二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【東方project】 夢の支配者 【ドレミー・スイート】
- 日時: 2017/05/04 11:45
- 名前: 霹靂神 (ID: VKUUDnij)
□東方projectの二次創作物
□オリキャラ要素有り
□一部、グロテスク要素有り
□キャラ崩壊は免れない現実
□ドレミーさんが主役
これ等の注意書きが大丈夫な方だけどうぞ
ーーーーーーーーー
【目次】>>1
- Re: 【東方project】 夢の支配者 ( No.1 )
- 日時: 2017/05/18 18:18
- 名前: 霹靂神 (ID: VKUUDnij)
- Re: 【東方project】 夢の支配者 【ドレミー・スイート】 ( No.2 )
- 日時: 2017/05/04 14:32
- 名前: 霹靂神 (ID: VKUUDnij)
【夢の支配者:ドレミー】
突然ですが、私は一体誰でしょう。
........、こんな面倒臭い質問をするのは彼奴だ、と?
嗚呼、残念です。不正解だわ。
——本当、あなたはいつも親友の事を考えていますね。少し羨ましいです。
「霊夢さん、でしたっけ?」
「あんたも忘れているようならお互い様じゃない」
「いやはや、すみません。しかし、それはあなたも言えないでしょう?」
そう述べて、私は霊夢さんの唇に自身の人差し指を添える。
嫌味たらしくて生意気な口はお口チャックだ。こらこら、言い負かされたからと私を睨むでない。
ああでも、その表情は虐めたくなる魅力を秘めている気がする....。
「あんた気持ち悪いわね」
あ、いや、そうではない。そうではないのだ。ついでに言うとサグメさんでもない。
知らず知らずのうちに声に出てしまっていたようだ。会話中によく指摘されるんですよね、癖になっているのでしょう、多分。
嗚呼、いや、今はそれどころではない。私は夢...具体的に言うと悪夢を食しに来たのだから。
....と、言うことは、だ。
今、霊夢さんは悪夢を見ているのだ。.........悪夢とは言い難い気もするが、霊夢さんにとっては悪夢なんだろう。
しかしまぁ、妖怪に囲まれる夢をみるのもどうかとは思う。多分あれが巫女の修行とかいうのだろう。本当、恐らく。
「ちょっと話を戻しますけど、あなた今、悪夢を見ているんですよ」
「....へぇ、悪夢?....あの時の異変みたいな、かしら」
「いえ全く」
話を切り出した途端、霊夢さんはニタァと気味の悪い笑みを浮かべ始めた。
不格好過ぎるし笑みはひきつってるし、何とも言え難く実に滑稽な姿だ。
突っ込んでほしいのかは分からないが一先ずスルーだ。そもそもの話突っ込んだら突っ込んだで、とやかく言われそうな気もする。
そしてあの時の異変というのがちょっといまいち分からないが、とりあえず否定だ。全面否定だ。
多分、サグメさんに月の都を創れとか言われた時の異変だろう、間違ってたらごめんね霊夢さん。
それに、“今”悪夢を見ているのに悪夢だと気付かないのも如何かと思う。
博麗の巫女って案外ポンコツなのだろうか。それとも単純に霊夢さんが天然なだけなのか。
まぁどちらにせよ、私が食すのみだが。
「じゃあさっさと食べてよ」
「急に不機嫌__」
何をそんなに脹れる必要があるのか。
ようやく許可を頂けたことだし食べますが...。
「いやだって、夢じゃなくて現実で妖怪蹴散らせないっぽいし」
嗚呼、なるほど。
妖怪に囲まれるのが悪夢だとすれば、霊夢さんにとっての吉夢は現実で妖怪を蹴散らすことなのか。
ふむ、それなら合点がいきますね。
・・・・・・あら、丁度お腹が空いてきた。
「——それでは」
.........頂きます。
大きな口を開けて、夢を頬張る。
嗚呼、思った以上の美味しさに食べ頃の熟度、絶品と呼ぶに相応しいわ。
***
「............あれ?」
目を覚ますと、太陽は頂点に位置していた。
...珍しく寝坊したらしい、魔理沙が笑いながら声を掛けてきた。
「おはよう、霊夢。珍しく寝坊だな」
いつもの皮肉ジョークではない直接的な言い草に、大分寝てたんだなと察した。
ついでに魔理沙を殴りたいとも思った。
だって、仕方ない。
「こんな天気じゃ寝たくなるでしょ」
空を見上げると雲ひとつない快晴の青空が目に映った。
- Re: 【東方project】 夢の支配者 【ドレミー・スイート】 ( No.3 )
- 日時: 2017/05/05 11:14
- 名前: 霹靂神 (ID: VKUUDnij)
【嫉妬姫の困難】
——お腹が空いた。
軽く一週間は何も口にしていない気がする。
胃はぐぅぅぅと鳴くことすら放棄し、ただただへこむばかりだ。
............幸せに暮らす奴等が妬ましい。
「何で...、私の能力が効かない訳?」
あまりの苛々に、いつもの陽気さなどどっかに行ってしまった。
残ったのは死に物狂いの嫉妬心だけ。
私の栄養分...謂わば、食事というものは簡単に言えば他人の嫉妬..。
いつもの私であれば、能力を使って嫉妬心を煽り食べ頃までネタにする。そうすれば、ようやく食事にありつけるって訳だ。
しかし、可笑しくも、今日という今日も妬みという欲にありつけないでいる。
いや、普段、人間というものは常々嫉妬という心が働いている。...それは、僅かなる妬みでその場で食した所で何も美味しくはない。
だから、私の能力を用いって嫉妬を膨大させる。すればするほど、憎しみ・怒りなどの感情も徐々に混じってくる。...その時こそが美味しいのだ。
ここまで語れば第三者のあんたも分かるだろう?
人間にとっては朗報であるかも知れないが、私にとっては甚だ迷惑でしかない。そう、“私の能力が効かない”んだ。
「ホント...ワケわからない。自分が妬んだって意味ないのよ」
舌打ち混じりに、精一杯の怒りを込めて吐き出す。
嗚呼、こんなことになるなら食べ頃の妬みを集めておくべきだった。
自分が妬んだって、他人の僅かな妬みを食べたって、腹は膨れることはない。
食べ頃の妬みを食べることこそが私の食事なのだから。
——————うーん、大分入り組んでましたねぇ。大丈夫ですよ、橋姫さん、これは夢です。
エコーが掛かったような声が脳内に響いた瞬間、目の前の景色が真っ白になった。
左右上下、全部真っ白い部屋に放り込まれたみたいな、そんな印象を受けた。
....どういうこと。さっきのは声の通り夢だったってこと?
「ひッ!?」
「.....?そう怯える必要はありませんよ?」
いや、怯えているわけではない。
振り返った瞬間に謎の人物が居たから、驚いて声を出しただけだ。
....何、震えている足は気のせい、気のせいだ。
いやだって、得体の知れないピンクの固まりと高級感溢れる本を手にしている人が居たら吃驚するでしょう。
アワアワと混乱する頭を落ち着けようと脳内で奮闘していると、不意に目の前の奴が口を開いた。
「...ヒ、いッ..」
「私はドレミー・スイートと申すものです。ふふ、あなたの夢を食べにきたのですよ。つい先程まで、悪夢に魘されていたでしょう?」
ドレミーという奴の声と私の僅かな悲鳴はほぼ同時に音を奏でた。
その所為か、ドレミーには気付かれることは無かった。うん、不幸中の幸いというものだろうか。
ドレミーは眉を八の字にし、眠たげな半開きの眼に逆三角形の口を作る。
どや顔ともしたり顔ともとれるその妙な顔付きの笑みは言い知れぬ大物感を与えた。
無論、語るまでもなく橋姫こと——水橋 パルスィはその笑みによって更に怯えることとなった。
「もう朝ですね...。出来れば貴女の誤解を解きたかったものですが、ここでおいとまします。...また、会うことが無いことをお祈りしています」
「は.....は、はは...」
ドレミーが私の視界からマジックみたいにその場から消えた。
いや...何、あの人..。助けにきてくれたのだと分かっているけど、威圧感と雰囲気がミスマッチしていて怖い。
私は渇いた笑いしか出来なかった。怖すぎて。
***
「....ん..、変な夢、見た気がする」
具体的に何かは分からない。
けど、夢を見たという感覚はあった。曖昧なフィルターが掛かったような、そんな感じ。
でも、思い出さない方がよさそうだ。
「夢なんて、ねぇ...」
- Re: 【東方project】 夢の支配者 【ドレミー・スイート】 ( No.4 )
- 日時: 2017/05/18 18:17
- 名前: 霹靂神 (ID: VKUUDnij)
【狂気の極楽壌土】
「......鈴瑚?...鈴瑚さん?」
「....何処に行っちゃったの...、こんな大事な時に...」
浅黄色の兎は頼らざるを得ない。
ずば抜けた戦闘能力と戦闘特化の能力を備え、それ故か同期には慕われている。
それだけ聞けばなんとも力強いが、実のところ、この兎は目も抜け落ちるぐらいに馬鹿だ。
それこそ頭が弱い、のレベルではない。否、ある意味天才的ではある(騙されやすい面として)
浅黄色の兎は何処へ行く。
然し、その馬鹿加減でさえもカバーをこなす戦闘能力のお陰でこの兎はここまで上り詰めた。
....って言っても、それでも尚、底辺枠なのだが。
——ザッ、ザッ、ザッ
「.........?」
振り返ってしまっては最後。
浅黄色の兎は何を見た?
***
「ヘカーティア」
「何かしら?」
「こんな兎を見つけたのだが、どう思うだろうか」
「如何にも馬鹿って感じね」
「流石、ヘカーティアですね」
・・・・。
・・・・・・・・。
・・・ん?いや...待て、何これ?
よく分からない、初めて見る人物......な気がする。
誰だろう、サグメ様の友達?ううん、絶対に違うよね。サグメ様の友達がこんなのであったら吃驚し過ぎて漏らすわ。
「サグメとやらの女神に仕えてる兎だろうか」
「そうじゃないかしらね?........サグメって誰かしらん?」
「うどんちゃんから聞いたのです」
(うっひょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?)
待って。
本当に話が分からない。
えーと、この人達は...サグメ様とうどんちゃん?って子と知り合いってこと?
うどんって誰!?
なんかあの食べ物みたいな名前だけど誰!?
怖いしびっくりするし混乱するしで本当に漏れてるんだけど!きっと今多分、下着が黄色になってるよ!?
「うどんちゃん...、ああ、うどんげっていう奴?」
「そうです。うどんちゃんからサグメと聞きました。サグメは何でも、起こるはずの運命を引っくり返す...とか」
んーと...うどん=うどんげ、いや駄目だ(イントネーションとニュアンス的に)
うどんちゃん=うどんげって事だよね。この人達とうどんげは知り合いってこと?
....え!?
うどんげはこんな人達とつるんでるわけ?純情そうに見えて結構やるな彼奴!!
いや純情も糞もないけどね!!裏切ってるから。
「....あら?この兎、排泄してるわよん」
「本当ですね。一度家に連れて帰りましょうか」
排泄って....今さらかよ...。
今さらかよ(二回目)。
あれ.....?...家に連れて帰る...?
・・・・・・危険だ。メーデーメーデー——
Page:1