二次創作小説(紙ほか)
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- 前篇 銀魂 白夜叉は・・・
- 日時: 2017/12/27 10:26
- 名前: 白銀 (ID: zKniY0ST)
皆さんこんにちは。白銀です。捕まった烏間先生2では、いくつか感想をいただくことができました。とてもうれしいです。これからもっともらえるように精進してまいります。
さて今作は再び銀魂の夢小説に戻ります。内容は、銀さんがまだ攘夷戦争で白夜叉として名を馳せていたころの話です。新八や神楽は出てきません。
銀さん負傷ネタです。苦手な方は読むのを中止してください。
誤字脱字があったらコメントに書いておいてください。
↓ではどうぞご覧ください。
——ドォン
爆発のような音がした。その音におびえる二人の子供がいた。天人に村を焼かれ逃げるタイミングを逃してしまい焼跡の陰に息を殺して天人がいなくなるのを待っていた。二人は兄弟なのか、兄らしき子が女の子を必死に守っていた。
「怖いよぉ・・・」
「大丈夫。すぐにこんなやつらいなくなるから。あともう少し待てばきっと大丈夫。僕が守ってあげるから。」
「・・・うん」
女の子がうなずいたと同時に二人がいる家屋に誰かが入ってきた音がした。口を抑え声を出さないようにしたが、心臓の音がやけにうるさい。相手に聞こえてしまうのではないか、そう心配した時だった。二人に光がさした。隠れている場所がばれてしまったのだ。
「っ!!お願いです!どうか命だけは助けてください!!」
兄は相手の顔を見る前に必死に懇願した。自分ではなく妹の命だけは助けてほしかった。相手が腰から刀を抜く音が聞こえた。
ああ、僕は何もできずに殺されてしまうのか・・・そんなふうに思った時だった。
——ザシュッ!!
何かが斬れ倒れる音がした。
「おい大丈夫か!?」
誰かが駆け寄ってきた。その人は、いまどきとても珍しい銀色の髪を持ち瞳は燃え盛る火のような真っ赤な目を持った人間だった。
怖い、、そう思った。だがその人はお構いなしに兄妹の体をくまなく見て怪我がないか確認した。
「怪我はなさそうだな。逃げ遅れたのか・・・」
「あの・・・なんで僕たちを・・・?」
「何でって、俺は別にお前らが見えたから倒したってわけじゃねぇ。こいつがいたからだよ。」
その人は指をさした。その方向には先ほど自分たち兄妹を殺そうとしたのであろう天人が横たわっていた。
この人が助けてくれたのか、とそう思い、礼を言おうとしたその時だった。
——ドォン
近くで爆発が起きた。
「チッ、ここにいたらあぶねぇ。俺が安全なところへ連れて行ってやる。立てるか?」
その人は兄弟に手を差し出してきた。
「お前、名前は?」
兄妹を立たせてやりながらその人は聞いてきた。
「僕の名前は、与作(よさく)妹の名前は、花蓮(かれん)」
「与作に花蓮か・・・いい名前だな。俺の名前は————坂田銀時だ」
その人——坂田銀時は自分が攘夷戦争で戦っていること、敵から白夜叉と恐れられていることを教えてくれた。
銀時が与作たちに掛ける声は優しかったが戦場に向けられる視線は鋭かった。その視線の鋭さに与作たちは驚いた。
「あの、銀時さん、花蓮が・・・!」
与作は銀時の名を呼んだ。
「っ、大丈夫か?」
銀時は花蓮に駆け寄った。なれない山道をひたすら歩いたり走ったりを繰り返した足は、マメができていたり、途中ひねってしまったのか腫れ上がってしまっている。銀時は花蓮を軽々とおぶさった。
「早く逃げねぇと・・・与作、おまえは平気か?」
与作も確かに疲れてはいたがこんなところで弱音を吐くわけにはいかなかった。
「大丈夫です!」
そう返事をした時だった。
「白夜叉だぞー!!!あの白夜叉の首を討ち取れ!!!」
天人だった。
「クソッ!こんな時に・・・!!走るぞ!何としてでも逃げ切らなきゃいけねぇ!」
銀時は花蓮をおぶさりながら与作の手をひっぱり山道を跳ぶように走り始めた。だが、子供を連れているため普段の全力疾走ができない。徐々に天人との差が詰まっていく。これでは劣勢だ、と思った銀時は花蓮を下ろし、
「与作、花蓮を連れて逃げろ!」
「でも、銀時さんは!?」
「俺は天人を足止めする。そのうちに遠いところへ逃げろ!!近くに俺の仲間がいるはずだ、ロン毛の奴が目印だ、行けばすぐにわかる!」
「白夜叉の首を取れ!!!」
近くから天人の野太い声が聞こえた。もうすぐそこまで来ているのだ。
「早く行け!!」
銀時に言われ、与作は花蓮を背負い、出来る限りの全力疾走をした。それを見送った銀時は天人の前に姿を現した。
「貴様、先ほどまで連れていた餓鬼どもはどうした?」
どうやら見られていたらしい。
「んなこと、俺が知るかよ。あの餓鬼どもが俺に勝手についてきたんだよ。ったくあいつらのせいでてめぇらに見つかっちまうし、散々だ」
「だろうな。白夜叉が人を助けるわけないものな。何せお前は白夜叉(オニ)なのだか・・・」
言い終わらぬうちに銀時は天人の首を跳ね飛ばしていた。
「き、貴様!!」
それが戦いの最初の合図だった。天人は数え切れないほどいた。一対多数。明らかに劣勢だった。だがそれでも銀時は構わず敵の中へ飛び込んでいった。そしてそのころ、ロン毛・・・ではなく桂、坂本、高杉の三人は銀時を捜していた。
「銀時、どこにいるんだ?いたら返事をしろ」
桂が呼びかけても返事はない。
「ったく、銀時の野郎突然いなくなりやがって・・・」
「確か、村のほうへ行かんかったかのう・・・?」
「村だと?どういうことだ坂本、おまえ見ていたのか?」
「わしは金時が村のほうへ行ったとしかいっとらんぜよ。村へ行ったかはわしも知らん。」
「辰馬、案内しろ。あいつのことだ、何かあったに違いねぇ。」
高杉と桂は坂本とともに、銀時がいたであろう村へ向かった。
だがその時、背後から子供の声がした。
「ロン毛の兄ちゃん!!」
「ロン毛じゃない桂だ!!」
「助けてください!銀時さんが!!」
与作だった。山道を走ったせいで体中泥だらけになっていた。
「お前、銀時を知っているのか。」
「早く来てください!危ないんです!」
与作が坂本に花蓮を預け、桂と高杉を連れもう一度来た道を戻っているころ、銀時は窮地に陥っていた。斬っても斬っても終わらない戦いにそろそろ力が尽きてしまいそうなのだ。
「ハァッ・・・ハァッ・・・くっ」
ついに銀時は膝をついてしまった。体力はとうに限界を超えていて視界がぼやける。力が入らない体を無理やり起こし、何とか立ち上がるが体が思うように動かない。斬っては斬られを繰り返していた。銀時の白かった髪と服は、自分と天人の血で真っ赤になっていた。
(与作と花蓮は・・・ちゃんと逃げられたのか・・・)
ふとそんなことを考えた時だった。
「白夜叉!!覚悟!!!」
背後から天人の雄たけびが聞こえた。首元に襲いかかってきた刀を何とかかわし、自分が斬りかえす。だがその天人に気を取られすぎた。背後から襲ってきた天人に気がつかなかった。
ドスッ!!
天人の刀が銀時がつけていた防具を貫きなおかつ銀時の体をも貫いていた。天人はその刀を思い切り引き抜いた。
銀時は口から血を流しながら倒れていく。もう踏みとどまる力もないのだ。
「やった!あの白夜叉を倒したぞ!これで攘夷四天王の一人を倒したぞ!!」
天人が雄たけびをあげているころ、銀時の意識はほとんどなかった。だが意識が亡くなる直前、こんなことを思っていた。
(こんな俺でも、人を助けるなんてことができたなんてな・・・松・・・陽・・・・・・)
そこで銀時は意識を失った。
——後編へ続く
皆さんどうでしたか?出来るだけ原作の内容に近付けたつもりなのですが・・・
坂本の方言は難しい!!どう書けばいいのかわかりません!!
でも楽しいです。こういうことができてとても楽しいです。
では読者の方、ぜひ後編を楽しみにしていてください!!