二次創作小説(紙ほか)

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探偵チームKZ事件ノート 【怪盗Xは知っている】
日時: 2019/02/27 19:28
名前: レイン (ID: vEnuM7xn)

みなさん、はじめまして。
立花 彩です。
最近、私たちの間では『怪盗X』っていうのがウワサになってるんだ。
怪盗、ていう名につられた若武を先頭に捜査を始めた私たちなんだけど____________

さて、それでは今回起こった事件を紹介します。
読んでね。






【怪盗Xは知っている】目次

1. ウワサの怪盗   >>1-



Re: 探偵チームKZ事件ノート 【怪盗Xは知っている】 ( No.1 )
日時: 2019/02/24 15:38
名前: レイン (ID: vEnuM7xn)

1. ウワサの怪盗


「ねぇお姉ちゃん。怪盗Xって知ってる?」

「ん?」

平日の朝、朝食を食べていた私に奈子が発した聞きなれない言葉に思わず顔をしかめた。
聞いたことのない言葉だったのもそうだったんだけど、口にものを入れたまましゃべり出す奈子に、隣に座って朝食を食べるママが怒らないか心配だったの。
だって、だいたい朝はママは機嫌が悪い。
パパはこれがママだからしょうがないって言ってたけど、私はパパのその言葉にあんまり納得できなかった。
だって、この世界はママを中心に回ってるわけじゃないもの。
いつでもママの機嫌を優先してたら、私たちはやりたいことがやれなくなっちゃう。
だけど、ママにそのことを伝えるつもりはない。
絶対に言い返してくるに決まってるもの。
それは絶対に時間のムダになるに違いない。

ママがまだ口を開こうとしないのを確認してから私はゴクンと口に入れていたものを飲み込んで奈子に返事を返した。

「知らないわ」

Re: 探偵チームKZ事件ノート 【怪盗Xは知っている】 ( No.2 )
日時: 2019/02/26 15:44
名前: レイン (ID: vEnuM7xn)

そしてすぐに次の言葉を続ける。

「私、今日急ぐ用事があるから、その話はまた今度ね」

そう言って奈子から目線を外して、さっきよりも早めに朝食を食べ進めることにした。
実はこれウソ。
だけど、奈子との会話を断ち切るためには奈子の話す話題に関心を持たずに突き放すことが一番いいって私は知ってる。
(突き放したところでしばらくは駄々をこねるんだけど、それが一番最善なのだ)

「えぇ。今話したいぃ」

そして、そろそろママが怒りだすころだということも私は知ってるっ。
案の定、私が突き放したことで駄々をこね始めた奈子をママがジロリとにらんだところを私は見逃さなかった。
ぎゃっ。ママと奈子に巻き込まれる前に早く食べなきゃ!

Re: 探偵チームKZ事件ノート 【怪盗Xは知っている】 ( No.3 )
日時: 2019/03/02 23:50
名前: レイン (ID: vEnuM7xn)

私はひょい、と今までよりも多く朝食をつまんで口の中に運んだ。
そして、とにかく早く噛むように頑張った。
あぁ。早く早くって思って食べるのって疲れる。
私は今までのんびりと食べていた自分を呪いたくなった。
だって本当は食べるのって楽しいはずなのに、楽しめないなんてもったいないもの。
そのとき、私はKZのみんなにトロいと言われたことを思い出した。
そっか。トロいと、楽しいことを楽しめなくしちゃうんだ!
気づいてから私はもっと自分が嫌になった。
だって、そのことに気づかないで今まで過ごしてきたってことになるんだもの。
私はすごく後悔したくなった。
だけど、今は一生懸命食べることにした。
そっちの方が後悔するよりも次につながると思うから。
私は目の前の料理を箸でつまみ、再び口に運んだ。

そのとき、黙ってられないといったようなママの声が耳に届いた。

「奈子、食べながらしゃべるのはやめなさいっ。はしたない」

「だって、今しゃべりたいんだもん!」

ママの言葉に負けじと反論する奈子の声も聞こえてきた。
だけど、私はあんまり気にならなかった。
だって、その間に私はたくさん噛んだもの!
少しずつなくなっていく目の前の料理とだんだん疲れなくなっていく自分に私はなんだかうれしくなった。
私も、変われてる!
最後の一口をひょい、と口の中に運んで今度はしっかりとおいしさを味わった。
あぁ。食べるって幸せ!



Re: 探偵チームKZ事件ノート 【怪盗Xは知っている】 ( No.4 )
日時: 2019/03/11 13:16
名前: レイン (ID: vEnuM7xn)

すっかり料理がなくなったお皿を見て、私は少し優越感に浸った。
今度からこのペースで食べよう!
そしたらどんどん変わっていくに違いないし、私のトロさも少しは直っていくかもしれない。

「ごちそうさまでした」

いつものように箸を置き手を合わせて言った言葉は不思議といつもよりも大きな声が出た。
きっと自信がついたからなんだ。
そう思って私はいつも自信満々な若武の姿を思い浮かべた。
若武はカッコつけだし目立ちたがり屋だけど、いつもその言葉ははっきりしてる。
その言葉は詐欺師みたいに私たちをその気にさせるんだ。
これってすごいことだと思う。
そこまで考えて私はハッとした。
このまま自信がもっとついたら若武みたいになるんじゃ……!?
私は青ざめる思いだった。
だって若武には尊敬することもあるけど、否定したくなることだってあるんだもの。
その一つが、自信のありすぎで恥ずかしい思いをすること。



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