二次創作小説(紙ほか)
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- 文ストー双黒誕生秘話ー
- 日時: 2017/07/16 22:32
- 名前: 瞑想少女 (ID: 0K0i.3Zc)
ある組織をビルごと消し去った双黒の誕生秘話を書かせていただきます。
ごゆるりとご覧下さい。
感想、リクエストは受け付けますので気軽にどうぞお願いします。
- Re: 文ストー双黒誕生秘話ー ( No.1 )
- 日時: 2017/07/16 23:09
- 名前: 瞑想少女 (ID: 0K0i.3Zc)
此処は横浜の夜、横浜に住む者は、この時間のことを「異能力者の時間」
又を「ポートマフィアの時間」と呼ぶ。
ポートマフィアとは、異能力者の集う非合法組織である。世で云う悪党と
呼ばれるものに分類される。そのポートマフィアの長である森鴎外の隣には
一人の少年が居た。
彼の名は太宰治。彼は普通の人々と異なる点が少々多い。まずは、自殺癖
だ。彼は死を自分自身の肌で、目で、耳で、全てで感じたいと願い、川があ
れば飛び込み、縄があれば首を絞め、崖があれば飛び降りる程、自殺のこと
を四六時中考えている。彼が傷だらけなのは自殺癖が理由である。
もう一つは、持っている異能についてだ。彼の異能は「人間失格」。
あらゆる異能がある中、彼の異能力は「異能を無効化する能力」という珍し
い能力である。彼が触れれば、どんな異能力者でも無能な人間に等しくなる。
恐ろしいと言っても過言ではない程の異能だ。
彼は14になって、森鴎外からある少年との対面を命じられている。
その少年については詳しい情報はなく、只分かるのは、その少年は体術がす
こぶる優秀なことだけである。
太宰は、その少年を今、正に対面する直前である。
「私に合う人ならいいが…」
太宰は座っている自分の影を見ながら呟いた。
- Re: 文ストー双黒誕生秘話ー ( No.2 )
- 日時: 2017/07/17 10:35
- 名前: 瞑想少女 (ID: 0K0i.3Zc)
コンコンコン、と乾いたノックの音が部屋に響く。森が「どうぞ」と云えば、扉が開き、着物に身を包んだ一人の女性と、幼そうにも見える少年が居た。
「久しいのお、鴎外殿。」
彼女の名は尾崎紅葉。異能力者であり、金色夜叉を操り、あらゆるものを打ち消す事が出来る。彼女は自分の横にいる少年に前に出て、自己紹介をするように促した。
黒いコート、黒い帽子、黒い手袋、全身黒い服を纏い、橙色の髪を肩まで伸ばしているので少女と捉えても良いほどだ。少年は帽子を取り、その場で軽く一礼した。
「中原中也です。以後お見知りおきを。」
軽く笑みを浮かべるその姿は、何処か寂しさを感じる。森は、ニコリと微笑み、
「中原君、宜しくね。太宰君も自己紹介をするといいよ。」
と云えば、太宰の方を見る。
「私の名は太宰治。宜しくね。」
太宰がニコリと微笑みながら自己紹介をすれば、中也は「はい。」と微笑み返した。
「では私たちは席を外すから、仲良くしててね。」
森と紅葉が席を外せば、太宰は自分の椅子の隣に座るよう促し、口を開いた。
「中也って貰いっ子?」
「はい。」
「私と同じだね!ところでさ、中也は作り笑顔が上手だよね…?」
太宰に云われれば、中也はばっと太宰の方を見て「手前っ…」と驚きの表情を見せ、深呼吸をすれば、「どういう事ですか…?」と尋ねる。
「そのまんま。化けの皮を見破られてびっくりした?」
「いえ…」
「まぁ破れたって事で、私達同い年だから堅苦しい感じは要らないよ!これから一緒に色々とやっていくんだから!ね?」
「あ、あぁ…。」
何処かイラつき、怪しく、ミステリアスな太宰を見て、中也は、コイツとなら距離を取らなくても良いと感じ、先程の悲しそうな、寂しさを感じる笑みでは無い、不敵な笑みを浮かべ、まるで馬鹿にでもするかのような口調でこう云った。
「じゃ、宜しくな、太宰。」
「勿論だとも。」
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