二次創作小説(紙ほか)

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家族
日時: 2018/01/05 18:55
名前: 白銀 (ID: zKniY0ST)

皆さんこんにちは。白銀です。
長かった長編も何とか終わりそうです。ここまで長い話を作ろうと思っていたわけではないのですが・・・
それでも楽しいのであっという間でした。
これからもたくさん書いていきたいと思っているのでよろしくお願いします。!
さて今作は、これまでのエピローグという形で進めていきたいと思っております。やっと銀さんを救出することに成功しました。
↓どうぞご覧ください。


銀時が意識をなくした後、屯所は大慌てだった。早川を連行しなければいけないが、その前に銀時の処置が先だった。医者が来るのにはかなり時間がかかるためそのまま放置しておけば死んでしまう可能性があったのだ。
新八と神楽は銀時のそばを離れようとしなかった。隊士たちが銀時の応急処置を終えて少し経った後、医者が屯所に飛び込んできた。
その後銀時を病院に運んだ。その間銀時の手は新八と神楽に握られていた。
腕の熱傷、頭部の打撲痕、全身の切り傷、脱水症状、そして何より一番ひどかったのは衰弱だった。丸々ほぼ三日飲まず食わずで拷問を続けたせいで銀時の体はひどく弱っていた。
銀時は二日ほど目を覚まさなかった。その間、二人は片時もそばを離れなかった。近藤たちが休むように言っても、頑なに首を縦に振ろうとしなかった。
そして銀時が眠り続けて三日が立とうとした日の朝、ようやく目を覚ました。まず目に入るのは真っ白な天井、心電図の音、病院独特の薬のにおい。そして銀時のすぐそばには新八と神楽が銀時に寄り添うような形で眠っていた。微笑ましい光景だった。
このまましばらく眠らせようかと思ったのだが真選組の三人が入ってきたドアの音で目を覚ましてしまった。目を覚ましてまず最初に目に入ったのは目を覚ました銀時だった。
「ぎ、銀さん・・・大丈夫ですか!?」
新八が驚いたような表情ではあるものの銀時を心配している。神楽は、
「銀ちゃん!よかったアル!!」
と言いながら銀時に抱き着いていた。
「痛てて!!痛い、神楽ちゃーん!分かったから離れてぇぇ!死んじゃうぅぅ!」
落ち着いてきたのか神楽は銀時から離れた。その様子を真選組の三人は微笑ましく見つめていたが銀時の目の前に行くと三人そろって頭を下げた。
「すまなかった。」
銀時はしばらく黙ってその様子を見ていたがやがて、
「お前らのせいじゃねぇだろ。だから謝る必要なんざねぇ。」
「けど、旦那・・・!俺たちは旦那を守れなかった!」
「そうだ、あの時俺たちが否定していればお前がこんな風になることはなかったはずだ!」
沖田と近藤が続けて言う。土方も同様に何か言おうとしたが銀時にさえぎられてしまった。
「過去を悔やんでも仕方ねぇ。こうなったのも俺の日頃の行いのせいなのかもしれねぇしな。それにお前たちがここまで俺のためにやってくれたことに感謝するぜ。あんがとな。」
最後の礼は少し照れ臭かったのかそっぽを向いて銀時はそう言った。
「けど、俺たちは旦那を守ることができなかった自分たちが許せねぇんです。どうやって詫びたらいいかわからない。けど俺たちに何かできることがあるなら何でも言ってくだせぇ。」
「そうだ、確かに過去を悔やんでも前には進めん。だから、俺たちがお前に何かをすることで許されるのだとすれば、俺たちは何でもやる。」
「近藤さん・・・」
「ゴリラ・・・」
新八と神楽は銀時を見つめた。判断は銀時に任せるらしい。
「あっそ、わかった。何でもするんだな?じゃあここの治療費はてめぇらが持ってくれや。」
「そ、そんなことでいいのか?」
土方が驚いた様子で聞いてきた。
「俺は金がねぇの。治療費だってバカにならないの。それに銀さん、いろんな奴とこれまで戦ってきてるからね。お前らのいざこざに巻き込まれたこともあるんだからな。本当ならそれの治療費も払ってほしいところだが、俺は優しいからな。今回の治療費だけで済ませてやる。」
言い方は悪いが、その口調からは隠し切れない紛れもない銀時のやさしさが含まれていた。
その優しさは銀時が先生からもらった優しさでもあった。
銀時が白夜叉と呼ばれていたのは、吉田松陽という銀時の師匠を助けるためだった。だが助けたかったのに助けることができなかった。先生か仲間、どちらか選ばなければいけなかった。どちらも選びたくなかった。選べなかった。銀時にとっては大事な先生であり仲間であったから。
だがその時、松陽との約束を思い出した。
【「銀時、私はすぐに戻ります。だからそれまでみんなを、みんなを護ってあげてくださいね。」
松陽が連れていかれていくのを見ていることしかできなかった。松陽は最後に小指を立てた。
「約束ですよ。」】
「・・・さん。銀さん!」
新八に呼ばれて慌ててそのほうを見る。そこには、もう持たないと決めた仲間がいた。いつの間にか持っている。いつの間にか大事になっている。
(松陽・・・俺は今、すっげぇ幸せだよ・・・これが家族ってもんなのか?)
心の中でそうとかけてみると、松陽が笑ったような気がした。もうこの世に松陽はいない。だが銀時には松陽だけではない。新八や神楽のような家族がいる。真選組のような仲間もいる。もう一人ではない。そう思えた瞬間だった。
「どうした新八?」
「いえ、なんだか考え事をしている雰囲気だったので・・・」
「銀ちゃんが考え事アルか?」
「なんだよその言い方は。銀さんだって考え事ぐらいします〜。お前みたいなガキとは違うんだよ。」
「何アルか?私は子供じゃないネ。」
「はいはい、わかりました。二人ともこんなところで喧嘩なんかしないでくださいよ。」
「喧嘩ぐらいするだろ。だって俺たちは・・・家族なんだからな。」
その言葉に二人は驚愕していた。ついこの間は赤の他人と言っていた銀時が自分たちのことを家族と言ってくれた。それだけでうれしかった。
「銀ちゃん!私やっぱり銀ちゃんが大好きアル!!」
そういうと神楽は再び銀時に抱き着いた。
看護婦長に怒られるまで温かい光景が続いた。
(松陽・・・俺にも、家族ができたよ。)


終わり



あとがき
この長編も遂に完結いたしました!ここまで読んでくださった読者の方、本当にありがとうございます!!そしてお疲れさまでした。
原作にできるだけ近づけたつもりなのですが、どうでしたかね?
ちなみにこの長編に名前を付けようかと思っているのですが、思いつきません。
ここまで読んでくださった方、名前を付けていただけませんか?
コメント欄に書き込んでいただけるとありがたいです。


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