二次創作小説(紙ほか)
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- 【fate×ダンまち】颶漣ノ皐月
- 日時: 2017/08/10 00:06
- 名前: 屋久島 (ID: vx9vqVej)
fateのランサー兄貴が、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていないのアイズさんに召喚される話です。
- Re: 【fate×ダンまち】颶漣ノ皐月 ( No.1 )
- 日時: 2017/08/10 00:07
- 名前: 屋久島 (ID: vx9vqVej)
「ッ、団長!」
—————その日は、異常なまでに運が無かった。
最高階層記録の更新を追えた所までは順調に歩めていた。
そこで現れた巨大な敵をベートの一撃で仕留めたその時に、音に寄せられて集まって来たのか、何故か大量に増殖したモンスター達がやってきてしまったのだ。
そこまではまだいい。私のファミリアには高レベルの者が何人もいる為、全員が出向けば支障は無い。
そう、その筈なのだ。その筈なのに、何故かその日に限ってレベル3から4の冒険者によって作られる罠解除班が罠の解除に失敗してしまい、五階層ほど下に落下してしまった。
まさに不運に不運が重なった大惨事。
全員が協力して敵を倒して行ってはいるが、私自身最早魔法の行使すら難しい状態。
余力を残していたとは言え、連日連夜戦いずくめだったせいだろう。普段の皆なら防げる攻撃もかわせず、当てられる攻撃も当たらない。
何とか剣を振るっているようなものだ。
まだまだ押し寄せてくるモンスターの大群を押さえられるほどの力は、全員残っていない。
正直言って、どうしようもない。
ここで全滅するか、少人数を逃がして他のものたちを犠牲にするしか道は無かった。
………いや、待ってくれ。
あるじゃないか、ただ一つ、私だけが知っている『奇跡』を起こせるかもしれない方法が。
近くに落ちていたモンスターを拾い上げ、その体液で魔法陣を描く。
本来なら魔法の行使に使われるものだが、今回ばかりは違う用途で使わせて貰おう。
剣士として修行を積んできた私は魔術師より魔力のステータスが少ない。
その少ない魔力も使いきってしまいそうなのに、これを使えるかなんてわかりやしなかった。
母から受け継いだ魔法。
もう病んでしまった母以外には私しかしらない、禁術。
「…素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
吸いとられていく魔力。
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
自然と、無くなってきたはずの魔力が沸いてきた。
私に向いていたヘイトが他の人に向いてしまい、血飛沫が増えた。
「—————Anfang」
「——————告げる」
「————告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
「誰だって良い、なんだって良いから、皆を助けて————!」
激しい、目を焼くような光が満たされた。
モンスターの視線も、仲間の視線も、全ての目が此方に集う。
光が止み、そこから影が生まれ————そして。
そこには、青いタイツを着た青年の姿があった
「サーヴァントランサー、召喚に応じ参上した。
……まあ、よろしく言ってる暇は無さそうだな」
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