 日時: 2014/04/12 18:39
- 名前: 瑠々 ◆sZgkRcXqJk (ID: fIG41VUw)
今日メカクシティアクターズの放送日ですね。小説には関係ないけどw
な、あげー。
- Re: 【薄桜鬼】 夢幻泡沫 ( No.5 )
- 日時: 2014/05/06 13:57
- 名前: 瑠々 ◆sZgkRcXqJk (ID: CqswN94u)
第二話 壬生の狼
人の気配を感じて、楓は目を覚ました。
左腕に鋭い痛みを感じながら、人の気配がする方を見ると、そこには50代くらいの一人の男が座っていた。
「おや、気が付いたかい?」
穏やかな声で微笑む男を見て、楓は少しホッとしたように息を吐く。
そして、顔だけを動かし、辺りを見回す。どうやら深夜のようだ。障子の向こうは暗く、部屋の行燈の明かりが部屋をぼんやりと照らしている。
「まだ寝ていた方がいい」と止める男の言葉を無視して、左腕に気を遣いながらゆっくりと起き上がる。
「あの、ここは何処ですか?私確か——…」
「ここは新選組の屯所だよ。ああ、自己紹介がまだだったね。私は井上源三郎」
「菊月楓です」
誤魔化したなコイツ、と内心で毒づきながら自己紹介をする。
すると、廊下から足音が聞こえたかと思うと、二人の男が入ってきた。
一人は大柄で、もう一人は楓と同い年くらいだ。
「原田君、藤堂君、丁度よかった。トシさんたちを呼んできてくれないかい?」
原田と藤堂と呼ばれた二人の男はチラリと楓を見る。すると大柄な男が、
「わかった。おい平助。源さんと一緒にコイツの事見ててくれ」
大柄な男は平助と呼んだ男にそう告げると部屋を出て行った。
楓は井上と藤堂の顔を見る。二人とも真剣な顔をしている。
面倒なことになったな、と思っていると、突然平助と呼ばれた男が口を開いた。
「そうだ!俺、藤堂平助。お前は?」
「…菊月楓です」
恐らく暗い雰囲気が嫌いなのだろう。藤堂平助と名乗った男は明るい声で名乗った。
すると、廊下から複数の足音が聞こえてきた。
大柄な男——原田が部屋を出てから少ししか時間が経っていないことから考えると、いつ呼ばれても良いように近くの部屋に待機していたのだろう。
スッと襖が開き、原田の他に六人の男が入って来て、それぞれが好きな場所に座る。
楓は布団から出ると、井上に手伝ってもらいながら布団を片付けた。
楓と井上が布団を片付け、井上が部屋の隅に、楓が部屋の真ん中に座ると、上座に座る三人の男のうち真ん中に座っている男が穏やかな表情で、
「傷の具合はどうだ?」
と尋ねた。ここは新選組の屯所だと井上が言っていたことと、上座の真ん中に座っていることから、新選組の局長・近藤勇であることが推測できる。
「まだ痛みますが…、まあ大丈夫です」
穏やかな表情の近藤とは全く逆の、無表情で楓は答えたが、近藤は人がいいのだろう。「そうか、それはよかった」と笑顔で言う。
すると、近藤の右側に座っている男が口を開いた。
「単刀直入に聞く。——お前は何を見た?」
「聞かなくても分かってるでしょう?」
楓が笑みを浮かべながら——目は笑っていない——返すと、もともと鋭かった男の眼光はますます強くなった。
恐らくこの男が新選組の副長・土方歳三なのだろう。京に近づくにつれ、聞こえてきた新選組の話。そして新選組の中で最も恐れられている新選組の鬼の副長なのだろう、と。
暫くの間楓と土方は無言で睨み合っていたが、突然土方が口を開いた。
「どう解釈されても、文句は言わねえか?」
「もちろん」
相変わらず笑みを浮かべている楓を最後に一睨みすると、壁にもたれ掛かっている細身の男に顔を向けた。
「総司。こいつの事見張ってろ」
「はいはい。っていうか、この子、殺さないんですか?」
チラリと総司と呼ばれた男ーー恐らく沖田総司だろうーーが楓を見る。楓は沖田の台詞を聞いても平然としている。
土方は近藤と、土方の反対側に座っている眼鏡をかけた男を見る。
二人ともコクリと頷くと、土方は部屋にいる者全員に告げた。
「こいつの処分は明日下す」
そして楓を睨みながら、
「逃げるなよ。逃げようとしたら斬る」
それだけを告げると、沖田と楓以外の全員が立ち上がり、部屋を出て行った。
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