二次創作小説(紙ほか)

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ただ喪っただけ。【東方project】
日時: 2017/06/28 21:55
名前: つくも (ID: VKUUDnij)

——とある少女たちのお話。——


《注意事項》
◆東方projectの二次創作です。
◆二次設定/解釈設定含みます。
◆オリキャラは登場いたしません。
◆戦闘要素含みます。
◆グロテスク要素/流血表現含みます。
◆誤字/脱字/誤記等が有りましたら報告してくださると嬉しいです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〔目次〕
0.異変の兆し (>>1)  【最終更新:2017/06/27 19:33】
1.いつもの二人、奇妙な日常。 (>>2)

Re: ただ喪っただけ。【東方project】 ( No.1 )
日時: 2017/06/27 19:33
名前: つくも (ID: VKUUDnij)

【異変の兆し〜博麗神社】


妙に人気のない神社。
辺りはやや薄暗く木々が生い茂る。
そう、これこそが博麗神社。
参道は獣道であり、参道ならぬ山道。
しかも神社までの道のりには幾つかの妖怪の棲み処が存在し、神社にたどり着く頃にはボロボロになっていることだろう。
その為にこの神社は人気がなく、ただただボロいだけであ——。
....ん?気が付けばいつの間に、戸が開いている。
どうやら私が物思いに耽っている間に、管理人が出ていったみたいだ。

残念だ。博麗神社のお話は又今度と言うことになる。
まぁ...、私の目的は神社の紹介をするわけでも何でもないのだが。
この神社の管理人である巫女——博麗 霊夢を探しているのである。
我々、妖怪たちは親しみを込めて霊夢、空飛ぶ巫女、博麗の巫女等と様々なあだ名で呼ぶ。
無論、私は霊夢と呼ぶが。


「紫?用が無いなら帰ってくれるかしら。...それとも、喧嘩を売りに来たの?」
「あら、失礼。ご用件がございます、それを伝えにね」


右から矢の様に飛んでくる怒りの声。
声のした方へ顔を向けると、例の彼女が立っており、余程苛ついている様子で顔を滅茶苦茶に顰めて眉間には深い皺を寄せている。
又、返答次第では退治するつもりなのだろう、手には札と祓い棒がしっかりと握られている。
彼女の苛々を倍増させてしまうかもしれないが...、私は出来るだけ落ち着いた様子で受け答えする様に心掛けた。
そう、それは彼女が呆けるか冗談かと受けとるか...。
フッと澄ました顔を取り繕えば、単刀直入に述べては常備している扇子を取りだし広げる。

扇子で口を隠しながら、彼女の顔色を伺う。
余程疑い深いのか、瞳には疑念の感情が露になっているし、握られた拳には少しの青筋が目立っていた。
...ふふ、こうして見れば、先代の巫女より大分可愛いものね。


「ああ、そう。...何の用?」
「...異変ですわ。そう、それも深い深い、複雑な..」
「.........?とりあえず大変って事よね」


ぶっきらぼうに乱暴に答えた彼女の顔は呆れを大きく主張している。
それでもやはり、眉間に皺を寄せたままで心底面倒そうに問い掛けてきた。
その僅かに魅せる好奇心と救世心に、口角をあげそうになるのを堪えつつも、酷く切ないぐらいに難しく想像もつかぬ様な答え方を敢えて取ってみせた。
そう、この用は私でさえも深くはわからない....、正に果ての異変であった。
だからこそ、誤魔化すかの様に、敢えて難しく言ってみせた。
恐らくこの異変は短時間では解決しようがない。
長期間を経てこその解決だろう。
そう私が言葉を返せば、彼女は不思議そうに首を大きく傾げた。
その直後、まるで承った様な態度で先程とはコロリと様子を変えて此方をジラリと見詰めてきた。
そうして一言、楽観的にいとも簡単に述べる。

                                   ...
私は異変が起こったこと、ただそれだけを静かに伝えれば、その場から静かに去った。
彼女からの問いは聞きたくなかった。




          ***




その場、一人取り残された霊夢はただただ首を傾げるだけであった。
去って行ってしまったもう一人——八雲 紫に対し、違和感を感じたのだ。

突然の嵐。
突然と言うまでには突然過ぎた異変の始まり。
そして——八雲 紫の感知の速さ。
霊夢は全てに全て、違和感を持った。

Re: ただ喪っただけ。【東方project】 ( No.2 )
日時: 2017/06/29 15:46
名前: つくも (ID: VKUUDnij)

【1.いつもの二人、奇妙な日常。】

その壱・>>3 【最終更新:2017/06/28 22:19】

Re: ただ喪っただけ。【東方project】 ( No.3 )
日時: 2017/06/28 22:19
名前: つくも (ID: VKUUDnij)

1.いつもの二人、奇妙な日常。

      ーーーーーーーーーー

昔々ながらの、年代を、歴史を感じさせる遺産物。
その傍らにはつい最近出来た、最新の且つ最先端でコンパクトな建物。
古びているが何処か落ち着く様な色みを抑えた、古代に造られた世界観と最近なまでに造られた無機質的な世界観が、ごちゃごちゃに混じっている。
空は昨日より鮮やかさを失い、機械的だとも感じた。
道往く人々は暗い雰囲気の佇まいで、人生に疲れきった様な表情を魅せている。

——此処は京都。
私達、秘封倶楽部はポピュラーからマイナーまで、様々なオカルト・不思議を探し求めている。
例により、私達は京都へと足を運んでいたのである。
......にしても、噂には聞いていたがこれ程までに時空が入り組んでいると、何が何だか分からない。


「...ああ、メリー?何処に在るか分かる?」
「分かる訳無いでしょ」


京都の風景に見呆けてても駄目だ。
現在、私の隣に同じように立ち尽くしている倶楽部仲間——マエリベリー・ハーン、通称メリーに声を掛ける。
私のいつもの問いを聞けば、彼女は呆れを通り越した薄ら笑いの笑みで“いつも通り”の言葉を返した。
此処まではテンプレ。いつも通り、他で表せば日常って奴だ。
次のメリーの返答次第で宛先が変わる。新しい情報を引き出す事が出来るかどうか、に掛かっている。

メリーの僅かに上がった口角に気付き、私も静かに口角を同じように上げる。
少しながらに、徐々に気分が高まっていくのが分かった。私も彼女も。


「...でも、博麗神社ってのが有るらしいから其処に在るのかも......」


.........ふぅん、博麗神社。
聞いたこともないその名前は、不思議とあたたかく懐かしいものを感じた。
又メリーの曖昧にする語尾と言うことは、御得意のあの夢の中に存在する境界って事なのだろう。
異世界であっても、別の世界にそれが存在する事が有るらしいから、そのパターンなんだろうな。
...だとしたら、我々はその異世界へと足を踏み入れる事となるのだろうか。否、それも面白いから良いが。

そう思いながら、長年も使い古したスマートフォンを取り出して「はくれいじんじゃ」と検索してみる。
不思議な事に、ヒット数は幾ら調べ直してみても0、すなわち情報が無かった。


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