二次創作小説(紙ほか)
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- 愛しの…
- 日時: 2017/12/26 22:22
- 名前: ゆー (ID: Mm9jHYga)
阿部隆也
- Re: 愛しの… ( No.2 )
- 日時: 2017/12/26 22:44
- 名前: ゆー (ID: Mm9jHYga)
「花井くんかと思った」
「ええ、だったらサッカー部の上野がいい」
「うける!」
あいはまだ初恋を経験していない。
だからよく分からない。
「あいってさ…彼氏いたことある?」
「ん?新手のマウンティングか?」
焼きそばパンをむせながら友人の桐奈に言葉を返した。
「ちゃうちゃう、私もいたことない」
「一人」
「三人」
「しゅげー!ねぇ、えっちしたの?」
「はれんちだぁ」
桐奈とあいは身を寄せ合い、彼氏が過去に三人いたという沙菜を軽蔑する目で見た。
「するわけないし!大体、そんなことして責任取れないでしょ」
「まだ何も知らないサルが高校にもいるからね」
「怖い怖い」
「まぁ、私には無縁だけどね」
焼きそばパンを頬張るあいを見て三人は、何故か安心感を覚えた。
- Re: 愛しの… ( No.3 )
- 日時: 2017/12/26 23:03
- 名前: ゆー (ID: Mm9jHYga)
9月なのにあっちぃよぉ〜。7組は午後の日差しがキツい場所に位置する。私服校の西浦高校に、JKらしくなんちゃって制服を着てきたあいも午後は短パンに半袖である。
「うぅ〜座ると太もも汗かく〜」
「あるあるすぎてつらいね」
「ワンチャン、ホームランバーバレないよね?」
先程彼氏が一人いたと発言した、本山友紀と数学の時間に後ろの席で野垂れ死にしていた。右隣に友紀、左側即ち一番窓側には阿部隆也。
「あい!…go!」
教師が黒板に体を向けて数式を書き始めた瞬間、友紀の合図で売店で調達した半ば溶けたホームランバーをあいは急いで開封した。
「たはっ!全部出てきた!やばいやばい」
ホームランバーは液体と化して袋から、水のように溢れた。友紀はそれを見て笑い転げ、あいもパニックで、なんともシュールな光景である。
「は、腹痛てぇ…あははっ…」
「床にホームランバー見送ったんだけど…あひゃひゃひゃっ…」
溶けて床には牛乳が飛散したようになっている。やることが小学生以下である。
「…あんさぁ、だいぶこっちにもかかってんだけど」
「へ?あ!ごめんなさい!拭きます」
阿部の学ランの膝のあたりに、ホームランバーが水滴のようについている。とりあえず謝罪をしたあいは、鼻炎持ちの友紀から箱ティッシュを貸してもらった。
「あいが責任持って阿部くんの学ラン綺麗にするんだよ〜」
「クリーニング代出すね」
「いや、違くて、斜め上だよねあいって」
阿部くん気になる発言したあいに、気を利かせたのに…
- Re: 愛しの… ( No.4 )
- 日時: 2017/12/26 23:13
- 名前: ゆー (ID: Mm9jHYga)
「拭くね」
「は?だ、大丈夫だって」
阿部くんに嫌われてる。
あいは阿部くんが座っている足元に立ち膝をして、ホームランバーの付いた斑点部分をティッシュで拭きだした。
あ、阿部くん、めっちゃ筋肉ある。
「本当に、いいから」
「いや、ごめんなさい」
うわ、これ結構やらかしたかも。真面目にクリーニング行き。どうしたらいいか分からなくなり、友紀にヘルプを求め目線を合わせると友紀は笑顔で頷いた。クリーニング代割り勘OKってこと?え?意思疎通不可。
あい!頑張って…!
「汚しちゃって…目立つね」
「わかんねーから、もういいわ」
あちゃー…
「阿部の奴ぅ、赤くなってんのぉ」
水谷くんが阿部くんを見つめてニヤニヤしていた。阿部くんは水谷くんに中指を立てていた。
- Re: 愛しの… ( No.5 )
- 日時: 2017/12/26 23:27
- 名前: ゆー (ID: Mm9jHYga)
水谷と花井が俺に微笑んでいる。
「なんだよ」
「お、お前授業中に何やってんだよ!」
花井が赤面しながら俺の机をバンバン叩いている。
「あいつらが授業中に溶けたホームランバーぶちかまして、俺のズボン汚しただけ」
「んで〜紅野がぁ〜阿部の下腹部拭いてたんだろ?」
「クソレフト馬鹿野郎、ちげぇよ」
確かにあのときは俺も戸惑った。脚とか色々無意識に目のやり場に困るし、そもそも見上げられるとなんか、怒る気もないっていうか。三橋ではないけど。
「あぁ、そうだ。今度の練習試合なんだけど茨城まで行くらしいぜ」
「モモカンが言ってたな…前渡?」
「うわ!強いじゃん」
「どうやって試合組んだんだよ…」
前渡学園は昨年甲子園ベスト8。主力は全てと言っていいくらい皆3年で、頑張れば一応本気になってもらえるかもしれない。そのためには、三橋にも言っとかないと。あ、でもあいつ確か、今日鼻声だったような。夏風邪?は?嘘だろ、どうすんだよ、また寝込んだら
「また三橋のこと考えてる…」
- Re: 愛しの… ( No.6 )
- 日時: 2017/12/27 06:07
- 名前: ゆー (ID: Mm9jHYga)
暑いと頭から水を被るという、もはや行水の域には達するにしうらーぜ。4kmのランニングから帰ってきた彼らは田島様以外は元気がなくなっていた(三橋も何気体力ある)
「じゃあ、5時まで休憩!」
篠岡千代はドリンクを抱えて彼らの元に走る。