二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ウォーリアーズ 〜始まりの部族〜
日時: 2017/05/28 16:44
名前: スノウハート (ID: VysvHxvS)

この物語について
この物語は、エリン・ハンターさんのウォ—リアーズを元にしていますが、ストーリーや猫の名前はオリジナルです。

目次
登場猫紹介              (No.1)
用語紹介               (No.2)
プロローグ              (No.3)

第一章 小さなイナズマと災いの影
第一話 小さな見習いと大きな獲物   (No.4) 
第二話 謎の猫たち          (No.5)
第三話 不思議な思い         (No.6)
第四話 先祖の夢           (No.7)

Re: ウォーリアーズ 〜始まりの部族〜 ( No.3 )
日時: 2017/03/31 17:03
名前: スノウハート (ID: YaNMSBwn)

プロローグ

まだ目もあいていない子猫が、母親の暖かい体を求めて歩こうとしている。川岸のつるつるした石の上でもがきながら、子猫は泣き叫んだ。すると突然、子猫の近くの藪が揺れて、3匹の猫が飛び出してきた。そのうちの一匹が口を開いた。「ダークイヤー、さまよい猫が食べ物を奪いに来たに違いないといったのはだれだった?」黒と灰色の縞柄の雄猫がめんどくさそうに答えた。「ああ、おれだともレパードテイル。だが、俺たちはさまよい猫よりやっかいなものを見つけたみたいだな。」最初の猫がため息をついた。するともう一匹が言った。「かわいそうに。ねえ2人とも、この子を助けようとは思わないの?」最初に口を開いた猫が答えた。「ペタルフット、もうすぐ木枯らしの季節なんだぞ。こいつを群れに入れたら、食べ物が減って俺たちが飢えに苦しむことになるんだ。」黒と灰色の猫も、うんうんとうなずいた。するとペタルフットが言い返した。「じゃあどうするの?見殺しにするつもり?ブライトリーフの子供たちはもう大きいわ。ブライトリーフにお乳を分けてもらったらいいじゃない。」ダークイヤーがため息をついて、「とりあえずブレイズハートの所へ連れて行こう。」と言った。ペタルフットは、泣き叫ぶ金茶色の雄猫を優しく口にくわえ、運びはじめた。「もう大丈夫よ、あなたはひとりぼっちじゃないわ・・・」ペタルフットは子猫にそっとささやいた。

Re: ウォーリアーズ 〜始まりの部族〜 ( No.4 )
日時: 2017/04/01 12:55
名前: スノウハート (ID: F.0tKRfu)

第一章 小さなイナズマと災いの影

第一話 小さな見習いと大きな獲物

金茶色の雄猫が、大きなネズミをくわえて誇らしげにキャンプに入ってきた。「ねー、すごいよ、あのネズミ!」保育部屋からリトルの声が聞こえてきた。4匹の子猫が一斉に顔を出したので、金茶色の雄猫——サンダーはますます誇らしくなった。「ぼくだって獲物とれるもん!」「絶対とれないよ!」子猫が言い合っている中で、サンダーは指導者のもとへかけていった。ストームぺルトは、「すごいぞサンダー。これ一つで、3匹の腹を満たせるじゃないか。」とほめてくれた。「長老たちに持っていてやれ。」「はい!」サンダーは、小さい岩でひなたぼっこをしている2匹の長老の所へ行った。ローズファーが起き上がって、「サンダー、立派なネズミだね。あたしらにくれるのかい?」と言った。サンダーがうなずくと、ローズファーはとなりのフロストアイを揺り起こした。フロストアイは大あくびをして、「いいにおいだな。ありがとう、
サンダー。ところで、後で俺たちの寝床を掃除しておいてくれるか?」少し向こうでアッシュフットとしゃべっていたストームぺルトが振り返って、「午後は寝床掃除だな!」と叫んだ。サンダーは大げさにため息をつくと、2匹に分かりましたと言って獲物置き場に行った。もう腹ペコだ。サンダーはおいしそうなリスをくわえると、辺りを見回した。ちょうど、フラワーとドーンがトガリネズミを分けあっていたので、そばへ行った。「それだけじゃ足りないだろ。一緒に食べない?」2匹は顔を見合わせて、うなずいた。サンダーが食べながら周りを見ると、イーグルやファングも食べはじめていた。「サンダー、午後は何するの?」フラワーがたずねた。「長老たちの寝床の掃除だよ。」「それが終わったら、縄張りにさまよい猫が入ってきていないか見に行かない?」とドーンが言った。サンダーは少し考えて、「ストームぺルトがいいと言ったらね。」と答えた。「あら、ストームぺルトには言わなくてもいいんじゃない?内緒でいくのよ。」後ろからいきなり声が聞こえてきた。サンダーはびくっとして振り返った。「リヴァー!盗み聞きしてたのか?」銀色の雌猫は悪びれもせず言った。「私も入れてよ。スノウストームは口うるさいのにあまり訓練をしてくれないんだし、べつにいいでしょ?」確かに、スノウストームはいつもふらりとどこかへ行ってしまう、無責任な指導者だけど・・・。「でもまあ、内緒でもおもしろそうね。」フラワーまで!あ、そうだ・・・。「それなら、出発まで寝床の掃除を手伝ってよ、リヴァー。」「それはお断り。」はあ・・・。

Re: ウォーリアーズ 〜始まりの部族〜 ( No.5 )
日時: 2017/04/08 21:27
名前: スノウハート (ID: AKTQy3ZK)


第二話 謎の猫たち

小さな赤とらの雄猫が、そっとキャンプから出てきた。(なんだよ、クローったら。「リトルは絶対に〈勇気ある者〉になれないよ!」なんて言って。僕の上にとびのって、押さえつけて…。)リトルは恥ずかしさと怒りで顔を赤くしながら、クローなんかが捕れるわけないような、すごい獲物をとってやろうと決意して、抜け出してきたのだ。(少なくとも、サンダーが捕ってるぐらいの大きいやつを!)とはいっても、キャンプから出たことのないリトルは、どこでどうすれば獲物が捕れるのか全く分からない。とにかく獲物をさがそうと、この前の氷の季節の落ち葉を踏みながら進み始めた。だが、獲物のにおいはすれども、どこにも獲物がいない。チラッと茶色いものが見えたので駆け寄ってみたら落ち葉だったということもあった。やがてリトルは、あきらめて帰ろうと思い後ろを向いた。「あれ?」くるときに見たイバラの茂みがない。辺りを見回しても、見当たらない。リトルは恐ろしくなった。道に迷ってしまったのだ。(誰かいないの?)その時、誰かの声が聞こえた。リトルは喜んで声がした方へかけていった。「それで・・れが協力を・・」リトルはびっくりした。目の前の茂みの向こうから聞こえるのは、群れの者の声じゃない!「俺と、このスノ・・トーム・・・グル、それにスト・・とダ・・クイ・・だいじょ・・お前たちが森を・・ことに賛成して・・心配するなよ、シェ・・ドファー・・。」今の声は聞き覚えがある。〈勇気ある者〉のレッドファーだ・・でもなぜ?レッドファーが話している相手はきっとさまよい猫だ。さまよい猫に獲物を分けてやっているのか?ほかの猫の食べ物を奪って生きているやつに?すると、別の声がした。「シェイ・・ファ・・、私たちはあなたたちの・・・町の・・に・・協力する・・気づかれるわけ・・大丈夫。」スノウストームだ!さまよい猫に協力する?群れの掟では、まず群れに忠実であること、と言っていたはず。じゃあ、レッドファーとスノウストームは群れを裏切っているのか?大変だ!誰かに伝えなきゃ!あせったリトルは、後ずさりしようとして小枝を踏んでしまった。ポキッという音が、静かな森に響いた。「誰だ!」レッドファーが恐ろしい声で叫んだ。さまよい猫がこっちに走ってきた。どうしよう!リトルは逃げようとしたが、それより早くさまよい猫が繁みを飛び越えてきた。「どういうこと、レッドファー!」灰色と黒のまだらの雌猫が叫んだ。「勝手に潜り込んできたんだ!始末して逃げよう!」いきなり、レッドファーが飛び掛かってきて、どんとつかれたリトルは吹っ飛ばされた。「ちび、このことを誰かに言ったら・・・こうしてやる!」レッドファーの爪が肩を引き裂いた。激痛が走り、リトルは弱弱しく鳴いた。その時、近くの木から青みがかった灰色のぶちの雌猫が飛び降りてきた。「シェイドファー、見習いが何匹かこっちへ来ます!」シェイドファーと呼ばれた雌猫は、答えた。「ウィスパリング、お前は先に戻れ。二人とも、そのちびを始末してさっさとキャンプへ戻っといた方がいいぞ!」スノウストームがリトルの体をがぶりと噛んだ。そして、4匹の猫はリトルの前から逃げ去った。リトルが気を失う寸前、リトルが見たのは金茶色の毛皮の猫だった。

Re: ウォーリアーズ 〜始まりの部族〜 ( No.6 )
日時: 2017/04/12 20:59
名前: スノウハート (ID: qSKICFXZ)

第三話 不思議な思い

寝床の掃除を終えたサンダーが、キャンプから出てきた。リヴァーは、「待ちくたびれちゃったわ。早く行きましょうよ!」と言った。サンダーは、ごめんごめん、と言いながら駆け寄ってきた。「じゃあ、行くわよ!」フラワーが元気に言ったのを合図に、4匹は一斉に駆け出した。群れの土地のはずれまで来たとき、チラッと白い毛皮の猫が見えた。(ダウハートかな?さっき狩りに行くと言っていたし・・。)リヴァーは考えた。(それとも、スノウストーム?まさか・・・。だいたい、何しに来たっていうのよ。)気の合わない指導者のことを頭から追い出して、少し先を歩いていたサンダーたちに追いついた。「さまよい猫はいないみたいね!」ニヤッと笑って言うと、ドーンもクスッとして、「なら何する?獲物を捕っていかないと、誰かさんが怒るんじゃないの、サンダー!」と言った。サンダーはきまり悪そうに答えた。「内緒で来たんだから、それぐらいはやらなくちゃね・・・」フラワーが、もうちょっと楽しもうよと言ったので、リヴァーはみんなの先頭に立って歩いた。ふと、頭上から音が聞こえた気がして上を見上げたが、何もいなかった。そしてしばらくすると、4匹は狩りをすることにした。それぞれ大きな獲物を捕らえて帰ろうとすると、少し先から小さくうめくような声が聞こえてきた。(え?)聞き間違いかと思ったが、ほかの3匹も不安そうにあたりを見回している。また聞こえた。苦しそうな声。助けを求めている!リヴァーは思わず獲物を放り投げ、声のした方へ走り出した。茂みをかき分けて声のもとへ行く。またうめき声が聞こえた。もう疑いようがない・・その声は、リヴァーのよく知っている者の声だった。茂みのむこうは、小さな空き地だった。そしてその真ん中に、血だらけになった子猫が横たわっている!リヴァーは悲鳴を上げた。サンダーたちが駆け寄ってくる。サンダーがかがみこんだ。「まだ息がある。レインクラウドの所へ連れて行かなきゃ!」

そこからは、ほとんど覚えていない・・・血だらけのリトルをキャンプまで連れて行ったことも、リトルを見て他の猫が悲鳴を上げたことも。そして、薄茶色のとら猫がニヤリと笑っていたことも!でも、これだけは覚えていた。リトルを見つけた場所の近くにいた、白い毛皮の猫・・何かを知っているとしたら、あの猫しかない。スノウストーム?ダウハート?それともさまよい猫?あの猫を見つけないと、何も前に進まない!そう感じたリヴァーは、病消しの部屋へ向かった。「リトル?」そっと中をのぞくと、ドーンとフラワーがいた。「どうしたの?」ドーンが答えた。「リトルのことが心配だから・・・」その日からリヴァーは、ドーンとフラワーと一緒にリトルの様子を見た。元気になったらすぐ、リトルをこんな目に合わせたやつを見つけないと!リヴァーは、なぜかこの小さな子猫のことを大事に思うようになっていた。(不思議なものね、ひねくれ者だった私が子猫のことを大事に思うようになるなんて。どうしてなのかしら・・・)

Re: ウォーリアーズ 〜始まりの部族〜 ( No.7 )
日時: 2017/05/28 16:45
名前: スノウハート (ID: VysvHxvS)

第四話 先祖の夢

ドーンは、目の前にいる小さな子猫のことを案じていた。リトルは、起きているときはずっと何かにおびえている。そして、寝ているときも夢にうなされているのだ。(かわいそうに・・)空に半月があらわれ、輝く光がキャンプに満ちた。ドーンはゆっくり立ち上がり、寝部屋に戻った。

(・・・群れの敵が迫っている。群れの敵が襲ってくる。あの子猫は最初の犠牲者だ・・・)誰かの声が聞こえてくる。ドーンはびくっとして目をあけた。「だれ?」目の前には、3匹の猫がいた。今の声は、この猫たちの声のようだ。「群れの敵って何?あなたたちは誰なんですか?」ドーンは、かすかに光って見える猫を見つめて聞いた。「わたしはシャイニングスピリット【輝く魂】。ブレイズハートの前にリーダーをしていたの。こちらはブリーズハート【そよ風の心】とナイトクロー【夜のカギ爪】よ。昔、病消しと勇気ある者だった猫なの。」ドーンは目を丸くした。この猫は、もう群れから離れて〈高み〉へのぼった猫・・・自分たちの先祖なんだ!でも、なぜ私の前にあらわれたの?その時、シャイニングスピリットが言った。「ドーン。あなたに伝えるべきことがあるの。森の群れに危機が迫っている。その危機とは、〈町猫〉という、〈立ちっぱなし〉の住み家のそばで暮らす猫。残酷で、とても強い群れをつくり、森の群れをおそって、自分たちの住み家に変えようとしている・・・。」「1匹残らず群れの者を殺し、ずっと昔から我らの場所だった所を乗っ取ろうとしているんだ!」ナイトクローはうなった。そして、ブリーズハートが言った。「ドーン。あなたしかできないことがあるの。病消しとなり、町猫を止めて!」ドーンは戸惑った。「なぜ、私が?」シャイニングスピリットがささやいた。「あなたは、私たちと言葉を交わせる。病消しとなることで、不思議な力も授かるでしょう。仲間とともに、町猫から群れを守って!」ナイトクローも、「戦う練習をしてくれ。それに・・すぐそばの影にも気をつけて。」といった。「見守っているわ。がんばって。」ブリーズハートがそういった瞬間,3匹の姿が消えた。(待ってください、どうして病消しにならないといけないの?〈勇気ある者〉ではダメなの?)そう思った時、どこからともなく謎めいた声が聞こえてきた。《お前は、群れを導くもの。リーダーに助言し、仲間をいやすものだ。・・・なるべきだから、なるのだ。》

そして、ドーンは目を覚ました。暖かい光がさしてくる。ドーンは、自分が何をすべきか分かった。病消しとして、先祖と声を交わせる者として、群れを導かなくてはいけないのだ。ドーンは、空の星を思いだした。先祖の猫たちは、星のように輝いていた・・・。


Page:1 2



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。