二次創作小説（紙ほか）
■漢字にルビが振れるようになりました！使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例）鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 二次小説 魔天使マテリアル２
- 日時： 2015/12/15 16:11
- 名前： あゆりん （ID: I69Bg0jY）
- プロフ： http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=14844
はじめまして、かな？あゆりんです。これは、〔二次小説 魔天使マテリアル〕の続編です。まずはそちらを読んでからでないと、ストーリーがわからないと思います。
登場人物紹介
日守紗綾＝サーヤ
小学６年生。料理やお裁縫が得意。破魔のマテリアル。
日守黎夜＝レイヤ
サーヤの双子の弟。馬鹿がつくほどの姉ラブ。光のマテリアル。
風見志穂
小学６年生。知的で思いやりのある女の子。幼馴染の徹平に、いつも手を焼いている。風のマテリアル。
稲城徹平
中学１年生。食いしん坊でいつも志穂に呆れられている。土のマテリアル。
灰神翔・翼
中学３年生。双子の人気アイドル・ユニット、アクセルとして活躍中。火のマテリアル。
雫沢圭吾
怪奇探偵団の顧問で、サーヤたちのクラスの担任。元水のマテリアル。
伊吹涼
圭吾先生の後輩で、両親のいないサーヤとレイヤを引き取った。喫茶店「Windmill」のマスター。元風のマテリアル。
三浦尚紀
高校２年生。マテリアルの秘密を知っている、唯一の一般人。元氷のマテリアル、凍堂雪成の同級生で親友。現在、「Windmill」でバイト中。
稲城耕平
徹平の叔父で、サーヤたちのクラスの副担任。元土のマテリアル。
☆オリキャラ
セレナ
氷の力を持つ悪魔。魔界の公爵。関西弁で話し、性格はかなり明るい。魔界に帰る前に、サーヤにブローチを預けた。
- Re: 二次小説 魔天使マテリアル２ ( No.16 )
- 日時： 2016/07/15 21:54
- 名前： wal （ID: oDAd3.8e）
続きです。
>二人の容姿については服装などは話を進める上でそこまで重要でないと思い省略していました
いえ、読者の立場からするととても重要です。人によって癖がありますが、私を含め多くの方々は読書をする際には以下の手順で物語世界に入っていくと思います。それを記しますと、
①まず舞台となっている「場」を設定する。5W1Hやキャラクターの配置を読者の前に明らかにする。そして、新手のキャラクターについては、どんな人物なのかを書き込む（セレナとメリアについては今回お書きになったイメージをまず書き込む）。そして読者の脳裏にそのキャラクターの「絵」をはっきりと描かせる。これは読者の脳裏にアニメの基本となる絵を描かせていることになります。
②それから、そのキャラクターの動き、セリフを描く。読者はその文字を追うことによって①で作った絵を動かし「脳内アニメ」を作っていきます。
③あとは、動きやセリフのリズムとテンポが重要です。この二作目はこれが良いので「脳内アニメ」がきびきびと動いていきます。軽快に動いていけばいくほど読者の意識は物語世界に入っていくと思います。
この二作目は②と③がよくできていると思うので、課題は①ですね。
……と、こんなえらそうなことを書きましたが、一部分ではこれ、きちんとできています。イモムシの場面がそれです。「うわ、キモッ」という徹平のセリフで読者の意識をひきつけ、さらにきちんとイモムシの形状を書き、読者に想像をさせて、「気持ち悪いな〜」と思わせておいてから、物語文中でダメ押しをしています。「ヤダ、気持ち悪い…」「最悪です」「ここまでの悪魔も珍しい…」というセリフがそれです（セリフを読んだだけで、誰の言葉なのかすぐにわかるのも良い。キャラの特徴をよくつかんでいます）。あゆりん様は意識しなかったかもしれませんが、これらセリフはとても効果的です。読者は自分が思い描いていた、気持ち悪いイモムシのイメージが肯定された気持ちになり、安心してより深く物語世界に入っていくのです。この流れはとても良いと思います。
せっかくイモムシでそれができているのだから、もっと重要で素敵なキャラであるセレナやメリアでそれをやらないのは、キャラがかわいそうです。
また、キャラクター登場の時に詳しくその容姿を書かないと、私のように勝手なイメージを膨らませてしまいます。セレナの髪型で言えば、ツインテールだと想像したわけですね。あとでショートボブだとわかったとき、私は「そ、そうだったのか！」と、今までのイメージを修正することになりますが、一作目の最初の出会いに戻ってそれを修正しなければなりません（少なくとも私はそうする）。それはかえって読者に対してよけいな負担を強いることになりますので、やはり最初の出会いの時に、キャラの容姿はできるだけ詳しく書き、読者が誤ったイメージを想像することを未然に防いだほうが良いです。
二作目でなおしたほうが良いのはそんなところかな？ 続きは来年の5〜6月あたりだろうと思いますが、楽しみに待っています。（＾＾）
あと、一作目に話の展開上「こうはならないのではないか」と思うところが一つあります。簡単に記すと、アドルフが正体を現した時に、サーヤがその場を立ち去ってしまうところです。これは私には首をひねってしまうところです。この部分の問題と改善のためのアイディアは一作目の終わりのところで書き込みます。
- Re: 二次小説 魔天使マテリアル２ ( No.17 )
- 日時： 2017/01/09 14:47
- 名前： あゆりん （ID: CCab1VcE）
返信遅くなってごめんなさい。
ストーリー展開の件です。walさんが言ってくださったストーリ、読みました。
アドルフの使い魔は、アドルフが水で作り出したモノなので、中央公園まで行けるのかなって思いました。水ですので、形を保つだけでも難しいはずですし、しかもそんなに遠くまで動かせ、尚且つレイヤと互角に戦える…男爵のアドルフにそれだけの力はないのではと。仮にあったとしても、使い手のアドルフに見えていない場所まで、水が勝手に道の通りに飛んでいけるとは思えませんし。アドルフが従えている下級悪魔だと変えてみても、悪魔は破魔の笛には触れられないはずです。それはセレナも同じで、もし水が公園まで笛を運べたとしても、セレナが取ってあげるのは無理ではないでしょうか…？
- Re: 二次小説 魔天使マテリアル２ ( No.18 )
- 日時： 2018/05/04 14:17
- 名前： あゆりん （ID: Dbh764Xm）
今日、図書館でやっとマテマテの二十巻と二十一巻を見つけました。もう二十二巻も発売されて結構経ってるんですけどね…。
各キャラ達の名前の由来を見て、そういえば「メリア」という名前と二人のファミリーネームを考えるのには時間かかったなぁと。亀さん更新のせいで、セレナ登場から一年以上経ってるんですよね。この小説を書き始めてから丸二年ほど。なんだかしみじみしました。二年間のなかで一度でも読んでくださった方、コメントをくださった方々に感謝がいっぱいです。受験生ということもあり一年更新が停まっていましたが、これからも少しずつ更新していきたいと思います。マイペースな作者ですが、お付き合い頂けると嬉しいです！
☆ ★ ☆ ★
「キィ——！キィ——ッ！」
火の鳥が激しく翼を羽ばたかせながら、大きく円を描くように飛んでいる。
「セレナさんは大丈夫かな…」
サーヤが、風のカーテンを見て言った。
「今はこっちの敵に集中だ。この悪魔も相当手強いぞ。それに、セレナなら大丈夫だ。あいつは強い」
「キィ——ッ！」
火の鳥が炎を吐き出した。
「光よ！災いをはねのける壁となれ！」
レイヤが壁でマテリアルたちを守る。
炎を受けた部分の壁がジワジワと薄くなっていく。
火の鳥は薄まった壁にぶつかって来た。
「避けろ！」
レイヤが叫び、マテリアルたちは左右に逃げる。
それと同時に、壁が崩れた。
サーヤが胸元の笛に手を伸ばした。が、
「熱っ」
炎に熱された笛は赤くなっていて、サーヤは思わず取り落とした。
「キィ——ッ」
火の鳥がサーヤに狙いを定め、突っ込んで来た。
サーヤは地面にしゃがみ込んで火の鳥をかわした。火の鳥は何度もサーヤの背中のすれすれを飛んでいく。
次第に服の背が焦げ、背中に痛みが走った。
「サーヤ！光よ、敵を討つ鋭き矢となれ！」
レイヤが火の鳥に光の矢を放つと、火の鳥が空に舞い上がった。
レイヤと志穂の二人が遠隔攻撃を仕掛ける。火の鳥はそれをひらりとかわした。
「くっそー、ずっと飛んでるから俺あんま攻撃出来ねーじゃん！」
徹平はそういいながら、地面に伏しているサーヤに近づいた。
「さあやっち、大丈夫か？」
「はい…。ありがとうございます」
「いいって。どうせ俺なんも出来ねーし。レイヤとしほっちに頑張ってもらうしかねーよ」
徹平は二カッと笑顔を見せる。
「でも、それじゃ二人が消耗しちゃう…」
そうつぶやいて、サーヤは笛を握りしめた。
「おっ、もう笛冷めたのか。じゃあ、吹けばいいんじゃねーの？」
徹平が温度の下がった笛をつついた。
「あ〜、でもさあやっち、笛吹いた後ってかなり消耗するんだったっけ。まだメリアもいるし、それは危険かもなぁ」
「メリアはセレナさんが戦っているから大丈夫だと思いますが…今笛を吹いたら、セレナさんまで…」
サーヤは己の無力さに唇を噛む。
「いや、向こうには聞こえないと思うぜ。二人の周りは風がすげーもん。多分メリアは、破魔の笛が聞こえないようにああやって風で遮ってるんじゃねーの？」
徹平は風のカーテンを指し、言った。
「そうか！そういえば、メリアの風の檻の中は、轟音で外の音が全然聞こえなかったです！」
サーヤもはっとして答える。
「だからさ、思いっきり吹いて聞かせてやれよ！」
「はいっ！」
サーヤは笛を口元に運び、息を吹き込んだ。サーヤの息吹を受け、破魔の笛は甘美で少し切ないメロディを歌い上げる。
聴く者の心に安らぎを、悪魔に破滅をもたらす破魔の力を宿した旋律。火の鳥はその音色から逃れる様に空高く舞い上がるが、聖なる旋律は確実に火の鳥の悪魔を蝕んでいく。
「キィ——…」
火の鳥は苦し気に一声鳴くと、自らが吐き出した炎に溶ける様に、その姿を渦巻く炎に変えた。
炎の渦は鬼火のように時折揺らぎながら、セレナとメリアの方へ近づいていく。
そうして炎が風のカーテンに触れると、炎と風の渦が絡み合い、火災旋風のように空に向かって燃え上がった。
- Re: 二次小説 魔天使マテリアル２ ( No.19 )
- 日時： 2017/04/06 19:31
- 名前： wal （ID: zflF3NFd）
あゆりん様
walです。
おおお〜！ やったぁぁぁぁー！！ （＾o＾）
待望久しい再開ですね！！
前回、訂正アイディアを投稿してから「あゆりん様は受験生だから、落ち着くのは5月ぐらいだろう。5月になったらまた来よう」と思い、しばらく顔を出しませんでした。今日ふと気になって覗いてみたら、なんという偶然。昨日の投稿でうれしい再開ではありませんか。楽しみです。（＾＿＾）
私のアイディアに対するあゆりん様のご意見、承りました。『魔天使マテリアル』って、設定が結構「のんびり、おおらか」なところがあって、私のアイディアもその部分に甘えているんです。（例として、人間と悪魔とのハーフであるサーヤがなぜ破魔の笛を吹いてもなんともないのか。笛の音を聴いた兄の夕夜は苦しむというのにレイヤはなぜ苦しまないのか……と言ったことです。ここに設定上の「おおらかさ」を感じてしまうのですね）
アドルフの力の限界や破魔の笛が悪魔に触ることができるのか、なんてことはあまり考えてませんでした。「アドルフが水の使い魔を作ることだってあり得るんじゃない？」「セレナが、（フルート形態になる前の）ホイッスル状の破魔の笛を手にすることだってできるんじゃない？」などと思い、私のアイディアを作りました。が、あゆりん様の小説ですので、あゆりん様のご意思を尊重します。
さて本編ですが、見事に火の鳥の悪魔に打撃を与えました。次の展開はどうなる？ 文章のリズムとテンポの良さは相変わらずで、私の「脳内アニメ」がさくさく動いて楽しんでいます。
- Re: 二次小説 魔天使マテリアル２ ( No.20 )
- 日時： 2017/09/17 21:04
- 名前： あゆりん （ID: CCab1VcE）
3 不死鳥
風の中で戦っていたセレナとメリアを、突如炎が包んだ。
「なんや!?急に炎が…！」
驚きの声をあげるセレナの手の中で、氷の槍が解けて消えた。
「あっ…」
「ふふっ。風よ、突き抜けろ。アキレウスの槍の如く」
「うわぁっ！」
セレナは風の槍をギリギリで避けた。
「この炎…あんたのとこの“子”やろ!?」
「ええ、そのようね。ロギがやられるなんて」
渦巻く炎を見渡しながら、メリアが少しだけ意外そうな顔をする。
「王女様の仕業ね。風を張っておいてよかったわ」
「よかったって…。それだけか!?あんたの“子”が、あんたの指示で戦ってやられたのに、他に何も思わんのか!?」
叱りつけるような口調のセレナを、メリアは冷ややかに見た。
「別に、何も。わたしの配下であるロギが、わたしの命で戦うのは当たり前でしょう？」
「何もって、お前…っ」
「うるさいわね。あなたは情が深すぎる。無駄な感情は、ただ邪魔になるだけよ？」
そう言って、メリアは、口元を歪める。
「こんな風に、ね…？」
ドサッ…
メリアの目の前で、セレナが地面に倒れた。
「うっ…」
炎を含んだ強風が下へと吹き付ける。
熱風によって地面に押し付けられたセレナの背中で、炎を一部が赤い鳥に姿を変えた。
「あなたが心配してたロギは、まだ死んじゃいないってわけ。まぁ、いい教訓になったんじゃない？」
クスリと冷たく笑い、メリアは風のカーテンを解いた。
カーテンを作っていた風がほどけて、当たりに拡散される
「風が…」
サーヤたちは腕で顔を覆いながら、その様子を見守った。
「セレナさん!?」
「あれは…火の鳥！なんで、さあやっちが倒したはずなのに！」
驚きを隠せないサーヤたちを見て、メリアがクスクスと笑う。
「火の鳥、フェニックスは不死鳥よ。わたしのロギは、残った炎から何度だって甦る」
セレナの背中の上で、火の鳥が一声、大きく鳴いた。
「そんな…破魔の笛が効かないなんて」
マテリアルたちは愕然とした。
「残念だったわね、王女様？さぁ、そろそろ諦めて、魔界へ帰りましょう」