二次創作小説(紙ほか)
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- 【終わりのセラフ】鮮血の吸血鬼
- 日時: 2017/05/29 18:59
- 名前: 結縁 ◆2EdfAALurA (ID: xEKpdEI2)
◆はじめに
閲覧頂きありがとうございます
つい昨日、1~14巻(ファンブック 小説は除く)を購入しまして……終セラブームが来てたりします
アニメから終セラを知り、ようやく漫画を入手したということで……原作沿い+恋愛要素を盛り込んだお話を書きたいと思います
自己満足なものとなるとは思いますが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです
*落ちはミカくんを予定しておりますので、その辺あしからず……
◆設定>>1
◆第零話>>2
- Re: 【終わりのセラフ】鮮血の吸血鬼 ( No.1 )
- 日時: 2017/05/29 19:01
- 名前: 結縁 ◆2EdfAALurA (ID: xEKpdEI2)
◆設定
【名前】スカーレット・バートリー
【歳】18歳前後の容姿
【容姿】純白の長髪で姫カット、腰辺りで一つ結び。猫目の紅い瞳に桜色の唇。肌は白く華奢。身長154㎝
【立場】吸血鬼だったが軍に保護され、鬼神と化す
【人間関係】フェリドの義妹。幽閉されていた、第零位の始祖であり未知数の力を秘めている
【異名】鬼神
【能力】自身の血液を自在に操り、吸血鬼でありながら、鬼呪装備を扱える
【鬼呪装備】紅華……黒い影のような姿をしており、表情が見えない
- Re: 【終わりのセラフ】鮮血の吸血鬼 ( No.2 )
- 日時: 2017/05/29 19:11
- 名前: 結縁 ◆2EdfAALurA (ID: xEKpdEI2)
第零話
ずっと疑問にすら思わなかった。
一人、鎖に繋がれ幽閉されても。
それが私にとっての普通だった。
だからあの日も、兄であるフェリドの言うままに血を飲んだ。
生きるために、渇きを潤すために……それが誰の血かも知らずに口にしていた。
*
その日は兄の機嫌がやけに良くて、不思議に思っていた。
けど、鎖に繋がれた私に理由を知る術はなくて、気にはしてもどうすることも出来なかった。
静かで暗い一室で、ぼんやりと過ごしていると、不意に兄の声と悲鳴じみた声が聞こえた。
次いで鼻腔を擽る甘ったるい香りも。
どうしても香りが気になって、私は初めて鎖に手を掛けた。
そして、勢いよく床に叩きつける。叩きつけた腕は痛んだけど、想像よりもずっと簡単に鎖は外れた。
手足両方の自由を確認してから、香りの方へと近付いて——
見てしまった、沢山の人間が倒れているのを。
兄がその中心で笑ってるのを、そして、香りの持ち主は血だらけで倒れて——
やがて子供が一人、兄を銃で撃ち抜いた。そして叫びながら、扉へ向かって走っていく。
その後ろ姿を眺めていると、クルル様が現れた。
そして甘い香りのする子供の元に近付いて……その子を助けた。
その様子を見た瞬間、これまで感じたことのなかった、ズキズキとした痛みが胸を貫いて。
気が付いたら逃げ出していた。
ここじゃない場所、扉の向こうへと。
*
外へと出て、数時間が経った。
宛もなく歩いていたけど、空腹の体にはそれが堪えて、徐々に四肢が重くなってくる。
「う、あ……」
気を抜けば立ち止まってしまいそうな足を動かして、少しでも遠くへ行きたくて。
そんな最中だった。
「見つけた、お前が例の吸血鬼だな?」
現れたのは軍服を着た若い男だった。
吸血鬼ではない。……人間の男だった。
男を見て、喉が焼けるみたいに渇くのが分かった。
「うう、あ、やだ、飲みたくない」
そう思うのに、意思に反して空腹な体は、血を求める。
醜い吸血鬼の証だった。
「……お前、吸血鬼が憎いか?」
男がどういう意図からそう言ったのかは分からない。
だけど、思い浮かんだのは……フェリドの顔だった。
「いい顔だ。俺について来い、お前を強くしてやる」
この出会いが全ての始まりだった。
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