二次創作小説(紙ほか)
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- 葉っぱ姫
- 日時: 2018/01/20 16:42
- 名前: 本田はな (ID: fS3ho1RJ)
恋に落ちました。
葉っぱみたいに強くて弱い、あなたに…
🍂🍂🍂🍂
1 若葉の咲く地に
先生の授業そっちのけで僕らのクラスはうるさかった。
僕、石巻 快斗。母さんは快くみんなと仲良くなれるようにってつけたらしい。
ごめん、母さん。
ハブられるのが怖くて一番派手なグループでバリバリ悪いことしまくってます…
「なあ、快斗。これをあそこに置いたらどんな反応すると思う?」
小井出は自分の顔が大きくプリントされたモバイルバッテリーを置いた。
3番くらいに派手な小井出が指さす方向に、仁科 葉琉がいた。
普段は笑わないのに、友達の来るこの系別の授業だけは笑っている。
僕はいつもの悪い顔を作り、ゲラゲラと笑った。
「うっわ、名案!小井出最高なんだけど」
そうだろとにやついて小井出は真顔で仁科の席にそれを置く。
沈黙。
すると、ガタリと仁科が立ち上がり、モバイルバッテリーを持つ。
「先生、落とし物です。授業に関係ないものなんで処理しときます」
そう言って座ると、ペンケースからカッターナイフを出して振り上げた。
「に。仁科さん。それ俺のなんだ。」
小井出が焦って回収すると、仁科さんは微笑んだ。
「小井出君の落とし物だったんだ。先生に言っとくね。」
モバイルバッテリーを小井出からひったくって先生の所に行く途中で仁科さんが笑っていく。
胸をえぐられるような笑み。
その日からぼっちの仁科さんには誰も何もしなくなった。
- :葉っぱ姫 ( No.1 )
- 日時: 2018/02/01 12:42
- 名前: 本田はな (ID: fS3ho1RJ)
2 楽しい世界
それからというもの、仁科さんには葉っぱ姫と、あだ名がついた。
そこらへんに落ちてるだけなのに、変な風が吹いたら何するか分からないかららしい。
それにも頓着せず一人静かにクラスでは本を読んでいて、僕はもっと知りたくなっていった。
ある朝の教室。演劇祭実行委員の僕が教室に行くと、もう開いていた。
先生かなと思いつつ、ドアを開くと仁科さんが机を後ろに下げていた。
僕に気づくと、あの笑みでほほ笑む。
「また、何かあるんですか?」
手を伸ばしたポケットからカチカチと音がしている。
「待って!?お願いだから」
「誰かの命令?それで話しかけてるんですよね?」
彼女の笑みが少し寂しそうで、僕は聞きたいことをいつの間にか聞いていた。
「……ねえ、なんで葉っぱ姫嫌って言わないの?」
笑みが深くなる。
「別に、慣れてますし。なんかカッコイイです。葉っぱ姫。」
「それに、関係ないけど。」
強風で聞こえない大きさで彼女は何かを言った。
この笑顔の裏に、何があるんだろう。
彼女のミステリアスさに、僕はつい言っていた。
「ねえ、また話してもいい?知りたいんだ、仁科さんのことを。」
きょとんとした後、頬を緩ませて君は笑った。
「信憑性0、ですね」
「いいですよ」
って。
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