二次創作小説(紙ほか)
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- 必ず守る秘密
- 日時: 2017/12/28 13:11
- 名前: 白銀 (ID: zKniY0ST)
皆さんこんにちは。白銀です。もうすぐ2017年が終わってしまいますね。やり残したことはありませんか?私はついに念願の夢小説の投稿ができたので悔いはありません。
さて、今作は銀時が真選組の屯所で話を聞くところから始めます。
拷問シーンがあるので、苦手な方は戻ってください。
銀さん負傷ネタです。
なるべく銀魂の原作に忠実なキャラで書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
↓どうぞご覧ください。
——山崎は銀時が乗ったパトカーを屯所の前で待っていた。
「万事屋の旦那。」
つい銀時の名を呼んでしまった。すると自分の目の前にパトカーが止まった。
「よォ、ジミーじゃねぇか。辛気くせぇ顔してどうした?」
銀時がいつもと変わらない調子で話しかけてきた。それが余計に悲しかった。
「・・・いえ、何も。」
ただそういうのが精一杯だった。
「ふぅん・・・んじゃ、行くか。」
銀時は屯所の中へ足を踏み入れた。銀時が連れていかれたのは取り調べ室ではなかった。
日もささない薄暗い部屋で、取り調べ室というには広く牢屋というには少し狭い部屋だった。部屋の隅に置かれている机の上には何から器具のようなものが置かれていた。
単純に言ってしまえばここは拷問部屋だった。
「ケッ、こんなところに連れてきて俺に何を聞きてぇんだ?」
銀時が部屋を見回して聞いた。
「・・・お前・・・攘夷戦争に参加していたか?」
土方がおずおずと聞いてきた。
「そんなことを聞くためだけにわざわざここに連れてきたわけじゃねぇだろう?他にも聞きたいことがあんじゃねぇの?」
「そうですねぃ、俺たちが聞きたいのは、攘夷戦争に参加していたのか、あんたが伝説の攘夷志士白夜叉なのか、桂や高杉の居場所、なんかが知りてぇんでさァ。」
いつもならこういう発言をしたところでサディストっぽく笑うはずなのだが、今回は違った。
口調はいつもと一緒だが、声がかすかにふるえていた。何故ふるえているのか銀時にはわからなかった。
「お前らに話すのか?」
銀時が聞いた。
「いや違う。お前が話す相手はこの俺だ。」
突然声がしてその声のほうを見ると、ひとりの男が部屋の中へ入ってくる途中だった。
「誰だ、お前?」
「ああ、紹介が遅れたな。俺は早川門兵衛だ。真選組隊士ではない。そこの栗毛の坊ちゃんと同じ、いやそれ以上のドSだ。」
早川はにやにや笑いながら言った。
「いや、それ何の自慢?」
銀時は冷静に突っ込む。
「これからはそんなことをいってられる余裕はなくなるぜ。さあ、あんたらは外に出ろ。でなきゃいつまでたってもはじめられねぇだろ。」
早川は真選組の三人に出るようにせかした。すると銀時の耳元で土方が囁いた。
「いいか、これから聞かれること全部答えるな。答えても必ず否定しろ。俺たちはこれから極秘に活動する。お前が白夜叉ではないことを証明してやる。だから、何とか持ち堪えてくれ。」
「・・・!!」
銀時は驚いた。今まであんなに対立して時には逮捕しかけたのにもかかわらず、白夜叉ではない証拠を集める?
銀時にはただただ驚愕でしかなかった。だが、無理な話であった。実際銀時は攘夷戦争に参加していたし、敵には白夜叉と呼ばれていた。それを否定する証拠なんてでっち上げない限り、無理だった。だが土方のあの言い方では、極秘に銀時が白夜叉ではない証拠を作り上げるからそれまで待っていろ、というふうにも聞こえた。
(ったく・・・どいつもこいつも俺のまわりにはバカしかいねぇのか・・・)
銀時は自嘲気味に笑った。その笑みを土方は了承と受け取ったのか銀時の肩を叩いて出ていった。
「さあ、始まりの時間だ。」
早川はそういうと銀時を壁に微妙な高さでくくりついている枷につけた。両手を使えないように。足も同様だった。括りつけられる前に着物とブーツは剥ぎ取られてしまい、黒のインナーとズボンに裸足という状態だった。
「とんでもねぇ悪趣味してやがるな。お前。」
「それは褒め言葉として受け取っておくぜ。」
二人のこの言葉を皮切りに銀時への拷問が始まった。
そのころ万事屋では神楽が銀時の名を呼んでとび起きたせいで新八と顔面衝突を起こしていた。
「「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」」
二人とも同じように額を抑えて呻いていた。
「何するアル!」
「仕方ないでしょだって神楽ちゃん、呼びかけてもなかなか目を覚ましてくれないんだもん!」
「そうだ、銀ちゃんは!?どこアルか?」
「・・・銀さんから伝言を預かってるんだけど・・・」
「言わなくていいアル。私が直接銀ちゃんの口から聞くネ。」
「神楽ちゃん・・・」
新八がそういうと玄関のほうが騒がしくなった。すると、玄関の扉を突き破って何かが飛び込んできた。
「「うわぁ〜〜〜!!!」」
「新八君、リーダー、銀時が捕まったというのは本当か!?」
桂だった。ついでにエリザベスも一緒にいた。
「桂さん!何でそれを?」
「俺の仲間がたまたま銀時がパトカーに乗って行くのを見たという報告が入ったのでな。確かめに来たのだ。そういうふうに聞くということは銀時は捕まってしまったのだな・・・」
「はい・・・止められなくて・・・」
「銀ちゃん・・・」
「大丈夫だリーダー、この俺が真選組に乗り込んで銀時を助けてやる。だから二人はここで・・・」
「私も行くネ。銀ちゃんは私が助けるアル。」
「僕も行きますよ。それに桂さん一人じゃ、銀さんを助けることができても、今度は桂さんが捕まる可能性もありますし、桂さんが助けにいけば銀さんがより疑われることになります。」
「ぐっ・・・確かにそうだったな。」
そんな会話をしているとふと誰かの気配がした。チャイムを鳴らすのをためらっているのかそれ以上動こうとしない。
「はーい・・・ってどうしたんですか?」
「何しに来たアル。謝罪でもしに来たアルか。とっとと銀ちゃん返せヨ。こうなったのはお前らのせいネ。返せないならとっとと私の前から消えるヨロシ。」
神楽が三人を軽蔑するような目で射抜く。
「「「・・・・・・」」」
三人は何も言えなかった。何も言い返せなかった。その通りだった。自分たちのせいで銀時は捕まることになった。自分たちがもっと早く白夜叉であることを否定していれば銀時が目をつけられることはなかった。
「神楽ちゃん・・・いくらなんでもそこまで・・・」
「いや、いいんだ。チャイナ娘の言うとおりだ。」
新八が神楽をたしなめようとするのを土方が止める。すると三人は、玄関前であるのにもかかわらず人目を気にせず新八、神楽の前で土下座した。
「本当に申し訳ない。俺たちのせいでこうなったが、どうか俺たちに協力してほしい。頼む万事屋。」
近藤が懇願した。
「あいつには何があっても何も言うなと言っておいてある。だからたぶんまだ平気なはずだ。あいつが喋る前にあいつが白夜叉ではないという証拠を作らなきゃいけねぇ。頼む協力してくれ・・・!」
土方も同様だった。
「証拠を作るには俺たち三人だけじゃどうしても手が回りきらねぇ。それに旦那の知らないこともまだ山ほどある。あんたら二人なら旦那のことも俺たちよりは知っているはず。俺たちに協力すりゃあ、ばれれば打首っていうこともありうる。それを承知で頼んでるんだ。俺たちに協力してくれ・・・!頼んまさぁ・・・」
あれだけプライドの高い沖田が地面に頭をこすりつけて懇願してくる。本当なら三人の頭を踏みつけてやりたいところだが、新八と神楽は互いを見つめうなずいた。
「はい、協力します。どうすればいいんですか?」
「銀ちゃんを助けるために手伝ってやるアル。全部解決したら銀ちゃんに甘いものと私に酢昆布100年分奢れヨ。」
「俺も協力しよう。」
「て、てめぇは桂!」
「今は逮捕などしている暇はないぞ。早く銀時を助けなければな。」
「ああ、だが後で必ず逮捕してやる。」
少しだが今までの雰囲気を取り戻しつつあった。
そのころ銀時は早川からの水攻めに耐えていた。
「げほっ、がはっ・・・ごほっごほっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
早川は苦しむ銀時をにやにやしながら見つめていた。
「どうだ?話す気になってくれたか?」
「話すも何も、俺はなにもしらねぇって言ってんだろ。」
銀時は早川をにらみ返した。だが早川にはきかないらしい。
「へへっ、そうでなきゃ面白くねぇもんなっ!」
早川は銀時の腹を思い切りけり上げた。
「ぐっ・・・がはっ・・・」
体の力が抜け床に膝をついてしまう。だが、腕を枷で固定されているため、腕だけがつりあがってしまう。
「おら、立て。まだまだこれからだぜ。」
早川が銀時の髪を鷲掴みにして無理やり立たせた。
「がっ・・・痛ってぇな。」
ぺッと銀時が早川の顔につばを吐きかけた。その行動に満足げにうなずいた早川は、机の上から電気コードを引っ張ってきた。コードの先はプラグとつながっている。
「おい・・・何を・・・」
流石の銀時も動揺している。
「何って・・・聞いても答えてくれない悪い子にお仕置きするんだよ。」
「・・・やめろ。」
「やめない。」
早川はきっぱりとそういうと銀時の体に電気コードをつないだ。強い電流が銀時の体を襲う。
「がっ・・・あああああ!!!!!」
銀時の体がびくびくと震えている。早川はいったんコードを離した。ガクッと銀時の体が崩れ落ちる。
「はっ・・・はっ・・・」
「おい、もうこんなんでへばってんのか?」
「うる・・・せぇよ・・・くそが・・・」
「おいおい、もっとはっきり言わなきゃわからねぇよ。」
そういうと再び電気コードを銀時の胸のあたりにつないだ。心臓が止まってしまいそうなほどの強い電流が再び銀時を襲う!
「ぐあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
銀時の悲鳴はその日の夜中まで続いた。
続く
今作の題名の必ず守る秘密というのは、銀時を救うために新八や神楽たちが土方さんたちと嘘の証拠を作りそれを一生守り続けるという意味を込めてつけたものなのですが・・・どうですかね?納得していただけましたか?
言葉で説明するのがとても苦手なので、わからなかったらスルーしてください。
まだ続きます。新八たちは銀時を救いだせるのか?銀時は拷問を耐え抜くことができるのか?
次回『救い出す!必ず』でお会いしましょう!!