二次創作小説(紙ほか)

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暗殺教室 過去の時間2
日時: 2018/01/20 17:02
名前: 白銀 (ID: zKniY0ST)

皆さんこんにちは。白銀です。
いわゆる冬アニメというものが放送を開始しましたね。
私は、初めて斉木楠雄の災難の第二期を見ました。とても面白いですね。
あと、七つの大罪の第二期も始まりましたね。早く七人全員揃うところを見てみたいですね。
さて、今作は、前回の過去の時間の続きです。詩織と烏間先生が出会ってから少し先までを書いていこうと思っています。
↓どうぞご覧ください。



「烏間惟臣だ。」
男はそう言った。
「お前の名前は?」
俺はそう聞かれた。殺し屋に名前はいらない。忘れかけていた。けど、そう聞かれはっきりと思い出すことができた。俺の名前は夜叉じゃない。
「・・・詩織。」
俺はぽつりとそういった。こいつだって殺し屋の仲間かもしれないのになぜか俺は本当の名前を言ってしまった。
「そうか、いい名前だな。きれいな名前だ。」
男・・・惟臣は俺の名前をきれいだといった。初めてだった。
「お前の苗字は?」
「・・・覚えていない。」
名前は憶えていたが、苗字は忘れてしまった。殺し屋になってから、名前はいらないものになった。詩織から名無し。名無しから夜叉。そんな風に過ごしてきたからだろうか。頭から完全に抜け落ちていた。
「そうか・・・それで、詩織は何でこんなところにいるんだ?」
「人を殺すため。」
「お前、本当に殺し屋なのか?とてもそうは見えないが・・・」
惟臣は驚いているようだった。どうやら俺が本物の殺し屋なのか疑っているようだった。
「これがその証拠だ。」
俺は刀を抜き惟臣に見せた。それは血塗られた刀。まさしくつい先ほどまで人を殺していた証拠だった。
「っ!」
惟臣はその刀を凝視していた。
「わかった。とにかくここは危険だ。早くここから離れないと・・・」
「なぜ?」
「なぜって、危険だからだ。」
「俺にとってこのようなことは日常茶飯事だ。怖くもなんともない。」
「それでもだめだ。それにお前はケガしてる。そんな状態でここに残っていても死ぬだけだ。・・・お前が殺し屋になったのは何か理由があるんだろう。だったらここで死ぬな。」
その言葉に突き動かされ俺は惟臣の後についていった。しばらく歩いていると突然俺の視界が歪んだ。たまらずに膝をつく。
「おい、大丈夫か?」
どうやら出血が多すぎたらしい。
「このままじゃ・・・!早く病院に行くぞ。」
「だめだ。」
「なぜだ?早くいかないと・・・」
「俺には戸籍がないんだ。だから病院に行っても身分を証明できるものがない。病院にはそういったものが必要なんだろう?殺し屋の仲間から聞いた。」
「そんなもの今は関係ないだろう。」
「それに、見られたくないものもある。」
「見られたくないもの?」
「ああ・・・」
背中の傷だった。きっと見るに絶えないものだろうから、人に嫌な思いはさせたくなかった。
「俺には、絶対に・・・はたさなきゃ、いけない・・・ものが・・・」
「おい!しっかりしろ!」
俺はそこで気を失った。
気を失った後、俺は夢を見ていた。まだ俺に家族がいたころの夢。俺は楽しそうに笑っていた。家族も笑っていた。本当に楽しそうだった。
忘れていたものを少しだけ取り戻せた気がした。そうだ。あの時は毎日が楽しくて仕方なかった。大好きな母親、やさしかった父親、俺と一緒にたくさん遊んでくれた兄、そしてその中で満面の笑みを浮かべている自分。俺のほほを涙が伝った。いつからだろう。俺が泣かなくなったのは。いつの間にか何をしても何の感情もわかなくなってしまった。
嬉しいとか、悲しいとか、すべてを失くした。
「・・・し・・・おり・・・詩織。」
誰かに呼ばれ目を覚ました。最初に目に入ったのは、俺の顔を覗き込んでいる惟臣だった。その表情はどこか心配げだ。
「気が付いたか。」
「・・・ここは?」
「病院だ。」
「何だと!?あれほど言ったのに・・・っ!!」
病院という言葉に驚き飛び起きた俺の体に激痛が走る。
「寝てなきゃダメだろ。お前の体は傷だらけだったんだぞ。」
そういわれ、自分の体を見てみると、ほぼ全身包帯にくるまれていた。露出している部分は、顔と指先くらいだった。
「お前、気づいていなかったのか?」
「ああ。まったく。」
俺の痛覚はどうやら少しおかしいようだ。
「医者も驚いていた。こんな体でよく動いていられたものだとな。」
惟臣は、俺が気を失った後のことについて話してくれた。惟臣が救急車を呼んだこと、俺の身分は隠していること、俺に分かるようにゆっくり話してくれた。
「そうか。大変だったんだな。」
「他人事みたいに言わないでくれ。本当に大変だったんだぞ。」
「・・・俺の刀は?」
「こんなところに持ってきたら警察に通報されてお前が捕まるだろう。だから、俺の家に置いてきた。安心しろ。」
今まで肌身離さず持っていたものがなくなると落ち着きがなくなってしまう。
「そうか。それは信用していいんだな?」
「ああ。それよりお前のその髪型、前髪が鬱陶しくないのか?」
「この前髪が隠しているのも人に見られたくないもののひとつだからな。」
「?」
惟臣は不思議そうな顔をした。どうやら見当がつかないらしい。
「知りたいか?」
「そうだな。知りたい。」
「俺の目は、人とはかなり違うぞ。これを見ればお前は恐怖におののくかもしれない。それでもいいのか?」
「そんなに俺は怖がりじゃないぞ。」
「そうか。」
俺は左目にかかっていた前髪をどかし、惟臣のほうを向いた。
「!!」
惟臣は息をのんだ。その目に映っているのは、右目が黒、左目は空と同じ色の青だった。
「不気味だと思うだろ?こんなやつなかなかいないからな。」
「・・・だ。」
「今、なんて?」
「綺麗だ。」
「へ?」
俺は情けない声を出した。予想外すぎて言葉が出なかった。
「確かに左右で違う色の目をしている人は俺は見たことがない。だが、世界にはお前と同じような目を持つ人がたくさんいる。怖くなんかないぞ?隠すようなものでもないと思うけどな。もったいない気がする。」
「はははははは!」
「何がおかしいんだ?」
「だって、俺のこの目が綺麗だなんて言ったやつ初めてで。・・・ありがとう。」
「やっと笑ったな。」
「えっ?」
「俺と会って初めて笑ってくれた。笑った顔は女らしいな。やっぱりお前は女なんだな。」
「まさか・・・見たのか?この変態!」
「馬鹿言うな!そこに書いてあるだろう!」
惟臣が指をさしたほうを見てみると、枕の上のあたりに名前のところは空白になっていて性別のところに女と書いてあるプレートがあった。
「ほら、俺はこれでお前が女だと知ったんだ。」
「そ、そうか・・・早とちりだったな。すまん。」
「いや、俺もちゃんと言えばよかったな。なぁ、お前はこれからどうするんだ?」
「そうだな。俺はまた殺し屋家業に専念するよ。詩織ではなく、夜叉としてな。」
「お前、普段はどこで寝ているんだ?」
「普通に外だけど・・・」
「それじゃだめだ。よし、俺の家に来い。」
「なんで?」
「外じゃ万が一のことを考えてみろ。警察に補導されたらどう言い逃れするんだ?刀はぶら下げているし、それだけで銃刀法違反で捕まるぞ。」
「それはまずいな・・・。」
「俺の家に来れば外で寝るよりは安全だ。」
「そうだな・・・」
あの時は思っていなかったが、少し強引な気がするがあれが惟臣のやさしさなのだろうなと思えばいいのか、と俺は思う。
それから、俺と惟臣が椚が丘中学の臨時教師になるまで俺は夜叉として惟臣は防衛省の優秀な人材としてそれぞれの仕事に勤しんでいた。
椚が丘中学の臨時教師としての仕事も悪くない。


終わり




あとがき
どうでしたか?楽しんで頂けましたか?
自分で書いておきながらなんですけど、ちょっと烏間先生のイメージと変わってしまった気がします。
ごめんなさい。許してぇぇ・・・
次回は続きではありませんがまた暗殺教室の夢小説を書いていこうと思っています。
気が向いたら是非読んでください。
それでは次回作をお楽しみに!!


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