二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 大好きで大嫌い
- 日時: 2018/01/01 14:26
- 名前: kisa (ID: BEaTCLec)
阿部隆也とにしうらーぜ。
- Re: 大好きで大嫌い ( No.1 )
- 日時: 2018/01/01 15:19
- 名前: kisa (ID: BEaTCLec)
ドアを引く大きな音を立てて、彼女は教室に入ってきた。綺麗な顔立ちに似つかわしくない、眉間に寄った皺と鋭い目付き。クラスが凍っている。
「黎子…どうしたの?」
「別に」
え、エリカ様…!でもビジュアルは若干彷彿とさせる部分がある。
「また…彼氏と喧嘩したの…」
「あんなやつマジで意味わかんねぇクソ」
「仲直りしてないの…?」
「浮気された(はあと)」
ニッコォと微笑む黎子の表情は、笑いきれてないひどい形相。話を聞いている友人らも背筋を凍らせ無理やり口角を上げる。
「せ、先輩もひどいことするんだね」
実はこの美少女・久留島黎子(西浦高校1年7組)は半年ほど前から、一学年上の弓道部の先輩と付き合っている。先輩である高多朔からの熱烈アプローチを受け、黎子も今年の6月心を許した。が、しかし、高多はかなりヤバいやつ。野球部マネの篠岡千代に連絡先を渡そうとして、モモカンから返り討ちにあっている。
黎子も分かっていた、浮気症の心配がある男だと。でも顔はかっこいい、頭がいい、弓道部のエースでインターハイベスト8、スタイルよし。浮気さえしないようになれば申し分ない。
「本当に…もうやだ…」
「黎子!死ぬなあああ!」
「先輩殴りにいこ?ねぇ?殴りに行こ?」
「殴ったよ…」
「殴ったの?!」
ガラガラっと今度は静かにドアが引かれ、学ラン姿の男子が教室に入ってきた。
「あ…そこ俺の席」
どうやら隣の水谷の席に間違えて座っていた黎子。水谷は軽やかに地雷踏む。
「…ごめん、うぐっ」
黎子はまだ大泣きしている。
「え?なに?俺、なんかした?」
「ねぇぇぇまじ水谷空気読めや!」
「ぇぇぇぇ!ご、ごめん!」
「お前なんか床に座ってろ!ふわふわ茶髪天使が!」
「わ、わかりました!」
黎子は顔を手で抑えながら自分の席に戻った。わけも分からず、黎子を慰める友人らに精神を潰された水谷はパニックになり、その光景を見ている花井と阿部の元に駆け寄った。
「どうしたんだよあいつら」
「なんか、今の面白くてさ…動画に撮ってたわ」
花井が携帯画面を隣にいた阿部に見せて、くすくす笑っている。
「高多先輩…あんまりいいウワサ聞かないよね、ちょっと気持ち悪い」
「千代の言う通りだよね、本当に」
「…男見る目なくて悪かったね」
「ごめん、違う!違うの!そういう意味じゃなくて、黎子と付き合う前はってことだよ」
篠岡千代のナイスフォローに場が一旦落ち着いた。
ああああああみんなどうせ浮気されて「ざまぁみろwww」とか思ってんだろうなぁ。でもいいや、もう。どうにでもなれ。
最初、嘘だと思った。放課後、先輩の部活が終わるのを待っていた。そろそろ終わる頃だなぁ〜と時間を見て道場の近くで待っていた。弓道場の近くには木が柵がわりに植えられていて、ちょっと不気味だった。電灯に照らされた木の物陰が動いているのがわかった。木の下にはブレザーが投げ捨てられている。恐る恐る近づいていくと…
「さぁ〜く〜」
「さちぃ〜」
先輩の声がする。先輩の声に合わせて影が動いている。朔が他の女の子と…?んなわけない。
「朔!」
勢いよく木陰の前に飛だした。…朔の袴が乱れている。女の子は、先輩だ。先輩のブレザーは無造作に投げてあり、リボンも外されている。静止する3人。
「ご、ごめん…」
「さ、朔…他の女の子と…えっちしたの?」
女の子→先輩は私を睨みつけて朔に抱きついたまま。私に敵意丸出し。
「死ね!!」
朔の腹にヒットした黎子の拳。そこから先は黎子は覚えていない、ただ泣きながら家に向かった。
Page:1 2