二次創作小説(紙ほか)
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- マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】
- 日時: 2016/07/03 17:03
- 名前: シロマルJr. (ID: 4qcwcNq5)
ハイ、シロマルJr.です。
今回から皆さんおなじみ、マリオのオリジナルストーリーを考えて書いてみようと思います!
コメント、感想等は大大大大大歓迎ですwどんどん書き込んでください。(荒らしはやめてね)
とりあえず、キャラ紹介を簡単に。(あくまでこのストーリー上の紹介です)
【マリオ】
主人公。ルイージの双子の兄で正義感が強い(はず)。突如現れた少女カノに、不信感を抱いている。
【ルイージ】
マリオの双子の弟。安定の弱虫キャラだが、誰よりも仲間想い。カノにひそかに好意を抱いている!?
【ピーチ】
安定のさらわれキャラwピーチ城のお姫様。今回のストーリーでは果たしてさらわれるのかどうか!?
【ヨッシー】
食いしん坊で、その気になればずっと食べている。少しおっちょこちょいな面も。少々毒舌。
【クッパ】
マリオの永遠のライバル。今回は二人の対決はあるのか!?
【キノピオ】
ピーチ姫の護衛役。個人的には好きだが、料理はクッソ下手www
【その他のキャラ】
上に書いてないマリオキャラの誰かが登場。誰がどう出てくるかはお楽しみ。
〜オリジナルキャラ〜
【カノ】
突如現れた謎の少女。正体不明の組織、「マジカル*マスターズ」に命を狙われているというが!?
【ネル】
カノの相棒的存在。2本の長いステッキが武器で、戦闘に関してはかなりの実力。マジックが得意。
【マジカル*マスターズ】
皆様の素晴らしいオリキャラを元に作成予定。メンバー、設定はそのうち載せます。
書き始め、11/15くらい
書き終わり、
目次
素晴らしいオリキャラ応募票 >>01, >>02, >>06,>>08
第1章; 冬と機械と雪合戦
>>11, >>12, >>13, >>14, >>16, >>18, >>19
第2章; 毎度のパターンw
>>22, >>23, >>37, >>53, >>58, >>59, >>62, >>66,
第3章; 白と黒の訪問者
>>70, >>76, >>79, >>82, >>87, >>88, >>93, >>96, >>97, >>101,
第4章; 気象変化&大探索
>>107, >>110, >>114, >>115, >>116, >>119, >>122, >>125, >>130, >>135, >>138, >>141, >>148,
第5章; カノとコロコ村
>>152,
・
・
茶番劇,(ちょっとタイトル違うかも)
1.マリオの帽子行方不明事件 >>10,
2.1秒で終われる会話 >>15,
3.クリスマス(イブ)のとあるボッチ共w >>26,
4.マリオ達のクリスマスパーティー前編 >>31,
5.マリオ達のクリスマスパーティー後編 >>34,
6.マリオ達の正月(初日・お雑煮パニック) >>40,
7.マリオ達の正月(2日目・プレゼントを賭けた真剣勝負) >>43,
8.マリオ達の正月(最終日・やる事ないからコタツで雑談w)>>48,
9.テスト明け >>67,
10.どうやったらモテるのか講座 >>100,
〜来てくれた方々〜
・ブルーオーガーさん
・show太さん
・彼方さん
・イナさん
・飛車丸さん
・ゆーいさん
・雪さん
・天乃さん
・ナッツさん
・あるさん
・その他、見てくださった皆様
〜注意事項〜
・更新ペースはノコノコ並です。
・しょっちゅうキャラ崩壊、暴走が起こります。
・設定が合ってない場面があるかもしれない…。
・気づいたら、マリオの世界観が完全にぶっ壊れてるって事があり得ます。
・ギャグ要素がたっぷりです。
・作者が普通に出てきます。
・駄作です。
3/9 祝・参照700突破記念! >>104,
4/16 pixiv始めました! >>126,
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.93 )
- 日時: 2016/02/12 17:22
- 名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: .DwXlVdY)
7.
突如現れた黒コート(?)の少年に、その場がざわついている。
急に後ろから包丁を投げ、それもピーチ姫の近くの檻に刺さったのだから、無理もないだろう。
少年は、そのままマリオとルイージの間をするりと抜け、クッパのいる方に歩を進める。
「大魔王さん、何があったか存じませんが、姫様にそんな乱雑な事をするなんて、私としては許せません。
捕まえるとしても、さすがに扱いがひどいと思うのですが?」
丁寧な口調で伝える。マリオ達の脳内に、次々と「?」の文字が浮かぶ。
「フン、どこの誰かも分からぬ奴に、どうこう言われる筋合いはないわ」
しかし、さすがは大魔王。そう簡単には引き下がらない。
「申し遅れました。私の名はネル、ただの通りすがりの旅人ですよ」
ネルと名乗る少年は、気負いせずに自己紹介をした。
「とりあえず姫様、鍵のロックも解除された事ですし、ひとまずそこから出てはどうです?」
その言葉に、ピーチはなぜか未だカゴの中にいた事を改めて思い出す。
「あ・・・そ、そうね。ひとまずこのせまっ苦しいカゴから出ましょう!」
そういうが早いか、そそくさとカゴを抜けたところを見ると、今までずっと根気強く我慢していたのだろう。
ピーチ姫はカゴから出ると、一目散にマリオの後ろに隠れた。そして精一杯の低い声でささやいてみる。
「説教1時間…忘れないでよね…」
今はいちいち反応している時間はないので、無視してクッパの方へ向き直る。
姫を見知らぬ少年に取り逃がされたクッパは、当然激おこ状態だ。
「キサマ………許さん!とっちめてやる!!」
「まあ待ってください。私も力ずくでやるのは好きではありません。ですから、もう姫様をさらうのは
諦めたらどうですか?」
ネルが提案したが、クッパは怒り狂ってガルルル唸っているだけだ。
「……どうやら、交渉は決裂ですかね」
そう言うと、一体どこに隠してあったのやら、いつの間にか2本の長いステッキを両手に握っている。
ーーーいや、急に手の中に現れた、と言った方がいいかもしれない。
「こうなれば実力行使です。本当はこんなことしたくなかったのですが……」
そう言うなり、ネルは2本のステッキをクルクルと器用に回転させる。
クッパはというと、もうすでにやる気満々といった様子で、すっかり空になったカゴを後ろに放り投げた。
ずしゃりと、鉄と地面の接触するときの鈍い音が聞こえる。
「……マリオさん…でしたっけ?」
すると、不意に後ろを向くことなくネルは言う。
「な…何だよ?」
名前を呼ばれた男は、一瞬戸惑った表情を見せるも、すぐに通常の顔に戻した。
「今からの戦い…是非とも、目に焼き付けておくことをオススメしますよ…」
「…は?わ、分かったけど…」
マリオの返答が終わる前に、両者はすでに火花を散らして睨み合っていた。
もっとも、睨んでいるのはクッパのみで、ネルの方は涼しい顔をしてステッキを回転させているのだが。
「よくもピーチ姫を逃したな!このクッパ大王が、キサマに地獄を見せてやる!!」
「なるほど…それなら、是非とも見せてもらいたいものですね」
赤紫色の長い襟足を右手でサッと払い、軽く首を斜めに傾ける。
「本当に…それが可能ならの話ですがっ!!」
その威勢のいい言葉を合図に、ネルが勢いよく前方へ飛び出す。
こうして今、大魔王vs謎の黒少年の両者の戦いがスタートした。
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.94 )
- 日時: 2016/02/09 06:49
- 名前: ゆーい ◆p17PNBs1wA (ID: x8l1Qes7)
ネルくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!!!!!!!!!!!!!
ネルくんかっこいいな〜!!かっこいい&強いとは…最高ですね!
こっちのヒビキくんとは比べ物にならn((蹴
クッパ激おこぷんぷんまるだね!マリオ仕事しろ←
…えっと…すみませぬ
これからもガンバレ!!次回も楽しみにしてるよー!
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.95 )
- 日時: 2016/02/11 18:14
- 名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: .DwXlVdY)
☆ゆーいさん☆
ネルくんとーじょー!!www
マリオはこれでも25歳前後らしいからね。
……まだまだ働けるじゃねーか、マリオ働けや(((
ありがとう、ゆーいさんも頑張れ!!
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.96 )
- 日時: 2016/02/20 22:40
- 名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: .DwXlVdY)
シ「放てっ、僕のスターライト!!!」
マ「やめな厨二病」
8.
ーーさて、皆様もご一緒に考えてみてください。
つい先程始まった『大魔王vs謎の黒少年』の白熱(?)バトル。
ーー皆様は……どちらが勝つと思いますか?
〈本編〉
そうは言ってみたものの、目の前の壮絶な光景に、その場の全員は完全に目を丸くしていた。
何と、勝負は全くの互角。お互い一進一退の攻防戦。
安定&抜群のパワーで圧倒する大魔王、クッパ。
対して、あの動きづらそうなコートでよくもと思うほど俊敏な黒少年、ネル。
どちらが勝っても、全くおかしくないような、まさに"接戦"だった。
「兄さん…この勝負、どっちが勝つと思う?」
「お前さぁ…上と同じようなこと言うのやめろ?そういうの使い回しっていうんだぜ」
その戦いを隅で観戦していたマリオとルイージは、ピーチ姫の事よりも、勝敗が気になって仕方ないようだ。
「マリオ、あなたあのネルって人に、この戦いを目に焼き付けておくようにって言われたんでしょ?
ちゃんと見てなくていいの?」
ルイージの背後で、ピーチ姫が心配そうにマリオに声をかける。
「そ、そうだったな。悪いルイージ、ここからは集中して見させてくれ」
「あ…うん」
そう言ってマリオは、ネルのいる方に視線を移す。ルイージも、その戦いの様子をじっと見つめていた。
さて、勝負は相変わらず白熱としている。
「フッ………なかなかやるではないか小僧」
クッパが、砂ぼこりと共に地面スレスレにパンチを繰り出しながら言った。
「そちらこそ…ただの悪人というわけではないようですね」
そのパンチをジャンプで避けながら、ネルが返答する。
刹那、ネルが1本のステッキを地面に力強くつく。
その反動を利用して、ネルが華麗にクッパの頭上にザッと跳び上がる。
そしてそこから、もう片方のステッキの先を、クッパの脳天めがけてつき下ろす。
クッパは怯むことなく、ステッキの動きをよく見て攻撃をかわす。
ネルが着地すると同時に、クッパが勢いよく右手を振り上げて掴みかかろうとする。
しかし、ネルも負けじとステッキでクッパの右手を払う。
やがてクッパの手、ネルのステッキが噛み合って、組み手状態となった。
見事に力がつり合っているのか、両者一向に動きが変わる気配がない。
すると、いきなり何を思ったのか、ネルが1本のステッキを左手から右手に持ち替え、
「ふぅ…少し疲れましたね……」
そんな事を言いながら、左手を軽くほぐすような仕草をとった。
この間にできた若干のスキを、クッパは見逃さなかった。
「グハハハハハハハ!スキを見せたな小僧!!この勝負…ワガハイの勝ちだ!!」
すぐさま組み手状態を解き、重量級の巨大カメが、夕空に高くジャンプした。
そのまま、ネルめがけて一直線に素早く急降下する。
「……おっと!」
ネルも警戒を怠っていたらしく、驚きを隠せないといった表情で、降下してくるクッパを見上げる。
ーーその瞬間
ーーーズドオオオオオオオオオオオオオオオオオン……!
心の底まで響くような地響きを立てて、クッパが着地した。
地面は、クッパの全身の半分くらいめり込んでいて、辺りには砂埃も舞っている。
あれほどの巨体でモロに衝撃を受けては、ネルもひとたまりもないだろう。
……一瞬の出来事だった。マリオをはじめ、その場の全員がひどく吃驚していた。
「フ…フハハハッハハハハハハハハハ!!残念だったな小僧!!
こういった勝負では、一瞬のスキが勝負を決めるというのはよく聞く話だろ?
ワガハイは、そこにいる男との長年の戦いを経て、それをよーーーく学んだのだ」
クッパはその場所を退くことなく、下に埋もれているであろうネルに呼びかけた。
「ワガハイのパワーと、この1トン近くある体重を組み合わせれば、恐れるものなど何もない」
「自分で言うんだな…」
マリオが呆れてツッコむ。そんな状況ではないと分かっていたが、反射的に口が動いてしまった。
「もっと余裕を持って戦いを挑むべきだった…ま、今更遅いがな……」
動くはずのない自分の真下にいる人物に、叶わないであろうアドバイスを送る。
「ネル…死んじゃったのかな?」
「分からねぇ……」
一瞬すぎた状況に、マリオとルイージがどよめいている。
「そんな……私がこんな奴にさらわれたせいで…」
ピーチ姫が両手を目の位置に当てて、すすり泣いている。
2人は、かつてない罪悪感を感じている姫様に、言葉をかけられずにいた。
ーーその時……
「………む?何だかワガハイの腹に違和感が…気のせいか?」
クッパは今この瞬間から、自分の腹に妙な違和感を感じていた。
そう…まるで何者かにガッチリと掴まれているかのように……
「……!!まさかーー」
クッパが言い終わらないうちに、真下の地面が大きく崩れる。
同時に、クッパの体が宙に浮き始めた。
「どうしました大魔王さん?パワーと重量が自慢ではなかったのですか?」
どこからか、潰されたはずのネルの声が聞こえる。姿は見当たらないが。
「あっ、兄さんあれ!!」
ルイージの指差す方を見ると、そこには誰もが信じがたい情景が広がっていた。
クッパは宙に浮いたのではない。腹を掴まれて何者かに持ち上げられていたのだ。
その腹を片手で掴んで持ち上げている人物というのはーーーー他でもないネルだった。
「な、何だこれは…あいつ、さっきクッパに押しつぶされたはずなのに…」
マリオが目を見開いて吃驚している。
「どうなってるのクッパ?説明して!!」
「わ、分からん…急に腹に変な感じがしたと思って、気づいたらこうして持ち上げられていたのだ…」
ピーチ姫が涙を拭いて、クッパに質問するが、当然答えるのは難しいだろう。
1トン近くの怪物を片手で持ち上げる。
これはまさに、常人には不可能と言っていい芸当なのだから…
…それも、半分地面に埋まったまま。
「遊びの時間は終わりです、覚悟してくださいっ!!」
そう言うなり、ネルはその状態のままクッパを、夕空高く投げ飛ばした。
「うわっ、な…何をする気だ!?」
クッパはただ、ネルの力に任せて飛ばされるしかなかった。
「さて、そろそろ私の本気を見せましょうかね……」
そう言って、すっかり埋まっている自分の足を、地上に戻した。
彼が右手の人差し指と中指の間に挟んだのは………"JOKER"と書かれたトランプだった。
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.97 )
- 日時: 2016/02/21 00:28
- 名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: .DwXlVdY)
シ「さて、唐突ですが…右手首にヒビが入ってしまいました…」
全「何やってんだ馬鹿野郎!!」
シ「ですので、今まで以上に更新が遅くなるかもしれません…」
マ「まあ……頑張れや」
〈本編〉
9.
ーーードオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
「ふあっ!?」
突如響き渡る轟音に、思わず奇声をあげてしまうカノ。
床が、というか家全体が震え、手に積み重なっていた皿が、カシャンと音を立てて一瞬舞い上がる。
「危ないっ!!」
ーーが、その皿の一枚一枚を、赤い紐状の物体がすくい上げる。
無論、ヨッシーが舌を伸ばして皿をキャッチしたのだ。
「…ふぅ、危なかったです、ありがとうございます」
ちょっと前に起きてから、すっかり元気になったヨッシーに、カノがぺこりと頭を下げる。
「いや〜、さっきからずっと外が騒がしいから、目が冴えちゃったんだよ。多分ね」
ヨッシーがあくびをしながらそう言い、すくった皿をテーブルに置いていく。
「本当何なんだろうね?迷惑極まりないんだけど」
皿を全部テーブルに置いたところで、ヨッシーがぼやきながら迷惑そうに頭をかく。
「…といっても、カノには何かしらの心当たりはあるんですけどね…」
苦笑しながら言うカノを、不思議そうに見るヨッシー。
「…え?どういう事?」
「そういう事ですよ」
「………?」
「さ、気になりますが、カノ達にはこの家の家事という使命がありますから、先やっちゃいましょう!」
「使命って…」
「あれ?忍びの任務って言った方が良かったですか?」
「いやボクら忍びじゃないし、そもそも使命とかそんなんじゃないと思う……」
こちらもこちらで、何気に楽しそうにしているし、まぁ良しとしよう。
一方こちらは、激闘の真っ最中。
「ぐっ……おい小僧!いい加減降ろせ!!」
空中に浮き上がった約1キロのクッパは、何故かまだ手足をジタバタさせたまま、一向に降りてこない。
「ネルの本気って…一体どんな技見せるんだ?」
主人公なのに完全にモブ化しているマリオが、虚空を見つめて呟く。
「すごい…まさかこんなにクッパが押されてるなんて…」
その横でルイージも言う。まぁコイツは普通にモブ役みたいなものなんだが。
「さてと…いきますよ大魔王さん!」
クッパを押しているネルが、左目をキラリと鋭く光らせた。
すると何を思ったのか、突如"JOKER"のトランプを、クッパの方向に一直線に投げつけた。
「…む……?何だこれは?…トランプ?」
トランプがクッパの顔の前で、ピタリと停止した。
「フン、何が来るかと思えばこんなものか!!こんな紙切れ一枚に何が出来るというのだ!!」
自慢のパワーで、トランプを破り捨てようとしたーーその時、
ーーパチン!
ネルが指を鳴らした瞬間、一枚だけだったトランプが、何枚にも増殖した。
その数は恐らく、数百枚は軽く越えているだろう。
「ぐわああああっ!?」
あまりの数に、さすがのクッパも怯んでいる様子。
そのまま、ネルは再び2本の長いステッキを左手にグッと握りしめた。伸縮性なのだろうか?
そのステッキを前に勢いよく突き出すと同時に、クッパの周囲にまとわりつくトランプが、何かに
形を変えていく。
だんだん、そのトランプ集団の全貌がハッキリと見えてきた。
細長くたなびくその姿。
ネルのステッキに合わせて、螺旋状に素早く回転する動き。
そして、マリオ家のほぼ真上の上空を、黒く埋め尽くしている。
そのどこか不気味な風貌は、広範囲において多大な被害を及ぼす、ハリケーンを彷彿とさせた。
「な…何なんだこれは……ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」
増殖したトランプの数が多すぎるせいか、中にいるであろうクッパの姿は、マリオ達からは全く見えなかった。
「聞こえますか大魔王さん?」
すると突如、ネルが声を張り上げてクッパに何かを伝えようとする。
もちろん、ステッキの動きは1秒たりとも止める気はないのだろう。
「トランプに書いてある文字は、確認しましたかね?
そのトランプには、"JOKER"と、そう書かれていますよね?」
クッパからの返答は無い。…いや、声を出してはいるが、大量のトランプが音を遮断しているのだろう。
構わずネルは続ける。
「JOKERというのは、和訳すると『道化師』という意味です。
……が、私の技が示す意味は、それとは違います」
その瞬間、クッパを包む竜巻が赤紫色に染まる。
「私の示す意味は、『グリム・リパー』、つまり『死神』です…。
その竜巻に巻き込まれた者は……分かりますねっ!?」
「やっ…やめろネル!!いくら何でもやり過ぎだよ!!」
クッパの生命の危機と判断したルイージが、精一杯の大声をあげる。
ーーしかしもう遅い。ルイージが声をあげる前には、ネルは勢いよく地を蹴っていた。
ネルが跳びたったのとほぼ同時に、クッパを包む赤紫色の竜巻がすっと消えた。
まるで、最初から存在しなかったかのように……
瞬く間に、ネルがクッパの巨大な甲羅に2本のステッキを交差させる。
2人は、真っ逆さまに急降下していった。
そしてーーーー
ーーーーーズドオオオオオオオオオオオオン!!!!
クッパは仰向けになった状態で、地面に強く叩きつけられた。ピクリとも動かない。
ネルが、その横にスタッと着地を決める。
先ほどまでのトランプは、もうどこにも残っていない。
残ったのは、マリオ達の中の大きな戦慄だけだった……
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