二次創作小説(紙ほか)
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- イナGO 霧野蘭丸の騎士
- 日時: 2015/04/27 12:58
- 名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)
本作はイナズマイレブンGOのオリジナル小説となっています。
オリキャラが登場しますので、ご了承ください。
基本ギャグ多めで、たまにシリアスが入ります。
それでもいいという心の広い方、応援よろしくお願いします。
オリキャラ
名前:秋空九流美(あきぞらくるみ)
性別:男
年齢:14
性格:紳士的で冷静なのだが、思い込みが激しく、霧野を愛している!?
容姿:カールした金髪に黒目。背丈は普通。
備考:天河原中から転校してきた。以前私服姿の霧野に出会い女子だと勘違いし一目惚れした。男だと本人から告げられても熱意は冷めず、彼の恋人(!?)になるため雷門中サッカー部に入った。持久力がとても高く俊敏であり、実力は高い。
神童曰く「霧野の騎士」。天馬曰く「少し変わっているけどいい人」。
霧野と仲のいい神童をライバル視している。
化身 大怪盗アルセーヌ
化身技ブロック 盗む
敵の化身技を盗み、それを使用することができる。
技:ローズウォール
地面からバラの茨を出現させ、敵の行く手を阻むブロック技
フランベ
ボールが火炎弾となり放たれるシュート技
サンボイ:「雷門中学の諸君、初めまして。私は秋空九流美。よろしく頼むよ」
「ああ、私の天使、霧野蘭丸!私はあの時君にハートを奪われたのだよ」
「松風くん、私は霧野の護衛を優先する。したがってチームの勝利は二の次なのだよ」
「霧野は……この私が守る!!」
「私の事はいくら笑っても構わない。だが、マイエンジェルである霧野を笑う事は許さない!!」
「神童くん、私には分かる。君は私の霧野を友人というよしみで奪おうとしているのだろう」
- Re: イナGO 霧野蘭丸の騎士 ( No.1 )
- 日時: 2015/04/28 06:11
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
部活からの帰り道。
俺は親友の神童とふたり並んで歩いていた。
互いに何も話さず、無言の沈黙が続く。
なんとなく気まずくなった俺は、彼に口を開いた。
「神童、最近少し悩み事があって……もしよかったらでいいけど、相談に乗ってくれないか?」
「いいぞ、どんな悩みなんだ?」
「実は俺、男に告られたんだ」
その刹那、彼は飲んでいたドリンクを思いっきり噴き出した。
少しむせたのか咳き込んでいたが、やがてそれが収まり、言った。
「悪い。少し驚いた。そうか、それは——悩むな」
俺は親友に告られた経緯を話す事にした。
- Re: イナGO 霧野蘭丸の騎士 ( No.2 )
- 日時: 2015/04/28 06:31
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
3日前の買い出し帰りの事だった。
背後に視線と寒気を感じ振り返ると、会った事のない金髪の少年がいた。彼は俺の両手を優しく包み込み、言った。
「好きです、付き合ってください!」
その衝撃の一言に少しの間頭が真っ白になったが、彼の発言を反芻する。少年は俺に好きだと告白した。
だが、俺は男だ。
俺は初見の人には女に間違われる事がある。
だからきっと、彼も女だと思っているに違いない。
そう答えを導き出し、相手を傷つけないように優しい口調で返事をした。
「あのさ、俺、男なんだ」
すると彼は息を飲み、口を開けて驚愕し、がっくりと項垂れる。
悪いとは思いながらも、続きの言葉を発する。
「だから、ごめん」
それを聞いてかきかずかフラフラとした足取りで、彼は俺の元を去って行った。
- Re: イナGO 霧野蘭丸の騎士 ( No.3 )
- 日時: 2015/04/28 22:38
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「そんな事があったのか」
「神童。お前は、この出来事をどう見る?」
「黒歴史には違いないだろうが、それは3日前、すなわち過去の話だ。少なくとも、俺が見る限りお前はもう男に告白される事はないだろう」
自信に満ちた彼の言葉に俺は心から胸をなで下ろし、その日は久しぶりにぐっすりと眠れた。
「おはよう、霧野」
早朝の登校。
正門前で俺を待ち受けていたのは、俺に強烈なトラウマを与えたあの少年だった。
あまりの衝撃に思わず頭を抱え絶叫するが、残念ながら助けは来ない。
そもそもどうして彼は俺の名前を知っているんだ!?
彼はそんな疑問を浮かべている俺に構わず、満面の笑みで口を開く。
「自己紹介しよう。私は今日から君のクラスの新しい仲間になる、秋空九流美。よろしく頼む」
恐怖を振り払うが如く彼の脇を通りすぎ、持ち前の脚力を生かして教室まで全力疾走した。
- Re: イナGO 霧野蘭丸の騎士 ( No.4 )
- 日時: 2015/04/29 11:26
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
秋空は恐ろしい男だった。
転校初日の自己紹介で、いきなり爆弾発言をしたのだ。
「私は愛する人を守るために、この雷門中に転校してきました」
そしてその瞳は、真っ直ぐ俺を捉えている。
それに気づいた神童は憐みの視線を送ってくる。
しかも、最悪な事に奴は俺の後ろの席に指定された。
ああもう、最悪だ。
授業が終わり下校時間になると、神童が話しかけてきた。
だが、俺と彼の間に秋空が割って入り、般若のような形相で親友を睨む。
「ワカメ、私の霧野に気安く話しかけないでくれたまえ」
ワカメ。それは神童の髪型の事を指しているのは一目瞭然であり、彼にとっては最も屈辱的な言葉だ。いつもはクールに振る舞っている彼も、このときばかりはギリッと唇を噛みしめ、
「俺はワカメじゃない……神童拓人だ」
「神童だか剣道だか知らぬが、私の視界から消えるがいい」
「神童だッ」
1度ならず2度までもコケにされた彼はわなわなと拳を振るわせる。
これほどまでに彼を怒らせるとは、秋空九流美は只者ではない。
しかし、彼の尊大な態度は留まる事を知らない。
不敵な笑みを浮かべ、更に言葉を続ける。
「ワカメ、私には分かる。きみは霧野と仲がいい。そしてそれをいい事に彼と恋仲になろうというのであろう」
ツッコミどころが多いが、神童と俺が親友同士であるという推測だけは当たっている。
結局神童は彼と口論しても無駄だと察し、踵を返し去って行った。
俺はこの時、複雑な気持ちで佇むことしかできなかった。
- Re: イナGO 霧野蘭丸の騎士 ( No.5 )
- 日時: 2015/05/01 11:02
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
あの後部活中に神童に先ほどのやりとりについて訊ねてみると、こんな答えが返ってきた。
「秋空は俺の理解を超えたところにいる男だ」
「それは……皮肉か?」
「いや、ほめ言葉と皮肉の両方だ」
どうやら、その言動から察するに神童は秋空に対し、怒りと呆れ、そして驚きを持っているらしい事が判明した。
翌日。俺達ふたりが教室に入ると、真っ先に声をかけてきたのは秋空だった。
「おはよう。霧野、神童くん」
「……今日はワカメとは呼ばないんだな」
少し声を低くして神童が言うと、彼は微笑みを浮かべ、
「当然だ。今日からは正式に神童くんと呼ばせてもらおう」
「昨日、お前の中で何かあったのか?」
俺の問いに彼は瞳をキラキラと輝かせ、人差し指を立てると口を開いた。
「神童くん、私は昨日1日中考え、きみが私の恋のライバルに相応しい存在だという事を認めたのら」
「今、噛んだな」
クスッと笑う神童に彼は顔を赤くしてそっぽを向いた。
「些細な事は忘れたまえ」
相変わらず尊大な口調ではあったが、どこかその物言いは憎めないと思った。
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